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第126回 一昨年までとは条件が一変したマーメイドS

2007/6/14(木)

今週の重賞はひと鞍、阪神競馬場でマーメイドSが行われる。以前はG1実績馬の好走も多く見られたが、昨年からハンデ戦となったことに加え、ヴィクトリアマイルの創設で傾向が大きく変わってきそうな一戦だ。そのマーメイドSをデータから分析してみよう。

一昨年までは別定戦で行われてきたマーメイドS。過去の勝ち馬にはG1戦線を賑わせた馬の名前も多く見られるが、昨年からはハンデ戦に変更された。さらに、ヴィクトリアマイルの創設、そして愛知杯の時期変更(6月から12月へ)もあり、傾向も大きく変わりそうな雰囲気だ。また、昨年は阪神ではなく京都の代替開催だったこともあり、1度だけの結果では少々分析しづらい一戦である。そこで、昨年の結果だけにとらわれず、いくつかのデータを踏まえて今年のこのレースを分析してみたい。なお、分析にはJRA-VAN Data Lab.Target frontier JVを利用している。

 

■表1 マーメイドS昨年の結果
着順 馬名  人  斤量 前々走 前走
 レース   距離   人   着   レース   距離   人   着 
1着 ソリッドプラチナム 9 49 3歳500万 芝1800 4 1 白百合S 芝1800 8 2
2着 サンレイジャスパー 3 51 1000万牝 芝1800 1 1 準OP 芝1800 4 3
3着 オリエントチャーム 11 51 準OP 芝2400 3 5 準OP 芝2000 3 7


まずは昨年の結果から。表にはないが、馬単万馬券、3連単30万馬券と、以前の堅い傾向とは一転して、ハンデ戦になった途端に大波乱、という結末である。勝ったソリッドプラチナムは前走オープンとはいえ3歳限定戦で条件馬。2、3着馬も準オープンで敗戦を喫しており、ハンデも49〜51キロという軽ハンデだった。
また、勝ち馬は2000mの経験なし、2着馬は【 1.1.1.2 】、3着馬は【 0.0.0.3 】と、特にこの距離の巧者というわけではなかった。競馬場別成績は昨年が京都開催だったため参考にしづらく、3頭とも前走が5月末から6月初旬だったという以外、共通点を見いだすのが難しい感がある。
ただ、1、2着馬に関しては、前々走が芝1800mで1着、前走も同じく芝1800mで好走という結果。条件に関わらず、芝中距離で2戦続けて好走していればチャンスがある、と考えても良さそうだ。3着まで広げると、前走か前々走のいずれかを±400mの範囲内で掲示板、というくらいだろうか。

とはいえ、昨年の結果だけで、条件戦やオープンをステップにした馬のみを「買い」としてしまうのは乱暴だ。そこで、今度は古牝馬のハンデ重賞における前走クラス別成績を調べてみた。

 

■表2 古牝馬ハンデ重賞の前走別成績(97年〜)
 前走   出走   1着   2着   3着   着外   勝率   連対率   複勝率 
500万 1 0 0 0 1 0.0% 0.0% 0.0%
1000万 24 1 0 1 22 4.2% 4.2% 8.3%
1600万 41 1 1 2 37 2.4% 4.9% 9.8%
OP特別 30 2 2 5 21 6.7% 13.3% 30.0%
G3 88 7 8 4 69 8.0% 17.0% 21.6%
G2 11 0 3 0 8 0.0% 27.3% 27.3%
G1 18 3 1 3 11 16.7% 22.2% 38.9%

表からもわかる通り、前走は重賞やオープン特別を使っていた馬が好成績。それぞれのレースの前にどんなレースが行われているかにも左右されるため、この数字をそのまま鵜呑みには出来ないが、「古牝馬ハンデ重賞」という括りでは、昨年の結果が例外的なのは確かだ。やはり、前走重賞組にも気を配る必要がある

ただ気になるのは、今年のマーメイドSは前走がG1で2桁着順だった馬が多く、その各馬が上位人気に推されそうなことだ。いくらG1とはいえ、大凡走を喫した馬がそう簡単に巻き返せるのか、少々疑問が残る。

 

■表3 古牝馬G1・10着以下の馬の次走成績(96年〜)
 次走   出走   1着   2着   3着   着外   勝率   連対率   複勝率 
500万 1 0 0 0 1 0.0% 0.0% 0.0%
1000万 5 1 0 0 4 20.0% 20.0% 20.0%
1600万 14 1 2 0 11 7.1% 21.4% 21.4%
OP特別 16 0 2 2 12 0.0% 12.5% 25.0%
G3 12 0 0 2 10 0.0% 0.0% 16.7%
G2 21 0 2 2 17 0.0% 9.5% 19.0%
G1 1 0 0 0 1 0.0% 0.0% 0.0%
合計 70 2 6 6 56 2.9% 11.4% 20.0%

そこで、エリザベス女王杯が古馬混合になった96年以降について、このパターンの馬の次走成績を調べてみた。すると、古牝馬G1で10着以下の敗戦を喫した直後にオープンや重賞を勝った例はないことがわかる。今回はかなり軽いメンバー構成のため、このデータで即「消し」とか「2着止まり」と判断するのも危険だろうが、少なくとも「前走がG1だから」という理由だけで買うのは避けたい

 

■表4 表3の次走好走(3着以内)馬一覧
 年  馬名 前走 古牝馬G1 次走
レース  人   着  レース  人   着  レース  人   着 
97 アドマイヤラピス 嵐山S 1 1 女王杯 4 10 ステイヤーズS 3 2
98 ケープリズバーン 900万 3 1 女王杯 9 13 準OP 5 1
99 エリモエクセル 府中牝馬S 3 1 女王杯 3 13 阪神牝特 2 3
03 ヘヴンリーロマンス 1000万 3 1 女王杯 9 10 準OP 1 2
04 マイネヌーヴェル 府中牝馬S 8 14 女王杯 15 13 ターコイズS 3 3
ブライアンズレター 1000万 10 8 女王杯 18 16 1000万 12 1
05 ウイングレット 愛知杯 2 18 女王杯 15 10 ターコイズS 2 3
マイティーカラー 府中牝馬S 8 4 女王杯 13 12 準OP 2 2
マイネサマンサ 府中牝馬S 7 2 女王杯 11 14 阪神牝馬S 4 2
レクレドール 府中牝馬S 3 7 女王杯 6 17 阪神牝馬S 3 3
06 スナークスズラン 谷川岳S 5 3 ヴィクトリアM 14 14 バーデンC 5 2
ウイングレット 府中牝馬S 13 4 女王杯 13 14 ターコイズS 3 2
(ヤマニンメルベイユ) 府中牝馬S 9 14 女王杯 中山牝馬S 12 3
07 アグネスラズベリ 阪神牝馬S 3 2 ヴィクトリアM 11 11 CBC賞 8 3

表3の条件で、次走好走(3着以内)した馬について抜き出したのが表4である。背景灰色の馬は、次走が条件戦だった馬(+女王杯が取り消しだったヤマニンメルベイユ)。黄色が次走2着、緑が同3着である。3着までの馬では共通点が見つけがたいが、2着の4頭に限ると前々走がオープンか重賞で5着以内、という点で共通している。好走できる状態にはあったもののG1では通用しなかったような馬なら、G1大敗後でも狙いが立つ、と言えるだろう。
表1の昨年の結果でも、前々走はすべて5着以内で、連対した2頭は前走3着以内。よって、これをまとめると、前走がG1で10着以下なら前々走5着以内、前走が条件戦やオープンなら2戦続けて好走がマーメイドS連対の条件、となる

 

■表5 古牝馬ハンデ重賞のハンデ別成績(97年〜)
 斤量   出走   1着   2着   3着   着外   勝率   連対率   複勝率 
〜49 12 1 0 0 11 8.3% 8.3% 8.3%
49.5〜51 53 1 2 3 47 1.9% 5.7% 11.3%
51.5〜53 70 2 4 5 59 2.9% 8.6% 15.7%
53.5〜55 55 5 4 4 42 9.1% 16.4% 23.6%
55.5〜57 38 6 4 3 25 15.8% 26.3% 34.2%
57.5〜 1 0 1 0 0 0.0% 100.0% 100.0%
48 3 0 0 0 3 0.0% 0.0% 0.0%
49 9 1 0 0 8 11.1% 11.1% 11.1%
50 20 0 1 1 18 0.0% 5.0% 10.0%
51 33 1 1 2 29 3.0% 6.1% 12.1%
52 28 1 1 1 25 3.6% 7.1% 10.7%
53 42 1 3 4 34 2.4% 9.5% 19.0%
54 34 0 2 3 29 0.0% 5.9% 14.7%
55 21 5 2 1 13 23.8% 33.3% 38.1%
55.5 6 0 1 1 4 0.0% 16.7% 33.3%
56 23 6 1 1 15 26.1% 30.4% 34.8%
56.5 8 0 2 1 5 0.0% 25.0% 37.5%
57 1 0 0 0 1 0.0% 0.0% 0.0%
58.5 1 0 1 0 0 0.0% 100.0% 100.0%

最後に、古牝馬重賞のハンデ別成績も見ておこう。ハンデ戦を集計すると重ハンデ馬ほど好成績、というデータがでることが多いもの。この集計でもその傾向が表れており、特に55キロを超えると好成績だ。昨年の結果から、このレースに限れば軽ハンデ馬も「買い」でいいだろうが、だからといってハンデの重い馬を即座に消してしまうのは疑問だ。

 

【結論】

前走がG1で10着以下なら、前々走で好走(5着以内)していることが連対の必須条件。前走が条件戦やオープンなら、2走続けて好走していることが条件となる。昨年は軽ハンデ馬同士の決着だったが、55キロ以上の馬も軽視は禁物だ。

では、今年の登録馬をみてみよう。まず、前走がG1の各馬では、コスモマーベラスの前々走が福島牝馬S4着、スプリングドリューが同1着。ハンデはそれぞれ56、55キロで、表5では好成績を残しており、まったく問題ない。シェルズレイも前々走が秋華賞5着だが、エリザベス女王杯以来の休養明け、そしてハンデ54キロという点でやや減点になる。
一方、昨年の結果から注目される条件組では、前走エメラルドS1着のディアチャンスと、同3着のコスモプラチナ。この2頭では、前々走が中距離で1着、前走3着、そしてハンデ51キロという点が昨年2着のサンレイジャスパーと同じ、コスモプラチナの方を上位とみたい。
ほかでは、3歳馬で2連勝中のミスベロニカ。昨年3歳で優勝したソリッドプラチナムはオープン2着を挟んでいたので同等までには扱えないが、勢いのある3歳馬の軽ハンデ、という意味では注目しても良いだろう。なお、前走G3で5着のヤマトマリオンは、表2で同じ重賞でもG3はG1に比べ今ひとつであることと、休養明けで狙いづらい。

まとめると、前走G1組ならコスモマーベラスとスプリングドリュー、前走条件戦ならコスモプラチナ。これに次ぐのがディアチャンス、ミスベロニカ、シェルズレイというあたり。この中から、昨年の結果を重視したい方なら前走条件戦組の軽ハンデ馬を上位に、「たった1年の結果なんてアテにならない!」と思う方なら、「古牝馬ハンデ重賞」という括りで前走G1組を上位にとれば良いだろう。

 

2007/4/21 福島11R
福島牝馬ステークス(G3) 1着14番 スプリングドリュー 2007/5/20 中京10R エメラルドステークス 1着4番 ディアチャンス
2007/4/21 福島11R
  福島牝馬ステークス(G3)
1着 14番 スプリングドリュー

2007/5/20 中京10R
エメラルドステークス
1着 4番 ディアチャンス

ライタープロフィール

浅田知広(あさだ ともひろ)

1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。

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