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第110回 今年は波乱か!? 中山記念を分析する

2007/2/22(木)

今週は中山競馬場で中山記念が行われる。過去10年で1番人気馬は計6連対。馬連3桁配当が半数の5回、2000円を超えたのはわずかに2回のみと平穏な傾向にあるレースだが、今年も上位人気同士で決着するのだろうか。データから分析してみよう。

今週はアーリントンC、阪急杯、中山記念の3重賞が行われる。注目は高松宮記念の前哨戦となる阪急杯だが、昨年から距離が200m延長されて少々傾向が掴みづらい。そこで今回は、日曜中山の中山記念を分析してみたい。データの分析には、JRA-VAN Data Lab.Target frontier JVを利用した。

中山記念は1番人気が過去10年で6連対。02年こそ8→7番人気の決着で馬連8440円の高配当となったが、残る9回の馬連最高は2530円、3桁配当が5回と平穏な傾向にある。しかし今年は大挙27頭が登録。本稿執筆時点で出走馬は確定してないが、フルゲートかそれに近い頭数になりそうな雰囲気だ。

 

■表1 中山記念の出頭頭数と3着以内馬人気
頭数
人気
単勝
馬連
1着
2着
3着
97 9 1 4 2 250 910
98 9 1 3 5 140 350
99 12 1 4 5 180 650
00 14 5 4 7 920 2530
01 13 2 3 1 580 1800
02 14 8 7 3 1740 8440
03 12 1 4 9 180 740
04 14 1 3 2 210 730
05 14 4 2 7 760 1820
06 12 6 1 4 1540 1580
※背景黄:12頭立て以下

表1からわかるように、過去の中山記念では出走頭数が1番人気の信頼性を大きく左右している。出走頭数12頭以下の年(背景黄色)はいずれも1番人気が連対している一方で、13頭を越えた年は5回中わずか1連対のみ。高配当となった02年も14頭立てで行われており、もし今年が13頭以上で行われるようなら、「10年で6連対」という数字通りに1番人気を信頼してしまうのは危険、ということになる。

 

■表2 出走頭数別人気成績(平地重賞、02年〜)
人気
9〜11頭
12〜14頭
15頭〜
勝率
連対率
勝率
連対率
勝率
連対率
1
43.2% 59.3% 35.3% 52.9% 29.6% 43.5%
2
24.7% 46.9% 15.7% 30.7% 16.1% 30.4%
3〜5
7.8% 24.3% 9.2% 21.8% 8.3% 19.1%
6〜8
2.5% 6.2% 3.9% 11.1% 5.4% 12.2%
9〜11
0.5% 1.1% 2.8% 4.8% 2.8% 6.9%
12〜14
- - 0.3% 1.6% 1.3% 3.4%
15〜
- - - - 0.3% 0.8%

 

■表3 出走頭数別単オッズ成績(平地重賞、02年〜)
単オッズ
9〜11頭
12〜14頭
15頭〜
勝率
連対率
勝率
連対率
勝率
連対率
1.0〜1.9
60.0% 80.0% 61.0% 73.2% 41.9% 62.2%
2.0〜2.9
28.6% 48.2% 33.7% 53.0% 32.9% 49.7%
3.0〜4.9
22.7% 42.7% 15.4% 34.9% 19.9% 33.1%
5.0〜9.9
9.6% 25.9% 10.9% 24.2% 10.2% 21.3%
10.0〜19.9
7.6% 18.3% 6.6% 14.9% 6.8% 15.5%
20.0〜49.9
1.8% 8.3% 3.3% 8.7% 2.9% 7.9%
50.0〜
0.5% 0.9% 0.7% 1.4% 0.9% 2.0%

なお、多頭数になると少頭数に比べ人気馬の信頼性が下がるのは中山記念にかぎったことではなく、多くのレースでデータを集計しても同じような結果になる。これについては昨年の第54回「多頭数は人気馬が不利になる?」で分析した通り。今回はその第54回で掲載したデータの一部を、02年以降の約5年分に集計し直して掲載しておこう(表2、表3)。詳しくは、第54回の本文を参考にしていただきたい。

ここで少々脇道にそれるが(中山記念のデータ分析のみを知りたい方は表6へ)、表3を作る上で人気とオッズの関係について少々気になった点があったので、ひとつデータを調べてみた。
たとえば「単勝3倍」と聞くと、漠然と「3レースか4レースに1度は勝つ」という印象があり、どんなレースでもオッズが同じなら信頼性に大きな違いはない、と考えてしまいがち。しかし表3にある通り、同じ単勝オッズのレンジでも出走頭数によって信頼性は異なってくる。では、出走頭数ではなく人気が違う場合はどうなのか。同じオッズで1番人気と2番人気では信頼性に違いはあるのだろうか。

 

■表4 単勝オッズ・人気別成績(15頭立て以上の平地重賞、97年〜)
単オッズ
1番人気
2番人気
3番人気
勝率
連対率
勝率
連対率
勝率
連対率
1.0〜1.4
61.9% 76.2%
-
-
-
-
1.5〜1.9
40.0% 61.1%
-
-
-
-
2.0〜2.9
31.7% 48.0% 48.1% 66.7%
-
-
3.0〜3.9
21.9% 37.0% 30.5% 47.5% 14.3% 14.3%
4.0〜4.9
19.7% 27.6% 15.1% 31.1% 5.6% 22.2%
5.0〜6.9
15.0% 20.0% 11.8% 25.8% 15.3% 29.6%
7.0〜9.9
-
-
8.5% 25.5% 6.8% 17.5%
10.0〜14.9
-
-
16.7% 33.3% 9.7% 22.6%
15.0〜19.9
-
-
0.0% 50.0% 11.1% 44.4%
20.0〜29.9
-
-
0.0% 0.0% 0.0% 0.0%
※背景灰色はサンプル20未満

表4は、平地重賞について単勝オッズと人気の関係調べたもので、出走頭数による影響を少なくするために15頭立て以上に限定している。背景黄色は上位人気に対して上回った部分で、特に単勝2倍台、3倍台の2番人気が、1番人気を大きく上回る成績を残しているのが目につく。単勝オッズが同じなら1番人気の方が信頼性は高くなりそうなものだが、実際は逆という結果だ。これを表3とまとめると、同じ単勝オッズならば、多頭数よりも少頭数、1番人気よりも2番人気の方が信頼は高い、ということになる。ただ、あくまでこれは長期的にデータを集計した結果で、特定の1レースでオッズが接近している場合はこのかぎりではない。

 

■表5 1、2番人気が接近したレースの成績(97年〜、平地全レース)
1、2番人気単オッズ
1番人気
2番人気
勝率
連対率
勝率
連対率
2.0〜2.2
33.9% 67.9% 41.1% 76.8%
2.3〜2.5
29.5% 55.2% 35.0% 60.7%
2.6〜2.8
33.6% 55.7% 25.3% 49.1%
2.9〜3.1
23.3% 44.3% 24.9% 44.9%
3.2〜3.4
25.1% 47.9% 17.5% 33.7%
3.5〜3.7
22.4% 39.7% 21.8% 40.3%
3.8〜4.0
17.3% 36.4% 19.5% 34.6%
4.1〜4.3
23.6% 32.6% 16.0% 36.1%
4.4〜4.6
19.4% 30.6% 15.3% 32.7%
4.7〜4.9
14.3% 25.0% 25.0% 35.7%
5.0〜5.2
25.0% 30.0% 5.0% 35.0%
※3番人気が当該オッズ範囲外のレース

表5は、同一レースで1、2番人気の単勝オッズが接近していた場合のデータだ(十分なデータ数確保のため、平地全レースで集計)。サンプルの多い2倍台後半から3倍台あたりを見ると、オッズの範囲によってバラバラ。全体的には1番人気の勝率が高く、2番人気の連対率が高い部分が目立つものの、この程度のオッズ差は締め切り前の数分で入れ代わることも多く、馬券作戦としては使いづらい。この表としては「表4について、長期的に買い続けた場合と、特定の1レースのみを取り上げた場合を同一視はできない」というくらいに認識しておけばいいだろう。少々ややこしいが、かなり大ざっぱに言えば「同じ単勝オッズの馬を1年通して買い続けるなら(特に連軸としては)1番人気よりも2番人気。特定の1レースで拮抗した単勝オッズの馬同士なら、そのオッズや単勝か連軸かによって変わる」となる。

 

■表6 中山記念の3着以内馬
馬名
前走
前々走
中距離実績
1着 00 ダイワテキサス 5 AJCC4着 中山金杯5着 オールカマー1着
01 アメリカンボス 2 AJCC1着 有馬記念6着 AJCC1着
02 トウカイポイント 8 白富士S4着 中山金杯8着 カブトヤマ記2着
03 ローエングリン 1 東京新聞杯2着 ディセンバー1着 ディセンバー1着
04 サクラプレジデント 1 ジャパンC14着 菊花賞9着 札幌記念1着
05 バランスオブゲーム 4 マイルCS8着 天皇賞秋9着 毎日王冠1着
06 バランスオブゲーム 6 根岸S11着 マイルCS5着 中山記念1着
2着 00 アメリカンボス 4 白富士S4着 エプソムC1着 エプソムC1着
01 ジョウテンブレーヴ 3 京阪杯1着 菊花賞8着 京阪杯1着
02 トラストファイヤー 7 東京新聞杯5着 中山金杯13着 たんぱ賞1着
03 バランスオブゲーム 4 菊花賞5着 セントライト1着 弥生賞1着
04 サイドワインダー 3 東京新聞杯4着 京都金杯2着 京阪杯1着
05 カンパニー 2 京阪杯2着 菊花賞9着 京阪杯2着
06 ダイワメジャー 1 マイルCS2着 毎日王冠5着 皐月賞1着
3着 00 ビッグサンデー 7 小倉大賞典4着 京都金杯6着 スプリングS1着
01 ダイタクリーヴァ 1 京都金杯1着 鳴尾記念1着 スプリングS1着
02 ラスカルスズカ 3 日経新春杯6着 キャピタルS6着 金鯱賞3着
03 ダイワジアン 9 東京新聞杯7着 関屋記念9着 福島TVOP2着
04 ローエングリン 2 香港M3着 天皇賞秋13着 中山記念1着
05 アルビレオ 7 東京新聞杯5着 京都金杯2着 準OP3着
06 エアメサイア 4 女王杯5着 秋華賞1着 秋華賞1着
※前走、前々走 背景黄:重賞5着以内 背景青:重賞以外
中距離実績 背景黄:重賞勝ち

さて、話を中山記念に戻して、過去の好走馬のデータを見てみよう。ここでは施行時期が2月下旬となった00年以降の7年間、3着以内馬について調べてみた。まず、3着まで含めた21頭中19頭に共通するのが、前走が重賞だったこと。連対馬に限れば14頭中11頭が芝重賞5着以内かG1で、残る3頭中2頭は芝のオープン特別4着。連対候補としては最低限、「前走が芝の重賞かオープン5着以内、またはG1」を条件としたい。さらに、3着以内21頭すべて、前走か前々走のいずれかが重賞で、なおかつ条件戦には出走していなかった。近走である程度は強敵相手に揉まれた経験が必要となり、少々勢いがあるだけでは通用していない。
また、マイラーも中距離馬も参戦する1800m戦だが、このレースはより中距離の実績が重要で、連対馬14頭中11頭に芝中距離(1800〜2200m)での重賞勝ちがあった。残る3頭も芝中距離重賞2着かオープン勝ちがあり、芝中距離でのオープン・重賞実績を欠く馬では苦しい。

 

【結論】

比較的平穏な傾向にある中山記念だが、多頭数が予想される今年はやや波乱含み。前走や実績では、「前走芝重賞かオープン5着以内、またはG1」、そして「芝中距離重賞連対かオープン勝ち」を満たしている必要がある。特に、前走重賞5着以内かつ、芝中距離で重賞勝ちのあることが望ましい。また、前走か前々走で重賞に出走していることも条件だ。

では、今年の登録馬についてみてみよう。まず「前走芝の重賞かオープン5着以内、または芝G1」を満たすのは、インティライミ、イースター、エアシェイディ、グレイトジャーニー、シャドウゲイト、スターイレブン、ダンスインザモア、ブラックタイド、マヤノライジン、メイショウオウテ、メテオバースト、ローエングリン。このうち、過去2走に重賞出走がないスターイレブンとダンスインザモア、芝中距離で重賞連対かオープン勝ちのないマヤノライジン、メイショウオウテ、メテオバーストは割引となる。また、人気の一角・シャドウゲイトも、前々走1000万条件が減点材料となり、データ上は強く推しがたい。よって、残るのはインティライミ、イースター、エアシェイディ、グレイトジャーニー、ブラックタイド、ローエングリンの6頭。ただし、イースターは阪急杯に回るとの報道があり、ブラックタイドは出走馬決定順24番目で除外の可能性がある。
これらの中では、冒頭のデータから波乱含みと予想すればローエングリン。中山芝1800mのコース形態の影響か、過去にはダイワテキサス、アメリカンボス、バランスオブゲームなど2度以上好走する馬が目につくレースで、ローエングリンの03年優勝、04年3着の実績は、8歳という年齢を差し引いても注目に値する。また、元々追い込みが決まりづらい傾向である上に今年は多頭数となれば、より先行馬が有利になる可能性があること、そして表6の「14頭中11頭に芝中距離重賞勝ち」のデータから、先行型かつ中距離重賞勝ちのあるインティライミも上位の評価としたい。

 

2003/3/2中山11R 中山記念(G2) 1着 2番 ローエングリン 2005/5/7京都11R 京都新聞杯(G2) 1着 7番 インティライミ
2003/3/2中山11R 中山記念(G2)
1着 2番 ローエングリン
2005/5/7京都11R 京都新聞杯(G2)
1着 7番 インティライミ
(写真右)

ライタープロフィール

浅田知広(あさだ ともひろ)

1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。

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