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第150回 コース改修後も実績重視で考えてみる

2007/11/29(木)

今週は阪神競馬場で阪神ジュベナイルフィリーズが行われる。阪神芝1600mは昨年コース改修が行われ、現コースでの阪神JFは今年で2回目。前年の結果を受け、今年はどのように攻略するべきだろうか?

近年屈指のハイレベルと言われるのが現3歳牝馬世代。その中心にいるダイワスカーレットは年明けから頭角を現してきたが、ウオッカとアストンマーチャンは昨年の阪神ジュベナイルフィリーズ(JF)で激戦を演じた。ウオッカが日本ダービーを制し、アストンマーチャンがスプリンターズSを制したのは周知の通り。一般的に2歳G1は早熟度、現時点での完成度が問われるのが常だが、それに加えて昨年は絶対能力の高さがそのまま結果に表れた。

そうなった背景として、やはり阪神コースのリニューアルがあるのは無視できない。阪神芝1600mは従来のトリッキーな小回りコースから広々としたコースへと生まれ変わり、各馬能力をフルに発揮しやすい環境になっている。その視点を重視すれば、データの分析も06年以降と05年以前を別々に考える必要が出てくるかもしれない。

だが、出走馬のキャリア・実績に基づいて考えれば、昨年特別に大きく傾向が変わったような雰囲気ではない。昨年3着だったルミナスハーバーを含め、上位3頭はデビュー以来一度も連対を外したことがなかった馬。大荒れとなった05年ですらも、実はデビュー以来無敗だった馬が上位を独占したのだった。これを阪神JFで好走するための重要な共通点とみなせば、過去のレース結果も検討材料としてまだまだ活用できるし、コースリニューアル後も視点は大きくピントを外すことはないはずだ。

よって、データは97年以降の過去10年の阪神JFを参考。調査・集計はJRA-VAN Data Lab.Target frontier JVを利用した。

 

■表1 過去10年の阪神JF好走馬(1)
 着順   人気  馬名 前走成績 OP実績
04年 1 8 ショウナンパントル デイリー杯2歳S5着 新潟2歳S2着
03年 1 6 ヤマニンシュクル 札幌2歳S3着 コスモス賞1着
3 12 コンコルディア ファンタジーS8着 カンナS1着
01年 1 7 タムロチェリー ファンタジーS10着 小倉2歳S1着
99年 2 3 ゲイリーファンキー ファンタジーS5着 新潟3歳S1着
98年 2 11 エイシンレマーズ ファンタジーS5着 もみじS1着
3 1 ゴッドインチーフ ファンタジーS2着 ききょうS1着
97年 1 7 アインブライド ファンタジーS7着 野路菊S1着

冒頭で触れたようにここ2年は、キャリアは少ないけれども一度も大きく崩れたことがない馬が軒並み好走を果たしている。しかし、過去10年で見た場合は、それはそれほど多い好走パターンではない。最も多いのは上の表1で示した各馬のような例。過去にOPクラスの芝のレースで勝ち鞍がある馬の、前走重賞敗退後の巻き返しだ。特に主要ステップレースであるファンタジーS組が多く、8頭中6頭が該当。そして、04年1着のショウナンパントル以外は過去にOPで1着の実績。前走重賞敗退馬で今回拾えるのは、このようなタイプの馬だ。

 

■表2 過去10年の阪神JF好走馬(2)
 着順   人気  馬名 前走成績  最高距離 
05年 1 8 テイエムプリキュア かえで賞1着 芝1400m
01年 3 2 オースミコスモ 赤松賞1着 芝1600m
99年 3 2 マヤノメイビー りんどう賞1着 芝1400m
98年 1 3 スティンガー 赤松賞1着 芝1800m

次の表2は、新馬→500万クラスの連勝馬。つまり2戦2勝のキャリアで好走した馬をまとめてみた。05年のテイエムプリキュアを筆頭に4頭が該当。優勝馬が2頭、3着馬が2頭出ている。マイル以上の距離経験は必須ではなく、芝1400mで勝っていればOK。

 

■表3 過去10年の阪神JF好走馬(3)
 着順   人気  馬名 前走成績  通算成績 
04年 2 3 アンブロワーズ 函館2歳S1着 【2-0-0-0】
3 1 ラインクラフト ファンタジーS1着 【2-0-0-0】
02年 1 1 ピースオブワールド ファンタジーS1着 【3-0-0-0】
00年 2 6 ダイワルージュ 新潟3歳S1着 【2-0-0-0】

次の表3は前走重賞1着の無敗馬。過去10年では4頭の該当馬が出ている。格的には表2の馬よりも上なのだが、04年にラインクラフトが1番人気で3着に敗れている。こちらも距離経験は不問だが、重賞実績を信頼して全部頭から狙うのは危険だということを意識しておきたい。

 

■表4 過去10年の阪神JF好走馬(4)
 着順   人気  馬名 前走成績  通算成績 
06年 2 1 アストンマーチャン ファンタジーS1着 【3-1-0-0】
02年 3 6 ブランピュール コスモス賞1着 【2-1-0-0】
99年 1 1 ヤマカツスズラン ききょうS1着 【2-0-1-0】

次の表4は、前走OPクラスの芝のレースで1着だった馬をまとめてみた。過去10年の好走馬は、昨年2着のアストンマーチャンを含めて3頭いる。注目は通算成績で、3頭いずれもデビューから3着以内を一度も外していなかったこと。冒頭でも述べたが、デビューからの通算成績は重要で、その他の馬の取捨にもかかわってくる。

 

■表5 過去10年の阪神JF好走馬(5)
 着順   人気  馬名  前走成績   通算成績   最高距離 
06年 1 4 ウオッカ 黄菊賞2着 【1-1-0-0】 芝1800m
3 2 ルミナスハーバー 500万1着 【2-1-0-0】 芝1600m

上の表5では、昨年優勝馬のウオッカ、3着のルミナスハーバーに注目した。ともに前走牡馬混合500万クラスの芝のレースで連対通算成績で3着以下なし、そして、1600m以上を経験・好走しているのが共通点。ただし、05年以前の好走馬にはこの手のタイプがいない。もしかすると、これがコース改修後の特徴を示すものになっていくかもしれない。

 

■表6 過去10年の阪神JF好走馬(6)
 着順   人気  馬名 前走成績  通算成績(芝のみ) 
02年 2 11 ヤマカツリリー 500万3着 【1-1-1-0】
01年 2 9 アローキャリー すずらん賞3着 【1-0-1-0】
00年 1 1 テイエムオーシャン 札幌3歳S3着 【2-0-1-0】
3 7 リワードアンセル 新潟3歳S2着 【1-1-0-0】

表6は前走500万クラス以上の芝のレースを3着以内で、なおかつ通算成績で4着以下なしの馬。02年のヤマカツリリー以外はOPクラスのレースに出走。00年のテイエムオーシャン、リワードアンセルは前走重賞組で、OP勝ちがなく表1に入らなかったタイプだが、前走重賞3着以内で、通算成績も優秀だった。

 

■表7 過去10年の阪神JF好走馬(7)
 着順   人気  馬名 前走成績(レース、距離、タイム、着差)
05年 2 9 シークレットコード 新馬(牝)1着 東京芝1600m 1.37.1(-0.4)
3 2 フサイチパンドラ 新馬1着 京都芝1800m 1.48.1(-1.0)
03年 2 10 ヤマニンアルシオン 新馬1着 京都芝1200m 1.10.6(-0.8)
97年 2 6 キュンティア 新馬1着 京都芝1600m 1.35.4(-0.1)

最後は表7。こちらは前走新馬を勝ったばかりのキャリア1戦の馬。過去10年で4頭が該当。2、3着止まりで、正解の馬を引き当てるのが非常に難しいが、人気薄であることが多いので、できればタイミングよく狙いたい。取捨の判断は、2着馬との着差と勝ち時計。97年のキュンティア以外は2着の馬に0.4秒以上離して勝っていた。キュンティアは僅差の勝利だったが、勝ち時計は悪くなかった。

例外は97年3着のダンツシリウスで、それ以外の過去10年の好走馬は以上のように分類することができた。

 

【結論】

それでは今年の阪神JFを占っていきたい。収得賞金400万円以下の馬に関しては抽選によって出走馬が決まるが、ひとまず全登録馬を下の表8に示した。

■表8 今年の阪神JF出走予定馬
馬名 賞金(万円) 前走成績 備考
エフティマイア 2800 京王杯2歳S13着 新潟2歳S1着
ハートオブクィーン 2600 京王杯2歳S10着 函館2歳S1着
オディール 2000 ファンタジーS1着 【2-1-1-0】
エイムアットビップ 1550 ファンタジーS2着 【2-3-0-0】
アロマキャンドル 1200 いちょうS1着  
マイネブリッツ 1200 ききょうS1着  
ヤマカツオーキッド 1200 札幌2歳S10着 コスモス賞1着
シャランジュ 1050 デイリー杯2歳S5着 新潟2歳S2着
カレイジャスミン 900 赤松賞1着  
トラストパープル 900 くるみ賞1着  
ラルケット 900 サフラン賞1着 芝1400m
レジネッタ 900 500万(牝)1着  
ヴァリアントレディ 400 新馬(牝)1着 京都芝1600m、1.36.2(-0.1)
エイシンパンサー 400 ファンタジーS3着  
オペラセリア 400 500万(牝)9着  
サマーファインデイ 400 ファンタジーS7着  
デューン 400 500万(牝)3着  
ドリームローズ 400 ファンタジーS11着  
トールポピー 400 黄菊賞2着 【1-2-0-0】、芝2000m
ニシノガーランド 400 赤松賞2着  
ブラックエンブレム 400 未勝利(牝)1着  
マイネトゥインクル 400 未勝利(牝)1着  
マルターズオリジン 400 赤松賞3着 【1-1-1-0】
ミゼリコルデ 400 500万(牝)2着  
レーヴダムール 400 新馬1着 京都芝1600m、1.36.1(-0.0)

※フルゲート18頭。収得賞金400万円の馬は抽選で6頭出走可能。エールドクラージュ、グラーフ、ラベは出走回避の見込み(11/28午前現在)。

まず、表1の前走重賞敗退馬に注目すると、過去にOPの芝のレースで勝ち鞍(重賞ならば連対)があるのはエフティマイアハートオブクィーンヤマカツオーキッドシャランジュの4頭。シャランジュ以外は前走二ケタ着順に大敗、しかも全馬ファンタジーS組以外のローテーションということで、正直、首を傾げたくなるところもあるのだが、この4頭は巻き返しがあってもおかしくない。

表2のタイプとしてはラルケット。新馬→サフラン賞と連勝中の無敗馬だ。表3の前走重賞1着の無敗馬は今年不在。表4のタイプはオディール。前走ファンタジーSを優勝、通算成績が4戦して4着以下なし。まずまずの安定感を見せており、連続好走があってもいいだろう。

表5のタイプはトールポピー。前走芝1800mの黄菊賞2着で、3戦1勝2着2回の連対率100%。抽選次第となるが、出走できるようならば注目。以下、表6のタイプはエイムアットビップマルターズオリジン。表7のタイプである1戦1勝馬は、今年ヴァリアントレディなどが登録しているが、いずれもの馬も勝ち時計・着差からいきなりの勝ち負けまではどうか。本当はもう少し絞りたいところだったが、ひとまずは上記の馬が有力と結論づけたい。

 

2007/10/13 東京10R サフラン賞
1着 6番 ラルケット 
2007/11/4 京都11R KBSファンタジーS(Jpn3)
1着 3番 オディール
2007/10/13 東京10R
サフラン賞
1着 6番 ラルケット
2007/11/4 京都11R
KBSファンタジーS(Jpn3)
1着 3番 オディール

ライタープロフィール

小田原智大(おだわら ともひろ)

1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。
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