第118回 今年は波乱含みのアンタレスS|競馬情報ならJRA-VAN

JRA公式データ配信サービス JRA-VAN

  • メール:office@jra-van.jp
  • 受付時間:10:00〜17:00
  • ※競馬開催のない土日祝・火曜を除く
  • ホーム
  • サイトマップ
  • JRA-VAN広場

データde出〜た

データde出〜たバックナンバー

第118回 今年は波乱含みのアンタレスS

2007/4/18(水)

今週は京都競馬場でアンタレスSが行われる。別定戦になった03年以降、馬連3桁配当3回に対し、残る1回は万馬券という両極端な結果で、人気馬の取捨が鍵になりそうだ。今年の人気馬は信頼できるのか、それとも波乱の可能性が高いのか、データから分析してみよう。

桜花賞、皐月賞と牡牝クラシック第一弾が終了し、今週は春のG1戦線もひと息。東京でオークスTRのフローラS、京都ではアンタレスS、そして福島では土曜に福島牝馬Sが行われる。日曜の2鞍では、昨年の第67回でヒノデクロス氏がフローラSを分析しているので、今年はアンタレスSを検討してみたい。データの分析には、JRA-VAN Data Lab.Target frontier JVを利用している。

京都ダート1800mの重賞といえば「とにかく荒れる」という印象があるもの。このアンタレスSと正月の平安Sが該当するが、ともに人気馬が連を外すことが多々あり、万馬券も頻発しているというイメージだ。

 

■表1 アンタレスSと平安Sの1〜3着馬人気、馬連配当
アンタレスS
平安S
1着
2着
3着
馬連
1着
2着
3着
馬連
98
3
4
8
3190
1
10
2
2380
99
2
5
1
1770
1
3
6
980
00
1
10
7
4150
2
6
1
2890
01
7
4
12
12760
6
5
2
4190
02
3
13
9
30050
7
3
2
10870
03
1
4
9
660
6
13
3
133810
04
2
1
4
470
5
8
1
15990
05
5
10
12
14750
4
8
1
4340
06
2
1
3
620
5
2
11
2400
07
-
9
3
8
7610

 実際にデータを調べてみると確かに上位人気の信頼性は今ひとつで、2桁人気馬の連対すら多々見られる。しかし、近年のアンタレスSに限れば1番人気がここ4年で3連対を果たし、そのいずれもが馬連3桁配当。02年までのハンデ戦が03年から別定戦に替わり、堅く収まる傾向が強まってきた、ということだろう。もっとも、一昨年は万馬券で決着しており、必ずしも堅いとは言えないのだが、「京都ダート1800m重賞=荒れる」という発想でいきなり穴馬探しから入るのは避けるべき。人気馬の信頼性をデータから見極めた上で判断したい。

 

■表2 アンタレスSで馬券圏内を外した人気馬
馬名
コーナー順
前走
レース
03
タイムパラドックス
2
5
15-16-13-12
仁川S
1
2
スマートボーイ
3
10
1-1-1-2
マーチS
4
1
04
クーリンガー
3
4
2-2-1-1
名古屋大賞典
2
1
05
ヒシアトラス
1
4
4-3-7-7
ダイオライト記念
2
3
サイレンスボーイ
2
8
1-1-1-1
コーラルS
3
1
エンシェントヒル
3
11
15-15-16-15
仁川S
6
1

まずは別定戦となった03年以降、馬券圏内を外してしまった人気馬を見てみたい。表2の6頭が該当するが、この6頭は2つのパターンに分類できる。ひとつめは「極端な脚質」の馬。タイムパラドックス、スマートボーイ、サイレンスボーイ、そしてエンシェントヒルの4頭で、いずれもこのレースでは逃げ、または追い込む競馬になって馬券圏内を外している。前走以前ではなく、このレースでどんな走りをするのかを事前に読みきるのは難しいが、他のデータも併せて考慮した上で参考としたい。
もうひとつは「前走が地方のダートグレード競走」だった馬。ハンデ戦時代は前走ダイオライト記念出走馬の連対も見られたが、別定戦になった03年以降の連対は皆無である。

 

■表3 アンタレスS・1〜3着馬のコーナー通過順と前走
 
馬名
コーナー順
前走
レース
1着馬 03
ゴールドアリュール
1
2-2-2-1
フェブラリーS
1
1
04
タイムパラドックス
2
9-9-8-8
コーラルS
3
4
05
ピットファイター
5
3-3-2-2
フェブラリーS
8
6
06
フィフティーワナー
2
1-1-1-1
準OP
1
1
2着馬 03
イーグルカフェ
4
9-9-7-6
フェブラリーS
4
3
04
サイレンスボーイ
1
2-3-4-5
コーラルS
5
1
05
オーガストバイオ
10
4-3-2-2
準OP
1
1
06
ヒシアトラス
1
3-4-4-4
マーチS
2
1
3着馬 03
ディーエスサンダー
9
7-6-5-5
マーチS
5
5
04
ヒシアトラス
4
4-3-2-2
マーチS
3
4
05
サワノブレイブ
12
6-6-5-5
コーラルS
6
6
06
サカラート
3
3-2-2-2
フェブラリーS
14
6

表3は、03年以降の1〜3着馬について、コーナー通過順と前走を調べたものである。コーナー通過順は、1コーナーから4コーナーまですべて9番手以内で通過した馬ばかりである。表2も併せると、昨年フィフティーワナーが勝った逃げはまだ可能性が残されるが、追い込み馬ならこのレースで脚質転換でもしないかぎりは苦しいと考えたい。
前走成績は、条件戦なら1着が必須で、オープンや重賞なら6着以内。内訳はフェブラリーSが4頭、マーチSとコーラルSが3頭、そして準オープン1着が2頭だ。特にフェブラリーS組は5頭が出走して4頭が馬券圏内という高確率である。残る1頭は04年のイーグルカフェ(8着)で、フェブラリーSは7着だった。6着と7着でいったいなにが違うのか、と思いたくなるが、このレースに限っては「6着」という線が重要だという近年の傾向である。また、表には記載しなかったが、3着以内の12頭すべてダート1400〜1800mからの臨戦。さらに、ハンデ戦時代も含め7歳以上馬が馬券に絡んだ例はない

 

■表4 前走名古屋大賞典出走馬の成績
馬名
人気
着順
名古屋大賞典
人気 着順
00
オースミジェット
2
5
1
1
01
タマモストロング
1
5
2
4
02
ブラウンシャトレー
12
6
7
4
04
クーリンガー
3
4
2
1
06
ピットファイター
5
7
2
9

有力なステップとなりそうな位置にありながら、まったく実績を残せていないのが名古屋大賞典出走馬で、ハンデ戦時代も含めた過去10年で5頭が出走して連対ナシ。マーチSと同じ3月下旬のレースで、距離もわずか100m違い、しかも人気馬が含まれていてのこの結果である。同じ京都ダート1800mの平安Sでは地方のダートグレード競走をステップにした馬も馬券に絡んでおり、特にアンタレスSと名古屋大賞典との間にかぎってなにか理由があるのか、それとも単なる偶然なのか。理由は定かではないが、少々気になるデータではある。

 

■表5 前走マーチS、コーラルS出走馬の成績
前走
出走
1着 2着 3着 着外 勝率 連対率 複勝率
マーチS
97〜02年
20
3
2
2
13
15.0%
25.0%
35.0%
03〜06年
23
0
1
2
20
0.0%
4.3%
13.0%
コーラルS
97〜02年
8
0
0
0
8
0.0%
0.0%
0.0%
03〜06年
14
1
1
1
11
7.1%
14.3%
21.4%

もうひとつ、3頭が好走しているマーチSも、以前に比べれば信頼性はひと息、というのが表5である。過去10年のうち、ハンデ戦時代は6年で3勝2着2回と最有力だったのだが、ここ4年は優勝がなく2着1回、3着2回である。逆に、以前は好走例のなかったコーラルS組が馬券に絡むようになってきた。1400m戦だけに短距離馬が多く参戦するレースだが、ここからアンタレスSに進んで馬券に絡んだ3頭は、いずれも1800mでの優勝実績を持っていたことで共通している。

 

■表6 アンタレスS・1〜3着馬の年内成績
 
馬名
年内成績
1着馬 03
ゴールドアリュール
【 1.0.0.0 】
フェブラリーS・1着
04
タイムパラドックス
【 1.0.0.2 】
平安S・1着
05
ピットファイター
【 0.0.0.2 】
フェブラリーS・6着
06
フィフティーワナー
【 0.0.0.0 】
(4連勝中)
2着馬 03
イーグルカフェ
【 0.0.1.0 】
フェブラリーS・3着
04
サイレンスボーイ
【 2.0.0.1 】
コーラルS・1着
05
オーガストバイオ
【 1.3.0.0 】
準OP・1着
06
ヒシアトラス
【 1.1.0.1 】
マーチS・1着
3着馬 03
ディーエスサンダー
【 1.1.0.2 】
準OP・1着
04
ヒシアトラス
【 2.0.0.2 】
仁川S・1着
05
サワノブレイブ
【 2.0.0.2 】
準OP・1着
06
サカラート
【 0.0.0.2 】
フェブラリーS・6着

表3と同様に1〜3着馬について、今度は年明け以降の成績を調べてみた。12頭中8頭に共通するのが、年明け以降に最低1勝は挙げていたこと。残る4頭中3頭はフェブラリーS6着以内の好走馬で、昨年のフィフティーワナーは条件戦4連勝で休養明けという例外的な存在である。近走で勝利があるか、G1で上位争いに食い込むくらいの状態を維持していることが求められ、大敗続きの馬に一変を期待するのは難しい

 

【結論】

別定戦となったここ4年では、前走ダート1400〜1800mで6着以内、かつ、年明け以降に優勝かフェブラリーS6着以内の好走実績を持つことが馬券圏内の条件。7歳以上馬はハンデ戦時代も含め、馬券に絡んだ例はない。脚質面では、特に追い込み馬の不振が目立つ。

■表7 前走ダート1400m以上、6着以内の登録馬
馬名
年齢
出走馬決定順
前走
年内成績
レース
アルドラゴン
6
10
名古屋大賞典
5
1
【 2.0.0.2 】
カイトヒルウインド
8
23
マーチS
15
5
【 0.0.0.2 】
キクノアロー
4
4
名古屋大賞典
2
4
【 2.1.0.1 】
クワイエットデイ
7
6
マーチS
9
1
【 2.0.0.0 】
ストロングブラッド
8
7
さきたま杯
6
3
【 0.0.0.0 】
ダンディズム
5
19
準OP
4
1
【 2.0.0.1 】
トーセンブライト
6
9
マーチS
8
2
【 0.1.0.0 】
バアゼルキング
8
43
師走S
13
6
【 0.0.0.0 】
マルブツリード
4
17
マーチS
10
6
【 1.0.0.3 】
ワイルドワンダー
5
11
コーラルS
1
1
【 1.0.1.0 】
※出走可能頭数は16頭

では、今年の登録馬をみてみよう。「前走ダート1400m以上、6着以内」の条件で抽出したのが表7である。前走レースや年内成績、年齢も併せて考えると、筆頭に挙げられるのはワイルドワンダーとマルブツリード(ただし出走馬決定順17位)の2頭。前走コーラルSのワイルドワンダーがやや上位だろうか。もう1頭、この表では減点のないダンディズム(出走馬決定順19位)は、1800mの距離未経験で割引が必要だ。
アルドラゴンとキクノアローは、前走が相性の悪い名古屋大賞典という点だけが問題になる。いずれも京都ダートに優勝実績があり、特にキクノアローは条件戦とはいえ【3.1.0.0】の好成績。前走を気にしなければ、前記各馬と互角かそれ以上の評価をしても良いだろう。

上位人気が予想されるクワイエットデイは7歳という年齢、そして前々走が逃げ切りで前走が追い込みと、表2の人気馬凡走例に該当する「両極端」な競馬になっていることが減点材料。トーセンブライトは年内未勝利がマイナスで、2頭とも「信頼できる人気馬」とは言い難い。上記の馬に続く馬券候補の一角、という評価が妥当だろう。 また、前走7着以下の主な馬では、クーリンガーは年齢と年内未勝利がネック。フェブラリーS組のタガノサイクロンは追い込み脚質と年内未勝利、メイショウトウコンも追い込み脚質が減点と、いずれも着順以外にも不安材料があり、データ上は強く推しがたい。

このように、今年は上位人気候補の多くが不安材料を抱えており、一昨年のような波乱の可能性も十分にありそうだ。なお、別定戦となったここ4年は、武豊騎手と安藤勝騎手が揃って2勝ずつ。本稿執筆時点では出走馬は確定していないが、枠順確定後には是非ともチェックしておきたい。

 

2007/03/31阪神11R コーラルS1着 6番 ワイルドワンダー 2007/02/17東京10R 春望S1着 8番 マルブツリード
2007/03/31阪神11R
コーラルS
1着 6番 ワイルドワンダー
2007/02/17東京10R
春望S
1着 8番 マルブツリード

ライタープロフィール

浅田知広(あさだ ともひろ)

1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。

データde出〜たバックナンバー

データ競馬のための最強ツール TARGET frontier JV(ターゲット)

ページトップへ戻る

競馬予想のJRA-VAN