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第131回 函館記念は今年も5歳馬に注目か?

2007/7/19(木)

今週はサマー2000シリーズの第2弾、函館記念が行われる。過去の傾向からは5歳馬が優勢なレースで、00年以降7年連続連対中だ。今年も傾向通り5歳馬に注目すれば良いのか、それとも他の世代に食い込む余地があるのか、データから分析してみよう。

今年のサマー2000シリーズ第2弾となる函館記念。第1弾・七夕賞出走馬の登録はなく全馬横並びからのスタートだが、北海道ではひと月後にポイントが高い札幌記念(Jpn2)が控えているだけに、ここに出走した馬が上位争いに絡んでくることになりそうだ。そんな函館記念を、データから分析してみたい。なお、分析にはJRA-VAN Data Lab.Target frontier JVを利用した。

この函館記念は、昨年の第80回「サマー2000シリーズ第2戦! 函館記念を占う!」で小田原氏が分析を行っているので、まずこちらを参考にしてみよう。時間のある方はぜひご一読いただきたいが、その前半部分を簡単にまとめさせてもらうと…
・巴賞組が強い
・ただし、着順やレース内容はアテにならない
・5歳馬優勢
となる。昨年も勝ち馬は巴賞組のエリモハリアー、2着馬が5歳のエアシェイディで、ほぼ傾向通りの結果である。

 

■表1 函館記念の年齢別成績(過去10年)
  年齢    出走   1着   2着   3着   着外   勝率   連対率 
3歳 2 0 0 0 2 0.0% 0.0%
4歳 27 3 1 2 21 11.1% 14.8%
5歳 52 5 6 7 34 9.6% 21.2%
6歳 35 2 2 1 30 5.7% 11.4%
7歳上 35 0 1 0 34 0.0% 2.9%

昨年の結果を反映し、このレースがハンデ戦となった(正確には「戻った」)97年以降の成績をまとめたのが表1である。1着、2着、3着数いずれも5歳馬が1位で、好走数で他を圧倒している。勝率こそ4歳馬の方がやや高くなっているが、連対率は21.2%でやはり5歳馬がトップとなっており、基本的なスタンスとしては「5歳馬中心」でいいだろう。

ただ、ここで気になるのは「世代レベル」だ。いくらレースの傾向として5歳馬優勢でも、世代レベルに大きな差があれば、その傾向を鵜呑みにしてしまうのは疑問が残る。

 

■表2 今年の3(4)歳上平地重賞年齢別成績
  年齢    出走   1着   2着   3着   着外   勝率   連対率 
3歳 11 0 2 1 8 0.0% 18.2%
4歳 154 9 12 9 124 5.8% 13.6%
5歳 203 22 11 20 150 10.8% 16.3%
6歳 161 8 14 10 129 5.0% 13.7%
7歳上 165 7 5 5 148 4.2% 7.3%

そこで、今年の古馬重賞における年齢別成績を調べてみた。表2にある通り、今年の古馬重賞では5歳世代が4歳や6歳以上を突き放して好成績を残している。

 

■表3 3(4)歳上平地重賞年齢別成績(各年7月中旬まで)
  年齢   07年 06年 05年 04年
 勝率   連対率   勝率   連対率   勝率   連対率   勝率   連対率 
3歳 0.0% 18.2% 40.0% 60.0% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0%
4歳 5.8% 13.6% 8.6% 19.5% 9.3% 17.2% 5.8% 15.2%
5歳 10.8% 16.3% 5.5% 13.8% 6.5% 17.6% 12.8% 22.3%
6歳 5.0% 13.7% 7.2% 13.2% 8.4% 12.8% 6.0% 11.4%
7歳上 4.2% 7.3% 4.9% 7.7% 2.2% 5.8% 2.4% 4.0%

近年の古馬重賞を見ると、7月中旬のまでの集計で勝率が10%を超えていたのは04年の5歳世代以来となる(出走数が少ない3歳は除く)。連対率の16.3%も悪くなく、表2、表3を併せて考えると、今年の5歳世代のレベルは水準以上、と考えて大きな間違いはないだろう。少なくとも、函館記念の「5歳馬優勢」という傾向に、今年に限ってケチをつけるような要素は見当たらない。

とはいえ。数字ではそうなっても、「メイショウサムソンやアドマイヤムーンがいる4歳も強いんじゃないの?」と思う人もいるはず。そこで、少々脇道にそれるが、重賞の格付けごとに今年の年齢別成績を調べてみた(表4)。

 

■表4 今年の3(4)歳上重賞年齢・格付け別成績
  年齢   G1(Jpn1) G2(Jpn2) G3(Jpn3)
 勝率   連対率   勝率   連対率   勝率   連対率 
3歳 0.0% 0.0% 0.0% 50.0% 0.0% 14.3%
4歳 11.1% 22.2% 9.8% 14.6% 2.3% 10.5%
5歳 7.7% 15.4% 9.3% 13.0% 12.2% 17.9%
6歳 3.8% 3.8% 5.7% 25.7% 5.0% 12.0%
7歳上 0.0% 4.3% 4.4% 6.7% 5.2% 8.2%

G1やG2はレース数が少ないためあくまで参考程度ではあるが、確かにG1では4歳の方が好成績。しかしその一方で、G3では5歳馬が他の世代を圧倒している。トップクラスは(5歳の代表格・ディープインパクトが抜けた影響もあるだろうが)4歳優位、G3なら5歳優位、というのが現時点までの勢力図だ。今回の函館記念はJpn3。このデータからも5歳馬優位と考えたい。

 

■表5 函館記念1、2着馬の前走、前々走
   年   馬名   斤量   人   着  前走 前々走
1着馬 97 アロハドリーム 56 2 1 新潟大賞典・2着 エイプリルS・2着
98 パルブライト 53 9 1 巴賞・9着 武蔵野S・12着
99 ジョービッグバン 50 6 1 500万平場・1着 900万特別・5着
00 クラフトマンシップ 52 14 1 七夕賞・8着 1600万特別・9着
01 ロードプラチナム 56 9 1 巴賞・7着 中京記念・14着
02 ヤマニンリスペクト 55 4 1 米子S・3着 1600万特別・1着
03 エアエミネム 58 1 1 金鯱賞・3着 東京新装記・3着
04 クラフトワーク 55 2 1 中京記念・5着 東京新聞杯・2着
05 エリモハリアー 55 6 1 巴賞・1着 1600万特別・3着
06 エリモハリアー 56 1 1 巴賞・2着 金鯱賞・3着
2着馬 97 グロリーシャルマン 52 14 2 巴賞・9着 谷川岳S・11着
98 サクラエキスパート 56 5 2 中日新聞杯・9着 愛知杯・1着
99 エイシンガイモン 55 10 2 新潟大賞典・3着 小倉大賞典・5着
00 オースミタイカン 52 7 2 900万特別・1着 900万特別・2着
01 クラフトマンシップ 55 14 2 巴賞・8着 新潟大賞典・3着
02 トップコマンダー 57 3 2 巴賞・3着 日経新春杯・1着
03 ヒマラヤンブルー 54 11 2 巴賞・6着 エプソムC・11着
04 ファインモーション 57 1 2 安田記念・13着 阪神牝馬S・1着
05 ブルートルネード 54 2 2 巴賞・2着 1600万特別・1着
06 エアシェイディ 57 2 2 福島TVOP・1着 中京記念・3着

さて、話を本題に戻そう。函館記念過去10年の連対馬をみると、冒頭に触れた通り「巴賞組と5歳馬優勢」という以外に、決め手になりそうな傾向は見られない。ただ02年以降の5年間に限れば、1着馬に関しては「前走、前々走のいずれかで馬券圏内(背景黄色)、かつ6着以下(背景青)がない」点で共通している。また、2着馬についてもヒマラヤンブルー以外は近2走のいずれかで馬券圏内に入っており、近年に限れば「近2走のいずれかで3着以内」が連対条件と言えるだろう(休養を挟んでいても構わない)。また、単に好走していれば良いわけではなく、「1600万条件以上、かつ芝1600m以上」も条件として付け加えておきたい。

さらに、昨年の小田原氏の分析から後半部分を拝借すると…
・4歳馬は前走5着以内+北海道芝2000m連対
・5歳馬は北海道芝2000mでの連対実績、または芝2200m以上オープン3着以内
・6歳馬はローカル芝2000m重賞3着以内、または北海道芝2000mオープン優勝
というあたりがチェックポイントになる(詳細は昨年の分析を参照)。昨年のエリモハリアーは6歳で条件をクリア。また、エアシェイディは北海道経験こそなかったが、芝2200m以上のオープン3着以内はクリアしていた。

なお、ハンデ頭は10年で2連対とやや不振。ただし99年のジョービッグバン、00年のクラフトマンシップのような軽ハンデ馬も最近は連対がなく、過去5年の連対馬はいずれも54キロ以上となっている。また、過去5年で牝馬の連対はファインモーションのみである。

 

【結論】

函館記念は巴賞組と5歳馬優位。今年の5歳世代は世代レベルにも不安はなく、過去のレース傾向通りの狙いで問題はない。近5年は連対馬10 頭中9頭が前走、または前々走で3着以内に好走しており、特に1着馬5頭は近2走いずれも5着以内である。

今年の登録馬を近年の傾向から、前走、または前々走で3着以内(芝1600m以上の準オープン以上)、という条件でふるいにかけると、アドマイヤフジ、コスモテナシャス、サイレントプライド、シルクネクサス、マチカネキララ、モノポール、ロフティーエイムの計7頭が該当する。

各馬を年齢別にみていこう。注目の5歳馬はアドマイヤフジ、シルクネクサス、マチカネキララ、ロフティーエイムの4頭。しかし、北海道の芝2000m連対と芝2200m以上のオープン実績という両条件をともにクリアする馬はいない。どちらにも該当しないマチカネキララ、そして牝馬ロフティーエイムはやや評価が下がり、残るは芝2200m以上で実績のあるアドマイヤフジとシルクネクサスになる。
前者はトップハンデ、後者は前々走6着でやや減点が必要だが、他世代の各馬も不安材料を抱えており(後述)、5歳馬優勢のデータを考えれば多少の減点材料は気にならない。この2頭では、「1着馬は近2走とも5着以内」というデータ重視ならアドマイヤフジ1着の馬単や3連単、「ハンデ頭はやや不振」という傾向重視ならシルクネクサス連軸と、馬券種別も含めて作戦を考える手もありそうだ。

4歳馬と6歳馬は1頭ずつ。4歳のサイレントプライドは自己条件の漁火Sに向かう可能性があるほか、仮に出走しても北海道の芝は未経験だ。6歳はコスモテナシャス。北海道の芝2000m優勝はあるが、これは1000万条件でのもの。また、芝2000mの重賞好走歴もない。そして最後に残ったモノポールは8歳馬で、これは年齢的に苦しい。6歳馬と同じ条件を適用しても、芝2000mでは4着が最高である。以上から、この3頭は5歳前記4頭の次位という評価が妥当だろう。

なお、3歳馬は過去10年で2頭しか出走しておらず、ナムラマースの扱いは難しい。「前2走のいずれかで3着以内」をそのまま3歳馬に適用すれば「消し」。一方、他の世代で「北海道芝」実績がカギになる中、2歳時に7戦6連対、芝1800m3戦全勝(北海道の2歳戦は1800mが最長)の実績を軽視し難いのも確かである。前記各馬がすんなりと条件をクリアしているわけではない上、今年の3歳世代は古馬相手の重賞で早くもココナッツパンチ、サープラスシンガー、クーヴェルチュールの3頭が馬券に絡んでいるだけに、このあたりが気になるなら候補の一角に加えても良さそうだ。

 

2006/1/15 京都11R日経新春杯(G2)
1着4番アドマイヤフジ 2007/7/8 函館11R巴賞
1着7番シルクネクサス
2006/1/15 京都11R
日経新春杯(G2)
1着 4番 アドマイヤフジ
2007/7/8 函館11R
巴賞
1着 7番 シルクネクサス

ライタープロフィール

浅田知広(あさだ ともひろ)

1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。

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