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第109回 今年の4、5歳勢は手薄? 1番人気の連勝続くか!?

2007/2/14(水)

今週は東京競馬場でフェブラリーSが行われる。同レースは現在、1番人気の馬が5連勝中。近年は穏やかな決着が続いているが、勝ち馬はいずれも4、5歳勢。果して今年もその傾向は続くのか?

JRAのGⅠもいよいよ今週末から開幕。第一弾は古馬のダートマイル王決定戦フェブラリーSだ。02年に優勝したアグネスデジタルから昨年優勝したカネヒキリまで、目下のところ1番人気馬が5年連続で優勝。いくら1番人気馬とはいえ、キッチリと勝ち切るのは容易ではなく、この点については大きな特徴と言えるだろう。昨年の当コーナーを担当した浅田氏は優勝馬のカネヒキリ、2着のシーキングザダイヤを推奨。その際に引用した年齢別の成績は、依然として有力な材料であり、今年もそこから分析を行っていきたい。データの調査はJRA-VAN Data Lab.Target frontier JVを利用した。

 

■表1 過去10年のフェブラリーS出走馬の年齢別成績(03年を除く)
年齢 着別度数 勝率 連対率 複勝率 単回収率 複回収率
4歳 3-6-1-27/37 8.1% 24.3% 27.0% 44% 62%
5歳 5-1-3-27/36 13.9% 16.7% 25.0% 75% 74%
6歳 1-1-3-35/40 2.5% 5.0% 12.5% 28% 44%
7歳以上 0-1-2-27/30 0.0% 3.3% 10.0% 0% 34%

上の表1は過去10年のフェブラリーS(中山開催の03年を除く)の年齢別成績。これを見ると一目瞭然で4歳、5歳馬がほかの世代を圧倒。6歳なるとガクンと成績が落ち、7歳以上の馬は未勝利だ。フェブラリーSがG1に昇格してから、6歳以上の馬のワン・ツー決着は一度もなく、毎年必ず1頭は4、5歳の馬が連対を果たしている。もちろん、単純に若くてフレッシュだからという理由だけで好走できるものではない。G1だけにダート重賞のハイレベルな実績は必要。これは世代の区別なく共通の考えだ。そこで過去のフェブラリーSの好走馬を年齢別に詳しく見ていこう。

 

■表2 過去のフェブラリーSで好走した4歳馬
着順 人気 馬名 前走成績 前年10月以降のダ重賞
06年 1 1 カネヒキリ JCダート1着 JCダート1着
05年 1 1 メイショウボーラー 根岸S1着 根岸S1着
2 5 シーキングザダイヤ 川崎記念2着 兵庫GT1着
04年 2 3 サイレントディール 東京大賞典7着 武蔵野S1着
02年 2 4 トーシンブリザード 東京大賞典3着  
00年 2 2 ゴールドティアラ 平安S3着 シリウスS1着
98年 2 8 メイショウモトナリ 平安S4着 スーパーダートダービー1着
97年 1 6 シンコウウインディ 平安S1着 平安S1着
2 1 ストーンステッパー ガーネットS1着 ガーネットS1着
3 2 バトルライン 銀嶺S1着  

まずは4歳勢(表2参照)。昨年の優勝馬カネヒキリをはじめ過去10頭の好走馬が出ている。カネヒキリや05年2着のシーキングザダイヤのように過去に古馬混合のダートG1で連対実績がある馬は特別で、普通ならば文句なしに中心馬に推せる。ただ、比較的キャリアが浅い明け4歳馬にそこまで厳密に求めるのは酷。そこで注目したいのが、前年秋(10月)以降のダート重賞の勝ち鞍。10頭中8頭が前年10月以降に何らかのダートの重賞を勝っていた。該当しなかった02年2着のトーシンブリザードにしても前年の南関東の3冠馬で、好走されても納得がいく実績を持っていた。

 

■表3 過去のフェブラリーSで好走した5歳馬
着順 人気 馬名 前走成績 ダートのG1実績
06年 2 2 シーキングザダイヤ 川崎記念2着 05年フェブラリーS2着
05年 3 6 ヒシアトラス 平安S1着 未経験
04年 1 1 アドマイヤドン JCダート2着 03年南部杯1着
02年 1 1 アグネスデジタル 香港C1着 02年南部杯1着
01年 1 5 ノボトゥルー 根岸S1着 未経験
3 4 トゥザヴィクトリー 阪神牝馬特別1着 未経験
00年 1 4 ウイングアロー 平安S5着 98年ダービーGP2着
99年 1 2 メイセイオペラ 東京大賞典2着 98年南部杯1着
98年 3 10 シャドウクリーク シリウスS2着 未経験

次は5歳馬について(表3参照)。最多の優勝馬を出している世代だけあって、近走の好調度に加え、G1実績という厳しい条件が求められる。00年1着のウイングアローを除く8頭は、前走のレースで連対。さらに過去には1600m以上のダートG1での連対実績が欲しいところ。特に盛岡競馬場で行われる南部杯は、同じ左回りのマイルG1ということでフェブラリーSと関連性が高い。前年の南部杯で好走している場合は、大きなプラス材料になる。05年3着のヒシアトラスのように、過去にダートG1で連対実績がなくても好走することができるが、この場合はたいてい今までダートG1に出走したことがないケースとなる。ひと言で言えば、未知の可能性。実績馬よりも好走確率は劣るが、この点にかけてみる手もある。

 

■表4 過去のフェブラリーSで好走した6歳馬
着順 人気 馬名 前走成績 ダートのG1実績
06年 3 11 ユートピア 東京大賞典5着 05年南部杯1着
02年 3 2 ノボトゥルー 根岸S2着 01年フェブラリーS1着
01年 2 2 ウイングアロー JCダート1着 00年フェブラリーS1着
00年 3 7 ファストフレンド 川崎記念3着 99年東京大賞典2着
98年 1 6 グルメフロンティア 中山金杯1着 未経験

次は6歳馬について(表4参照)。前述したようにこの世代から好走馬の数が減少するが、求められるものは5歳勢に似ている。まず、近走不振馬は苦しい。前走は最低でも掲示板に乗る必要があり、G2やG3ならば連対していることが望ましい。そしてダートG1での連対実績。南部杯に加え、東京大賞典や川崎記念といった地方競馬場で行われるダートG1実績にも注目。98年の優勝馬グルメフロンティア(ダートのOP勝ちはアリ)のように芝から転戦してくるような特殊なケース以外は、この点で取捨が可能だろう。

 

■表5 過去のフェブラリーSで好走した7歳以上の馬
着順 人気 馬名 前走成績 ダートのG1実績
04年 3 9 スターリングローズ 根岸S11着 02年JBCスプリントS1着
99年 2 7 エムアイブラン 平安S2着  
3 4 タイキシャーロック 浦和記念1着 07年南部杯1着

最後に7歳以上の馬について(表5参照)。過去3頭の好走馬はいずれも7歳馬で、前走ダートの重賞で連対、もしくはダートG1での勝ち星という条件を満たしていた。99年はエムアイブラン、タイキシャーロックの2頭が好走を果たしたが、この年は4歳馬が一頭も出走しなかった異例の年でもあった。

 

【結論】

さて、それでは今年のフェブラリーSを占っていこう。優先出走権順に基づくと出走予定メンバーは以下の表6の通りになりそう。

■表6 今年のフェブラリーS出走予定馬
優先 馬名 年齢 前走成績 備考
15 トーセンシャナオー 4 有馬記念14着  
21 タガノサイクロン 4 平安S9着  
9 メイショウトウコン 5 平安S1着 ダートG1未経験
14 サンライズバッカス 5 平安S2着 05年ダービーGP2着
20 フィールドルージュ 5 平安S6着  
1 アジュディミツオー 6 川崎記念2着 06年かしわ記念1着
3 シーキングザダイヤ 6 東京大賞典3着 06年フェブラリーS2着
6 シーキングザベスト 6 根岸S2着  
8 ビッググラス 6 根岸S1着  
11 カフェオリンポス 6 平安S15着 04年ジャパンDD1着
15 ダイワバンディット 6 根岸S10着  
2 ブルーコンコルド 7 東京大賞典1着 06年南部杯1着
4 メイショウバトラー 7 兵庫GT5着 06年JBCマイル2着
5 オレハマッテルゼ 7 阪神C14着  
19 サカラート 7 すばるS5着  
7 リミットレスビッド 8 根岸S4着  
※フルゲート16頭。インセンティブガイ、サイレントディール、スリーアベニュー、ドンクール、バンブーエールは回避の見込み。ウイングシチー(22)以下は除外対象(2/14午前現在)。

単刀直入に言って、今年は難しい。表1の年齢別成績を重視した上での印象だが、4歳勢を中心とする若い世代の馬が手薄のように見える。それも冷静に考えれば当然のことで、昨年の優勝馬カネヒキリが故障で戦線離脱。JCダートを勝ったアロンダイトも不在で、近年のような大本命馬が構えるイメージはない。例年期待できる4歳馬の出走予定がトーセンシャナオー、タガノサイクロンの2頭のみ。しかも、いずれも前走の成績がひと息、ダート重賞の勝ち星もなく、これでは期待できそうにない。

そこで5歳馬の出番だが、ここも3頭と少ない。その中では先の平安Sの1、2着馬、サンライズバッカスメイショウトウコンが一応条件に合致。前者はG1連対実績が3歳限定のダービーGP、後者はダートG1未経験なので不動の本命というわけにはいかなないが、この世代で買うならばこの2頭だろう。

6歳勢は6頭と多い。前走好走とダートG1での連対実績の両方を満たすのはシーキングザダイヤアジュディミツオー。前者はG1だと勝ち切れないが、このレースは2年連続2着と実績がある。後者はまで本調子でない点、そして東京コースで実績がない点が気になるが、マイルG1のかしわ記念勝ちの実績がある。

7歳以上は5頭も出走予定。ベテランでも元気な馬が多いが、G1での連対実績を考えるとブルーコンコルドが筆頭、次点でメイショウバトラーというところか。ブルーコンコルドは昨年、東京大賞典を圧勝、そしてJBCマイル、南部杯も制し、昨秋だけでG1を3勝するなど、勢いと実績では今回のメンバーでは断然だ。しかし、問題は年齢。この手のタイプで5歳以下の馬ならば不動の中心馬となるが、そのまま素直に評価していいのか判断に迷う。今年は99年とは違う意味で4歳馬の層が薄いため、ここでも貫禄を見せられるかもしれないが、あくまでも有力馬の1頭という結論にしたい。

 

2007/01/21京都11R 平安ステークス(G3) 1着 2番 メイショウトウコン 2着 12番 サンライズバッカス
2007/1/21京都11R 平安ステークス(G3)
1着 2番 メイショウトウコン
2着 12番 サンライズバッカス

ライタープロフィール

小田原智大(おだわら ともひろ)

1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。
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