第160回 人気は素質の裏付け!? きさらぎ賞を分析する|競馬情報ならJRA-VAN

JRA公式データ配信サービス JRA-VAN

  • メール:office@jra-van.jp
  • 受付時間:10:00〜17:00
  • ※競馬開催のない土日祝・火曜を除く
  • ホーム
  • サイトマップ
  • JRA-VAN広場

データde出〜た

データde出〜たバックナンバー

第160回 人気は素質の裏付け!? きさらぎ賞を分析する

2008/2/14(木)

先週の共同通信杯ではショウナンアルバが優勝し、デビュー2戦目からこれで3連勝。混戦模様の3歳牡馬クラシック戦線に、ようやく主役候補が生まれたと言えるだろう。今週、京都のきさらぎ賞では、これに続く有力候補が誕生するのか。今回はそのきさらぎ賞を分析してみたい。データの分析にはJRA-VAN Data Lab.Target frontier JV、そして馬天楼 for データde出〜たを利用した。

 

■表1 人気別成績(98年〜)
 人気   1着   2着   3着   着外   勝率   連対率   複勝率 
1番人気 2 3 2 3 20.0% 50.0% 70.0%
2番人気 4 3 0 3 40.0% 70.0% 70.0%
3番人気 3 1 1 5 30.0% 40.0% 50.0%
4番人気 0 1 3 6 0.0% 10.0% 40.0%
5番人気 0 1 2 7 0.0% 10.0% 30.0%
6番人気 1 1 0 8 10.0% 20.0% 20.0%
7番人気 0 0 2 8 0.0% 0.0% 20.0%
8番人気 0 0 0 10 0.0% 0.0% 0.0%
9番人気 0 0 0 9 0.0% 0.0% 0.0%
10番人気 0 0 0 8 0.0% 0.0% 0.0%
11番人気以下 0 0 0 26 0.0% 0.0% 0.0%

まず、このレースのデータで目につくのは、上位人気馬が圧倒的な好成績を収めていることで、連対馬20頭中16頭までが3番人気以内。残る4頭もすべて6番人気以内と、人気薄の出番はほとんどない。以前にも何度か触れた通り、多頭数では少頭数に比べ波乱の余地が大きくなるが(本稿執筆時点では16頭立ての想定)、過去10年のうち14頭立て以上で行われた4回の1〜3着は「1−4−3人気」「2−1−4人気」「3−2−1人気」「3−1−5人気」。多頭数になっても人気馬が強く、このレースにかぎっては出走頭数を気にしなくて良さそうだ。

 

■表2 前走人気別成績(98年〜)
前走人気  1着   2着   3着   着外   勝率   連対率   複勝率 
1番人気 6 3 5 16 20.0% 30.0% 46.7%
2番人気 1 4 1 12 5.6% 27.8% 33.3%
3番人気 2 0 1 5 25.0% 25.0% 37.5%
4番人気 1 2 1 12 6.3% 18.8% 25.0%
5番人気 0 1 0 10 0.0% 9.1% 9.1%
6〜9番人気 0 0 2 28 0.0% 0.0% 6.7%
10番人気以下 0 0 0 10 0.0% 0.0% 0.0%

人気面では前走人気との関連も深く、連対馬20頭中9頭までが前走1番人気馬。残る11頭中5頭も前走2番人気で、表1とあわせ、素質や実績を評価されて2戦(以上)続けて上位人気になる馬が好結果を残している。

 

■表3 3番人気以内で4着以下に敗れた馬(98年〜)
 年  馬名  人   着  前走
月日 レース 距離  人   着 
98 アインブライド 2 9 11月30日 阪神3歳牝馬 芝1600 7 1
99 アドマイヤマンボ 3 12 12月29日 全日本2歳優駿 ダ1600 2 1
00 オースミコンドル 3 5 12月25日 たんぱ杯 芝2000 5 2
00 エイシンプレストン 1 9 12月12日 朝日杯 芝1600 4 1
01 シャワーパーティー 2 5 11月12日 京都3歳S 芝1800 1 1
02 マイネルアンブル 3 5 1月19日 若駒S  芝2000 5 3
02 メガスターダム 1 8 12月22日 たんぱ杯 芝2000 6 1
04 タマモホットプレイ 2 10 1月12日 シンザン記念 芝1600 2 2
05 シックスセンス 3 4 1月16日 京成杯 芝2000 4 2
06 ファイングレイン 3 8 11月27日 あけび賞 芝1600 1 1
07 オーシャンエイプス 1 4 1月20日 新馬 芝1800 1 1

表3は、上位人気に反して馬券圏内を外してしまった馬を挙げたものだ。後述するが、休養明けや前走ダート、そして前走新馬戦といった馬は、上位人気に限らず好走例が少ないタイプ。これ以外では、前走4番人気以下で3着以内に好走し、その結果を受けてここで上位人気に推された馬が苦戦する傾向にある

 

■表4 前走クラス別成績(98年〜)
前走  1着   2着   3着   着外   勝率   連対率   複勝率 
重賞 1 5 5 32 2.3% 14.0% 25.6%
OP特 2 5 0 13 10.0% 35.0% 35.0%
500万下 7 0 2 27 19.4% 19.4% 25.0%
新馬・未勝利 0 0 3 16 0.0% 0.0% 15.8%
ラジオNIKKEI杯 1 2 1 5 11.1% 33.3% 44.4%
シンザン記念 0 1 3 18 0.0% 4.5% 18.2%
朝日杯 0 2 0 4 0.0% 33.3% 33.3%
京成杯 0 0 1 3 0.0% 0.0% 25.0%
※地方競馬ダートグレード競走は重賞に含む
ラジオNIKKEI杯にはラジオたんぱ杯を含む

続いて、人気を問わずに前走のクラス別成績を見てみよう。前走重賞、オープン特別組が計13連対を果たしているが、2着10回で優勝は3頭のみ。特に、同じ京都で行われるシンザン記念組の成績が芳しくなく、シンザン記念を除いた重賞組は連対率23.8%だ。一方、前走500万条件組が7勝をマークしており、実績に乏しくても通用する余地は大いにある。ただ、前走新馬、未勝利組は3着が最高(3頭)で、500万条件の出走経験くらいは欲しい。

 

■表5 前走重賞出走の好走馬(98年〜)
 年  馬名  人   着  前走 オープン、重賞 芝1800m以上
レース名  人   着 
98 ボールドエンペラー 4 2 ラジオたんぱ杯 4 4 デイリー杯1着 たんぱ杯4着
99 エイシンキャメロン 1 2 朝日杯3歳S 2 2 デイリー杯1着 未経験
ケイアイジョン 4 3 シンザン記念 3 3 未経験
01 ビッグゴールド 7 3 シンザン記念 7 2 エリカ賞5着
02 アグネスソニック 2 2 朝日杯FS 5 5 京王杯2歳S2着 未経験
カゼニフカレテ 5 3 京成杯 7 4 野路菊S2着 京成杯4着
03 サイレントディール 2 2 シンザン記念 1 1 黄菊賞1着
マッキーマックス 1 3 シンザン記念 2 2 新馬1着
06 マイネルスケルツィ 7 3 ラジオたんぱ杯 4 9 未勝利1着
07 アサクサキングス 3 1 ラジオNIKKEI杯 4 5 百日草特別1着
ナムラマース 2 2 ラジオNIKKEI杯 2 3 札幌2歳S1着

表5は、前走重賞組から3着以内馬をピックアップしたものだ。3着以内という括りでは、前走5着以内(11頭中10頭)、シンザン記念組なら3着以内(4頭すべて)、という以外に距離や実績にさしたる共通点はない。しかし前走3着馬(背景灰色)を除いて連対馬に限定すると、重賞組は重賞連対または芝1800m以上の500万条件優勝実績を持つ、という共通点が浮かび上がる。これをクリアする前走5着以内馬は連対候補、クリアできない馬は3着候補とみていいだろう。他の組では3着以下の回数もチェックポイントになるが、この組は凡走経験があっても問題はない。

 

■表6 前走オープン特別出走の好走馬(98年〜)
 年  馬名  人   着  前走 芝1800m以上 全成績
レース名  人   着 
00 エリモブライアン 5 2 若駒S 2 2 【1.1.0.3】
01 アグネスゴールド 1 1 若駒S 1 1 【2.0.0.0】
ダンツフレーム 3 2 野路菊S 1 1 未経験 【3.1.0.0】
04 ブラックタイド 1 2 若駒S 1 1 【2.0.0.1】
05 マキハタサーメット 6 2 さざんかS 4 1 未経験 【3.2.1.0】
06 ドリームパスポート 2 1 京都2歳S 2 2 【1.3.1.0】
メイショウサムソン 1 2 中京2歳S 2 1 【3.2.1.1】

前走オープン特別組は、前走2番人気以内かつ2着以内の馬が7頭中6頭。加えて、前走が1600m以下だった2頭はともに3勝馬だった。また、7頭中4頭は3着内率100%で、残る3頭の着外はいずれも4着。着順掲示板を外すような凡走経験のある馬は割引だ。

 

■表7 負担重量別成績(98年〜、牡・セン馬)
斤量  1着   2着   3着   着外   勝率   連対率   複勝率 
55キロ 5 1 5 42 9.4% 11.3% 20.8%
56キロ 5 4 5 48 8.1% 14.5% 22.6%
57キロ 0 5 0 1 0.0% 83.3% 83.3%
55キロ(〜02年) 5 1 5 42 9.4% 11.3% 20.8%
56キロ(〜02年) 0 3 0 7 0.0% 30.0% 30.0%
57キロ(〜02年) 0 1 0 0 0.0% 100.0% 100.0%
56キロ(03年〜) 5 1 5 41 9.6% 11.5% 21.2%
57キロ(03年〜) 0 4 0 1 0.0% 80.0% 80.0%

重賞、オープン特別組では、多くの賞金を獲得して他馬より重い斤量を背負った馬がどんな成績なのか、という点も気にかかる。このレースは02年以前が55キロ、03年以降は56キロがベースになる。これを超える「他馬より斤量の重い馬」の成績を調べると、高連対率を記録している反面、好走馬はすべて2着止まりで1着は皆無というデータ。購入する馬券種別が「連複」系か「連単」系かで、このタイプの扱いは大きく変わってくる。

 

■表8 前走500万条件出走の好走馬(98年〜)
 年  馬名  人   着  前走 芝1800m以上 全成績
レース名  人   着 
98 スペシャルウィーク 1 1 白梅賞 1 2 未経験 【1.1.0.0】
99 ナリタトップロード 2 1 福寿草特別 3 3 新馬1着 【1.1.1.0】
00 シルヴァコクピット 2 1 福寿草特別 1 1 【2.1.1.0】
キングザファクト 4 3 白梅賞 1 2 新馬1着 【1.2.0.0】
02 メジロマイヤー 6 1 白梅賞 3 1 未経験 【2.3.0.0】
03 ネオユニヴァース 3 1 白梅賞 1 1 中京2歳S3着 【2.0.1.0】
04 マイネルブルック 3 1 寒竹賞 1 1 【2.3.1.2】
05 コンゴウリキシオー 2 1 くすのき賞 1 1 【2.1.0.0】
アドマイヤフジ 1 3 寒竹賞 1 2 【1.1.1.0】

クラス別に戻り、前走500万条件組では、前走3番人気以内かつ3着以内が絶対条件。また、9頭中8頭は勝率33.3%以上、連対率66.7%以上、そして3着以下に敗れたのは1度まで。さらに、芝1800m以上未経験や、今回4番人気以下の馬は、すべて連対率100%となっている。

なお、前走新馬・未勝利組で3着となった3頭は、前走が京都の芝2000m戦、キャリア2戦以下、4着以下の経験なしで共通している。また、クラスに関わらず前走でダート戦に出走していた馬はすべて4着以下。さらに、前走出走月は3着以内馬30頭中27頭が12月または1月で、前走が11月以前の3着以内馬は3頭、2月出走馬の好走例はない。

 

【結論】

上位人気馬の信頼性が高いきさらぎ賞。このレースのみならず、前走でも上位人気に推されていた馬が好成績を残している。前走クラス別では500万条件組が高勝率をマーク。重賞やオープン組は連対数こそ多いものの、2着止まりに終わるケースが目立っている。また、休養明けや間隔の詰まっている馬は好走例が少なく、3着以内馬30頭中27頭が前走12月、または1月だった。

さて、今年の出走予定馬を見ていこう。前走重賞組では5着以内が条件で、該当するのはベンチャーナイン、メイショウクオリア、レインボーペガサス、レッツゴーキリシマの4頭。このうち、レインボーペガサスは前走ダート戦からの好走馬は皆無であり大きく割引。メイショウクオリアは、重賞連対か芝1800m以上の500万勝ちという連対条件(表5)をクリアできず、3着候補の一角だ。
残る2頭では、レッツゴーキリシマが朝日杯2着で条件をクリア。ベンチャーナインも京成杯2着でやはり条件をクリアする。しかしベンチャーナインは、出走数こそ少ないものの過去3着が最高の京成杯組。レッツゴーキリシマは57キロで他馬より1キロ重く、表7から好走の可能性こそ高くても2着止まり、という判断になる。
もうひとつ、この2頭は前走が10、12番人気という低評価を覆しての好走だったのも気にかかる(表2)。表3から、もし上位人気に推されるようなら、逆に疑ってかかる手もあるだろう。少なくとも「文句なし」とは言えない2頭で、他に減点のない馬がいればそちらを優位とみるのが妥当だ。

オープン特別組では、表6「前走2番人気以内、2着以内」の該当馬はなし。この組では2戦2勝・アルカザンの上位人気が予想されるが、前走4番人気が減点材料。この組で唯一の例外となるマキハタサーメットが同じ前走4番人気1着だけに、僅かに可能性は残されているものの、上位には評価し難い。また、前走が11月、そして4番人気以下での好走を受けて今回上位人気という形が、表3にある人気馬の凡走パターンに当てはまるのもマイナス材料だ。

前走500万条件組で、表8の「前走3番人気以内、3着以内」に合致するのはスマイルジャック、ファリダット、ブラックシェルの3頭。中では、勝率や連対率、3着以下の回数といった表8の諸条件をクリアするブラックシェルが最有力だ。前走に続いて今回も上位人気が予想されることも、表1、2から好材料である。
スマイルジャックとファリダットは3着が2回ある上、連対率も66.7%を切るため表8で減点。また、連対率が100%ではなく、同じく表8から今回4番人気以下の場合はさらに割引が必要となる。

以上から、すんなりとデータをクリアしたのは500万条件組のブラックシェル1頭のみで、この馬以外は減点材料を抱える馬ばかり。一応、「前走重賞5着以内+重賞連対実績」には問題のないレッツゴーキリシマベンチャーナインを2番手グループの上位とみたが、どのデータを重視するかによっても判断が分かれそうな混戦模様である。なお、現500万条件馬は本稿執筆時点(水曜)の想定では抽選対象のため、ここに挙がっている馬でも出走できない可能性があるので注意したい。

 

2008/1/6 京都9R 福寿草特別 
1着2番 ブラックシェル 2007/10/21 京都8R かえで賞
1着7番 レッツゴーキリシマ
2008/1/6 京都9R
福寿草特別 
1着 2番 ブラックシェル
2007/10/21 京都8R
かえで賞
1着 7番 レッツゴーキリシマ

ライタープロフィール

浅田知広(あさだ ともひろ)

1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。

データde出〜たバックナンバー

データ競馬のための最強ツール TARGET frontier JV(ターゲット)

ページトップへ戻る

競馬予想のJRA-VAN