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第199回 セレクトセール出身馬の成績は?

2008/7/7(月)

来週14日から3日間にわたり、北海道・苫小牧のノーザンホースパークでセレクトセールが開催される。早くもディープインパクト産駒が登場するセレクトセール、今年もグリーンチャンネルで生中継されることが決まっており、楽しみにしている方も多いだろう。そこで、月曜掲載分の今回は馬券や予想から離れ、過去のセレクトセールを振り返ってみたい。なお、今週行われる重賞、七夕賞とプロキオンSについてはそのいずれかを、木曜掲載分で分析する予定なのでお待ちいただきたい。

今回掲載する表は、いつも通りJRA-VAN Data Lab.Target frontier JVを利用して調べたものである。JRA-VAN Data Lab.では現在、セレクトセール以外も含めたセリの結果(落札馬の情報や価格)が提供されており、Target frontier JVでもこのデータをメインメニューの「市場取引価格一覧」からセリ市別に表示することや、馬データ画面で価格を確認することが可能だ。ここに掲載した価格、賞金は、このTarget frontier JVでの表示 (価格は税込み、賞金は付加賞を除く)をもとにしている。 なお、Target frontier JVの本賞金表示は中央競馬における獲得賞金と なっており、カネヒキリやアドマイヤムーンなど地方競馬や海外で賞金を加算した一部の馬については、これらも含めた生涯獲得賞金とは異なっているのでご注意いただきたい。

セレクトセールが創設されたのは98年。翌99年からは当歳馬のみが対象となったが、06年から1歳馬についても再開され、本年も1歳馬を1日、そして当歳馬2日間の日程で開催される。

■表1 98〜02年のセレクトセール購買馬、各年の賞金上位3頭

馬名
性別
価格
現在の本賞金
父名
主な成績
98 マンハッタンカフェ 13650万円 47270万円 サンデーサイレンス 有馬記念
ビリーヴ 6300万円 45020万円 サンデーサイレンス スプリンターズS
ダイヤモンドビコー 18375万円 32850万円 サンデーサイレンス 阪神牝馬S、エリザベス女王杯2着
99 バランスオブゲーム 913万円 60960万円 フサイチコンコルド 中山記念
プリサイスマシーン 840万円 42085万円 マヤノトップガン スワンS、JBCスプリント2着
アドマイヤマックス 7350万円 34470万円 サンデーサイレンス 高松宮記念
00 ゼンノロブロイ 9450万円 108680万円 サンデーサイレンス ジャパンC
アドマイヤグルーヴ 24150万円 53520万円 サンデーサイレンス エリザベス女王杯
ヒシアトラス 2257万円 39640万円 ティンバーカントリー エルムS、南部杯2着
01 キングカメハメハ 8190万円 38400万円 Kingmambo 日本ダービー
アドマイヤモナーク 2310万円 30475万円 ドリームウェル 日経新春杯
ハイアーゲーム 15750万円 24830万円 サンデーサイレンス 青葉賞
02 ディープインパクト 7350万円 132400万円 サンデーサイレンス 牡馬クラシック三冠
カネヒキリ 2100万円 31010万円 フジキセキ ジャパンCダート
アイルラヴァゲイン 3570万円 23093万円 エルコンドルパサー オーシャンS

2001/10/21 京都11R 菊花賞(G1) 1着 2番 マンハッタンカフェ まず98年の創設から5年間について、セール出身馬の獲得賞金各年上位3頭を調べてみた。その創設初年度から、菊花賞、有馬記念、そして天皇賞(春)を制したマンハッタンカフェが登場。00年にはゼンノロブロイ、そして02年購買馬からはあのディープインパクトと、G1勝ち馬どころか競馬史に残る名馬の名前が見られる。今さら言うまでもないが、ここに並んだ馬の名前を眺めているだけでも、その「すごさ」がわかるというものだ。

この5年間はサンデーサイレンス産駒が注目を集めており、高額取引馬のほとんどがサンデーサイレンス産駒。マンハッタンカフェを筆頭に「億」の価格がつき、その価格に見合う活躍をした馬も少なくない。セールの中継を見たり、会場に足を運ぶと金銭感覚が麻痺してディープインパクトの7350万円が安く見えてしまったりするが、一般的な基準ではこの馬も十分すぎるほどに「高馬」だ。
その一方で99年の獲得賞金上位2頭、バランスオブゲームとプリサイスマシーンは1000万円を切っており、こういった価格帯からも活躍馬が出現することを示したことは、マンハッタンカフェとは違う意味でセールにとって「大きな出来事」だったと言えるだろう。

■表2 2003年セレクトセール購買馬(03年時当歳=現5歳馬、6月29日現在賞金上位10頭)

馬名
性別
価格
価格順位
現在の本賞金
父名
主な成績
アドマイヤムーン 1680万円 143 72800万円 エンドスウィープ ジャパンC
フサイチパンドラ 9135万円 15 34870万円 サンデーサイレンス エリザベス女王杯
アドマイヤジュピタ 4305万円 51 32050万円 フレンチデピュティ 天皇賞(春)
アドマイヤキッス 6510万円 26 31130万円 サンデーサイレンス ローズS、桜花賞2着
フサイチリシャール 10395万円 10 27480万円 クロフネ 朝日杯FS
アドマイヤメイン 14595万円 4 21550万円 サンデーサイレンス 青葉賞、ダービー2着
アグネスアーク 4410万円 47 17410万円 アグネスタキオン 天皇賞(秋)2着
フィールドベアー 3045万円 77 16166万円 フジキセキ 福島民報杯
トップオブツヨシ 1732万円 141 12958万円 タヤスツヨシ 湘南S
タガノエクリプス 2572万円 93 9690万円 フジキセキ 総武S

03年以降は獲得賞金上位10頭ずつを見てみたい。まずその03年は、ジャパンCやドバイデューティーフリーを制したアドマイヤムーンが賞金トップ。価格は1680万円で、落札価格の順位を見ると下から数えた方が早い143位であった。賞金ではこの馬が群を抜いているが、2位以下にもG1馬やG1好走馬が多く見られ、アドマイヤジュピタはこれからも賞金を上積みしてゆく可能性も十分にある。
また、この年でサンデーサイレンス産駒は最後。「億」で購買された10頭中8頭がサンデーサイレンス産駒で、その中からアドマイヤメインがランクインした。ただ、表2に入った産駒3頭中2頭が牝馬で、牡馬の高額馬は現在のところ今ひとつの成績である(セレクトセール出身馬以外では、マツリダゴッホが有馬記念を制した)。

■表3 2004年セレクトセール購買馬(04年時当歳=現4歳馬、6月29日現在賞金上位10頭)

馬名
性別
価格
価格順位
現在の本賞金
父名
主な成績
アサクサキングス 7455万円 13 31840万円 ホワイトマズル 菊花賞
エイジアンウインズ 1890万円 154 20730万円 フジキセキ ヴィクトリアマイル
ピンクカメオ 7455万円 14 15190万円 フレンチデピュティ NHKマイルC
ベッラレイア 2100万円 132 15070万円 ナリタトップロード フローラS、オークス2着
フサイチホウオー 10500万円 7 13700万円 ジャングルポケット 共同通信杯
ドラゴンファイヤー 3990万円 49 10760万円 ブライアンズタイム シリウスS
オースミダイドウ 3255万円 74 9500万円 スペシャルウィーク デイリー杯2歳S
アドマイヤホクト 2310万円 118 7000万円 サクラバクシンオー ファルコンS
カタマチボタン 2730万円 98 6480万円 ダンスインザダーク クイーンC2着
トーセンキャプテン 7245万円 15 6300万円 ジャングルポケット アーリントンC

2007/10/21 京都11R 菊花賞(Jpn1) 1着 10番 アサクサキングス 続いて04年。上位は03年ほどではない感もあるが、これはこの世代がまだ4歳という影響もあるだろう。アサクサキングスを筆頭に、エイジアンウインズ、ピンクカメオと3頭のG1馬がいるのだから十分だ。また、表2の下位馬は重賞実績がなくなっていたが、この表では10位のトーセンキャプテンでも重賞勝ち馬。これからさらに重賞級の馬が増えてくる可能性もあり、層としては厚くなったという見方もできそうだ。

この年からは前年までセールの「核」となっていたサンデーサイレンス産駒が不在。開催前はいったいどうなることか、などと思ったものだが、「億」を超える馬も8頭が登場。平均価格はほぼ前年並み、中間価格は前年を上回っており、そんな不安もまったくの杞憂に終わった年であった。
また、表3の10頭を見ると、表2に比べ活躍馬には(セレクトセールとしては)手ごろな価格帯の馬が増えてきている。表1を見ても、もともと幅広い価格帯から活躍馬を輩出していたセレクトセールだが、どうしても高額になってしまうサンデーサイレンス産駒が不在となり、より多くのバイヤーに将来の重賞勝ち馬を購買するチャンスが生まれた、と言ってもいいだろう。

■表4 2005年セレクトセール購買馬(05年時当歳=現3歳馬、6月29日現在賞金上位10頭)

馬名
性別
価格
価格順位
現在の本賞金
父名
主な成績
エフティマイア 840万円 233 13320万円 フジキセキ 新潟2歳S、オークス2着
アドマイヤコマンド 4305万円 53 7700万円 アグネスタキオン 青葉賞
ダイワマックワン 6825万円 22 6920万円 Langfuhr クリスマスローズS
エアパスカル 3045万円 103 5540万円 ウォーエンブレム チューリップ賞
ミッキーチアフル 5460万円 31 4755万円 シンボリクリスエス 若葉S3着
フローテーション 5460万円 31 4500万円 スペシャルウィーク スプリングS2着
スズジュピター 3045万円 103 4200万円 タニノギムレット 東京スポーツ杯2歳S2着
オリエンタルロック 2415万円 133 3930万円 マンハッタンカフェ 札幌2歳S
クリスタルウイング 17850万円 3 3470万円 アドマイヤベガ 青葉賞2着
ムードインディゴ 2835万円 111 2980万円 ダンスインザダーク 忘れな草賞

そんな傾向がより顕著になったのが、翌05年である(現3歳馬)。現在のところ賞金トップのエフティマイアはなんと価格順位233番目で、これより安価で落札された当歳馬は5頭しかいなかった。もちろん「セレクトセールの中では」という前提つきの「低価格」ではあるが、他の賞金上位馬も今のところ高額馬は少ない印象だ。この年の当歳セリも億を超える馬は7頭誕生しており、高額馬の頭数自体が激減したわけではない。なお、平均価格、中間価格はともに前年より上昇しており、「そこそこ」のあたりが「熱い」ようだ。

このように、超大物狙いで「サンデーサイレンス産駒にドーン」という形がなくなり、価格帯に関係なく、価格相応以上の成績を残せる馬を見つけ出す「目」が一層問われるようになってきたのが近年のセレクトセールである。ただ、今年は冒頭に述べたようにディープインパクト産駒が登場し、かなりの人気を集めることが予想される。もしディープインパクト産駒が今後、以前のサンデーサイレンスのようにレースでもしっかりと結果を出していくようなら、またセールの傾向も大きく変わってくるに違いない。

■表5 2006年セレクトセール購買馬(06年時1歳=現3歳馬、6月29日現在賞金上位10頭)

馬名
性別
価格
価格順位
現在の本賞金
父名
主な成績
ノットアローン 7770万円 8 5180万円 アグネスタキオン 若葉S
アサクサダンディ 3675万円 31 4090万円 フジキセキ ニュージーランドT3着
フサイチアソート 4515万円 23 3900万円 トワイニング 東京スポーツ杯2歳S
ドリームガードナー 1470万円 78 3380万円 トワイニング シンザン記念2着
ランチボックス 3885万円 30 2680万円 シンボリクリスエス すずらん賞3着
メイビリーヴ 2415万円 47 2300万円 サクラバクシンオー 500万下
ツルガオカランナー 3150万円 38 2000万円 クロフネ 500万下
ジョイフルスマイル 997万円 96 1800万円 マヤノトップガン 函館2歳S2着
ファビラスボーイ 4200万円 24 1700万円 ジャングルポケット セントポーリア賞
マチカネハヤテ 840万円 99 1680万円 サクラバクシンオー かささぎ賞

ここまで、当歳セリの結果を見てきたが、前述の通り06年からは1歳セリが復活し、ここで購買された馬は既に3歳を迎えている。そこで、当時の1歳馬を同様に調べたのが表5である。1歳ということで表2〜4とは単純に比較はできないが、価格順位を見ても高額馬が活躍するとは限らないのは当歳も1歳も同じようだ。

セレクトセールに上場される当歳馬は、どんなに早生まれでもまだ生まれて半年少々。多くの上場馬から将来の活躍馬をズバリ見つけ出すのは、たとえその道のプロでも困難を伴うことは想像できる。加えてデビューまで期間もあるので、その間に怪我をしてしまうこともあるだろう。一方で、生まれて1年以上も経つ1歳馬なら「みんなある程度はわかって、価格もどんどん上がるんじゃないの?」という気もする。
しかし、実際のところは表5の通りで、購買価格上位10頭からランクインしたのはノットアローン1頭のみである。もちろん現3歳だけに、高額馬から今後伸びてくる馬が出てくるかもしれないが、少なくとも現状では「そう簡単なものではない」と言えそうだ。

■表6 現3〜7歳馬のセリ市場購買価格帯別成績(セレクトセール以外も含む)

取引価格
着別度数
勝率
連対率
1走当賞金
 100万未満    3-   2-   3- 105/ 113 2.7% 4.4% 40万円
 100万〜   389-  447-  503- 7352/ 8691 4.5% 9.6% 72万円
 500万〜   576-  636-  669- 7409/ 9290 6.2% 13.0% 105万円
1000万〜   628-  612-  658- 6019/ 7917 7.9% 15.7% 129万円
2000万〜   300-  277-  269- 2087/ 2933 10.2% 19.7% 176万円
3000万〜   282-  263-  217- 1601/ 2363 11.9% 23.1% 230万円
5000万〜   107-   88-   73-  403/  671 15.9% 29.1% 272万円
7000万〜    88-   43-   42-  259/  432 20.4% 30.3% 828万円
1億〜    48-   30-   27-  204/  309 15.5% 25.2% 443万円
2億〜     3-    4-    1-   15/   23 13.0% 30.4% 143万円
3億以上     5-    1-    3-    7/   16 31.3% 37.5% 577万円

もっとも、あくまでこれらのデータは「セレクトセールで購買された馬」限定である。他のセールも含めた馬について全レースの結果をTarget frontier JVで集計すると、表6のようにある程度は購買価格が高いほうが、連対率や1走あたりの賞金は高い傾向が見られた(「7000万〜」の項で1走あたりの賞金が極端に多いのは、ディープインパクトの存在がかなり効いている)。
このセレクトセールや、翌週の21〜23日に開催されるセレクションセールは、事前の審査をクリアできた馬のみが上場されるセリ市である。先に「高額馬が活躍するとは限らない」としたが、これは上場基準をクリアした中では購買価格が活躍の目安にはならない、と言い換えることもできるだろう。読者の皆さんにも、未勝利戦や下級条件戦ならパドックで善し悪しがわかっても、準オープン以上ではみんな良く見えてしまう、という方もいるはず。それと似たような現象が、セレクトセールでも起きている可能性はありそうだ。

ライタープロフィール

浅田知広(あさだ ともひろ)

1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。

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