第245回 大差で初勝利を飾った馬たちのその後|競馬情報ならJRA-VAN

JRA公式データ配信サービス JRA-VAN

  • メール:office@jra-van.jp
  • 受付時間:10:00〜17:00
  • ※競馬開催のない土日祝・火曜を除く
  • ホーム
  • サイトマップ
  • JRA-VAN広場

データde出〜た

データde出〜たバックナンバー

第245回 大差で初勝利を飾った馬たちのその後

2008/12/15(月)

11月に行われた京都芝1800mの未勝利戦を勝ち上がったリーチザクラウン(橋口弘次郎厩舎)という2歳牡馬が話題になっている。同馬は同レースで2着の馬に2.1秒もの大差をつけての圧勝を果たしたのだ。そこで今回は、新馬(メイクデビュー)・未勝利戦で2.0秒以上もの差をつけて勝った馬について調べてみた。


来年のクラシックに向けて注目されている、とある1頭の馬がいる。栗東の橋口弘次郎厩舎所属の2歳牡馬・リーチザクラウンだ。新馬(メイクデビュー)こそアンライバルドの2着に敗れたが、2戦目の未勝利で強烈なパフォーマンスでの勝利。11月に行われた京都芝1800mの未勝利戦、2着のタマモユニヴァースにつけた差がなんと2.1秒という大差だったのだ。今週末の朝日杯FSへの出走予定はないが、12月7日に行われた500万クラスの千両賞を1.1倍という圧倒的人気に応えて、ここも勝利。クラシック候補として、今後もますます注目されることになるだろう。


そこで、今回はリーチザクラウンのように新馬・未勝利戦を大差勝ちした馬に関して調査してみたい。集計期間は00年から本年12月7日の開催日まで。データの分析にはJRA-VAN Data Lab.Target frontier JVを利用した。



■表1 新馬(Mデビュー)・未勝利戦を2着に2.0秒以上離して勝った馬
馬名
コース
着差
クラス
重賞実績
2008/11/16 リーチザクラウン
京都芝1800m
2.1秒
現役・2歳OP  
2008/4/12 ウォータクティクス
福島ダ1700m
2.1秒
現役・準OP  
2008/4/12 リンガスフラッグ
中山ダ1800m
2.3秒
現役・500万  
2008/3/2 ピイラニハイウェイ
阪神ダ1800m
2.0秒
現役・1000万  
2008/2/23 カジノドライヴ
京都ダ1800m
2.3秒
現役・準OP (米)ピーターパンS1着
2007/12/15 アドマイヤスワット
阪神ダ1800m
2.5秒
現役・準OP  
2007/11/17 サクセスブロッケン
福島ダ1700m
3.1秒
現役・OP ジャパンダートダービー1着
2006/10/1 タイキプライム
中山ダ1800m
2.8秒
現役・500万  
2005/4/3 フリーシンカー
福島ダ1700m
2.1秒
抹消・500万  
2004/8/14 ケイアイフウジン
小倉ダ1000m
2.0秒
抹消・1000万 小倉2歳S2着
2004/3/27 グランドホイッスル
中山ダ1800m
3.5秒
抹消・1000万  
2004/3/7 トウカイトゥモロー
中山ダ1800m
2.0秒
抹消・500万  
2004/2/7 セクシーシューズ
小倉ダ1700m
2.3秒
抹消・1000万  
2004/1/25 ベルーガ
中山ダ1800m
2.3秒
現役・OP  
2004/1/5 サクラセレーネ
中山ダ1800m
2.1秒
抹消・500万  
2003/12/21 ダークマター
中山ダ1800m
2.4秒
抹消・準OP  
2003/11/23 ジンンクライシス
東京ダ1400m
2.2秒
抹消・OP JCダート3着、エルムS2着ほか
2003/11/16 ダブルブラザー
東京ダ1600m
2.6秒
抹消・準OP  
2003/1/19 タイキシュヴァリエ
京都ダ1200m
2.0秒
抹消・1000万  
2003/1/6 テンカタイヘイ
中山ダ1800m
2.0秒
抹消・準OP  
2002/7/21 ビーポジティヴ
函館ダ1700m
2.6秒
抹消・OP クイーン賞1着、エンプレス杯2着ほか
2002/3/16 ケージーマーベラス
中京ダ1700m
2.3秒
抹消・1000万  
2002/2/2 コスモストーム
小倉ダ1700m
2.3秒
抹消・500万  
2001/8/26 ロードプリヴェイル
札幌ダ1700m
3.0秒
抹消・OP 京都ハイジャンプ1着ほか
2001/8/25 アグネスサターン
小倉ダ1700m
2.4秒
抹消・1000万  
2001/2/25 フィフティーンラブ
中山ダ1800m
2.2秒
抹消・500万 フラワーC3着
2001/1/13 ラモンターニャ
中山ダ1200m
2.2秒
抹消・準OP  
2000/9/30 イシノウェーブ
福島ダ1000m
2.0秒
抹消・1000万  
2000/8/12 ショウナンカレッジ
中山ダ1200m
2.1秒
抹消・500万  
2000/3/12 マイマスターピース
阪神ダ1800m
2.0秒
抹消・OP 兵庫チャンピオンシップ3着
2000/2/25 レギュラーメンバー
京都ダ1800m
2.9秒
抹消・OP JBCクラシック1着、川崎記念1着ほか
2000/2/5 シルクプリマドンナ
京都ダ1800m
2.7秒
抹消・OP オークス1着
※集計期間は00年から08年12/7の開催日まで。 2008/2/23(土)京都4R サラ3歳新馬 1着 8番 カジノドライヴ

上の表1では前述の期間で、新馬・未勝利戦で2着の馬に2.0秒以上の差をつけて勝った馬をすべて表記した。すると、延べ32頭の馬が該当することがわかった。先日のJCダートに出走したサクセスブロッケン、カジノドライヴも初勝利時は、2着の馬をぶっちぎって勝っていた。表の右には、その馬のその後の重賞実績を記しているが、レギュラーメンバーやシルクプリマドンナはその後にG1を制覇。ジンクライシスやビーポジティヴ、障害の重賞だがロードプリヴェイルという名前もある。

一方で、中央抹消時のクラスがOPクラスではない馬も案外多い。大きな故障の影響で、その後レース数を使えずに引退を余儀なくされた場合は仕方がないが、普通にキャリアを重ねて中央抹消時が500万クラスという馬も数多くいる。つまりは、新馬・未勝利戦で大差勝ちしたものの、その後は一つも勝てなかったというわけだ。将来のG1馬も、将来の条件馬も平等な条件で走るのが新馬・未勝利戦だけに、「相手が弱かったから圧勝した」という考えは当然成り立つ。単純に2.0秒以上もの差をつけて1勝目を挙げたからといって、即重賞級と判断するわけにはいかないようだ。

しかし、表1の全馬をよく眺めてみると、リーチザクラウンの記録は異例と言える凄いことであることがわかる。それは表の該当馬32頭中31頭は、すべてダートでの記録であること。芝のレースで2着に2.0秒以上もの差をつけて勝ったのは、00年以降リーチザクラウン1頭しかいないのだ。偶然にしてはあまりにも長い間出現例がない。ダートの方が芝よりも着差がつきやすく、芝で圧勝する方が難しいのではないか、という印象を受ける。だとすれば、リーチザクラウンの未勝利戦のパフォーマンスは非常に価値があるものと、判断できるのではないだろうか。



■表2 芝の新馬(Mデビュー)・未勝利戦を2着に1.5秒以上離して勝った馬
馬名
コース
着差
クラス
重賞実績
2008/11/16 リーチザクラウン
京都芝1800m
2.1秒
現役・2歳OP  
2004/7/31 カシマフラワー
函館芝1200m
1.6秒
抹消・準OP エーデルワイス賞1着、函館2歳S3着
2004/7/11 ディープサマー
函館芝1200m
1.9秒
抹消・OP クリスタルC、函館2歳S2着
2004/5/30 バンブーフィーゴ
中京芝1800m
1.5秒
抹消・1000万  
2004/5/22 シルクアルパイン
新潟芝2000m
1.5秒
抹消・500万  
2004/5/1 シルクエフォート
東京芝1800m
1.6秒
抹消・1000万  
2001/3/10 スパルタクス
阪神芝1600m
1.5秒
抹消・準OP  
2000/7/23 ダイワルージュ
福島芝1200m
1.5秒
抹消・OP 新潟3歳S1着、阪神3歳牝馬S2着ほか
※集計期間は00年から08年12/7の開催日まで。

次に表1の条件をもう少し緩くして、新馬・未勝利戦を2着に1.5秒以上離して勝った馬を調べてみた。ただし、ダートは除き芝のレースのみで検索をかけた。すると、上記の表2の結果が出た。集計期間は表1と同じ。該当馬はリーチザクラウンを含めて8頭だった。

これを多いと少ないと見るかは難しいが、04年のカシマフラワー以降、全く出現していなかった。04年だけ異常に出現回数が多いが、2.0秒以上から1.5秒以上と条件を緩めても10頭にも満たないことを考えると、やはり芝のレースの方が圧勝するのが難しいと思える。

表2の該当馬で、その後重賞で好走したのは3頭。カシマフラワー、ディープサマー、ダイワルージュの3頭。いずれも芝1200mの新馬・未勝利戦を圧勝していた。芝1600m以上を圧勝した馬は、その後重賞では活躍はしておらず、芝のレースの中でも短距離を圧勝した方が価値は高いと言えそうだ。さらに言えば、前述の3頭は2歳(旧3歳)時に重賞で好走を果たしており、早熟度にも関係していそうだ。

2008/12/7(日)阪神9R 千両賞 1着 8番 リーチザクラウン

この結果を基にすると、芝1800mの未勝利戦を圧勝したリーチザクラウンは、G1級はおろか、重賞級とも断言するのはまだ早そうだ。ただ、すでに500万クラスの千両賞も人気に応えて完勝。重賞挑戦は間もないと思われる。ちなみに、「2着に1.0秒以上の差をつけて勝った馬」という条件で検索すると、芝のレースでもかなりの該当馬がでてくる。芝の中距離戦とはいえ、00年以降には例がない、2.1秒も差をつけて勝っている馬がリーチザクラウン。新たな伝説を作れるかどうか、引き続き注目したいところだ。

ライタープロフィール

小田原智大(おだわら ともひろ)

1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。
小田原智大の完全なる買い方ブログ

データde出〜たバックナンバー

データ競馬のための最強ツール TARGET frontier JV(ターゲット)

ページトップへ戻る

競馬予想のJRA-VAN