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第164回 必要なのは瞬発力か先行力か!? 弥生賞を占う!

2008/3/6(木)

近年稀に見る大混戦模様を呈している今年の牡馬クラシック戦線。3月に入り、いよいよ今週は皐月賞トライアルの弥生賞が行われる。本番よりも緩い流れになりがちな本競走における武器となるものは何か?

先週行われたアーリントンCも波乱に終わり、未だに重賞を2勝以上している馬が出現していない。今週の弥生賞には前走東スポ杯2歳Sを勝ったフサイチアソート、そして今年の京成杯を勝ったマイネルチャールズがエントリー。彼らがすんなり勝利を収め、クラシック戦線の中心を担っていくのか、はたまた新たな重賞ウイナーの誕生となるのか。いつものように過去10年の弥生賞の結果をもとに、展望していくことにする。データ分析・集計には、JRA-VAN Data Lab.Target frontier JVを利用した。

 

■表1 過去10年の弥生賞優勝馬
着順 人気 馬名 前走レース・着順 タイム(馬場) 位置取り 上がり3F
07年 1 1 アドマイヤオーラ シンザン記念1着 1.35.1(良) 【4-5-5】 33.3
06年 1 1 アドマイヤムーン 共同通信杯1着 1.48.4(良) 【6-6-7-7】 33.9
05年 1 1 ディープインパクト 若駒S1着 2.00.8(良) 【7-6-6-6】 33.6
04年 1 2 コスモバルク ラジオたんぱ杯2歳S1着 2.01.6(良) 【1-1-1-1】 34.9
03年 1 2 エイシンチャンプ 朝日杯FS1着 1.33.5(稍重) 【3-2-2】 36.1
02年 1 4 バランスオブゲーム 朝日杯FS4着 1.34.1(良) 【-7-8-8】 35.4
01年 1 1 アグネスタキオン ラジオたんぱ杯3歳S1着 2.00.8(良) 【7-7-7-2】 34.1
00年 1 1 フサイチゼノン こぶし賞1着 1.34.3(良) 【- -5-3】 34.8
99年 1 2 ナリタトップロード きさらぎ賞1着 1.49.1(良) 【- -6-5】 35.5
98年 1 2 スペシャルウィーク きさらぎ賞1着 1.51.3(良) 【- -9-9】 35.7
※上がり3Fの背景の色は、黄色がメンバー中1位、水色が2位、緑色が3位の意。

上の表1は過去10年の弥生賞の優勝馬の前走レースとその内容を示したもの。ローテーション的にはきさらぎ賞、ラジオNIKKEI杯2歳S、朝日杯FSという重賞組が中心で、02年のバランスオブゲーム以外は前走1着という良績馬。ほぼ上位人気による争いで、大きな波乱はない。しかし、このような実績馬を全部拾っていくのはキリがないし、その年ごとにレースレベルの違いがある。やはり内容も見ていくのは当然の作業だ。

そこで前走の走破タイムと馬場状態、レースの位置取り、上がり3Fの数字も併せて示してある。まず、注目したいのは上がり3F。10頭中7頭が前走500万クラス以上の芝1600m以上のレースでメンバー中最速の上がりを使っての勝利だった。特に近3年の勝ち馬は上がり33秒台の極上の決め手を披露しての勝利。さらに、ディープインパクトとアグネスタキオンは芝2000mを2分00秒8というタイムでの勝利で、同馬のその後の活躍は約束されていたと言えよう。フサイチゼノンの前走は500万クラスのこぶし賞だったが、やはり重賞並みの好時計での勝利。テン〜中盤のペースがあまり上がらず、スローペースの上がり勝負になりやすい弥生賞では、前走瞬発力を武器に勝ち上がってきた馬が勝ちやすいレースといえるだろう。だが、その反面、本番の皐月賞とは結びつきにくくもなっている。

一方、残りの3頭は対照的な脚質。コスモバルクは前走ラジオNIKKEI杯2歳Sを逃げ切り勝ち。エイシンチャンプは朝日杯FSを先行しての押し切り勝ち。バランスオブゲームは弥生賞で逃げ切り勝ちを収めたことを考えると、先行馬は重賞で逃げ切り勝ちに近いパフォーマンスで勝ったことがある馬に狙いが絞れてくる。

 

■表2 過去10年の弥生賞2着馬
着順 人気 馬名 前走レース・着順 タイム(馬場) 位置取り 上がり3F
07年 2 6 ココナッツパンチ 新馬(東京芝1600m)1着 1.35.6(良) 【- -7-5】 33.4
06年 2 6 グロリアスウィーク きさらぎ賞4着 1.47.7(良) 【- -3-3】 35.1
05年 2 3 アドマイヤジャパン 京成杯1着 2.07.4(不良) 【7-7-6-6】 36.9
04年 2 3 メイショウボーラー 朝日杯FS2着 1.33.7(良) 【-1-1-1】 36.2
04年 2 4 スズノマーチ こぶし賞1着 1.34.4(良) 【- -5-4】 35.1
02年 2 2 ローマンエンパイア 京成杯1着 ※東京 2.00.4(良) 【-10-10-7】 34.7
01年 2 2 ボーンキング 京成杯1着 2.03.2(良) 【6-8-7-6】 37.4
00年 2 4 エアシャカール ホープフルS1着 2.05.9(良) 【6-6-7-6】 36.1
99年 2 1 アドマイヤベガ ラジオたんぱ杯3歳S1着 2.04.1(良) 【7-7-6-4】 34.8
98年 2 3 セイウンスカイ ジュニアC1着 2.03.5(良) 【1-1-1-1】 36.1

続いて過去10年の弥生賞2着馬を調べていく(表2参照)。まず、注目したいのは、昨年キャリア1戦ながら2着に好走したココナッパンチ。キャリア1戦での連対は過去10年で同馬1頭のみで、非常に難しいものなのだが、前走の内容を見れば納得。東京のマイル戦を1分35秒6で駆け、上がり3Fは33秒4。表1で示した決め手の重要性がここからもわかるだろう。

その他は、前走芝2000mのOPクラスのレースを上がり3位以内で勝っている馬が目立つ。メイショウボーラーは上がりの数字は上位ではないが、朝日杯FSで逃げて2着と、やはり前述した先行馬で狙えるタイプに合致。グロリアスウィークに関しては、後述する。

 

■表3 過去10年の弥生賞3着馬
着順 人気 馬名 前走レース・着順 タイム(馬場) 位置取り 上がり3F
07年 3 2 ドリームジャーニー 朝日杯FS1着 1.34.4(良) 【-15-14-12】 34.0
06年 3 5 ディープエアー きさらぎ賞6着 1.47.8(良) 【- -8-8】 34.8
05年 3 2 マイネルレコルト 朝日杯FS1着 1.33.4(良) 【-8-5-2】 35.3
04年 3 6 メテオバースト 朝日杯FS6着 1.34.7(良) 【-8-6-5】 36.4
03年 3 7 コスモインペリアル 京成杯3着 2.02.1(良) 【9-9-10-9】 35.6
02年 3 7 タイガーカフェ ホープフルS1着 2.01.7(良) 【7-6-4-4】 36.6
01年 3 4 ミスキャスト 新馬1着(京都芝1600m) 1.37.0(良) 【- -9-9】 34.6
00年 3 2 ラガーレグルス 共同通信杯7着 1.50.6(良) 【-11-11-11】 35.2
99年 3 4 マイネルシアター セントポーリア賞1着 1.49.0(良) 【-3-3-3】 35.8
98年 3 1 キングヘイロー ラジオたんぱ杯3歳S2着 2.04.0(良) 【6-5-4-3】 36.4

上の表3は過去10年の弥生賞3着馬。ここは明快な特徴は見つけにくいが、2着馬のタイプとほぼ同様の考え方でいいだろう。前走芝中距離で上がり3位以内の脚を使って好走している馬。そして、ドリームジャーニー、マイネルレコルトと差して朝日杯FSを勝った馬が顔を揃えている点も特徴だろうか。

 

■表4 グロリアスウィークとラガーレグルスの2走前成績
着順 人気 馬名 2走前レース・着順 タイム(馬場) 位置取り 上がり3F
06年 2 6 グロリアスウィーク シンザン記念2着 1.34.5(良) 【- -2-3】 34.6
00年 3 2 ラガーレグルス ラジオたんぱ杯3歳S1着 2.03.7(良) 【8-10-11-9】 36.0

最後に前走きさらぎ賞で4着、共同通信杯で7着にそれぞれ敗れながら弥生賞で巻き返しを果たしたグロリアスウィークとラガーレグルスに関して触れておきたい。両馬は前走こそ凡走を喫したが、2走前に上がり1位でそれぞれシンザン記念2着、ラジオたんぱ杯3歳S1着と好走。基本的には前走着順がいい馬でないと苦しいレースだが、然るべきレースで非凡な決め手を見せている馬は、巻き返す可能性が残っている。

 

【結論】

それでは今年の弥生賞を占っていきたい。出走予定馬は以下の表5の通り。

■表5 今年の弥生賞出走予定馬
馬名 前走レース・着順 タイム(馬場) 位置取り 上がり3F
マイネルチャールズ 京成杯1着 2.02.9(良) 【9-9-8-9】 35.9
ベンチャーナイン 京成杯2着 2.02.9(良) 【15-16-16-15】 35.3
アイティトップ 京成杯3着 2.03.0(良) 【15-11-11-9】 35.8
キャプテントゥーレ 朝日杯FS3着 1.33.9(良) 【-3-3-2】 35.4
スズジュピター 朝日杯FS5着 1.34.7(良) 【-7-10-9】 35.7
ダイシンプラン きさらぎ賞5着 1.49.0(良) 【- -14-11】 34.6
ブラックシェル きさらぎ賞7着 1.49.1(良) 【- -14-14】 34.5
タケミカヅチ 共同通信杯2着 1.47.7(良) 【-15-9-9】 35.2
シングンリターンズ 共同通信杯4着 1.48.0(良) 【-9-9-6】 35.6
ホッカイカンティ 共同通信杯6着 1.48.3(良) 【-6-5-6】 35.9
アインラクス 若駒S1着 2.04.4(良) 【5-5-5-5】 34.8
フサイチアソート 東京スポ杯2歳S1着 1.47.4(良) 【-9-8-8】 34.2
オリエンタルロック ラジオN杯2歳S11着 2.08.3(重) 【10-10-12-11】 35.9
ピエナエイム 飛梅賞1着 1.52.6(重) 【10-11-9-9】 37.2
テラノファントム 新馬1着(東京芝1800m) 1.50.3(良) 【-4-4-4】 35.8
ミッキージェット Aフラワー賞1着 ※川崎 1.36.0(良)
ライムライトシチー 500万7着 1.25.5(不良) 【- -14-14】 37.1
※フルゲートは16頭。

いきなり結論から言うと、混戦の現状を反映してか本競走も一筋縄ではいきそうにない。まず、優勝馬候補となる前走500万クラス以上の芝1600m以上のレースで上がり最速をマークして1着という条件に合致する馬は不在なのだ。そうなると狙いは先行馬となるが、こちらも困る。コスモバルクやエイシンチャンプに順ずる実績馬はいない。あえて挙げるならば朝日杯FSを先行して3着のキャプテントゥーレだが、あまり強気にはなれない。

2007/11/17 東京11R 東京スポーツ杯2歳S(Jpn3) 1着11番 フサイチアソート 仕方がないので少しハードルを下げる。前走500万クラス以上の芝1600m以上で1着という条件にすると、マイネルチャールズ、アインラクス、フサイチアソートがまずは該当。しかし、アインラクスは前走の若駒Sの勝ち時計が遅すぎるのが気になる。マイネルチャールズは、ホープフルS→京成杯と連勝中だが、決め手で圧倒して勝ち上がってきたタイプではない。それならば京成杯2着でも上がり1位で僅差だったベンチャーナインの逆転があるかもしれない。フサイチアソートはローテーションが異例だが、東スポ杯2歳Sで上がり2位をマークしての勝利。同レースは今年、後の重賞好走馬を続々と出しているハイレベルレースである点も見逃せない。


 

■表6 オリエンタルロックとブラックシェルの2走前成績
馬名 2走前レース・着順 タイム(馬場) 位置取り 上がり3F
オリエンタルロック 札幌2歳S1着 1.51.9(良) 【12-14-14-11】 36.9
ブラックシェル 福寿草特別1着 2.02.3(良) 【10-9-10-9】 34.3

2008/1/6 京都9R 福寿草特別 1着2番 ブラックシェル
上がり1位にこだわると、前走重賞敗退組でもオリエンタルロックとブラックシェルに注目できる。それぞれ2走前が500万クラス以上の芝1600m以上のレースで上がり最速をマーク。だが、オリエンタルロックは洋芝の札幌2歳Sでの記録で、上がりが36秒9。34秒台の時計含み4戦連続で上がり1位をマークで、なおかつホープフルSでマイネルチャールズと接戦経験があるブラックシェルのみに絞り込んでおこう。


まとめると、連対馬候補としてベンチャーナイン、フサイチアソート、ブラックシェル。プラスしてキャプテントゥーレを加えた4頭を推奨馬としてみたい。

ライタープロフィール

小田原智大(おだわら ともひろ)

1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。
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