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第119回 天皇賞(春)は4歳馬が優勢だが…

2007/4/25(水)

今週は京都競馬場で天皇賞(春)が行われる。昨年はディープインパクトが大本命馬として登場し、見事に期待に応える走り。しかし、その前は3年連続で大波乱の決着。混戦メンバーと予想される今年、頂点に立つのは果してどの馬か?

03年から突如荒れだした天皇賞(春)。現代の競馬で3000m超の長い距離を得意としている競走馬自体が少ないとはいえ、波乱続きとなっていた同レースは解釈が難しくなっていた。「本当に古馬最強馬決定戦と呼べるのか?」。そんな声も囁かれる中、昨年はディープインパクトが仰天の一気のマクリでレコード勝ち。要は真に強い大本命馬がいれば、話は早いというわけだ。天皇賞(春)は長丁場の特殊なレースだが、そのあたりは別に他のレースと変わらないようだ。

さて、今年の話だが、明らかに昨年とは違う状況。ディープインパクトのような不動の本命馬は不在で、03〜05年のような結果に逆戻りする可能性は十分ある。しかし、考える方としても学習はする。データもある。混戦メンバーであっても、中心馬は確固たる根拠を持って探したい。データの分析には、JRA-VAN Data Lab.Target frontier JVを利用した。

 

■表1 天皇賞(春)出走馬の年齢別成績(過去10年)
年齢 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収率 複回収率
4歳 7-4-2-39/52 13.5% 21.2% 25.0% 118% 60%
5歳 3-3-7-31/44 6.8% 13.6% 29.5% 174% 108%
6歳 0-2-1-26/29 0.0% 6.9% 10.3% 0% 13%
7歳以上 0-1-0-22/23 0.0% 4.3% 4.3% 0% 68%

まずは、予想の指針を決める上で基本的なデータを提示する。上の表1は、過去10年の天皇賞(春)出走馬の年齢別成績。好走馬は4〜5歳馬が中心で、連対馬に絞ると4歳勢が圧倒的に優勢。6歳以上になると大幅に好走馬の数が減っている。できれば中心馬は4歳馬から選ぶのが本筋。無論、“できれば”という条件付きで、4歳馬だからといって無条件に買っていてはキリがない。そこで、次からは4歳馬と5歳以上の馬という2つに分けて、考えていきたい。

 

■表2 天皇賞(春)で好走した4歳馬(過去10年)
着順 人気 馬名 前走成績 菊花賞(着差) ダービー
06年 1 1 ディープインパクト 阪神大賞典1着 1着(-0.3) 1着
05年 1 13 スズカマンボ 大阪−ハンブルクC3着 6着(0.4) 5着
04年 2 4 ゼンノロブロイ 日経賞2着 4着(0.5) 2着
03年 1 7 ヒシミラクル 大阪杯7着 1着(-0.0) 不出走
02年 1 2 マンハッタンカフェ 日経賞6着 1着(-0.1) 不出走
2 3 ジャングルポケット 阪神大賞典2着 4着(0.4) 1着
00年 1 1 テイエムオペラオー 阪神大賞典1着 2着(0.1) 3着
2 3 ラスカルスズカ 阪神大賞典2着 3着(0.1) 不出走
3 2 ナリタトップロード 阪神大賞典3着 1着(-0.1) 2着
99年 1 1 スペシャルウィーク 阪神大賞典1着 2着(0.6) 1着
3 2 セイウンスカイ 日経賞1着 1着(-0.6) 4着
98年 1 2 メジロブライト 阪神大賞典1着 3着(0.2) 3着
2 10 ステイゴールド 日経賞4着 8着(0.5) 不出走

まずは、4歳馬について。上の表は過去10年の天皇賞(春)で好走した4歳馬の一覧。全部で13頭の好走馬が出ているが、注目点は前年のクラシックの出走経験と実績。特に菊花賞は今回と競馬場が同じで、距離も200mしか変わらないレースなので必然的に関連性は高くなる。ここでポイントになるのは、菊花賞では必ずしも連対していることはないということ。着順は悪くても、勝ち馬から大きく離されていなければ情状酌量の余地がある。菊花賞で掲示板外からはスズカマンボ、ステイゴールドの2頭が巻き返しているが、勝ち馬との着差はそれほど大きくはなかった。スペシャルウィーク以外は、菊花賞で負けても勝ち馬から0.5秒差以内に入線していた。
そして、日本ダービーの成績も注目点。13頭中9頭がダービーにも出走していたが、すべて5着以内に好走していた。また、前走着順も気になるところ。前走掲示板を外して巻き返したのはヒシミラクル、マンハッタンカフェの菊花賞馬のみ。前走は3着以内に好走していることが望ましい。

 

■表3 天皇賞(春)に出走した5歳以上の馬の前走着順別成績(過去10年)
前走着順 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収率 複回収率
1着 1-4-5-16/26 3.8% 19.2% 38.5% 14% 119%
2着 1-1-2-6/10 10.0% 20.0% 40.0% 170% 278%
3着 0-0-1-17/18 0.0% 0.0% 5.6% 0% 20%
4着 1-0-0-10/11 9.1% 9.1% 9.1% 18% 10%
5着 0-0-0-7/7 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
6〜9着 0-0-0-16/16 0.0% 0.0% 0.0% 0% 0%
10着以下 0-1-07/8 0.0% 12.5% 12.5% 0% 48%

次に5歳以上の馬について見ていこう。結論から言うと、5歳以上の馬は勢いと順調度が大きなカギを握る。上の表3は過去10年、天皇賞(春)に出走した5歳以上の馬の前走着順別成績。芝・ダートを問わず、OPクラスで前走連対していた馬が好走馬の大半を占めている。

 

■表4 前走で連対し天皇賞(春)で好走した5歳以上の馬
着順 人気 馬名 前走成績 備考
06年 2 2 リンカーン 日経賞1着 阪神大賞典1着
3 8 ストラタジェム 日経賞2着  
05年 2 14 ビッグゴールド 大阪−ハンブルクC1着 連勝中
3 4 アイポッパー 阪神大賞典2着  
04年 1 10 イングランディーレ ダイオライト記念2着 ダイヤモンドS1着
3 5 シルクフェイマス 京都記念1着 連勝中
03年 3 1 ダイタクバートラム 阪神大賞典1着  
02年 3 1 ナリタトップロード 阪神大賞典1着 菊花賞1着
01年 2 3 メイショウドトウ 日経賞1着  
3 2 ナリタトップロード 阪神大賞典1着 菊花賞1着
99年 2 3 メジロブライト 阪神大賞典2着 天皇賞(春)1着
97年 1 2 マヤノトップガン 阪神大賞典1着 菊花賞1着
2 1 サクラローレル 有馬記念1着 天皇賞(春)1着
3 3 マーベラスサンデー 大阪杯1着  

上の表4は前走で連対し天皇賞(春)で好走した5歳以上の馬の一覧だが、05年に14番人気で2着のビッグゴールド、04年に10番人気で逃げ切ったイングランディーレもしっかり該当。前走が阪神大賞典や日経賞ではない異色のローテーションだったが、OPクラスのレースで連対という実績は同じだった。さらに有力馬を絞り込む場合は、過去の芝3000m以上の重賞勝ち鞍に注目。好走馬14頭中7頭に同実績があった。また、04年3着のシルクフェイマスのような連勝馬にも注意を払いたい。

 

■表5 前走3着以下で天皇賞(春)で好走した5歳以上の馬
着順 人気 馬名 前走成績 備考
03年 2 8 サンライズジェガー 阪神大賞典10着 ※アルゼンチン共和国杯1着
01年 1 1 テイエムオペラオー 大阪杯4着 有馬記念1着
98年 3 5 ローゼンカバリー 日経賞3着 日経賞1着
※中山芝2500mで施行

 一方、前走3着以下に敗れていたのにもかかわらず本番で好走した5歳以上の馬は、過去10年で3頭いる(表5参照)。3着以下といっても、前走の阪神大賞典の直線で不利があった03年2着のサンライズジェガー以外は前走掲示板。そして、3頭には芝2500m以上のG2以上での勝ち鞍があった。

 

【結論】

さて、それでは今年の天皇賞(春)を占っていこう。冒頭にも述べたように今年は昨年とは違う状況。ディープインパクトが引退し、古馬の芝中長距離界は戦国時代に突入。中心となるべく明け4歳勢だが、ドリームパスポートが阪神大賞典2着後、骨折でリタイア。アドマイヤムーンは、海外の国際レースに参戦しており、天皇賞(春)はパス。全体的に今年の4歳勢の手薄感は否めない。下の表6を見ればそのことがハッキリわかる。

■表6 今年の天皇賞(春)に出走予定の4歳馬
馬名 前走 菊花賞(着差) ダービー
エリモエクスパイア 日経賞10着 不出走 不出走
ダークメッセージ 大阪−ハンブルクC2着 不出走 不出走
ネヴァブション 日経賞1着 10着(1.2) 不出走
マツリダゴッホ 日経賞3着 不出走 不出走
メイショウサムソン 大阪杯1着 4着(0.7) 1着

今年の天皇賞(春)の4歳馬のエントリーは5頭。前述したようにできれば中心馬は4歳勢から選びたいところだが、かなり頭が痛い状況になっている。まず、ポイントとなる前年の菊花賞の成績だが、出走経験馬がネヴァブションとメイショウサムソンのわずか2頭。しかも、両馬ともに勝ち馬から0.5秒以上離された結果で、今回の有力馬の条件に合致しない。それでも買うならば実績的に2冠馬のメイショウサムソンだろうが、積極的には推奨しにくい。

 

■表7 今年の天皇賞(春)に出走予定の5歳以上の有力馬
馬名 前走成績 備考
アイポッパー 阪神大賞典1着 ステイヤーズS1着、連勝中
アドマイヤタイトル 日経賞4着  
アドマイヤモナーク 日経賞5着  
ウイングランツ エイプリルS7着 ダイヤモンドS1着
サクラキングダム 淡路特別1着  
スウィフトカレント 京都記念5着  
デルタブルース 阪神大賞典4着 メルボルンC1着
トウカイエリート 大阪−ハンブルクC9着  
トウカイトリック 阪神大賞典3着 ダイヤモンドS1着
トウショウナイト 日経賞2着  
ファストタテヤマ 大阪−ハンブルクC1着  
マイソールサウンド 阪神大賞典7着 阪神大賞典1着
ユメノシルシ 湾岸S1着  

4歳馬が厳しいとなると、5歳以上の馬になるが、果してどうか。5歳以上の出走予定馬は上の表7の通り。まずはポイントとなる前走の成績。前走OPクラスのレースで連対をしているのは、アイポッパー、トウショウナイト、ファストタテヤマ。中でもアイポッパーは、2走前にステイヤーズSも勝っており芝3000m以上の重賞を連勝中。5歳以上の表7の中では、筆頭格の実績を保持している。問題は7歳馬という年齢。表1のデータから、本来ならば中心には取りにくいところだが、今年の4歳勢があのような状況だけに勝機があってもいい。

 あとの2頭だが、トウショウナイトはともかく、ファストタテヤマはどうか。前走1着だが、2走前には阪神大賞典で完敗している。それならば3着以下でも、同馬に阪神大賞典で先着し、過去に芝3000m以上の重賞で勝ったことがあるデルタブルーストウカイトリックをヒモ候補として挙げておく。

 

2007/3/18阪神11R 阪神大賞典(G2)1着10番 アイポッパー
2007/3/18阪神11R
阪神大賞典(G2)
1着 10番 アイポッパー

ライタープロフィール

小田原智大(おだわら ともひろ)

1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。
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