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第166回 牝馬路線も混戦模様? フィリーズレビューを分析する

2008/3/13(木)

今週は東西で4重賞。中山グランドJを見据えた阪神スプリングJに、ヴィクトリアマイルをにらむ中山牝馬S、そして3歳短距離路線のファルコンS、桜花賞トライアル・フィリーズレビューと興味深いレースばかりだ。本コーナーの過去2年は中山牝馬Sを分析しているため、今年はフィリーズレビューを分析してみたい。

混戦と言われた牡馬クラシック路線は、先週の弥生賞で3連勝を飾ったマイネルチャールズ、同じく3連勝中のショウナンアルバが核と呼べる存在となってきた。一方、トールポピーとポルトフィーノが筆頭格と目されていた牝馬路線だが、アーリントンCでポルトフィーノが8着、そして先週のチューリップ賞ではトールポピーが2着敗退。牡馬とは逆に、やや混沌としてきた印象もある。そんな流れを受けてのフィリーズレビュー。データの分析にはJRA-VAN Data Lab.Target frontier JV、そして馬天楼 for データde出〜たを利用した。

 

■表1 人気別成績(98年〜)
人気 1着 2着 3着 着外 勝率 連対率 3着内率
1番人気 5 2 1 2 50.0% 70.0% 80.0%
2番人気 1 1 2 6 10.0% 20.0% 40.0%
3番人気 2 1 2 5 20.0% 30.0% 50.0%
4番人気 0 0 0 10 0.0% 0.0% 0.0%
5番人気 0 2 4 4 0.0% 20.0% 60.0%
6〜7番人気 2 3 0 15 10.0% 25.0% 25.0%
8〜10番人気 0 1 1 28 0.0% 3.3% 6.7%
11番人気以下 0 0 0 57 0.0% 0.0% 0.0%

2007/3/11阪神11R フィリーズレビュー(Jpn2)
1着12番 アストンマーチャン(1番人気) 牝馬限定戦、というと人気馬がアテにならないイメージが強いが、このレースの1番人気は7連対で3着にも1頭と高い信頼性を誇る。4着以下に敗れた2頭は、1頭が前年11月以来のロンドンブリッジ(98年)、もう1頭は1400m以下の経験がなかったサンヴィクトワール。表3、4で示す好走条件から外れており、一定条件をクリアした1番人気馬は信頼性が高いと考えていいだろう。
2〜3番人気はまずまずというところ。以下では5〜7番人気に好走馬が目立ち、穴党ならこのあたりが狙い目。別途オッズ別成績を調べると、単勝15〜19.9倍【2.2.0.5】、連対率44.4%の数字が目を引く。8〜10番人気は2着1回のみ、11番人気以下は連対がなく、牝馬限定=荒れるという発想で極端な大穴狙いに走るのは禁物だ。


 

■表2 馬体重増減別成績(98年〜)
馬体重増減 1着 2着 3着 着外 勝率 連対率 3着内率
11キロ以上増 0 0 0 2 0.0% 0.0% 0.0%
7〜10キロ増 1 0 0 6 14.3% 14.3% 14.3%
5〜6キロ増 1 1 1 5 12.5% 25.0% 37.5%
3〜4キロ増 1 1 0 2 25.0% 50.0% 50.0%
1〜2キロ増 0 2 1 13 0.0% 12.5% 18.8%
増減なし 1 1 4 21 3.7% 7.4% 22.2%
1〜2キロ減 2 1 1 20 8.3% 12.5% 16.7%
3〜4キロ減 2 1 2 20 8.0% 12.0% 20.0%
5〜6キロ減 1 1 1 12 6.7% 13.3% 20.0%
7〜10キロ減 1 2 0 16 5.3% 15.8% 15.8%
11キロ以上減 0 0 0 10 0.0% 0.0% 0.0%
2桁増 0 0 0 4 0.0% 0.0% 0.0%
3 4 2 28 8.1% 18.9% 24.3%
増減なし 1 1 4 21 3.7% 7.4% 22.2%
6 5 4 78 6.5% 11.8% 16.1%
2桁減 0 0 0 16 0.0% 0.0% 0.0%

また、牝馬戦というと馬体重の増減も気になり、3歳牝馬なら増えるに越したことはない印象がある。しかし、このレースでは馬体減の馬が11連対と、連対馬の実数では馬体増を大きく上回る。その一方、勝率や連対率では馬体増の方が良く、一概にどちらが良いとは言えないデータだ。ただし、2桁の増減があった馬は20頭出走してすべて4着以下と、増減に関わらず大幅な変動は減点材料。表1の人気ともどもレース当日のチェック事項として覚えておきたい。

 

■表3 連対馬の全成績と前走
馬名 全成績 前走
着度数 連対率 3着内率
98 マックスキャンドゥ 3 1 2-1-1-0 75.0% 100.0% 飛梅賞ダ18・1着
メイショウアヤメ 6 2 2-0-0-2 50.0% 50.0% フェアリーS・4着
99 フサイチエアデール 1 1 2-2-0-2 66.7% 66.7% シンザン記念・1着
ステファニーチャン 5 2 2-2-1-2 57.1% 71.4% フローラS・1着
00 サイコーキララ 1 1 3-0-0-0 100.0% 100.0% エルフィンS・1着
シルクプリマドンナ 2 2 2-0-0-0 100.0% 100.0% 500万ダ12・1着
01 ローズバド 6 1 1-1-1-2 40.0% 60.0% 500万芝12・10着
ハッピーパス 1 2 1-2-1-0 75.0% 100.0% クイーンC・2着
02 サクセスビューティ 7 1 2-1-1-2 50.0% 66.7% クイーンC・13着
キョウワノコイビト 5 2 1-0-1-1 33.3% 66.7% エルフィンS・4着
03 ヤマカツリリー 1 1 1-2-1-0 75.0% 100.0% 阪神JF・2着
モンパルナス 3 2 2-2-1-3 50.0% 62.5% 紅梅S・2着
04 ムーヴオブサンデー 2 1 2-0-0-0 100.0% 100.0% 萌黄賞芝12・1着
マルターズヒート 1 2 3-0-1-1 60.0% 80.0% エルフィンS・1着
05 ラインクラフト 1 1 2-0-1-0 66.7% 100.0% 阪神JF・3着
デアリングハート 7 2 1-1-1-2 40.0% 60.0% エルフィンS・6着
06 ダイワパッション 3 1 3-0-1-2 50.0% 66.7% フェアリーS・1着
ユメノオーラ 6 2 2-1-1-4 37.5% 50.0% 雪割草特芝14・1着
07 アストンマーチャン 1 1 3-2-0-0 100.0% 100.0% 阪神JF・2着
アマノチェリーラン 10 2 2-1-1-3 42.9% 57.1% 若菜賞ダ14・1着

表3は過去10年の連対馬一覧で、その時点での全成績と前走成績を調べてみた。1勝馬や前走500万条件の馬、あるいはダートからの臨戦でも好走例がある、というのがひとつ目の注目点。そして、3着内率50%以上が連対への絶対条件となる。連対率も50%を超えていることが望ましく、最低でも33.3は欲しい。
また、表には記さなかったが、前走からの間隔は最長でも12月の阪神JF以来。それ以上の休養明けは過去10年3着もない。同じく、前走が新馬・未勝利の馬もすべて4着以下である。

 

■表4 連対馬のオープン・重賞実績と芝1200〜1400m成績
馬名 オープン・重賞 芝1200〜1400
着度数 3着内率 着度数 3着内率
98 マックスキャンドゥ 1 未経験 -- 0-0-1-0 100.0%
メイショウアヤメ 2 1-0-0-2 33.3% 1-0-0-1 50.0%
99 フサイチエアデール 1 1-0-0-0 100.0% 1-1-0-1 66.7%
ステファニーチャン 2 1-0-1-2 50.0% 1-0-1-2 50.0%
00 サイコーキララ 1 2-0-0-0 100.0% 2-0-0-0 100.0%
シルクプリマドンナ 2 未経験 -- 未経験 --
01 ローズバド 1 未経験 -- 0-0-1-1 50.0%
ハッピーパス 2 0-1-1-0 100.0% 0-0-1-0 100.0%
02 サクセスビューティ 1 1-0-0-2 33.3% 2-1-1-1 80.0%
キョウワノコイビト 2 0-0-1-1 50.0% 1-0-1-0 100.0%
03 ヤマカツリリー 1 0-1-0-0 100.0% 1-1-1-0 100.0%
モンパルナス 2 0-1-0-1 50.0% 1-1-0-1 66.7%
04 ムーヴオブサンデー 1 未経験 -- 2-0-0-0 100.0%
マルターズヒート 2 2-0-1-1 75.0% 1-0-1-0 100.0%
05 ラインクラフト 1 1-0-1-0 100.0% 2-0-0-0 100.0%
デアリングハート 2 0-0-1-2 33.3% 0-1-1-0 100.0%
06 ダイワパッション 1 1-0-0-0 100.0% 3-0-0-1 75.0%
ユメノオーラ 2 未経験 -- 2-1-0-1 75.0%
07 アストンマーチャン 1 2-1-0-0 100.0% 3-1-0-0 100.0%
アマノチェリーラン 2 未経験 -- 1-1-1-2 60.0%

同じく連対馬について、今度はオープン・重賞での実績と、芝1200〜1400mでの成績を調べたのが表4である。オープン・重賞は未経験でも構わないが、1度でも経験していれば3着以内の実績を持つことで共通している。壁に当たっている馬よりは、未経験馬の方が好走の可能性が高いようだ。また、1200〜1400mは3着以内の実績がほぼ必須。唯一の例外・シルクプリマドンナは2戦2勝(ともにダート)で初戦は2.7秒差の大差勝ち、2戦目も3馬身半差で快勝していた。

 

■表5 前走重賞出走の連対馬
馬名 前走 主な実績
98 メイショウアヤメ 6 2 フェアリーS・4着 フェニックス賞・1着
99 フサイチエアデール 1 1 シンザン記念・1着
01 ハッピーパス 1 2 クイーンC・2着
02 サクセスビューティ 7 1 クイーンC・13着 菜の花賞・1着
03 ヤマカツリリー 1 1 阪神JF・2着
05 ラインクラフト 1 1 阪神JF・3着 ファンタジーS・1着
06 ダイワパッション 3 1 フェアリーS・1着
07 アストンマーチャン 1 1 阪神JF・2着 ファンタジーS・1着

続いて、前走のクラス別に連対馬を見ていきたい。前走重賞組ならそこで連対しているか、3着以下なら以前にオープン(重賞含む)勝ちがあったことが条件だ。
前走レース別成績を調べると、最多の27頭が出走するクイーンC組は【1.1.2.23】で連対率7.4%と不振。阪神JF(旧阪神3歳牝馬S)組【3.0.2.11】同18.8%や、オープンのエルフィンS【1.3.3.16】同17.4%の方が優勢である。

 

■表6 前走オープン特別出走の連対馬
馬名 前走 前々走
99 ステファニーチャン 5 2 フローラS・1着 フェアリーS・3着
00 サイコーキララ 1 1 エルフィンS・1着 紅梅S・1着
02 キョウワノコイビト 5 2 エルフィンS・4着 紅梅S・3着
03 モンパルナス 3 2 紅梅S・2着 すずらん賞・7着
04 マルターズヒート 1 2 エルフィンS・1着 フェアリーS・1着
05 デアリングハート 7 2 エルフィンS・6着 紅梅S・3着

前走オープン特別組は、連対していることが望ましい。連対を外していた2頭は、いずれも前々走オープン特別で3着。2戦続けて馬券圏内を外している馬では苦しい。なお、この組は前述のエルフィンS組が大半を占め、他は紅梅S【0.1.0.4】、フローラS【0.1.1.0】とサンプル数が不足している。また、表5の前走重賞組が6勝2着2回だったのに対し、オープン特別組は1勝2着5回と、2着が多いことも目につく。購入する馬券種別によっては注意したいデータだ。

 

■表7 前走500万条件出走の連対馬
馬名 前走 500万条件
98 マックスキャンドゥ 3 1 飛梅賞ダ18・1着 1-0-0-0
00 シルクプリマドンナ 2 2 500万ダ12・1着 1-0-0-0
01 ローズバド 6 1 500万芝12・10着 0-0-0-1
04 ムーヴオブサンデー 2 1 萌黄賞芝12・1着 1-0-0-0
06 ユメノオーラ 6 2 雪割草特芝14・1着 1-0-0-0
07 アマノチェリーラン 10 2 若菜賞ダ14 ・1着 1-0-0-2

最後に前走500万組。こちらは前走1着がほぼ必須。前走大敗のローズバドはそこで1番人気に推されており、人気、着順とも「1」以外の馬は苦戦傾向だ。また、6頭中4頭は500万条件1戦1勝。初勝利後にオープンや重賞での敗戦を挟んでいても問題ないが、500万条件は一発で通過しているのが理想だ。

 

【結論】

牝馬限定戦ながら1番人気の好成績が光るフィリーズレビュー。全成績やオープン・重賞実績、そして芝1200〜1400m実績とも「3着内率」やその回数が注目点になる。前走が重賞なら連対しているか以前にオープン勝ち、前走オープン特別ならここ2戦のいずれかで馬券圏内、そして前走500万条件なら勝っていることが条件だ。

では、今年の特別登録馬を見ていこう。計34頭と多いが、表3、表4のデータによってかなり絞れ、これをクリアするのはエイシンパンサー、エイムアットビップ、エーソングフォー、ソーマジック、チェレブリタ、マイネレーツェル、ラベ、レジネッタの8頭になる。中位人気あたりが予想される馬では、ビーチアイドルが3着内率33.3%、ベストオブミー、ミゼリコルデはオープン・重賞で2戦着外、ペプチドルビーは休養明けが減点材料だ。

前記8頭の中で重賞組は、阪神JF3着のエイムアットビップのみ。阪神JF組は好成績、表1から仮に1番人気に推されるようならさらに有力となる。ただし、前走が連対ではなく3着、そしてファンタジーS2着こそあるもののオープン勝ちはなし。この組の判断材料となる表5「前走連対かオープン勝ち」を微妙にかすめつつも外しており、文句なしの本命候補とは言い難い。

2007/12/9 阪神7R サラ2歳500万下 1着1番 ラベ前走オープン特別組は、エーソングフォー、チェレブリタ、マイネレーツェル、ラベ、レジネッタの5頭。表6を参考にすると、マイネレーツェルは2戦続けて馬券圏外、そして表3で「望ましい」とした連対率50%を割る(37.5%)という点がマイナス。レジネッタも前走3着、前々走6着が表6から減点、連対率(40%)も割引となる。チェレブリタは前走6着も、前々走3着で表6はクリア。しかしこの馬も、連対率(40%)で多少減点が必要だ。よって、このオープン特別組ではエーソングフォーラベが有力とみたい。

そして前走500万組はエイシンパンサー、ソーマジックが該当馬。どちらも前走を勝ち上がった馬であり、エイシンパンサーの前走ダート、ソーマジックのオープン・重賞未経験も特に減点材料とはならない。2頭で差がつくのは500万条件での成績で、エイシンパンサーは2→2→1着、ソーマジックは前走1戦で通過。表7からソーマジックが上位だろう。

以上から、前記8頭で減点材料が少ないのはエーソングフォー、ラベ、ソーマジックの3頭。表6、表7から、オープン組は1勝2着5回と2着が多いのに対し、500万組が3勝2着3回で1、2着が同数となっており、「1着」を意識した馬券の組み立てならソーマジックが良さそうだ。特に表1の5〜7番人気、あるいは単勝15〜19.9倍の範囲に入るようなら面白い。また、この3頭以外でも表1から1番人気馬は要注意、そして馬体重(表2)も忘れずに確認したい。


【追記】

木曜の出走馬発表によれば、【結論】の冒頭に記した8頭の中から、筆頭格だったソーマジックのほか、チェレブリタが土曜・中山10レースのアネモネSに出走することになった。よって、残るのはエイシンパンサー、エイムアットビップ、エーソングフォー、マイネレーツェル、ラベ、レジネッタの6頭になる。

中では、オープン特別組は2着が多いという以外に減点材料のないエーソングフォー、ラベが有力。甲乙つけ難い2頭だが、前走オープンではエルフィンS組の好走が多く、ラベがやや優位だろうか。これに加え、好成績を残す当日の1番人気馬の3頭を上位とみたい。

ライタープロフィール

浅田知広(あさだ ともひろ)

1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。

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