データde出〜た
第262回 ダイヤモンドSへの好ステップとハンデ差に注目!
2009/2/12(木)
今週は東京競馬場でダイヤモンドS、京都競馬場できさらぎ賞が行われる。今回は古馬長距離G3のダイヤモンドSに注目。アドマイヤモナーク、エリモエクスパイアと、2年連続で本競走の連対馬が同年のG1で連対を果たしており、ハンデ戦のマラソンレースといえど、今後の古馬長距離戦線に向けて見逃せない一戦だ。中山競馬場で行われた03年を除く、99年以降の過去10年のデータを参考に、本競走を占っていきたい。データ分析は、JRA-VAN Data Lab. とTarget frontier JVを利用した。
■表1 過去10年のダイヤモンドSのハンデ別成績
ハンデ |
着別度数 |
勝率 |
連対率 |
複勝率 |
単回収率 |
複回収率 |
| 49キロ以下 | 0-0-0-6 | 0.0% |
0.0% |
0.0% |
0% |
0% |
| 50キロ | 0-2-1-4 | 0.0% |
28.6% |
42.9% |
0% |
448% |
| 51キロ | 1-1-0-11 | 7.7% |
15.4% |
15.4% |
275% |
168% |
| 52キロ | 0-1-1-12 | 0.0% |
7.1% |
14.3% |
0% |
81% |
| 53キロ | 1-2-1-16 | 5.0% |
15.0% |
20.0% |
56% |
53% |
| 54キロ | 3-0-2-8 | 23.1% |
23.1% |
38.5% |
114% |
107% |
| 55キロ | 1-2-2-16 | 4.8% |
14.3% |
23.8% |
79% |
57% |
| 56キロ | 1-0-0-8 | 11.1% |
11.1% |
11.1% |
40% |
17% |
| 56.5キロ | 0-0-0-2 | 0.0% |
0.0% |
0.0% |
0% |
0% |
| 57キロ | 1-0-0-5 | 16.7% |
16.7% |
16.7% |
48% |
25% |
| 57.5キロ | 1-1-2-3 | 14.3% |
28.6% |
57.1% |
51% |
148% |
| 58キロ以上 | 0-0-0-1 | 0.0% |
0.0% |
0.0% |
0% |
0% |
ダイヤモンドSはハンデ戦。過去10年の好走馬を見ると、ハンデ57.5キロの実績馬からハンデ50キロの軽量馬まで幅広く好走馬が出ている。そこでまずは過去の出走各馬のハンデに注目し、上の表1のデータを出した。ハンデ49キロ以下の馬は過去10年で6頭出走しているが、まだ好走例はなく、いくら軽いハンデといえど49キロを背負う馬では能力そのものに疑問があり、狙い目に加えるのは厳しそうだ。しかし、50キロになると連対率は28.6%、複勝率42.9%と、優勝こそないが優秀な成績。ハンデ51キロ、53キロからは優勝馬が出ている。過去10年で最も勝ち鞍が多いのがハンデ54キロ。そして、ハンデが重い方を見てみると、58キロ以上の好走例はないが、57.5キロ、57キロは好走馬が出ている。
そこで、これから49キロ以下の馬を除き、ハンデごとに大きく3つに分けて詳しく調べていきたい。すなわち、ハンデ50〜53キロの軽量馬、ハンデ54〜56.5キロの馬、そして一般的な別定斤量・57キロ以上の馬たち。この3つに分けて過去の好走馬を振り返って、ヒントを探っていきたい。
■表2 過去10年のダイヤモンドSの好走馬(1)
年 |
着順 |
人気 |
馬名 |
性齢 |
ハンデ |
前走成績 |
前斤 |
最長好走距離 |
| 08年 | 3 |
12 |
レーザーズエッジ | 牡6 |
50 |
許波多特別4着 | 57 |
芝2600m |
| 07年 | 2 |
6 |
エリモエクスパイア | 牡4 |
53 |
オリオンS4着 | 55 |
芝2400m |
3 |
10 |
アドバンテージ | 牡4 |
52 |
迎春S4着 | 56 |
芝2600m | |
| 06年 | 2 |
7 |
メジロトンキニーズ | 牝4 |
50 |
迎春S3着 | 54 |
芝2500m |
| 05年 | 1 |
10 |
ウイングランツ | 牡5 |
51 |
箱根特別2着 | 57 |
芝2600m |
2 |
8 |
ハイフレンドトライ | 牡5 |
52 |
松籟S6着 | 55 |
芝3000m | |
| 04年 | 2 |
3 |
ミッキーベル | 牡4 |
53 |
迎春S1着 | 56 |
芝2500m |
| 02年 | 1 |
6 |
キングザファクト | 牡5 |
53 |
万葉S6着 | 55 |
芝2600m |
| 00年 | 2 |
11 |
ジョーヤマト | 牡7 |
51 |
松籟S9着 | 54 |
芝2500m |
| 99年 | 2 |
10 |
ロングワールド | 牡7 |
50 |
万葉S6着 | 56 |
芝2400m |
3 |
4 |
タヤスメドウ | 牡4 |
53 |
江坂特別1着 | 55 |
芝2500m |
まずは軽ハンデ50〜53キロで好走した馬たち(表2参照)。過去10年、11頭が該当する。これらの馬の前走成績を見てみると、準OP以下の条件クラスを使っていた馬が多い。前走OPクラスを使っていたのは、02年1着のキングザファクト、99年のロングワールドの2頭だけだ。そして、前走準OPあるいは1000万クラスを使っていた馬たちも、決して前走が1着ではない。1着だったのは04年2着のミッキーベル、99年3着のタヤスメドウのみで、条件クラスで負けている馬が格上挑戦し、結果好走を果たすという例も多い。
そして、もうひとつ大事と思われる点は前走からの斤量の増減。仮に格上挑戦した場合、実績的に今回重いハンデを背負わされることはありえないが、前走の条件クラスがハンデ戦で、そこで軽い斤量だった場合は、今回の軽ハンデの威力は半減する。例えば、昨年3着のレーザーズエッジは前走から7キロの斤量減だったし、05年1着のウイングランツも6キロ減。ここまでいかなくとも、表2の該当馬はすべて前走から2キロは斤量が減っていた。
そして、これまでの長距離実績も大事。ここを使ってくるような馬は、スタミナ自慢ばかりだと思うが、クラスを問わずすでに芝2400m以上の競走で3着以内に入ったことがあった。
■表3 過去のダイヤモンドSの好走馬(2)
年 |
着順 |
人気 |
馬名 |
性齢 |
ハンデ |
前走成績 |
2走前成績 |
備考 |
08年 |
2 |
2 |
コンラッド | 牡6 |
55 |
迎春S1着 | クリスマスC8着 | |
06年 |
1 |
3 |
マッキーマックス | 牡6 |
54 |
万葉S3着 | オリオンS5着 | |
3 |
9 |
トウカイトリック | 牡4 |
54 |
日経新春杯6着 | 鳴尾記念4着 | 05年福島記念2着 | |
04年 |
1 |
2 |
ナムラサンクス | 牡5 |
56 |
万葉S1着 | 中日新聞杯12着 | |
3 |
6 |
タニノエタニティ | 牡6 |
54 |
日経新春杯7着 | 鳴尾記念10着 | ||
02年 |
3 |
2 |
トシザブイ | 牡6 |
55 |
万葉S3着 | 目黒記念5着 | |
01年 |
1 |
3 |
イブキヤマノオー | 牡6 |
54 |
日経新春杯5着 | 冬至S1着 | |
2 |
4 |
メジロランバート | 牡6 |
55 |
迎春S2着 | 冬至S7着 | ||
3 |
1 |
トシザブイ | 牡5 |
55 |
万葉S1着 | 江坂特別5着 | ||
00年 |
1 |
7 |
ユーセイトップラン | 牡7 |
55 |
日経新春杯13着 | 有馬記念13着 | 98年ダイヤモンドS1着ほか |
99年 |
1 |
3 |
タマモイナズマ | 牡5 |
54 |
万葉S1着 | 愛知杯8着 |
次はいわゆる手ごろなハンデと言われる、ハンデ54〜56.5キロの馬たち(表3参照)を見ていこう。まず、目につくのが6歳馬の活躍。該当馬11頭中6頭が6歳馬。7歳以上のベテランはともかく、明け4歳も06年3着のトウカイトリック1頭のみ。軽ハンデの4歳馬の好走は割と多いが、54キロ〜56.5キロを背負っての好走はかなり少ない。
そして前走成績も特徴的。本競走の好ステップである迎春S(準OP・中山芝2500m)で連対、あるいは万葉S(OP・京都芝3000m)で3着以内に好走していた馬が11頭中7頭もいる。残るのはすべて前走日経新春杯組。01年1着のイブキヤマノオーは2走前の冬至Sが、準OPの中山芝2500mという条件であり、近走この条件を使い、好走していた馬たちが非常に有力であることがわかる。また、前走日経新春杯組のうち、トウカイトリック、ユーセイトップランの2頭には過去に古馬混合の芝2000m以上の重賞で連対実績があった。
■表4 過去10年のダイヤモンドSの好走馬(3)
年 |
着順 |
人気 |
馬名 |
性齢 |
ハンデ |
前走成績 |
2走前成績 |
| 08年 | 1 |
1 |
アドマイヤモナーク | 牡7 |
57.5 | 日経新春杯1着 | 万葉S3着 |
| 07年 | 1 |
1 |
トウカイトリック | 牡5 |
57 | 万葉S2着 | ステイヤーズS3着 |
| 05年 | 3 |
4 |
チャクラ | 牡5 |
57.5 | 万葉S2着 | ステイヤーズS9着 |
| 02年 | 2 |
4 |
フサイチランハート | 牡5 |
57.5 | AJC杯1着 | 1000万1着 |
| 00年 | 3 |
3 |
スエヒロコマンダー | 牡5 |
57.5 | 日経新春杯4着 | 有馬記念11着 |
最後にハンデ57キロ以上の馬について見ていく(表4参照)。ここでも近2走以内に万葉S3着以内の実績というのが大きな強みになる。昨年の優勝馬アドマイヤモナークを含め3頭が該当。そうでなければ02年1着のフサイチランハートのように前走重賞で1着であること。アドマイヤモナークは前走日経新春杯1着で、この条件にも該当していた。00年3着のスエヒロコマンダー以外は、いずれかの条件を満たしていた。ハンデ57キロを背負わされる馬に関しては、近走の好調度が大きな目安となりそうだ。
【結論】
それでは今年のダイヤモンドSを占っていこう。今年の出走予定馬の中には、ハンデ57キロ以上の馬が不在。したがって、ハンデ54〜56.5キロ、ハンデ50〜53キロの2つのパターンに分けての分析となる。
■表5 今年のダイヤモンドS出走予定馬(1)
順位 |
馬名 |
性齢 |
ハンデ |
前走成績 |
2走前成績 |
備考 |
2 |
キストゥヘヴン | 牝6 |
55.5 | 東京新聞杯10着 | マイルCS13着 | |
6 |
トウカイエリート | 牡9 |
56 | 万葉S6着 | ステイヤーズS3着 | 07年日経新春杯2着 |
7 |
ドラゴンファイヤー | 牡6 |
56 | ステイヤーズS5着 | ブラジルC6着 | |
4 |
ビービーファルコン | セ5 |
54 | 迎春S1着 | 1000万1着 | |
1 |
フローテーション | 牡4 |
56 | 有馬記念9着 | ステイヤーズS2着 | |
10 |
ブラックアルタイル | セ7 |
54 | 万葉S5着 | アイルランドT8着 | |
9 |
ベンチャーナイン | 牡4 |
55 | 有馬記念10着 | ステイヤーズS4着 | |
16 |
ホワイトピルグリム | 牡4 |
54 | 日経新春杯4着 | 菊花賞7着 |
まずはハンデ54〜56.5キロの出走予定馬について(表5参照)。好ステップである迎春Sの連対馬、万葉Sで3着以内の馬は、ビービーファルコン1頭のみ。日経新春杯組もホワイトピルグリム1頭。しかし、同馬は過去に古馬混合の芝2000m以上での重賞連対実績がなく、強く推せない。人気が予想されるフローテーション、ベンチャーナインは4歳勢。互いに昨年末のステイヤーズSで上位に入線しているが、前走は有馬記念に出走。ローテーション、実績、年齢からは、過去にない好走パターンとなり、データからは推しにくい。よって、ここではビービーファルコンのみを注目馬とする。
■表6 今年のダイヤモンドS出走予定馬(2)
順位 |
馬名 |
性齢 |
ハンデ |
前走成績 |
前斤 |
最長好走距離 |
10 |
ウインカーディナル | 牡7 |
52 |
万葉S7着 | 52 |
ダート2100m |
13 |
ウォーゲーム | 牡5 |
53 |
睦月賞1着 | 57 |
芝2500m |
12 |
ゴーウィズウィンド | 牡10 |
49 |
AJC杯13着 | 57 |
芝2600m |
14 |
スノークラッシャー | 牡4 |
52 |
初咲賞1着 | 56 |
芝2200m |
16 |
ドリームノクターン | 牡4 |
52 |
南武特別1着 | 54 |
芝2600m |
5 |
ドリームフライト | 牡5 |
53 |
日経新春杯8着 | 53 |
芝2600m |
3 |
ハギノジョイフル | セ5 |
53 |
松籟S1着 | 54 |
芝2600m |
8 |
ブレーヴハート | 牡7 |
53 |
万葉S4着 | 53 |
芝2600m |
14 |
モンテクリスエス | 牡4 |
53 |
迎春S2着 | 56 |
芝2500m |
次にハンデ50〜53キロの出走馬予定馬について見ていこう(表6参照)。今年も前走条件クラスからの出走馬が何頭かいるが、前走の斤量を調べると、疑問と思える馬もいる。前走から2キロ以上斤量が減り、前走5着以内という条件でフィルターをかけてみると、ウォーゲーム、スノークラッシャー、ドリームノクターン、モンテクリスエスの4頭が該当。しかし、スノークラッシャーは過去の最長好走距離が芝2200mと、やや足りない。そしてドリームノクターンは昨年10月以来の休み明け。上記のデータでは示さなかったが、本競走は年明けに一度使われている好走馬が多く、過去10年、休み明けの好走例はない。したがって、ここではウォーゲームとモンテクリスエスが注目馬。中でも前走迎春S2着のモンテクリスエスを上位に取り上げてみたい。
【追記】
当初除外対象だったエーシンダードマンが出走可能になった。同馬は前走迎春Sで3着。当時の斤量57キロから、今回は4キロ減って今回はハンデ53キロ。芝2600mでの好走実績があり、距離実績も十分。好走データに合致するので、有力馬の1頭に加えたい。
ライタープロフィール

小田原智大(おだわら ともひろ)
1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。
小田原智大の完全なる買い方ブログ
