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第210回 3歳馬大挙出走! クイーンSを分析する

2008/8/14(木)

今週は小倉で北九州記念、札幌ではクイーンSが行われる。このうち、クイーンSは登録馬の半数近い8頭が3歳馬。中には桜花賞とオークスで激戦を演じたレジネッタ、エフティマイアの名も見られ、秋へ向けて注目の一戦である。そこで今回は、このクイーンSを分析したい。データの分析には、JRA-VAN Data Lab.Target frontier JV、そして馬天楼 for データde出〜たを利用した。

なお、北九州記念については、昨年の第134回「シリーズ中盤に突入! 北九州記念を占う!」で小田原智大氏が分析を行っており、11番人気1着のキョウワロアリング、そして6番人気2着のアルーリングボイスともズバリ推奨。今年も当時のデータを登録馬に当てはめて検討を加えてゆけば、馬券作戦に大いに役立つに違いない。

さて、本題のクイーンSについて。以前は3歳馬限定の牝馬限定戦として行われおり、現在の3歳以上・牝馬・芝1800mの条件となったのは00年からである。そのため、以下の表はすべて00年以降の過去8年について集計を行っている。

■表1 人気別成績

人気
1着
2着
3着
着外
勝率
連対率
複勝率
1番人気
2
2
0
4
25.0%
50.0%
50.0%
2番人気
1
1
2
4
12.5%
25.0%
50.0%
3番人気
1
0
3
4
12.5%
12.5%
50.0%
4番人気
0
1
0
7
0.0%
12.5%
12.5%
5番人気
2
0
1
5
25.0%
25.0%
37.5%
6〜7番人気
2
3
1
10
12.5%
31.3%
37.5%
8〜10番人気
0
1
1
22
0.0%
4.2%
8.3%
11番人気以下
0
0
0
22
0.0%
0.0%
0.0%

まずは人気別成績から。1番人気が連対率50%と上々の成績だが、4頭の連対馬は00〜03年に集中。ここ4年はすべて4着以下に敗れており、波乱の目も十分にありそうだ。ただ、フルゲートが14頭であることに加え、過去には11頭、12頭立てというレースもあったため、連対馬は10番人気まで。人気薄では連対率30%を超える6〜7番人気あたりが面白い

■表2 年齢別成績

年齢
1着
2着
3着
着外
勝率
連対率
複勝率
3歳
1
2
3
12
5.6%
16.7%
33.3%
4歳
6
2
1
25
17.6%
23.5%
26.5%
5歳
1
4
3
29
2.7%
13.5%
21.6%
6歳
0
0
1
11
0.0%
0.0%
8.3%
7歳
0
0
0
1
0.0%
0.0%
0.0%

年齢別では、過去8回のうち6回で勝利を挙げた4歳馬が優勢で、勝率17.6%を記録している。3歳馬は勝率、連対率で4歳馬に大きな差をつけられているものの、この時期の古馬相手としてはまずまず。複勝率では4歳馬を上回っており、購入する馬券種別によっては4歳馬と同等以上に注目できる。一方、6、7歳馬は連対がなく、馬券圏内は6歳馬の3着1回のみとなっている。

■表3 脚質別成績

脚質
1着
2着
3着
着外
勝率
連対率
複勝率
逃げ
5
0
0
3
62.5%
62.5%
62.5%
先行
3
4
4
20
9.7%
22.6%
35.5%
差し
0
4
2
29
0.0%
11.4%
17.1%
追込
0
0
2
26
0.0%
0.0%
7.1%
※脚質は「馬天楼for データde出〜た」による区分

札幌開幕週の絶好馬場で行われるためか(00〜01年は2週目)、脚質別では逃げ馬が8年で5勝をマークし、残る3勝も先行馬。差し馬は2着まで、追い込み馬は3着までとなっており、馬単や3連単の1着候補で悩んだ際には、先行タイプを優先する手もありそうだ。

■表4 馬番別成績

馬番
1着
2着
3着
着外
勝率
連対率
複勝率
1
2
1
0
5
25.0%
37.5%
37.5%
2
0
2
0
6
0.0%
25.0%
25.0%
3
2
0
2
4
25.0%
25.0%
50.0%
4
1
2
0
5
12.5%
37.5%
37.5%
5
0
1
2
5
0.0%
12.5%
37.5%
6
1
0
0
7
12.5%
12.5%
12.5%
7
1
2
0
5
12.5%
37.5%
37.5%
8
0
0
0
8
0.0%
0.0%
0.0%
9
1
0
1
6
12.5%
12.5%
25.0%
10
0
0
0
8
0.0%
0.0%
0.0%
11
0
0
2
6
0.0%
0.0%
25.0%
12
0
0
1
5
0.0%
0.0%
16.7%
13
0
0
0
5
0.0%
0.0%
0.0%
14
0
0
0
3
0.0%
0.0%
0.0%

続いて馬番別成績を調べると、7番より内に好成績の馬番が集中しており、外枠は全体的に不振傾向にある。先行馬優勢の傾向に伴うものか、あるいはコース形態のためかは不明だが、枠順確定後には再確認したいポイントだ。

■表5 馬体重増減別成績

増減
1着
2着
3着
着外
勝率
連対率
複勝率
11キロ以上増
2
2
2
11
11.8%
23.5%
35.3%
7〜10キロ増
0
0
1
12
0.0%
0.0%
7.7%
5〜6キロ増
1
2
2
5
10.0%
30.0%
50.0%
3〜4キロ増
1
1
0
10
8.3%
16.7%
16.7%
1〜2キロ増
3
1
1
7
25.0%
33.3%
41.7%
増減なし
0
1
0
7
0.0%
12.5%
12.5%
1〜2キロ減
1
0
0
11
8.3%
8.3%
8.3%
3〜4キロ減
0
0
0
6
0.0%
0.0%
0.0%
5〜6キロ減
0
1
1
4
0.0%
16.7%
33.3%
7〜10キロ減
0
0
1
2
0.0%
0.0%
33.3%
11キロ以上減
0
0
0
3
0.0%
0.0%
0.0%
7
6
6
45
10.9%
20.3%
29.7%
増減なし
0
1
0
7
0.0%
12.5%
12.5%
1
1
2
26
3.3%
6.7%
13.3%

続いて馬体重の増減別成績。汗をかいて絞れる時期である一方、輸送のない馬も多い札幌開催だけに増減どちらもありそうな印象だが、過去の傾向では馬体増だった馬の好成績が目立っている。小型馬も多い牝馬限定戦でもあり、前走が太め残りだった馬ならともかく、ベスト体重から減らしてくるようなら減点が必要だろう。人気や馬番同様、当日の最終検討時まで覚えておきたい。

■表6 3着以内馬の前走と実績

馬名
前走
主な実績
芝16〜2000
レース
00
トゥザヴィクトリー
1
1
マーメイドS
1
2
オークス2着
500万特別
エイダイクイン
7
2
エプソムC
9
9
クイーンC
サンデーピクニック
2
3
900万特別
1
1
仏G3
900万特別
01
ヤマカツスズラン
1
1
マーメイドS
1
2
阪神3歳牝馬S
ダイヤモンドビコー
4
2
900万特別
5
1
900万特別
ムーンライトタンゴ
3
3
オークス
2
6
桜花賞2着
500万
02
ミツワトップレディ
7
1
1600万特別
5
1
(マーメイドS4着)
1600万特別
ダイヤモンドビコー
1
2
エプソムC
1
10
ローズS
サクラヴィクトリア
9
3
関東オークス
1
1
関東オークス(ダ)
(フローラS5着)
03
オースミハルカ
7
1
オークス
10
10
チューリップ賞
ファインモーション
1
2
有馬記念
1
5
エリザベス女王杯
秋華賞
テイエムオーシャン
2
3
マーメイドS
2
2
桜花賞
04
オースミハルカ
5
1
米子S
3
2
クイーンS
エルノヴァ
6
2
1000万特別
1
1
1000万特別
ヤマニンシュクル
3
3
オークス
2
5
阪神JF
05
レクレドール
5
1
マーメイドS
1
5
ローズS
ヘヴンリーロマンス
10
2
福島牝馬S
5
10
阪神牝馬S
チアフルスマイル
3
3
愛知杯
11
2
愛知杯2着
(←)
06
デアリングハート
3
1
エプソムC
10
4
NHKマイルC2着
未勝利戦
ヤマニンシュクル
2
2
マーメイドS
1
8
阪神JF
レクレドール
7
3
マーメイドS
5
12
ローズS
07
アサヒライジング
2
1
ヴィクトリアM
9
2
ヴィクトリアM2着
イクスキューズ
6
2
ラジオNIKKEI賞
4
3
クイーンC
ディアチャンス
5
3
マーメイドS
2
1
マーメイドS
※馬名の赤字は3歳馬

では、過去8回の好走馬(3着以内馬)についてみてみよう。いくつかのポイントがあるが、まず24頭中18頭に共通するのが、前走で芝の重賞に出走していたこと。前走が芝重賞でさえあれば着順は不問だ。ほかでは、ダート重賞1着が1頭、オープン特別2着が1頭、そして前走条件戦の4頭はすべて1着馬であった。

実績面では、前走が条件戦だった馬以外は、芝でG1連対か重賞勝ちの実績を持つことが条件で、これに当てはまらない2頭、サクラヴィクトリア、チアフルスマイルは3着止まり。単に前走で重賞に出走しているだけではなく、好走実績も必須だ。

また、そのサクラヴィクトリア、チアフルスマイル以外は芝の1600〜2000mで最低でも1勝は挙げていた。一見すると楽にクリアできそうな条件だが、今年の登録馬では意外にこのデータで減点となる馬も多い。

■表7 クイーンSに出走した3歳馬

馬名
全成績
6着以下
G1実績
札幌芝
01 ダイヤモンドビコー
4
2
【3.1.0.2.0.1】
フェアリーS
初出走
初出走
ムーンライトタンゴ
3
3
【2.2.0.1.0.1】
オークス
桜花賞2着
初出走
02 サクラヴィクトリア
9
3
【3.0.0.0.2.0】
なし
初出走
初出走
03 オースミハルカ
7
1
【3.0.2.0.0.3】
阪神JF、桜花賞、オークス
桜花賞6着
【1.0.2.0】
04 ヤマニンシュクル
3
3
【3.1.3.0.1.0】
なし
阪神JF1着
【1.1.1.0】
07 イクスキューズ
6
2
【3.1.4.0.2.1】
NHKマイルC
桜花賞5着
【1.0.1.0】
01 ハッピーパス
6
8
【1.3.1.1.0.2】
オークス、ラジオたんぱ賞
桜花賞4着
初出走
アスクコマンダー
8
9
【2.0.3.1.0.3】
未勝利2回、オークス
オークス12着
初出走
02 ブルーリッジリバー
5
9
【2.2.0.1.0.3】
芙蓉S、クイーンC、オークス
桜花賞2着
初出走
03 ヤマカツリリー
4
9
【2.2.1.2.0.0】
なし
阪神JF2着
初出走
04 ウイングレット
4
8
【2.1.0.0.0.2】
新馬、オークス
オークス7着
初出走
※全成績は【1着.2着.3着.4着.5着.着外】

続いて、今年注目の3歳馬についてもう少し詳しく調べてみた。一昨年の第83回「札幌開幕!!クイーンSを占う!!」でヒノデクロス氏も触れているが、3歳馬は「実績」と「安定感」がポイント実績面は表6の内容に加え、全成績で3勝以上。2勝馬で好走したのは、G1・桜花賞で2着のあるムーンライトタンゴ1頭のみである。加えて、前走が条件戦だったダイヤモンドビコーは2連勝中だった。

「安定感」ではG1以外での6着以下は重賞で1回まで。G1以外で複数回の6着以下があった馬は、軒並み掲示板を外している。そしてもうひとつ。03年以降の好走馬3頭はいずれも、2歳時に札幌で優勝した実績を持っていた。未経験馬も「消し」ではないが、経験馬、優勝馬にはプラスの評価を与えたい。


【結論】

クイーンSは4歳馬が好成績で、3歳馬も上々。6歳以上は不振傾向にある。脚質では逃げ・先行馬が強く、馬番別では内の好走が多い。また、G1連対や重賞優勝実績に加え、3歳馬は安定感も評価のポイントだ。

■表8 クイーンSに登録のある3歳馬

馬名
全成績
6着以下(G1除く)
実績
前走
芝16〜20
札幌芝
エフティマイア
【3.2.0.0.1.4】
京王杯2歳、菜の花賞、クイーンC
初出走
デヴェロッペ
【2.0.0.1.0.3】
呉竹賞、アネモネS
×
初出走
ハートオブクィーン
【3.0.1.1.0.6】
アネモネS、フェアリーSなど
×
初出走
ベストオブミー
【2.1.1.0.1.4】
ポインセチア賞、函館2歳Sなど
×
×
初出走
ムードインディゴ
【2.0.0.0.1.3】
500万下、チューリップ賞
×
初出走
メイショウベルーガ
【3.1.0.1.0.3】
新馬、500万、白百合S
初出走
ユキチャン
【3.0.0.0.0.2】
新馬、フローラS
(○ダ)
(○ダ)
初出走
レジネッタ
【3.0.3.0.0.2】
新馬
【1.0.0.1】
※実績欄 ◎:G1連対、○:重賞勝ち、▲:重賞連対、△:前走条件戦優勝

では今年の登録馬について、まずは3歳馬から見てみたい。表8の通り、今年登録のある3歳馬はすべて6着以下が2回以上。しかもG1以外での6着以下があり、表7の好走馬とは明らかに異なっている。ほかに、勝利度数や実績に不安を抱える馬も少なくない。しかし、後述するように今年は古馬も今ひとつ強調材料に欠けるメンバー構成で、3歳、古馬ともハードルを下げて考える必要がありそうだ。

2008/4/13(日)阪神11R 桜花賞(Jpn1)1着 15番 レジネッタ 3歳馬でハードルを下げる材料としては、表7で2勝馬ながら3着に食い込んだムーンライトタンゴが桜花賞2着馬だった点が挙げられる。G1実績があれば減点を相殺できるとすれば、桜花賞馬レジネッタ、そして桜花賞、オークス2着馬エフティマイアは争覇圏内。レジネッタは昨年夏の札幌で優勝実績がある点も強調材料(表7)。エフティマイアは中団より前でレースを進めることが多く、表3からプラスの評価が可能だ。

一方の古馬では、これまで好走の多かったエプソムC組やマーメイドS組が今年は不在。表6の前走成績による条件(芝重賞出走かオープン特別連対、または条件戦1着)だけで選別しても、アルコセニョーラ、ヤマニンメルベイユの2頭だけしか残らない上、ほかに重賞実績や芝1600〜2000mでの勝利実績で減点になる馬も多い。

2008/3/16(日)中山11R 中山牝馬ステークス(G3) 1着 9番 ヤマニンメルベイユこの2頭では、アルコセニョーラが好成績の4歳馬で穴として魅力が大きかったのだが、本稿執筆時の報道では新潟記念に向かう模様である。残るはヤマニンメルベイユで、前走ヴィクトリアマイル出走、そして3走前の中山牝馬S優勝で各条件はクリア。表3で好成績を残す先行馬というのも心強い。問題は表2で不振の6歳馬という点だが、前述の通り3歳の推奨馬2頭も万全ではないだけに、この3頭は互角の評価としたい。

なお、レジネッタ、エフティマイア、ヤマニンメルベイユ以外で減点材料が比較的少ないのは、3歳馬ならメイショウベルーガとユキチャン(表8より)あたり。古馬からは、表2、表3から好成績の4歳馬で先行型、そして昨年のフラワーC優勝で表6の重賞実績をクリアするショウナンタレントを大穴候補として挙げておく。

ライタープロフィール

浅田知広(あさだ ともひろ)

1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。

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