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第114回 データからも混戦模様の高松宮記念

2007/3/21(水)

今週は春のG1戦線の幕開けを告げる高松宮記念。G1馬の登録は1頭のみで、G1では一歩足りなかった馬や、新勢力が入り乱れた混戦模様だ。人気薄の激走は少ないレースだが、今年も傾向通り大荒れはないのか、それとも信頼できる人気馬不在で波乱となるのか、データから分析してみよう。

今年の高松宮記念は大挙33頭が登録。しかし、G1勝ち馬は近走不振のオレハマッテルゼ1頭のみで、G1連対馬すらほとんど居ないというメンバー構成だ。なにやら荒れそうな気配も大いにするが、過去のこのレースの傾向は「人気薄の激走ナシ」。今年の実績不足の上位人気馬でも、これまで通り信頼できるのか。それともやはり波乱となるのか。JRA-VAN Data Lab.Target frontier JVを利用して、データから分析したい。

まず、レースの傾向分析の前に、昨年の第63回で小田原氏が触れていた「脚質」について少し細かく考えてみたい。昨年は、高松宮記念が5月の開催2日目から3月の開催最終日に変わったことで、いわゆる「外差し」、差し馬有利になったことをデータから示していた。では、開催の前後半では他のレースも含めどの程度の差があるものなのだろうか。

 

■表1 1回中京開催の開催日別、芝1200m脚質成績(2000年〜)
  1日目〜4日目(すべてAコース) 5日目〜8日目(すべてBコース)
総数 1着 2着 勝率 連率 占有率 総数 1着 2着 勝率 連率 占有率
1着 連対 1着 連対
逃げ 61 16 7 26.2% 37.7% 26.2% 18.9% 56 11 9 19.6% 35.7% 19.6% 17.9%
先行 224 32 25 14.3% 25.4% 52.5% 46.7% 207 18 20 8.7% 18.4% 32.1% 33.9%
中団 371 12 23 3.2% 9.4% 19.7% 28.7% 403 24 23 6.0% 11.7% 42.9% 42.0%
後方 297 1 6 0.3% 2.4% 1.6% 5.7% 281 3 4 1.1% 2.5% 5.4% 6.3%
マクリ 0 0 0 - - - - 0 0 0 - - - -
※脚質の区分はTarget frontier JVによるもの

表1は、高松宮記念がこの時期に行われるようになった00年以降、1回中京開催の前後半で芝1200m戦の脚質別成績を調べたものだ。確かに開催前半と後半では大きな違いがあり、特に開催後半になると、「逃げ」の勝率や1着占有率、そして「先行」の数字が悪くなり、「中団」や「後方」が向上している。ラチ沿いの馬場の荒れに加え、Bコースでコーナーが緩くなる影響もあるだろうか。

勝率、連対率では開催前後半とも「逃げ」がもっとも良い数字だが、これは出走数の問題も大きい。「逃げ」は各レース1頭しかいないことが多く、9レースに3度連対すれば33.3%。一方、フルゲートの場合、各レース平均6頭ほどがいる「中団」は、全レース「中団」同士の決着でも3着以下になる馬が必ず4頭生じ、最高でも連対率33.3%止まり(6分の2)。単一の条件で脚質同士の勝率、連対率を比較するのではなく、他の条件と比較したり、同じ条件でも占有率を合わせて検討するのが妥当だ。

こういった「外差し」の馬場では枠順も気にかかる。短距離戦では道中の流れが速く、しかも中〜長距離のように縦長にはなりづらいため、内枠の馬が外に出すほどの余裕は少ない。結果、スタートからゴールまで内枠の馬はインのまま、外枠の馬はそのまま外を通ってゴールに到達することが増えてくる。馬場が荒れる開催後半は多少のコースロスがあっても外枠が良さそうだが、データではどうだろうか。

 

■表2 1回中京開催の開催日別、芝1200m馬番成績(2000年〜)
1日目〜4日目(すべてAコース) 5日目〜8日目(すべてBコース)
平均
人気
総数 1着 2着 勝率 連率 平均
人気
総数 1着 2着 勝率 連率
1 8.3 61 8 3 13.1% 18.0% 10.6 56 2 3 3.6% 8.9%
2 8.6 61 5 3 8.2% 13.1% 8.5 56 1 7 1.8% 14.3%
3 7.6 60 4 5 6.7% 15.0% 8.7 56 4 1 7.1% 8.9%
4 8.5 59 3 5 5.1% 13.6% 8.8 56 3 4 5.4% 12.5%
5 7.8 61 6 2 9.8% 13.1% 9.5 56 6 1 10.7% 12.5%
6 8.0 60 4 9 6.7% 21.7% 9.1 56 4 4 7.1% 14.3%
7 8.7 61 3 4 4.9% 11.5% 8.3 56 2 6 3.6% 14.3%
8 7.9 60 3 3 5.0% 10.0% 8.9 56 2 2 3.6% 7.1%
9 9.2 60 3 2 5.0% 8.3% 7.9 56 6 6 10.7% 21.4%
10 8.4 61 5 3 8.2% 13.1% 9.6 55 1 3 1.8% 7.3%
11 8.0 61 2 4 3.3% 9.8% 8.5 55 4 2 7.3% 10.9%
12 8.5 61 2 4 3.3% 9.8% 8.9 56 5 2 8.9% 12.5%
13 9.1 60 1 5 1.7% 10.0% 8.8 55 4 4 7.3% 14.5%
14 7.9 60 5 4 8.3% 15.0% 9.2 56 3 6 5.4% 16.1%
15 8.7 56 3 1 5.4% 7.1% 8.4 55 3 2 5.5% 9.1%
16 8.1 51 4 4 7.8% 15.7% 8.7 55 4 1 7.3% 9.1%
17 - 0 0 0 - - 11.1 29 0 1 0.0% 3.4%
18 - 0 0 0 - - 10.1 27 2 1 7.4% 11.1%

50〜60レース程度を馬番で割ってしまうと、1〜2度の連絡みの増減でも結構数字が変わってしまうため、馬番個別よりは全体的な傾向をみたい。それぞれ上位、下位5つずつを背景黄色、水色で示したが、開催前半は内枠優位、後半は一転して外枠優位。ほぼ予想通りの結果と言えるだろう。
表1の脚質も含め、実力に差があるとか、展開によっては不利を克服して好走するケースももちろんあるが、ざっとこういう傾向にあることは頭に入れておきたい。中京最終週には高松宮記念以外にも、芝1200m戦は数レース組まれているので参考にしてほしい。

 

■表3 高松宮記念の脚質成績(2000年〜)
  総数 1着 2着 3着 勝率 連対率 複勝率 占有率
1着 連対 複勝
逃げ 7 1 0 0 14.3% 14.3% 14.3% 14.3% 7.1% 4.8%
先行 25 1 1 3 4.0% 8.0% 20.0% 14.3% 14.3% 23.8%
中団 63 5 5 3 7.9% 15.9% 20.6% 71.4% 71.4% 61.9%
後方 30 0 1 1 0.0% 3.3% 6.7% 0.0% 7.1% 9.5%
マクリ 0 0 0 0 - - - - - -

 

■表4 高松宮記念の馬番成績(2000年〜)
  平均人気 総数 1着 2着 3着 勝率 連率 複勝率
1 10.7 7 1 0 0 14.3% 14.3% 14.3%
2 7.1 7 0 0 0 0.0% 0.0% 0.0%
3 9.3 7 1 0 0 14.3% 14.3% 14.3%
4 9.0 7 0 0 0 0.0% 0.0% 0.0%
5 8.4 7 1 0 1 14.3% 14.3% 28.6%
6 11.7 7 0 0 0 0.0% 0.0% 0.0%
7 8.1 7 0 1 0 0.0% 14.3% 14.3%
8 9.7 7 0 1 0 0.0% 14.3% 14.3%
9 7.3 7 0 1 0 0.0% 14.3% 14.3%
10 11.7 7 0 0 0 0.0% 0.0% 0.0%
11 12.7 7 1 0 0 14.3% 14.3% 14.3%
12 5.9 7 1 0 1 14.3% 14.3% 28.6%
13 6.6 7 1 1 1 14.3% 28.6% 42.9%
14 11.3 7 0 1 0 0.0% 14.3% 14.3%
15 9.1 7 0 1 1 0.0% 14.3% 28.6%
16 9.7 7 0 0 1 0.0% 0.0% 14.3%
17 12.4 7 0 0 0 0.0% 0.0% 0.0%
18 8.8 6 1 1 2 16.7% 33.3% 66.7%

表1、表2と同じデータを、00年以降の高松宮記念にかぎって調べたのが表3、表4である。サンプルがかなり少なくなるため参考程度ではあるが、芝1200m全体とほぼ同様の傾向であると考えて良さそうだ。
なお、Target frontier JVでの脚質分類方法によると、17〜18頭立ての過去の高松宮記念では4コーナー5〜12番手あたりが「中団」と分類され、それより前が「逃げ」または「先行」、後ろが「後方」となる。出走頭数によっても脚質分類方法は異なるので、詳しくはソフトのヘルプをご覧いただきたい。

つぎに、高松宮記念の過去の傾向をみてみたい。先に触れた通り、このレースは00年から施行時期が変更されているため、その00年以降の7年間を分析する。

 

■表5 高松宮記念の3着以内馬
馬名 前走 前々走 G1実績
レース レース
1着 00 キングヘイロー 4 フェブラリーS 13 スプリンターズS 3 マイルCS2着
01 トロットスター 1 シルクロードS 1 CBC賞 1 安田記念5着
02 ショウナンカンプ 3 オーシャンS 1 1600万特別 1 初出走
03 ビリーヴ 3 阪急杯 9 香港スプリント 12 スプリンターズS1着
04 サニングデール 2 阪急杯 1 シルクロードS 3 高松宮記念2着
05 アドマイヤマックス 4 阪急杯 4 根岸S 14 安田記念2着
06 オレハマッテルゼ 4 阪急杯 3 東京新聞杯 2 安田記念11着
2着 00 ディヴァインライト 8 阪急杯 2 1600万特別 1 皐月賞5着
01 ブラックホーク 3 阪急杯 2 CBC賞 2 スプリンターズS1着
02 アドマイヤコジーン 2 阪急杯 1 東京新聞杯 1 朝日杯3歳S1着
03 サニングデール 2 阪急杯 2 シルクロードS 3 スプリンターズS8着
04 デュランダル 1 マイルCS 1 スプリンターズS 1 スプリンターズS1着
05 キーンランドスワン 6 阪急杯 1 シルクロードS 15 高松宮記念3着
06 ラインクラフト 2 阪神牝馬S 4 マイルCS 3 NHKマイルC1着
3着 00 アグネスワールド 2 スプリンターズS 2 CBC賞 1 フランスG1 1着
01 テネシーガール 16 シルクロードS 9 淀短距離S 2 阪神3歳牝馬S5着
02 スティンガー 4 東京新聞杯 6 阪神牝馬S 3 阪神3歳牝馬S1着
03 リキアイタイカン 10 シルクロードS 5 京都金杯 4 マイルCS3着
04 キーンランドスワン 8 阪急杯 5 シルクロードS 1 NHKマイルC10着
05 プレシャスカフェ 1 シルクロードS 1 CBC賞 1 初出走
06 シーイズトウショウ 3 オーシャンS 9 CBC賞 3 桜花賞2着
※前走、前々走 背景黄色:連対 緑色:3着 水色:4着以下
G1実績 背景黄色:連対 緑色:3着 水色:出走経験なし

まず右側の項目、G1実績をみると、3着以内馬21頭中19頭はG1出走経験があり、残る2頭は連勝中。G1出走経験がないなら、勢いに乗っている馬でなければ好走するのは難しい。
続いて前走、前々走をまず連対馬についてみてみよう。そのほとんどが、連対を示す背景黄色、または3着の緑となっており、連対馬で過去2走に4着以下があったのは5頭のみ。それも、4頭すべてG1で3着以内の実績の持ち主だ。実績のない馬が近走で凡走を喫しているようでは苦しい。
3着馬については、連対馬と違って前走4着以下の馬も多々見られる。しかし、前走、前々走のいずれかでは3着以内になっている馬が7頭中6頭を占め、残る1頭はやはりG1で3着の実績馬だ。連対馬、3着馬とも過去2走の「3着以内」と「G1実績」がポイントとなるレースだと言えるだろう。
また、3着以内21頭のうち、前走、前々走とも芝1600m以下だった馬が19頭。ダートを使っていたキングヘイロー、アドマイヤマックスはもともと芝路線を進んでいた馬で、しかもG1連対実績馬。ここ2走のうちにダートから急に芝に転じてきた馬、あるいは中距離戦に出走していた馬は減点が必要だ。

 

■表6 表5で「例外」となる馬の前年秋以降の成績
馬名 前年秋以降の主な成績
キングヘイロー マイルCS2着
ビリーヴ スプリンターズS1着
アドマイヤマックス 富士S1着
キーンランドスワン 阪急杯1着
ラインクラフト 秋華賞1着
リキアイタイカン スワンS2着、マイルCS3着

表5で「3着」の線から外れ、G1実績で「例外」扱いになったのは表6の6頭になる。これらの馬は、G1実績があることに加え、前年秋以降に少なくとも重賞で連対は果たしていることで共通している。いくら実績馬であっても、半年も不振が続くようではこのレースで好走するのは難しい、というデータだ。

【結論】
連対候補なら「過去2走とも3着以内」、3着候補としては「過去2走のうち1走は3着以内」を満たしていることがポイント。これを満たせない馬なら、G1好走実績に加え、前年秋以降の重賞好走実績が必要だ。また、開催後半の中京芝1200mは差し馬と外枠有利。複数の馬で取捨に迷ったら、差し馬や外枠の馬を優先して候補に加えたい。

では、今年の登録馬について考えてみよう。まず連対候補は、「前走、前々走ともに芝1600m以下で3着以内」のエムオーウイナー、スズカフェニックス、プリサイスマシーン、マイネルスケルツィ。さらにG1で3着以内の実績馬から、昨年秋以降に重賞連対のあるシーイズトウショウの計5頭になる。上位人気が予想される馬ばかりで、これは連対馬14頭中12頭が4番人気以内、という過去の傾向に合致する。
このうち、G1出走経験がないのはエムオーウイナーとスズカフェニックス。エムオーウイナーは連勝中のため例外扱いできるが、前走3着のスズカフェニックスは割引が必要で、他の4頭の次位という評価になる。

さらに、ここで表1のデータから差し馬を中心に据えたいところだが、上位4頭はいずれも「先行」になるか「中団(4コーナー5〜12番手)」になるか微妙な脚質。展開を予想して、「この馬は中団になる」と自信を持てる馬がいればそれを軸にすれば良いが、難しければ表2を利用して、枠順抽選で中〜外枠を引いた馬を重視しても良いだろう。
ほかに、過去のデータをもう少し詳しく分析して絞るなら、「前走が阪急杯か芝1200m、またはG1連対馬」と読んで京都金杯がステップのマイネルスケルツィを少々減点。また、「G1未出走馬は連勝中」というデータに「芝1200m全勝」(過去の該当馬2頭はクリア)を加えるとエムオーウイナーが割引となり、残るはシーイズトウショウとプリサイスマシーン。特に、ここ7年連続して阪急杯出走馬が連対していることを考慮すると、プリサイスマシーンが有力になる。ただ、この2頭は7、8歳馬。今年の高齢馬活躍傾向からすれば「買い」、このレースの傾向通りなら割引と、微妙なところだ。
このように、今年は混戦ムードがそのままデータにも表れた形で、4頭からさらに絞るには各馬少々決め手不足。ただ、上位人気馬同士とはいえ、オッズは割れ加減になりそうなだけに、無理に絞らずボックス馬券にとどめるのも手。軸を決めるにしても、枠順はもちろん、当日のパドックや馬場状態などデータ以外の要素も総合して考えてゆきたい。

なお、3連単の3着候補や、3連複の候補としては、上記5頭に加え、サチノスイーティー、タマモホットプレイ、ビーナスラインが挙げられる。

 

2007/2/25阪神11R 阪急杯(G3) 
1着 1番 プリサイスマシーン 2006/6/11中京11R CBC賞(G3) 
1着 16番 シーイズトウショウ
2007/2/25阪神11R 阪急杯(G3)
1着 1番 プリサイスマシーン
2006/6/11中京11R CBC賞(G3)
1着 16番 シーイズトウショウ

ライタープロフィール

浅田知広(あさだ ともひろ)

1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。

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