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第235回 2歳戦のちょっと気になる種牡馬を分析

2008/11/10(月)

秋のG1シーズン真っ只中。古馬も熱い闘いが続いているが、2歳の若駒も先週はファンタジーS、今週は京王杯2歳S、そして来週は東京スポーツ杯2歳Sと、阪神JF、朝日杯FSへ向けた前哨戦が目白押しだ。また、芝中距離の新馬戦もかなり増え、クラシック制覇の期待がかかる馬も多く始動する時期でもある。

そこで今回は、本年の2歳戦の成績から、種牡馬について少々気になるデータをいくつか拾ってみた。データの分析にはJRA-VAN Data Lab.Target frontier JVを利用し、11月2日までの成績を調査している。なお、日曜に行われるエリザベス女王杯については木曜掲載分で分析を行う予定だ。

■表1 2歳戦種牡馬勝ち鞍ランキング(11/2現在、賞金は附加賞含まず)

種牡馬
着別度数
勝率
連対率
単回収
賞金合計
シンボリクリスエス
15- 11- 9- 74/109
13.8%
23.9%
53%
16225万円
キングカメハメハ
12- 17- 8- 75/112
10.7%
25.9%
55%
18645万円
マイネルラヴ
12- 14- 3- 83/112
10.7%
23.2%
259%
12560万円
サクラバクシンオー
12- 9- 13- 52/ 86
14.0%
24.4%
92%
16075万円
アグネスタキオン
11- 9- 11- 32/ 63
17.5%
31.7%
84%
15115万円
ネオユニヴァース
11- 7- 8- 73/ 99
11.1%
18.2%
90%
13520万円
マンハッタンカフェ
10- 10- 10- 54/ 84
11.9%
23.8%
53%
14305万円
ゴールドアリュール
10- 8- 8- 45/ 71
14.1%
25.4%
134%
9920万円
ダンスインザダーク
10- 7- 10- 43/ 70
14.3%
24.3%
55%
10990万円
タイキシャトル
9- 5- 14- 55/ 83
10.8%
16.9%
112%
10555万円

今年の2歳戦における種牡馬ランキング(勝ち鞍順)トップは、産駒2世代目のシンボリクリスエスで15勝。2位は今年の新種牡馬・キングカメハメハで、三浦皇成騎手を背にフィフスペトルが函館2歳Sを制したのは記憶に新しい。種牡馬ランキングとして一般的な賞金順に並べれば1位はこちらだ。以下、3位にマイネルラヴが食い込み、4位サクラバクシンオー、5位アグネスタキオンの順になっている。

■表2 シンボリクリスエス産駒成績

世代
年月
着別度数
勝率
連対率
複勝率
3着内時勝率
単回収
複回収
現3歳
2歳時
18- 29- 20-111/178
10.1%
26.4%
37.6%
26.9%
49%
71%
3歳時
71- 61- 53-495/680
10.4%
19.4%
27.2%
38.4%
85%
83%
現2歳
2008年
15- 11- 9- 74/109
13.8%
23.9%
32.1%
42.9%
53%
56%
6月
0- 0- 0- 4/ 4
0.0%
0.0%
0.0%
0.0%
0%
0%
7月
1- 2- 1- 4/ 8
12.5%
37.5%
50.0%
25.0%
27%
70%
8月
5- 4- 2- 20/ 31
16.1%
29.0%
35.5%
45.5%
42%
54%
9月
6- 2- 2- 13/ 23
26.1%
34.8%
43.5%
60.0%
98%
92%
10月
3- 3- 3- 26/ 35
8.6%
17.1%
25.7%
33.3%
58%
50%
11月
0- 0- 1- 7/ 8
0.0%
0.0%
12.5%
0.0%
0%
0%

では、勝ち鞍1位のシンボリクリスエスから。昨年の産駒の印象は「昇級も苦にしない反面、勝ち上がりに時間がかかる」というもの。表2からもわかる通り、1着に比べ2着が1.5倍ほどもあり、3着以内に好走した際に優勝する確率は4分の1ほどしかなかった。馬単や3連単の1着軸で買うと「馬連(3連複)にしておけば…」と苦い思いをすることが多かった種牡馬である。
しかし今年は一転、馬券圏内に絡めば3着より2着、2着より1着になる確率が高くなっている。3着以内時に勝つ確率は42.9%。単複の回収率は高くないため馬券でひと工夫は必要だが、「2〜3着が多い」という昨年の印象で3連単の2着や3着ばかりにしていると、なかなか好結果には繋がらなくなっているはずだ。

■表3 キングカメハメハ産駒成績

条件等
着別度数
勝率
連対率
複勝率
単回収
複回収
全成績
12- 17- 8- 75/112
10.7%
25.9%
33.0%
55
71
新馬
4- 10- 3- 30/ 47
8.5%
29.8%
36.2%
47
74
未勝利
7- 6- 2- 37/ 52
13.5%
25.0%
28.8%
63
62
500万〜
1- 1- 3- 8/ 13
7.7%
15.4%
38.5%
52
101
1000m〜1300m
6- 3- 1-28/38
15.8%
23.7%
26.3%
68
35
1400m〜1600m
5- 8- 6-32/51
9.8%
25.5%
37.3%
48
90
1700m〜2000m
1- 6- 1-15/23
4.3%
30.4%
34.8%
48
91
6月
0- 0- 0- 4/ 4
0.0%
0.0%
0.0%
0
0
7月
4- 0- 2- 7/ 13
30.8%
30.8%
46.2%
176
60
8月
2- 3- 0- 19/ 24
8.3%
20.8%
20.8%
75
48
9月
3- 5- 1- 13/ 22
13.6%
36.4%
40.9%
30
82
10月
1- 7- 5- 23/ 36
2.8%
22.2%
36.1%
20
100
11月
2- 2- 0- 9/ 13
15.4%
30.8%
30.8%
50
51
2008/8/10(日)函館9R 函館2歳ステークス(Jpn3)1着 12番 フィフスペトル

続いてキングカメハメハ。こちらは全成績が【12.17.8.75】と、昨年のシンボリクリスエスほどではないが1着よりも2着が多い。産駒がデビューした当初はまったくそんな傾向はなかったが、9月に1、2着数が僅かに逆転すると、10月は【1.7.5.23】と好走しても2、3着ばかりで、トータルではこの数字となった。
距離別では、短距離では好成績を残しているのに対し、1700m以上では【1.6.1.15。2歳戦では早い時期が良いのか、それとも短い距離が良いために、やや長めの距離が増えてくるこの時期に成績を落としているのか。実は、表を作成した後の土曜午前、本稿執筆中に3勝(未勝利ダート1400m、未勝利芝1600m、新馬芝1800m)を挙げており、この時点で11月は早くも5勝。どうやら10月は「たまたま」だったようだが、距離については引き続き注意しておきたい。また、未勝利戦に比べ新馬戦は2着が多いことも覚えておきたいポイントだ。

■表4 マイネルラヴ産駒、2歳戦世代別成績

世代
着別度数
勝率
連対率
複勝率
単回収
複回収
現 2歳(2006年産) 12- 14- 3- 83/112
10.7%
23.2%
25.9%
259%
124%
現 3歳(2005年産) 9- 18- 17-138/182
4.9%
14.8%
24.2%
36%
80%
現 4歳(2004年産) 2- 3- 2- 56/ 63
3.2%
7.9%
11.1%
36%
48%
現 5歳(2003年産) 5- 5- 3- 55/ 68
7.4%
14.7%
19.1%
63%
102%
現 6歳(2002年産) 16- 14- 16- 79/125
12.8%
24.0%
36.8%
72%
98%

3位はこのところやや不振だったマイネルラヴ。産駒がデビューした2004年は、コスモヴァレンチが小倉2歳Sを制するなどの活躍を見せ、JRA2歳リーディングサイアーランキングで第4位。明けて05年春にはマイネルハーティーがニュージーランドT優勝と好スタートを切っていた。
今年の2歳世代は、その初年度産駒の活躍を見て種付けされた世代。もちろん、様々な要素が複雑に絡み合った結果の「成績」だけに、そこまで単純な話だけではなかろうが、現時点で初年度産駒の16勝に迫る12勝を挙げている。注目すべきは単勝、複勝回収率の高さで、単勝回収率は259。1頭の「一発」ではなく、7〜10番人気で各1勝を挙げたことによるもので、穴党の方は特に注意を払いたい種牡馬だ。

4位サクラバクシンオー、5位アグネスタキオンは、2歳リーディング上位としてはお馴染み。サクラバクシンオーは昨年の2歳リーディングで11位に終わり、そろそろ年齢が気になってきたところだったが、今年はしっかりと結果を出している。アグネスタキオンは昨年までの3世代を見ると、2歳9月までは29勝、2歳10〜12月は51勝と秋後半に勝ち鞍が多く、今年もこれからさらに勝ち鞍を伸ばす可能性が高い。

■表5 ネオユニヴァース産駒成績

条件等
着別度数
勝率
連対率
複勝率
単回収
複回収
全成績
11- 7- 8-73/99
11.1%
18.2%
26.3%
90%
65%
1000m〜1300m
0- 0- 1-15/16
0.0%
0.0%
6.3%
0%
77%
1400m〜1600m
4- 4- 2-41/51
7.8%
15.7%
19.6%
50%
42%
1700m〜2000m
7- 3- 5-17/32
21.9%
31.3%
46.9%
198%
97%
6月
0- 0- 0- 3/ 3
0.0%
0.0%
0.0%
0%
0%
7月
1- 0- 0-14/15
6.7%
6.7%
6.7%
19%
8%
8月
1- 0- 4-17/22
4.5%
4.5%
22.7%
20%
41%
9月
2- 5- 1- 8/16
12.5%
43.8%
50.0%
259%
126%
10月
6- 1- 2-24/33
18.2%
21.2%
27.3%
100%
85%
11月
1- 1- 1- 7/10
10.0%
20.0%
30.0%
72%
63%
2008/10/4(土)札幌11R 札幌2歳ステークス(Jpn3)1着 4番 ロジユニヴァース

5位のネオユニヴァースは今年の新種牡馬で、現在のところ秋に距離が延びて好成績という、かなりはっきりした数字が出ている。1700m以上や、9月10月の連対率や単複回収率などは軒並み好結果。7月にデビューしたロジユニヴァースが10月4日の札幌2歳Sも制して2戦2勝となっているが、全体としては秋半ばからの方が良いというのが、ここまでデビューした産駒の傾向だ。

■表6 マンハッタンカフェ産駒、2歳戦月別成績

世代
着別度数
勝率
連対率
複勝率
単回収
複回収
現3〜4歳
6月
0- 0- 0- 4/ 4
0.0%
0.0%
0.0%
0%
0%
7月
3- 2- 2- 16/ 23
13.0%
21.7%
30.4%
97%
65%
8月
1- 4- 3- 15/ 23
4.3%
21.7%
34.8%
102%
80%
9月
5- 3- 3- 19/ 30
16.7%
26.7%
36.7%
96%
72%
10月
3- 2- 5- 15/ 25
12.0%
20.0%
40.0%
153%
136%
11月
3- 3- 5- 31/ 42
7.1%
14.3%
26.2%
22%
69%
12月
3- 5- 9- 48/ 65
4.6%
12.3%
26.2%
19%
55%
7〜9月
9- 9- 8- 50/ 76
11.8%
23.7%
34.2%
98%
72%
10〜12月
9- 10- 19- 94/132
6.8%
14.4%
28.8%
46%
75%
現2歳
6月
1- 0- 0- 2/ 3
33.3%
33.3%
33.3%
100%
43%
7月
2- 0- 1- 5/ 8
25.0%
25.0%
37.5%
133%
75%
8月
4- 2- 2-10/18
22.2%
33.3%
44.4%
116%
103%
9月
3- 5- 2- 9/19
15.8%
42.1%
52.6%
54%
185%
10月
0- 3- 3-18/24
0.0%
12.5%
25.0%
0%
72%
11月
0- 0- 2-10/12
0.0%
0.0%
16.7%
0%
59%

そのネオユニヴァースとはまったく逆の傾向に出ているのがマンハッタンカフェである。秋に力をつけた菊花賞馬だけに2歳戦というイメージはあまりないが、現3、4歳世代も2歳戦の成績は悪くなかった。ただ、好成績は秋前半までで、以降の成績は今ひとつ。現2歳世代も同様で、9月までは毎月勝利を挙げて高連対率をマークしていたのだが、10月は未勝利に終わってしまった。もちろん年が明けて台頭する産駒もいるだろうが、今の時期の2歳戦にかぎれば手を出しづらい。

■表7 ゴールドアリュール産駒、芝ダート別成績

世代
年齢
コース
着別度数
勝率
連対率
複勝率
単回収
複回収
現3歳
2歳時
6- 3- 4-34/47
12.8%
19.1%
27.7%
99%
81%
ダート
5- 3- 4-17/29
17.2%
27.6%
41.4%
97%
104%
3歳時
7- 9- 4- 66/ 86
8.1%
18.6%
23.3%
52%
58%
ダート
19- 13- 10-115/157
12.1%
20.4%
26.8%
224%
142%
現2歳
2歳時
6- 6- 4-41/57
10.5%
21.1%
28.1%
82%
94%
ダート
4- 2- 4- 4/14
28.6%
42.9%
71.4%
343%
199%

最後に、今年が2世代目となるゴールドアリュール第221回「自身の特徴をそのまま伝えるゴールドアリュール」でフランキー森山氏が指摘されている通り、自身同様に産駒もダートでの好成績が目立っている。昨年、産駒がデビューした当初はタケミカヅチが芝の新馬戦を豪快に差し切り、デイリー杯2歳Sでも2着になるなど、「芝で走る種牡馬」という印象。10月中旬まで勝利は芝ばかりで、ダート戦には出走する産駒すら少なかった。

ところが、10月末以降に全5勝を挙げて最終的には芝に1勝差。連対率などでは芝を大きく上回った。今年は「ダート向き」という認識が定着したのか出走する産駒も増え、昨年をさらに超える好成績。しかも、ダート戦に出走した10頭中9頭が1度は馬券圏内に絡む好走を見せている。ただ、芝の連対率なども決して悪くはなく、あくまで「ダートで一層の好成績」。「芝は消し」とは勘違いしないようにしたい。

以上、ここ数年の新種牡馬を中心に、いくつか気になったポイントを挙げてみた。ひと括りに「2歳戦」と考えてしまうことも多いものだが、もちろん距離や時期によって成績は様々である。「今週末の予想に直結」とデータではないものの、日々の予想にあたって頭の片隅にでも置いておくと役立つこともあるはずだ。Target frontier JVを利用すれば、ほかにも様々な視点からデータを調べることができるので、こういった集計に興味のある方は是非ともチャレンジして頂きたい。

ライタープロフィール

浅田知広(あさだ ともひろ)

1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。

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