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第167回 タイムの比較で3歳の有力馬を占う

2008/3/17(月)

週二本立てとなった当コーナー。今週前半のテーマはそろそろクラシックも本番に近づいてきたということで、「古馬等とのタイムの比較で3歳の有力馬を占う」としてみた。
レベルの高い馬はそれなりにレベルの高いレースを経験してきているのか?ということが今回の原点となっているのだが、もしこの仮定が正しければ古馬戦を上回る、もしくは互角のタイムで走った2,3歳馬はその後もある程度は好走すると思うし、その逆も、ということがあるかと思う。もちろん出走しているメンバーやレースのペースといった違いはあるだろうが、同じ週、同じ距離のレースを2,3歳馬のレースと古馬戦とで比較してみることで、今年の3歳の有力馬を探れないか、何らかの傾向がつかめないか、といった感じである。

比較の条件としては同じ競馬場・距離であること同じ馬場状態であること同じ節(土日、3連続開催の中であること)を条件としている。ただし、芝のレースに関して比較相手となる古馬等のレースは2,3歳馬のレースよりも前に行われている(=芝の状態が良好と思われる)レースを比較相手としている例もある。

データの調査・集計にあたってはJRA-VAN Data Lab.Target frontier JVで調査できるが、今回は見た目だけでなく情報量もパワーアップしたJRA-VAN NEXT V5で地道に調査してみた。
サンプルとして過去数年の例をいくつか見ていこうと思うが、まずはその最たる例として昨年、64年ぶりに牝馬としてダービー馬となったウオッカの例を取り上げて見てみようと思う。


■表1 現4歳世代のデータ
競馬場
コース
2,3歳馬のレース
比較相手となるレース
月日
レース名
条件
馬名
タイム
月日
レース名
条件
馬名
タイム
阪神 芝1600 12/3 阪神JF GT ウオッカ 1.33.1 12/2 GホイップT 1600万下 エイシンドーバー 1.34.1
京都 芝1600 2/3 エルフィンS OP ウオッカ 1.33.7 1/6 京都金杯 GV マイネルスケルツィ 1.33.9
東京 芝1800 11/18 東スポ杯 GV フサイチホウオー 1.48.7 11/19 500万下※1 グランロワイヤル 1.48.8
※1 本来2000mのレースだが、1800mの通過タイムで比較した(レースタイムは2.00.9)
※2 エルフィンS/京都金杯は2007年、それ以外は2006年
※3 表中、本文中のグレード表記は便宜上全てGで表記している

2006/12/3阪神11R 阪神ジュベナイルF(G1) 1着 2番 ウオッカ 2歳牝馬が12月の時点で古馬の男馬の準オープンより1秒も速く走ってしまうのだから、ひと目でウオッカ(と2着のアストンマーチャン)が秀逸であることはわかるはずだ。年が明けても初戦のエルフィンSで他の馬より2キロ重い斤量(56kg)を背負いながらも古馬重賞の金杯より速いタイムで走ってしまうのだからすごいの一言である。
その一方でウオッカにダービーで1番人気を裏切ってしまう当初のクラシック中心馬のフサイチホウオー。彼が脚光を浴びた東スポ杯2歳Sを見てみると、意外にタイムが平凡であったことが判明した。1800mの東スポ杯より長い2000mの500万下戦の通過タイムとほぼ同じというのはどうだろうか。皐月賞、ダービーで徐々に結果を裏切る予兆がここにあったのかもしれないと思ってしまう。



■表2 現5歳世代のデータ
競馬場
コース
2,3歳馬のレース
比較相手となるレース
月日
レース名
条件
馬名
タイム
月日
レース名
条件
馬名
タイム
東京 芝1800 11/19 東スポ杯 GV フサイチリシャール 1.46.9 11/20 神奈川新聞杯 1000万下 ロールタイド 1.48.1
京都 芝1800 2/12 きさらぎ賞 GV ドリームパスポート 1.47.4 2/11 春日特別 1000万下 ケージーフジキセキ 1.48.5
※東スポ杯/神奈川新聞杯は2005年、きさらぎ賞/春日特別は2006年

現5歳世代でもサンプルがある。フサイチリシャールがレコード勝ちした東スポ杯2歳Sとドリームパスポートが勝ったきさらぎ賞だ。
フサイチリシャールは2歳の11月の時点で古馬1000万下を1秒以上上回っていたし、ドリームパスポートに関してもきさらぎ賞では古馬1000万条件を軽く1秒上回っている(きさらぎ賞に関して言うと2回京都4日目でありながら、1回京都1日目の準OPの寿Sのタイムと同じ)。両レースの2着がメイショウサムソンであり、彼がこれらのレースを経験していたことは後に皐月賞、ダービーの2冠馬となったことと無関係ではないと思う。


■表3 現6歳世代のデータ
競馬場
コース
2,3歳馬のレース
比較相手となるレース
月日
レース名
条件
馬名
タイム
月日
レース名
条件
馬名
タイム
京都 芝2000 1/22 若駒S OP ディープインパクト 2.00.8 1/5 初夢賞 1000万下 ゴージャスディナー 2.02.8
京都 芝1600 4/10 桜花賞 GT ラインクラフト 1.33.5 4/16 マイラーズC GU ローエングリン 1.33.5
※全て2005年のレース

2005/1/22京都10R 若駒S 1着 4番 ディープインパクト 現6歳世代についても見てみよう。触れる必要も無いくらいだが、ディープインパクトは3歳1月時点で古馬1000万下の開幕週のレースを2秒も上回るレースを経験していたし、ラインクラフトが勝った桜花賞は(翌週で馬場状態が劣るとはいえ)古馬一線級の集うGUマイラーズCと同タイムである。ラインクラフトが次走でNHKマイルCを勝ち、2着のシーザリオが日米のオークスを勝ち、3着のデアリングハートは重賞で活躍、4着のエアメサイアが秋華賞を勝っていることからもこのレースのレベルの高さを伺うことができるのではないかと思う。

ここまでは過去三世代の中からいくつかの例を見たわけだが、ここからは2008年の3歳世代についてみていこうと思う。


 

■表4 現3歳世代の2歳時のデータ
競馬場
コース
2,3歳馬のレース
比較相手となるレース
月日
レース名
条件
馬名
タイム
月日
レース名
条件
馬名
タイム
阪神 芝1600 12/2 阪神JF GT トールポピー 1.33.8 12/1 GホイップT 1600万下 カネトシツヨシオー 1.33.1
中山 芝1600 12/9 朝日杯FS GT ゴスホークケン 1.33.5 12/2 ターコイズS OP コスモマーベラス 1.33.4
東京 芝1800 11/17 東スポ杯 GV フサイチアソート 1.47.4 11/18 神奈川新聞杯 1000万下 マイネルキッツ 1.46.9
京都 芝1600 10/13 デイリー杯2歳S GV キャプテントゥーレ 1.35.6 10/13 500万下 フレジェール 1.34.6

まず阪神JFに関して。勝ち馬のトールポピーについてだが例年以上の評価はしてもよいと思う。ウオッカと比較すると比較相手の古馬戦よりタイムで劣る分評価が下がるが、表4-2で見るとわかるように2006年以外は全て古馬戦のタイムの方が早いものの、後に活躍したテイエムオーシャンやそれまで無敵だったピースオブワールドあたりを見た場合、1分35秒を切っていて古馬戦への遅れが1秒未満ならまあまあ、という評価ができると思う。
その他では牝馬とはいえ古馬OPと互角のタイムで走っているゴスホークケンもそれなりの評価ができると思うが、東スポ杯のフサイチアソートやデイリー杯のキャプテントゥーレに関してはやや物足りない印象が残る。


■表4-2 阪神JFと同週の古馬1600m戦との比較(全て阪神芝1600m)
阪神JF/阪神3歳牝馬S
比較相手となるレース
月日
レース名
条件
馬名
タイム
月日
レース名
条件
馬名
タイム
2007 12/2 阪神JF GT トールポピー 1.33.8 12/1 GホイップT 1600万下 カネトシツヨシオー 1.33.1
2006 12/3 阪神JF GT ウオッカ 1.33.1 12/2 GホイップT 1600万下 エイシンドーバー 1.34.1
2005 12/4 阪神JF GT テイエムプリキュア 1.37.3 12/3 GホイップT 1600万下 ロードマジェスティ 1.35.2
2004 12/5 阪神JF GT ショウナンパントル 1.35.2 12/4 GホイップT 1600万下 ヘヴンリーロマンス 1.33.4
2003 12/7 阪神JF GT ヤマニンシュクル 1.35.9 12/7 GサドルT 1000万下 アルビレオ 1.34.4
2002 12/1 阪神JF GT ピースオブワールド 1.34.7 11/30 GサドルT 1000万下 マコトホウシュン 1.34.2
2001 12/2 阪神JF GT タムロチェリー 1.35.1 12/1 GサドルT 1000万下 ゼンノスピリット 1.34.5
2005 12/3 阪神3歳牝馬S GT テイエムオーシャン 1.34.6 12/3 GサドルT 900万下 ナリタダイドウ 1.33.8

ここからは年明け後、今年に入ってのデータ(2008年2月までに行われたレースから比較が行いやすいものを対象としている)を場別に見ていく。まずは中山開催分から見ていこうと思う。


■表5 現3歳世代のデータ(中山開催分)
コース
2,3歳馬のレース
比較相手となるレース
月日
レース名
条件
馬名
タイム
月日
レース名
条件
馬名
タイム
芝1600 1/6 ジュニアC OP スマートファルコン 1.34.1 1/6 初富士S 1600万下 ワイルドファイアー 1.33.7
ダ1800 1/19 黒竹賞 500万下 サクセスブロッケン 1.53.9 1/19 1000万下・牝 ダイワオンディーヌ 1.54.7
芝1600 1/27 菜の花賞 OP デヴェロッペ 1.35.6 1/26 若潮賞 1000万下 チョウカイキセキ 1.34.2
芝2000 1/20 京成杯 GV マイネルチャールズ 2.02.9 1/20 1000万下 キャッチータイトル 2.02.1

3歳になると少なくとも古馬1000万条件は上回って欲しいところだ。
ダート1800mの500万戦を勝ち上がったサクセスブロッケンは1000万条件を0.8秒上回っている。次走でOPのヒヤシンスSを勝っている(表6)ことからもこの見方が的外れでないことはわかってもらえると思う。
マイネルチャールズは先日弥生賞を見事な勝ち方をしているが、京成杯の勝ちタイムは同日の1000万条件を下回るものであった。今回のテーマがデータ通りであれば皐月賞やダービーあたりで人気を裏切るのではとの推測も可能であるため、成り行きを見守りたいところだ。
また、準OPにやや劣るタイムでOP戦を勝ったスマートファルコンが重賞の壁に跳ね返されているところを見ると重賞戦線で勝ち負けするには準OPのタイムも上回って欲しいという気がする。


■表6 現3歳世代のデータ(東京開催分)
コース
2,3歳馬のレース
比較相手となるレース
月日
レース名
条件
馬名
タイム
月日
レース名
条件
馬名
タイム
芝2400 2/2 500万下 マゼラン 2.25.7 2/4 箱根特別 1000万下 ニシノコンドコソ 2.28.4
芝1400 2/2 クロッカスS OP マルブツイースター 1.21.3 2/4 1000万下 マルブツライト 1.22.3
芝1800 2/11 共同通信杯 GV ショウナンアルバ 1.47.6 2/11 立春賞 1000万下 キタノリューオー 1.47.1
芝1600 2/23 クイーンC GV リトルアマポーラ 1.35.5 2/23 500万下 シュヴァルドール 1.34.8
ダ1600 2/24 ヒヤシンスS OP サクセスブロッケン 1.37.0 2/24 フェブラリーS GT ヴァーミリアン 1.35.3

この表では重賞よりも非重賞で勝った馬に注目していきたいところ。
マゼランが勝った500万下戦は軽く古馬1000万戦を上回るタイム。そのままダービーを勝ってもおかしくないタイムだし、クロッカスSを勝ったマルブツイースターは1000万戦を1秒上回っている。芝1400mなのでクラシック路線ではわからないが、短い距離ならば期待できそう。その一方で古馬1000万戦を上回れなかった共同通信杯の勝ち馬と500万戦以下だったクイーンSの勝ち馬が今後どうなるのかが非常に気になるところである。


■表7 現3歳世代のデータ(京都開催分)
コース
2,3歳馬のレース
比較相手となるレース
月日
レース名
条件
馬名
タイム
月日
レース名
条件
馬名
タイム
ダ1400 1/5 500万下 シルクビッグタイム 1.24.0 1/6 門松S 1600万下 トラストジュゲム 1.23.9
ダ1400 1/27 若菜賞 500万下 ベストオブミー 1.24.7 1/27 1600万下 ワーキングボーイ 1.24.5
ダ1400 2/3 バイオレットS OP シルクビッグタイム 1.24.2 2/3 1000万下 メイショウカルド 1.24.3
芝1600 2/11 エルフィンS OP ポルトフィーノ 1.36.3 2/11 3歳未勝利 ロードニュースター 1.35.3
芝1800 2/17 きさらぎ賞 GV レインボーペガサス 1.48.8 2/16 飛鳥S 1600万下 コーナーストーン 1.48.2
ダ1400 2/24 こぶし賞 500万下 ミゼリコルデ 1.24.7 2/24 斑鳩S 1600万下 ショウワモダン 1.24.7

ここではポルトフィーノについてまず取り上げたい。名牝エアグルーヴの子供で休養明けのエルフィンSを快勝したものの、牡馬に果敢に挑んだアーリントンCでは圧倒的1人気で人気を裏切ったのは記憶に新しいところ。だが、ポルトフィーノが勝ったエルフィンSは実は同日の未勝利戦以下だったのだ。これに気づいていると、さすがに牡馬相手に圧倒的1番人気はおかしいかと思うのではないかと思う。
芝でこれらの表の引っかかるような有力馬が出てこないのが今年のクラシックをよく表していると思うが、その一方でダートに関しては好成績が続出している。シルクビックタイムベストオブミーミゼリコルテは500万下の段階で古馬の準OPとほぼ互角のタイムで走っている。先に取上げたサクセスブロッケンと同様にダート戦線で注目していくべき馬かもしれない。

今回は手始めということで簡単に見てきたが、ここから細分化していくとさらに見ていくポイント(レースの距離や脚質および牡牝の性別差といった事項が考えられる)が出てくると思う。それに関しては読者の方に分析していただくとして、今回取上げた馬たち(特に太字の馬たち)がその後期待通りの結果となったかどうかについて見守っていきたいところである。

ライタープロフィール

ヒノデクロス(ひのでくろす)

1976年6月、静岡県生まれ。大学卒業後、都内のシステム開発会社勤務。競馬歴は15年ほど、好きな馬はヒロデクロスとダンスインザダーク。「同じようなレースではおおよそ同じような結果になる」とのことで重賞を中心に過去データの観点から予想を行っている。趣味はサッカー、フットサル。日本代表と清水エスパルスおよび柴犬をこよなく愛す。

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