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第144回 別路線組が注目される菊花賞

2007/10/18(木)

今週は牡馬クラシック最終戦・菊花賞。ここ2年はディープインパクト、メイショウサムソンの三冠挑戦に注目が集まったが、二冠馬はもちろんダービー馬も不在の今年は、確固たる中心馬不在の一戦となった。そんな菊花賞をデータから分析してみよう。

今週は土曜に東京で富士Sも行われるが、なんといっても注目は菊花賞。ダービー馬のウオッカ不在に加え、皐月賞とダービー双方で3着以内に入った馬もおらず、既成勢力に「世代の中心」と呼べる馬がいない組み合わせ。どうやら混戦模様の一戦だ。そんな菊花賞をデータから分析してみたい。分析にはJRA-VAN Data Lab.Target frontier JVを利用した。

このコーナーにおける過去2回(第41回、第93回)の菊花賞分析を振り返ると、どうやら神戸新聞杯組の扱いが難しいレースとなっているようだ。00年の菊花賞時期変更以降は最重要前哨戦となった神戸新聞杯だが、同レース出走馬は好走するにはするが、当時の着順が菊花賞に直結しない傾向にある。そのため、過去のコラムでは他の視点から分析が行われていた。しかし時期変更から今年で8年目。そろそろ「前走」という視点でもなんとか分析してみたい。

 

■表1 神戸新聞杯上位馬の菊花賞成績(00年〜)
 年  馬名  神戸新聞杯   菊花賞 
 人   着 
06 ドリームパスポート 3 1 2 2
メイショウサムソン 1 2 1 4
ソングオブウインド 6 3 8 1
05 ディープインパクト 1 1 1 1
シックスセンス 5 2 2 4
ローゼンクロイツ 6 3 3 3
04 キングカメハメハ 1 1 不出走
ケイアイガード 3 2 7 16
ハーツクライ 2 3 1 7
(菊1着:デルタブルース、前走1000万条件1着)
03 ゼンノロブロイ 3 1 2 4
サクラプレジデント 1 2 3 9
ネオユニヴァース 2 3 1 3
(菊最先着:ザッツザプレンティ、神5着→菊1着)
02 シンボリクリスエス 1 1 不出走
ノーリーズン 2 2 1
ナムラサンクス 11 3 14 10
(菊最先着:ヒシミラクル、神6着→菊1着)
01 エアエミネム 1 1 3 3
サンライズペガサス 7 2 4 12
クロフネ 2 3 不出走
(菊1着:マンハッタンカフェ、前走セントライト4着)
00 フサイチソニック 3 1 不出走
アグネスフライト 2 2 1 5
エアシャカール 1 3 2 1
※馬名黄:菊花賞最先着馬


そこで、まず神戸新聞杯の上位3頭について、菊花賞の結果を調べてみたのが表1である。菊花賞でも連対を果たしたのは4頭止まりで、神戸新聞杯の上位馬を逆転したのは00年のエアシャカールと昨年のソングオブウインド。逆転を許しつつ2着を確保したのが昨年のドリームパスポートで、連勝を飾ったのはディープインパクトしかいない。
この4頭のうち、ソングオブウインドを除く3頭に共通するのが、春のクラシックで上位に好走していたこと。エアシャカールは皐月賞1着→ダービー2着。ディープインパクトは二冠馬。そしてドリームパスポートが2着→3着である。
同じパターンでもメイショウサムソンやネオユニヴァース、シックスセンスは3着以下に敗れており、これをクリアすれば本番での好走が保証されるというものではないが、好走への最低条件、と考えて良いだろう。
残るソングオブウインドは、神戸新聞杯前に5戦連続連対。しかもデビューから一度も馬券圏内を外していなかった。よって神戸新聞杯3着以内馬は、クラシック出走馬なら春の二冠双方に出走して、しかも4着以下には敗れていないこと。クラシック不出走馬なら、デビューから安定して上位争いを続けていることが連対の条件になる。

ここで気になるのは、今年から神戸新聞杯が従来の阪神芝2000m(昨年は中京で代替)ではなく、阪神芝外2400mで行われるようになったこと。坂の位置こそ違えど、阪神外回りのコース形態は京都外回りに近い上、距離も600m差まで縮まったのだ。
そこで思い出されるのは99年以前の京都新聞杯。当時はこのレースが最重要前哨戦のポジションを占めており、条件も芝外2200mと、昨年までの神戸新聞杯より本番に近かった。そこで、当時の京都新聞杯のデータも調べてみた(表2)。

 

■表2 京都新聞杯上位馬の菊花賞成績(95〜99年)
 年  馬名 前々走 京都新聞杯  菊花賞 
レース  人   着   人   着 
99 アドマイヤベガ ダービー 2 1 2 1 1 6
ナリタトップロード ダービー 1 2 1 2 3 1
メジロロンザン 900万特 3 3 13 3 12 5
98 スペシャルウィーク ダービー 1 1 1 1 1 2
キングヘイロー 神戸新聞杯 1 3 2 2 3 5
タヤスメドウ 500万特 9 2 16 3 16 13
(菊1着:セイウンスカイ、前走京都大賞典1着)
97 マチカネフクキタル 神戸新聞杯 2 1 1 1 3 1
パルスビート 朝日CC 1 3 3 2 6 9
メジロブライト ダービー 1 3 2 3 2 3
96 ダンスインザダーク ダービー 1 2 1 1 1 1
カシマドリーム セントライト記念 4 7 4 2 4 10
ロイヤルタッチ 函館記念 1 6 2 3 6 2
95 ナリタキングオー 神戸新聞杯 4 10 4 1 2 7
マヤノトップガン 神戸新聞杯 5 2 2 2 3 1
オートマチック セントライト記念 1 7 5 3 6 13
※馬名黄:菊花賞最先着馬

すると、菊花賞で「京都新聞杯組最先着」を果たせたのは、京都新聞杯で2着以内だった馬のみ。しかも、別路線組で優勝をさらったのは5年間で98年のセイウンスカイしかいない。セイウンスカイは春に皐月賞を制したほか、秋は京都新聞杯よりも本番に距離が近い京都大賞典を古馬相手に制覇。別路線によほどの馬がいない限り、京都新聞杯上位馬は信頼できたのだ。
この「京都新聞杯組最先着」のうち、ナリタトップロードとスペシャルウィークは春の二冠でいずれも3着以内。ダンスインザダークは皐月賞を回避したものの、ダービー2着を含む4連続連対(京都新聞杯前まで)。そして、マヤノトップガンとマチカネフクキタルも連続連対中(同)である。「春二冠上位」や、前哨戦前までの「連続連対」という注目点は、表1の神戸新聞杯組と共通するところがあり、今年どちらのデータが参考になるにせよ、カギを握っている部分に大きな違いはなさそうだ。

 

■表3 神戸新聞杯4着以下の菊花賞連対馬(00年〜)
 年  馬名 神戸新聞杯  菊花賞  主な実績
 人   着 
05 アドマイヤジャパン 3 5 6 2 京成杯1着、皐月賞3着
03 ザッツザプレンティ 4 5 5 1 たんぱ杯1着、ダービー3着
リンカーン 5 4 4 2 オープン2200m1着
02 ヒシミラクル 7 6 10 1 500万特2200m1着、1000万特2000m1着

続いて神戸新聞杯4着以下から巻き返した馬も見てみたい(表3)。この組に共通するのは、まず神戸新聞杯で6着までに入っていたこと。表2と同じ95〜99年の京都新聞杯では4着以内(95年トウカイパレス4着→2着)が条件で、本番とコースが異なる神戸新聞杯では、多少成績が悪くても巻き返せるようになっていた。よって、95〜99年までの京都新聞杯を参考にすれば4着以内、以降の神戸新聞杯を参考にすれば6着以内が条件で、いずれにしても7着以下の馬は苦戦が予想される。
さらに、神戸新聞杯以前に2000mの重賞勝ち+G1・3着以内、または芝2200m以上での優勝実績があったことでも共通しており、これもチェックポイントとしたい。

 

■表4 神戸新聞杯以外をステップにした菊花賞連対馬(00年〜)
 年  馬名  菊花賞  前走 その他実績
 人   着  レース  人   着 
04 デルタブルース 8 1 1000万特2500m 1 1 青葉賞13着
ホオキパウェーブ 4 2 セントライト記念 2 2 青葉賞2着、500万特芝2400m1着
02 ファストタテヤマ 16 2 札幌記念 11 13 京都新聞杯1着、ダービー15着
01 マンハッタンカフェ 6 1 セントライト記念 3 4 1000万特2600m1着、弥生賞4着
マイネルデスポット 11 2 1000万特2400m 10 3 500万特芝2500m1着
00 トーホウシデン 3 2 セントライト記念 1 2 プリンシパルS1着、ダービー4着

最後に、今年は注目の集まっている別路線組について(表4)。特に注目したいのは、菊花賞を制したデルタブルースとマンハッタンカフェ。ともに古馬相手の1000万条件、芝2500m以上のレースを制しているのだ。デルタブルースは前走、マンハッタンカフェは前々走という違いはあるが、このパターンは要注意だ。残る2着馬4頭は、2200mのオープン、または重賞優勝か、芝2400m以上で優勝(500万条件以上)実績があることで共通している。
また、各馬の着順は5頭が4着以内。ファストタテヤマは古馬相手の重賞大敗で、同世代同士や条件戦なら4着以内が条件とみていいだろう。なお、3頭を占めるセントライト記念組は、このレース以外の2200m以上で優勝実績を持っていたほか、春のクラシックやその前哨戦で5着以内の実績を持っていたことで共通している。

 

【結論】

神戸新聞杯組はひと括りにせず、上位3頭と4着以下で分けて考えるのがポイント。上位馬は、クラシック出走馬なら皐月賞とダービーで3着以内、上昇馬ならデビュー以来安定した成績を残していること。神戸新聞杯4着以下、または別路線組では、G1好走実績や2200m以上の距離で好走実績を持っていることが連対の条件になる。

さて、今年の登録馬はどうだろうか。まず神戸新聞杯3着以内馬について。ドリームジャーニーは皐月賞8着→ダービー5着。アサクサキングスは間にレースを挟んではいるが、皐月賞7着→ダービー2着。そしてヴィクトリーは皐月賞1着→ダービー9着という成績で、「春二冠3着以内」はいずれも満たせていない。このうち、古馬と対戦しているアサクサキングスは表2のロイヤルタッチ(皐月賞2着→ダービー4着→菊花賞2着)とやや近い感もあるが、やはり皐月賞7着は気にかかり、強くは推しがたいところだ。

神戸新聞杯組は上位以外なら6着までで、5着のトーセンマーチは登録がない。4着のホクトスルタンは前々走で阿寒湖特別(1000万、芝2600m)を快勝し、距離実績の条件もクリア。ステップは違うが、01年にマンハッタンカフェが阿寒湖特別優勝→前哨戦(セントライト記念)4着から菊を制している。
6着のタスカータソルテは、春に京都芝外2200mの京都新聞杯を制し、こちらも実績に不足はない。やはりステップは違うが、02年にファストタテヤマが京都新聞杯優勝後の2戦大敗から、一気の巻き返しで大波乱を演出したのは忘れられない。ただし、今年は以前の京都新聞杯が参考になるとすれば、6着という着順には減点が必要だ。

別路線組で表4をクリアするのは、アルナスラインエーシンダードマン(ただし抽選対象)、デュオトーンロックドゥカンブの4頭。このうち、アルナスラインは中1週(01年マイネルデスポットのみ)、エーシンダードマンは前走条件戦3着(同)、デュオトーンは重賞未出走(同)というのが少々減点。また、ロックドゥカンブは、春シーズンの実績や距離実績が過去のセントライト記念組とは異なることが気にかかる。9月生まれの南半球産馬だけに、あらゆるデータを覆す可能性もあるが、ここではやや割引と考えたい。

以上から、上記6頭ではホクトスルタンが最有力になる。ただ、減点した各馬も「例外あり」の減点だけに紙一重。データ以外の要素も参考にしつつ、上記馬から数頭を選んでボックスや手広いフォーメーションで馬券を組み立てる手もありそうだ。

 

■表5 ダービー馬不在の菊花賞(86年〜)
 年  ダービー馬 菊花賞馬  ダービー   皐月賞  菊花賞2着馬  ダービー   皐月賞 
着順 着順 着順 着順
04 キングカメハメハ デルタブルース 不出走 不出走 ホオキパウェーブ 9 不出走
02 タニノギムレット ヒシミラクル 不出走 不出走 ファストタテヤマ 15 15
97 サニーブライアン マチカネフクキタル 7 不出走 ダイワオーシュウ 不出走 不出走
91 トウカイテイオー レオダーバン 2 不出走 イブキマイカグラ 不出走 4
90 アイネスフウジン メジロマックイーン 不出走 不出走 ホワイトストーン 3 8
88 サクラチヨノオー スーパークリーク 不出走 不出走 ガクエンツービート 9 不出走


ここまで読んで、「クラシック不出走馬ばかりで大丈夫なのか?」と思う人も多いことだろう。そこで表5。JRA-VAN Data Lab.にデータのある86年以降、ダービー馬不在の菊花賞を調べたもので、連対馬のほとんどはクラシック4着以下か不出走。ウオッカ不在の今年は、春に実績のない馬でも十分に通用する余地がある。
また、6回すべて「ダービー出走馬−ダービー不出走馬」の組み合わせ。前記6頭でダービーに出走したのはタスカータソルテ(11着)1頭である。果たして信頼性のあるデータと言えるのか微妙ではあるが、これを参考にするならタスカータソルテから他の5頭に流してみるのも面白い。

2007/8/25 札幌11R 阿寒湖特別
1着14番 ホクトスルタン
2007/5/5 京都11R 京都新聞杯(Jpn2)
1着2番 タスカータソルテ
2007/8/25 札幌11R
阿寒湖特別
1着14番 ホクトスルタン
2007/5/5 京都11R
京都新聞杯(Jpn2)
1着 2番 タスカータソルテ

ライタープロフィール

浅田知広(あさだ ともひろ)

1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。

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