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第148回 今年は混戦模様のマイルCS

2007/11/15(木)

今週は秋のマイル王決定戦・マイルCS。連覇を目指してダイワメジャーが駒を進めるが、昨年は毎日王冠から3連勝を飾ったのに対し、今年は3、9着からのステップというのは気になるところ。果たしてこの馬の連覇か、それとも新勢力の台頭か。データから分析してみよう。

今週は京都競馬場で、秋のマイル王者決定戦・マイルCSが行われる。今年、1600m以下のG1を制したコイウタやスズカフェニックス、ダイワメジャーが前走で着外に敗退。近走好走馬との比較が難しく、混戦ムードの一戦だ。そんな今年のマイルCSをJRA-VAN Data Lab.Target frontier JVを利用して分析してみたい。

まずこのレースで目につくのは、2年連続して連対する馬が多いこと。創設当初のニホンピロウイナー(1、2回連覇)に始まり、ニッポーテイオー、ダイタクヘリオスなど。ここ10年にかぎっても、タイキシャトルやデュランダルなどが2年続けて連対を果たしている。今年連覇を狙うダイワメジャーも、一昨年2着、昨年1着である。

 

■表1 マイルCS、2回以上出走の連対馬(97年〜)
馬名  年   マイルCS  前走 前々走
 人   着  レース  距離   人   着  レース  距離   人   着 
タイキシャトル 97 2 1 スワン 14 2 1 ユニコーン ダ16 3 1
98 1 1 仏G1 16   1 安田記念 16 1 1
キョウエイマーチ 97 5 2 秋華賞 20 2 2 ローズ 20 2 1
98 4 6 スワン 14 2 6 シルクロード 12 1 11
99 3 5 南部杯 ダ16 2 2 安田記念 16 9 9
ビッグサンデー 98 6 2 アイルランド 16 3 2 毎日王冠 18 6 6
99 8 18 スワン 14 8 3 エプソム 18 5 6
00 17 16 スワン 14 15 14 中山記念 18 7 3
キングヘイロー 99 4 2 天皇賞・秋 20 9 7 毎日王冠 18 2 5
00 5 7 スワン 14 3 12 スプリンター 12 6 7
ダイタクリーヴァ 00 1 2 富士 16 4 3 ダービー 24 2 12
01 1 9 富士 16 2 2 中山記念 18 1 3
エイシンプレストン 00 4 5 スワン 14 5 6 NZT 16 1 1
01 2 2 毎日王冠 18 5 1 関屋記念 16 1 3
02 3 2 天皇賞・秋 20 5 8 毎日王冠 18 3 2
ゼンノエルシド 01 4 1 スプリンター 12 1 10 京成杯AH 16 1 1
02 12 14 スワン 14 3 16 安田記念 16 3 18
デュランダル 02 7 10 1600万特 12 1 1 1000万特 16 1 1
03 5 1 スプリンター 12 5 1 セントウル 12 4 3
04 1 1 スプリンター 12 2 2 高松宮記念 12 1 2
05 1 8 スプリンター 12 2 2 香港G1 16   5
ファインモーション 03 2 2 毎日王冠 18 1 7 クイーン 18 1 2
04 2 9 札幌記念 20 1 1 函館記念 20 1 2
ダンスインザムード 04 4 2 天皇賞・秋 20 13 2 秋華賞 20 1 4
05 5 4 天皇賞・秋 20 13 3 府中牝馬 18 2 8
06 3 2 天皇賞・秋 20 5 6 毎日王冠 18 2 2
ハットトリック 05 3 1 天皇賞・秋 20 11 7 毎日王冠 18 8 9
06 6 8 天皇賞・秋 20 14 8 毎日王冠 18 7 12
ダイワメジャー 05 4 2 毎日王冠 18 1 5 関屋記念 16 1 2
06 1 1 天皇賞・秋 20 4 1 毎日王冠 18 3 1

そこで、過去10年の間にこのレースに複数回出走した馬を調べると計33頭おり、そのうち1度でも連対した経験のある馬12頭をピックアップしたのが表1である。33頭中12頭、複数回出走馬のうち36%が1度は連対しているのだから、これだけでも狙い目が立つと言ってしまっても良いほどだ。
つけ加えれば、12頭中10頭は1回目の挑戦で連対している、というのが注目点。残る2頭、00年のエイシンプレストンと02年のデュランダル(背景緑)は1度目が3歳時で、2度目の4歳時には連対を果たしている。つまり、昨年以前の出走馬で今年も狙えるのは、昨年3歳で出走した馬、または既に連対実績のある馬となる。

 

■表2 マイルCS、2年連続連対馬(97年〜)
馬名 1年目 2年目 1〜2年目間の主なG1実績
 年   人   着   年   人   着 
タイキシャトル 97 2 1 98 1 1 スプリンターズS、安田記念、ジャックルマロワ賞
エイシンプレストン 01 2 2 02 3 2 香港マイル、QE2世C
デュランダル 03 5 1 04 1 1 高松宮記念2着、スプリンターズS2着
ダイワメジャー 05 4 2 06 1 1 天皇賞・秋
ダンスインザムード(参考、中2年) 04 4 2 06 3 2 ヴィクトリアマイル(06年)

表1は大きく少々見づらいので、ここから2回以上連対馬を抽出したのが表2だ。表1には前走、前々走の成績を記したが、エイシンプレストンのように天皇賞着外からの巻き返しもあり、これだけでは傾向が掴みづらい。しかし、G1成績を調べた表2を見ると「過去1年以内にG1勝ち、または2着2回」という傾向が浮かんでくる。前年(あるいは前々年)の好走後、最近も他のG1で好走して力を証明していることが必要なのだ。

さて、「複数回出走」という視点からは離れ、ここからは前走の出走レース別に傾向を見てみたい。00年にスプリンターズSの施行時期が変更されているため、ここでは00年以降の7年間を参考にする。

 

■表3 前走天皇賞・秋出走の連対馬(00年〜)
 年  馬名  マイルCS   天皇賞  主なG1成績 主な1600m成績
 人   着   人   着 
02 エイシンプレストン 3 2 5 8 香港マイル、朝日杯ほか
04 ダンスインザムード 4 2 13 2 桜花賞
05 ハットトリック 3 1 11 7 着外2回(安田記念15着) 京都金杯、東京新聞杯
06 ダイワメジャー 1 1 4 1 天皇賞・秋、皐月賞 重賞2勝、マイルCS2着
ダンスインザムード 3 2 5 6 桜花賞、ヴィクトリアマイル

まず、その7年で最多の5連対を数える天皇賞組。着順はひと桁であれば問題なく、問われるのは過去の実績だ。5頭中3頭がマイルCSと同じ1600mでのG1勝ち馬で、ダイワメジャー(昨年)はマイルCS2着に2000mでG1・2勝。残るハットトリックはG1こそ出走経験しかないが、1600mで重賞2勝を含む全6勝中5勝を挙げるマイル巧者だった。

 

■表4 前走スプリンターズS出走の連対馬(00年〜)
 年  馬名  マイルCS   スプリンター  前々走  
レース  人   着   1600m実績 
01 ゼンノエルシド 4 1 1 10 京成杯AH 1 1 ←、4戦1勝
03 デュランダル 5 1 5 1 セントウル 4 3 3戦2勝
04 デュランダル 4 1 2 2 高松宮記念 1 2 マイルCS

つぎにスプリンターズS組。3頭中2頭がデュランダルで、スプリンターズS連対を果たしていた。今年は連対馬の登録がなく、このパターンは無視して良いだろう。問題はゼンノエルシド。スプリンターズSでは10着大敗を喫し、マイル実績も前々走の京成杯AH優勝のみ。サンプル不足の感も否めないので、一応ここでは「マイル重賞勝ち」を条件としつつ、次の「その他」のグループの例と併せて考えたい。

 

■表5 その他の連対馬(00年〜)
 年  馬名  マイルCS  前走 過去1年重賞実績
レース  人   着 
00 アグネスデジタル 13 1 武蔵野 4 2 全日本2歳優駿名古屋優駿ユニコーンS
ダイタクリーヴァ 1 2 富士 4 3 スプリングSシンザン記念皐月賞2着
01 エイシンプレストン 2 2 毎日王冠 5 1 毎日王冠北九州記念ダービー卿CT2着
02 トウカイポイント 11 1 富士 6 5 中山記念札幌記念2着カブトヤマ記念2着
03 ファインモーション 2 2 毎日王冠 1 7 クイーンS2着
05 ダイワメジャー 4 2 毎日王冠 1 5 ダービー卿CT関屋記念2着

最後にその他のグループで、こちらも前走天皇賞組と同様にひと桁着順が条件(ただし重賞であること)。下の2頭はG1馬で、過去1年以内に1800m以下の重賞連対があれば好走可能だ。G1勝ちのない馬は条件が厳しく、過去1年以内にG2勝ちを含む重賞3連対以上(ダートも可)となる。
スプリンターズS組をこの条件に当てはめると、03年のデュランダルは前走G1勝ちで条件をまとめてクリア。04年についても前走2着でクリアとなる。やはりゼンノエルシドが例外的な存在と言えそうで、スプリンターズS組もまとめて「前走天皇賞以外」の組として考えてもよさそうだ。

 

【結論】

2年連続出走馬なら、昨年の連対馬か昨年3歳(現4歳)馬。前走レース別にみると、天皇賞組はG1馬か、マイル実績を十分に持つ馬。天皇賞以外では、G1馬なら過去1年に重賞連対がある馬。G1馬以外なら、過去1年にG2勝ちを含む重賞3連対以上をマークしている馬が狙いとなる。

昨年の出走馬を振り返ってみると、連対していたのがダイワメジャー(1着)で、昨年3歳だったのはスーパーホーネット(9着。他の4歳は回避、または除外対象)。複数回出走馬の好成績を考えれば、とりあえずこの2頭には注目しても良いだろう。

前走ごとに見てゆくと、天皇賞組は繰り上がり9着で「ひと桁」をクリアしたマイルG1・2勝のダイワメジャーに加え、2着アグネスアーク、3着カンパニーが登録。このうちアグネスアークは、マイル【2.0.0.1】ながら勝ち鞍は新馬と1000万条件で、重賞はマイラーズCで10着に大敗。ハットトリックとの比較で見劣りは否めない上、過去10年までさかのぼっても重賞未勝利馬が連対した例がないという点で割引になる。
カンパニーもマイル【2.0.0.3】で巧者とまでは言えないが、こちらは重賞・関屋記念を圧勝した実績があり、ダイワメジャーともども候補として残しておきたい。ただ、この2頭は過去7年で1連対しかない6歳馬(19頭出走。3歳3連対、4歳6連対、5歳4連対)。文句なしに推奨できる、とまでは言い難い。

続いて天皇賞以外の組。まず出走予定馬の中で、G1馬+1年以内重賞連対+前走ひと桁着順をクリアするのは、スズカフェニックスに加え、コイウタフサイチリシャール。また、G1馬以外で1年以内にG2勝ちを含む重賞3連対をクリアするのはエイシンドーバーだ。
ただし、スズカフェニックスは扱いの微妙なスプリンターズS組。また、コイウタともども2戦連続4着以下という成績が気にかかる(過去7年の連対馬14頭中、ハットトリックを除く13頭は、前走、前々走のいずれかで3着以内)。フサイチリシャールは00年以降3着が最高のスワンS組。さらに、エイシンドーバーも休養明けは過去7年連対なしというデータに引っかかる。なお、前述のスーパーホーネットはスワンS組であることに加え、1年以内に重賞3連対の条件もクリアできていないのは減点だ。

ここまで、前走などの成績からダイワメジャー、スーパーホーネット、カンパニー、スズカフェニックス、コイウタ、フサイチリシャール、エイシンドーバーの名前を挙げたが、いずれもほかに減点材料を抱えており、データからも混戦模様と言える一戦である。

 

■表6 京都芝・外1600mの騎手成績(03年〜)
騎手名  1着   2着   3着   着外   勝率   連対率 
武豊 17 8 5 33 27.0% 39.7%
安藤勝己 10 8 8 19 22.2% 40.0%
岩田康誠 9 2 5 28 20.5% 25.0%
池添謙一 7 4 5 51 10.4% 16.4%
福永祐一 6 7 8 51 8.3% 18.1%
藤岡佑介 5 0 1 17 21.7% 21.7%
幸英明 4 3 4 63 5.4% 9.5%
四位洋文 4 1 6 39 8.0% 10.0%
秋山真一郎 3 3 6 37 6.1% 12.2%
小牧太 3 2 5 50 5.0% 8.3%

 

■表7 京都芝・外1600mの種牡馬成績(03年〜)
種牡馬名  1着   2着   3着   着外   勝率   連対率 
サンデーサイレンス 37 19 20 206 13.1% 19.9%
ブライアンズタイム 6 5 1 22 17.6% 32.4%
アグネスタキオン 6 2 3 12 26.1% 34.8%
ダンスインザダーク 5 5 4 57 7.0% 14.1%
タイキシャトル 4 6 5 39 7.4% 18.5%
サクラバクシンオー 3 2 3 25 9.1% 15.2%
マヤノトップガン 3 1 2 25 9.7% 12.9%
フジキセキ 2 9 5 49 3.1% 16.9%
タマモクロス 2 3 4 18 7.4% 18.5%
キングヘイロー 2 3 1 7 15.4% 38.5%

そこで今回はもうひと押し。マイルCSが行われる京都芝・外1600mでの騎手、種牡馬成績(過去約5年)を調べてみた。表6の騎手で注目できるのは、武豊騎手と安藤勝己騎手。ランク外では、10回騎乗で5連対(連対率50%)のペリエ騎手、そして18回騎乗で7連対(同38.9%)のルメール騎手が挙げられる。表7の種牡馬では、サンデーサイレンスとブライアンズタイム、アグネスタキオン、そしてキングヘイローあたりだろうか。特にサンデーサイレンスは、マイルCS3年連続で1、2着とレース相性も良い。
本稿執筆時点(水曜)では出走馬が確定していないため断定はできないが、現段階の想定で騎手、種牡馬の双方で好材料が揃っているのはスズカフェニックス(父サンデーサイレンス、武豊騎手を想定)とダイワメジャー(父サンデーサイレンス、安藤勝己騎手を想定)。7頭の中ではこの2頭を上位とみたい。

ただ繰り返しになるが、今年はデータから見ても混戦模様。現役産駒が減りつつあるサンデーサイレンスも一時の勢いには欠けている上、2頭は人気の一角を占めるだけに、穴党を自認する方なら他の5頭から配当妙味の高い馬を軸にする手も十分にある。
なお、外国馬はこれまで4頭が出走していずれも着外。また、他のマイル以下のG1で馬券圏内に食い込んだのは香港、UAEの馬が中心で、ほかは欧州、豪州馬のみである。特に右回りのマイルCSは、左回りばかりでレースをしている米国馬(=今年のベクラックス)には少々高いハードルとなりそうだ。

 

2007/3/25 京11R 高松宮記念(G1)
1着 8番 スズカフェニックス
2006/11/19 京都11R マイルチャンピオンS(G1) 
1着10番 ダイワメジャー
2007/3/25 京11R
高松宮記念(G1)
1着 8番 スズカフェニックス
2006/11/19 京都11R
マイルチャンピオンS(G1)
1着10番 ダイワメジャー

ライタープロフィール

浅田知広(あさだ ともひろ)

1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。

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