第285回 血統で見るマル外馬の活躍場所|競馬情報ならJRA-VAN

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第285回 血統で見るマル外馬の活躍場所

2009/5/4(月)

出走枠の制限はあるが、クラシックを含めすべてのG1競走に外国産馬、いわゆるマル外馬が現在は出走することができるようになっている。しかし、以前は内国産馬とマル外馬には、出走レースの選択の幅に大きな違いがあった。マル外馬はどんなに強くても出走できないレースがあり、そうした事態を考慮して創設されたのが今週予定されているNHKマイルCだ。現在はマル外馬もクラシックに出走することが可能になり、同レースは創設当時の意味合いが完全に薄れているが、マル外馬の歴史を語るには外せないレース。そこで今回は、近年JRAで活躍を遂げたマル外馬にスポットを当てて、血統で見るマル外馬の活躍場所を調べてみることにした。データの分析にはJRA-VAN Data Lab.Target frontier JVを使用した。

■表1 マル外馬の収得賞金ベスト30(96年デビュー以降)

順位
馬名
性齢
状況
厩舎
収得賞金
種牡馬
1位
タップダンスシチー 牡12 抹消 佐々木昌三
23185
Pleasant Tap
2位
アグネスデジタル 牡12 抹消 白井寿昭
21630
Crafty Prospector
3位
シンボリクリスエス 牡10 抹消 藤沢和雄
20200
Kris S.
4位
メイショウドトウ 牡13 抹消 安田伊佐夫
19910
Bigstone
5位
エイシンプレストン 牡12 抹消 北橋修二
19540
Green Dancer
6位
シーキングザダイヤ 牡8 抹消 森秀行
17250
Storm Cat
7位
グラスワンダー 牡14 抹消 尾形充弘
16825
Silver Hawk
8位
タイキシャトル 牡15 抹消 藤沢和雄
14805
Devil's Bag
9位
ブラックホーク 牡15 抹消 国枝栄
13035
Nureyev
10位
コンゴウリキシオー 牡7 現役 山内研二
12400
Stravinsky
11位
サウスヴィグラス 牡13 抹消 高橋祥泰
12025
End Sweep
12位
ファインモーション 牝10 抹消 伊藤雄二
11625
Danehill
13位
レマーズガール 牝9 抹消 小崎憲
11430
Defrere
14位
ノボトゥルー 牡13 抹消 森秀行
11260
Broad Brush
15位
エルコンドルパサー 牡14 抹消 二ノ宮敬宇
11145
Kingmambo
16位
ブロードアピール 牝15 抹消 松田国英
10810
Broad Brush
17位
エイシンドーバー 牡7 現役 小崎憲
10450
Victory Gallop
18位
シーキングザパール 牝15 抹消 森秀行
10175
Seeking the Gold
19位
ノボジャック 牡12 抹消 森秀行
10080
French Deputy
20位
アメリカンボス 牡14 抹消 田子冬樹
9435
Kingmambo
21位
マグナーテン セ13 抹消 藤沢和雄
9400
Danzig
22位
イーグルカフェ 牡12 抹消 小島太
9125
Gulch
23位
キンシャサノキセキ 牡6 現役 堀宣行
8775
Fuji kiseki
24位
スターキングマン 牡6 抹消 森秀行
8450
Kingmambo
25位
ミッドナイトベッド 牡15 抹消 小島太
8260
Housebuster
26位
フェラーリピサ 牡5 現役 白井寿昭
8260
Touch Gold
27位
アグネスワールド 牡14 抹消 森秀行
8080
Danzig
28位
クロフネ 牡11 抹消 松田国英
8050
French Deputy
29位
エアエミネム 牡11 抹消 伊藤雄二
7775
Danehill
30位
ゴールドティアラ 牝13 抹消 松田国英
7650
Seeking the Gold
※1996年以降にデビューした現15歳以下の馬を対象。賞金の単位は万円。

上の表1は近年JRAで活躍したマイル外馬の収得賞金ベスト30を並べてみた。具体的には1996年以降にデビューした現15歳以下の馬を対象。本年4月末時点での収得賞金で集計した。ザッと顔ぶれを見ると、競馬ファンならば誰もが知っているような名馬がズラリと並ぶ。キャリアを重ねて本格化し、息の長い活躍をしたタップダンスシチー、国内・国外、芝・ダートを問わずオールマイティーな活躍をしたアグネスデジタル、2年連続で年度代表馬に選出されたシンボリクリスエスが、ベスト3にランクイン。以下、芝のスプリンターから中長距離馬、ダートも距離を問わず活躍馬が出ており、当時マル外馬が出走できる限りのさまざまな重賞で勝ち馬が出ている。さらに、ここから父の血統に注目。活躍馬を血統的に分類することで、特徴を探ってみたい。

■表2 ミスタープロスペクター系の主なマル外

馬名
収得賞金
種牡馬
主な重賞実績
アグネスデジタル
21630
Crafty Prospector 天皇賞(秋)、マイルCS、安田記念、フェブラリーS
サウスヴィグラス
12025
End Sweep JBCスプリント、根岸S、北海道スプリント
エルコンドルパサー
11145
Kingmambo JC、凱旋門賞2着、NHKマイルC
エイシンドーバー
10450
Victory Gallop 京王杯SC、阪急杯、安田記念3着
シーキングザパール
10175
Seeking the Gold NHKマイルC、スプリンターズS2着、NZT
アメリカンボス
9435
Kingmambo 中山記念、AJC杯、エプソムC、有馬記念2着
イーグルカフェ
9125
Gulch JCダート、NHKマイルC、七夕賞
スターキングマン
8450
Kingmambo 東京大賞典、日本テレビ盃、JCダート3着
ゴールドティアラ
7650
Seeking the Gold 南部杯、プロキオンS、ユニコーンS
マイネルラヴ
6150
Seeking the Gold スプリンターズS、シルクロードS、セントウルS

2003/6/8 東京11R 安田記念(G1)1着 3番 アグネスデジタル

まずは父がミスタープロスペクター系の馬に注目してみた。表1のベスト30に9頭が入っているように、マル外馬で過去に最も活躍馬が出ている血統だ。アグネスデジタルやイーグルカフェのように芝・ダート両方のG1を勝っている馬や、芝の中長距離で現役最強クラスまでのしあがったエルコンドルパサー、ダートの短距離で無類の強さを誇ったサウスヴィグラスなど、芝・ダート、距離を問わずさまざまなカテゴリーで強い馬が出ている。また、東京芝コースのG1に強いのも特徴で、アグネスデジタルは天皇賞(秋)と安田記念を制し、シーキングザパールとイーグルカフェ、エルコンドルパサーはNHKマイルCを優勝している。今週のNHKマイルCに登録があり、有力馬と目されるブレイクランアウトは、父がミスタープロスペクター系のSmart Strike。同馬には追い風と言える傾向と言えそうだ。

■表3 ヴァイスリージェント系の主なマル外馬

馬名
収得賞金
種牡馬
主な重賞実績
レマーズガール
11430
Defrere クイーン賞、白山大賞典、エンプレス杯
ノボジャック
10080
French Deputy JBCスプリント、東京盃、クラスターC
フェラーリピサ
8260
Touch Gold 根岸S、エルムS
クロフネ
8050
French Deputy NHKマイルC、JCダート、武蔵野S、毎日杯
ディバインシルバー
7220
Silver Deputy 北海道スプリント、黒船賞、全日本サラブレッドC
グラッブユアハート
6300
Deputy Commander TCK女王盃、マリーンC、スパーキングレディーC
スーニ
4800
Soto 全日本2歳優駿、兵庫ジュニアグランプリ
トーヨーレインボー
3935
Deputy Minister 中京記念、シリウスS、マイルCS3着

次の表3では父がヴァイスリージェント系の馬をまとめた。同系統の収得賞金のトップはレマーズガールだが、知名度で言えばクロフネが代表馬となるだろう。同馬は3歳時の春まではNHKマイルCを制するなど、芝路線で活躍をしていたが、秋は武蔵野S、JCダートを圧勝。芝よりもダートで強烈なインパクトを残した。他の活躍馬も芝よりはダートで、JBCスプリントを制したノボジャック、地方のダートグレードで活躍した前述のレマーズガールなど、重賞クラスでの活躍はダートが中心となっている。最近では現3歳馬のスーニが全日本2歳優駿を制覇。先日、2月に芝のアーリントンCに挑戦したが12着に敗退し、再びダート路線に戻っての活躍が期待されている。

■表4 ダンチヒ系の主なマル外馬

馬名
収得賞金
種牡馬
主な重賞実績
ファインモーション
11625
Danehill エリザベス女王杯、秋華賞、札幌記念
マグナーテン
9400
Danzig AJC杯、毎日王冠、関屋記念
アグネスワールド
8080
Danzig ジュライC、CBC賞、全日本3歳優駿
エアエミネム
7775
Danehill 札幌記念、オールカマー、函館記念、神戸新聞杯
シンボリグラン
7075
Grand Lodge CBC賞、マイルCS3着、セントウルS2着
テネシーガール
3000
Pine Bluff セントウルS、ファンタジーS、高松宮記念3着

次もノーザンダンサー系の一環で、父ダンチヒ系の馬を上の表4にまとめた。収得賞金のトップはファインモーション。クラシックには間に合わなかったが、デビューから無敗で秋華賞、エリザベス女王杯を制覇。古馬になってもマイルCS2着、札幌記念制覇など、芝のマイル〜中距離で活躍した名牝だ。このようにダンチヒ系のマル外で、重賞クラスまで上り詰める馬は芝路線での活躍が目立つ。アグネスワールドは全日本3歳優駿を制しているが、その後は芝のスプリント路線が主戦場。マグナーテンやエアエミネムは中距離で活躍。あまり長い距離は向いていそうにないが、芝のスプリンターから中距離馬を出す傾向に見える。

■表5 ストームバード系の主なマル外馬

馬名
収得賞金
種牡馬
主な重賞実績
シーキングザダイヤ
17250
Storm Cat NZT、JCダート2着、川崎記念2着
フサイチアウステル
4250
Stormin Fever セントライト記念2着、AJC杯2着
ゲイリーイグリット
3985
Storm Cat 兵庫GT、さきたま杯
ゴスホークケン
3400
Bernstein 朝日杯FS
エイシンスペンサー
3025
Hennessy 京都新聞杯2着、鳴尾記念2着

次もノーザンダンサー系の一環で、父ストームバード系の馬を上の表5にまとめた。これまでの活躍馬に比べるといま一つで、G1馬は朝日杯FSの勝ち馬ゴスホークケンのみだ。シーキングザダイヤはダートのG1で、実に9回もの2着があるが、結局G1を勝つことなく引退となった。フサイチアウステル、エイシンスペンサーは重賞で2度の2着。芝・ダートを問わず活躍馬が出るが、やや底力を欠くというか、詰めが甘い印象を受ける。

■表6 その他のノーザンダンサー系の主なマル外馬

馬名
収得賞金
種牡馬
主な重賞実績
メイショウドトウ
19910
Bigstone 宝塚記念、日経賞、オールカマー、有馬記念2着
ブラックホーク
13035
Nureyev 安田記念、スプリンターズS、阪急杯、スワンS
コンゴウリキシオー
12400
Stravinsky マイラーズC、かきつばた記念、安田記念2着
タイキエルドラド
3235
Theatrical アルゼンチン共和国杯、目黒記念2着
エイシンプレストン
19540
Green Dancer 香港マイル、毎日王冠、マイルCS2着
ゼンノエルシド
4485
Caerleon マイルCS、京成杯AH
アサクサデンエン
6600
Singspiel 安田記念、京王杯SC

上の表6では、その他のノーザンダンサー系の馬たちをまとめた。細かく言えば、ブラックホークとコンゴウリキシオー、タイキエルドラドはヌレイエフを父系に持ち、エイシンプレストンとゼンノエルシドはニジンスキーを父系に持つ馬で、一緒にまとめてしまうのはやや強引かもしれない。しかし、共通して言えるのはダートよりも完全に芝向き。特にG1での活躍舞台は芝のマイル〜中距離という印象が強い。

■表7 ヘイルトゥリーズン系の主なマル外馬

馬名
収得賞金
種牡馬
主な重賞実績
シンボリクリスエス
20200
Kris S. 有馬記念、天皇賞(秋)、神戸新聞杯、青葉賞
グラスワンダー
16825
Silver Hawk 有馬記念、宝塚記念、朝日杯3歳S、毎日王冠
タイキシャトル
14805
Devil's Bag マイルCS、スプリンターズS、京王杯SC
キンシャサノキセキ
8775
Fuji kiseki 函館スプリントS、スプリンターズS2着

2003/12/28 中山9R 有馬記念(G1)1着 12番 シンボリクリスエス

次は父ロベルト系、父ヘイロー系というともにヘイルトゥーリーズンを通る父系の馬を見てみることにしよう(表7参照)。マル外での該当馬は少ないが、シンボリクリスエス、グラスワンダー、タイキシャトルと、超大物と呼べる産駒を輩出している。同系統はブライアンズタイム、サンデーサイレンスといったJRAのリーディングサイアークラスと同じであり、日本の中央競馬に一番適した血脈でもある。そう考えると、大一番で爆発力があるのも頷ける。マル外でありながら、国内産馬と同等の馬場へ適応力を生まれながらに持っていると言えよう。

■表8 ナスルーラ系の主なマル外馬

馬名
収得賞金
種牡馬
主な重賞実績
ミッドナイトベッド
8260
Housebuster 香港C、金鯱賞、京都記念、京都金杯
トキオパーフェクト
4500
Rahy クリスタルC、中日スポーツ賞4歳S
シンボリインディ
4850
A.P. Indy NHKマイルC、京成杯AH、スワンS2着
カフェボストニアン
3075
Boston Harbor CBC賞2着、シルクロードS2着
カジノドライヴ
3050
Mineshaft フェブラリーS2着
ローブデコルテ
3100
Cozzene オークス
エイシンキャメロン
3500
With Approval アーリントンC、デイリー杯3歳S、朝日杯3歳S2着

次の表8はナスルーラ系の馬たちをまとめた。ミッドナイトベットらはレッドゴッド、シンボリインディらはボールドルーラー、ローブデコルテらはグレイソヴリンと、さらに父系が分かれていくが、共通しているのは芝路線での活躍が目立つこと。G1勝ち馬はNHKマイルC、オークスがある。その中で異色と言えるのが今年のフェブラリーS2着馬カジノドライヴ。半兄姉にアメリカのダートG1・ベルモントステークスの勝ち馬がいる良血馬だが、こうなると芝での走りにも興味が出てくる。

■表9 その他の系統の主なマル外馬

馬名
収得賞金
種牡馬
主な重賞実績
タップダンスシチー
23185
Pleasant Tap 宝塚記念、JC、金鯱賞、京都大賞典
ノボトゥルー
11260
Broad Brush フェブラリーS、根岸S、兵庫GT
ブロードアピール
10810
Broad Brush ガーネットS、シリウスS、プロキオンS
パーソナルラッシュ
6225
Wild Rush ダービーGP、エルムS、ダイオライト記念

最後にその他の系統の馬を上の表9にまとめた。タップダンスシチーはリボー系、ノボトゥルーとブロードアピールはドミノ系のBroad Brush。パーソナルラッシュはニアークティック系という異端血統。日本に限らず世界でも非主流と言える血脈で、産駒の数自体もさほど多くない。したがって、活躍の場の特徴を見つけるのも難しいが、タップダンスシチーに代表されるようにタフで年齢を重ねても力がなかなか衰えない印象。ノボトゥルーは12歳まで全国の競馬場を駆け巡ったし、ブロードアピールは8歳でガーネットSを勝利し、最後はドバイまで遠征した。地味ながらも息の長い活躍をする個性的なタイプが名を連ねている。

ライタープロフィール

小田原智大(おだわら ともひろ)

1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。
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