データde出〜た
第106回 京都牝馬Sはマイル実績がポイント
2007/1/25(木)
今週は京都競馬場で京都牝馬Sが行われる。過去10年で1番人気馬はわずかに1連対という荒れ模様のレースだ。今年はディアデラノビアが人気を集めそうだが、昨年は1番人気を裏切っているのが気に掛かるところだ。この一戦をデータから分析してみよう
今週は根岸S、東京新聞杯、そして京都牝馬Sの3重賞。根岸Sは昨年のこのコーナーで分析されており、東京新聞杯は土曜開催。そこで今回は京都牝馬Sを占ってみたい。データの分析には、JRA-VAN Data Lab.とTarget frontier JVを利用した。
冒頭でも触れた通り、このレースの1番人気は過去10年で僅か1連対。昨年は、今年も人気の中心となりそうなディアデラノビアが1番人気で5着に敗れている。
■表1 京都牝馬Sと古牝馬重賞の人気別成績
京都牝馬S |
古牝馬重賞 |
|||||||
人気 |
1着 |
2着 |
3着 |
着外 |
勝率 |
連対率 |
勝率 |
連対率 |
1 |
1 | 0 | 2 | 7 | 10.0% | 10.0% | 29.7% | 41.9% |
2 |
1 | 4 | 2 | 3 | 10.0% | 50.0% | 14.9% | 39.2% |
3 |
1 | 1 | 0 | 8 | 10.0% | 20.0% | 13.5% | 28.4% |
4 |
4 | 0 | 1 | 5 | 40.0% | 40.0% | 12.2% | 20.3% |
5 |
2 | 2 | 1 | 5 | 20.0% | 40.0% | 12.2% | 24.3% |
6〜7 |
0 | 1 | 2 | 17 | 0.0% | 5.0% | 3.4% | 9.5% |
8〜10 |
1 | 3 | 0 | 26 | 3.3% | 13.3% | 3.2% | 7.3% |
11〜 |
0 | 0 | 1 | 40 | 0.0% | 0.0% | 0.3% | 1.6% |
そこでまずは、このレースの人気別成績を調べてみた。いくら「荒れる牝馬限定戦」とはいえ、古牝馬限定重賞全体と比較しても上位人気の不振は明らか。2番人気は連対率こそ50%も、勝率は10%。3番人気も水準以下で、4、5番人気の健闘が目立っている。一方、11番人気以下ともなるとさすがに連対はなく、4番人気から10番人気あたりから、データ的に狙えそうな馬をピックアップする買い方に妙味がありそうだ。
ただこのレース、本来、重賞のデータ分析では大きなポイントとなる前走の成績が、今年は少々使いづらい。というのは、一昨年まで暮れに行われていた阪神牝馬Sが昨年からは春の開催になってしまったためである。また、2年連続で好走馬を出した京都金杯組も、今年は登録なし。まったく参考にならないとは言えないが、他のデータを優先するのが妥当だろう。
■表2 主な登録馬の芝1600m、京都芝成績と連対率
馬名 |
芝1600m |
京都芝 |
||
| アグネスラズベリ | 0-1-0-2 | 33.3% | 2-2-1-2 | 57.1% |
| アズマサンダース | 1-2-1-5 | 33.3% | 1-0-1-3 | 20.0% |
| ウイングレット | 0-3-0-0 | 100.0% | 0-1-1-2 | 25.0% |
| コイウタ | 2-0-1-1 | 50.0% | 0-0-0-1 | 0.0% |
| サンレイジャスパー | 0-0-0-1 | 0.0% | 1-2-1-2 | 50.0% |
| ソリッドプラチナム | 0-0-1-2 | 0.0% | 2-0-1-4 | 28.6% |
| ディアデラノビア | 2-0-2-3 | 28.6% | 1-0-1-2 | 25.0% |
| マイネサマンサ | 1-3-0-4 | 50.0% | 2-1-0-4 | 42.9% |
| レクレドール | 0-0-1-2 | 0.0% | 1-0-0-6 | 14.3% |
前走成績以外の注目点となると、各馬のこれまでの実績がまず挙げられる。京都牝馬Sは京都芝1600m(外)ということで、主な登録馬の芝1600m実績と、京都芝コースの実績を拾ってみた。マイル戦ではウイングレット、コイウタ、そしてマイネサマンサ。京都芝ではアグネスラズベリ、サンレイジャスパーあたりが好成績を残している。ただ、マイル戦も京都芝もともに得意というほどの馬はおらず、この表だけですぐに飛びつくほどではない。
■表3 京都牝馬S連対馬のマイル戦と京都実績
年 |
馬名 |
年齢 |
人気 |
芝1600m |
京都芝 |
|||
| 1着馬 | 97 | エイシンバーリン | 5 | 5 | 2-0-1-1 | 50.0% | 1-0-0-0 | 100.0% |
| 98 | ビワハイジ | 5 | 3 | 1-1-0-2 | 50.0% | 0-0-0-2 | 0.0% | |
| 99 | マルカコマチ | 4 | 4 | 1-3-0-1 | 80.0% | 2-3-0-2 | 71.4% | |
| 00 | スティンガー | 4 | 1 | 2-0-0-1 | 66.7% | - | - | |
| 01 | グレイスナムラ | 5 | 5 | 1-1-0-0 | 100.0% | 3-2-2-4 | 45.5% | |
| 02 | ビハインドザマスク | 6 | 4 | 2-0-2-4 | 25.0% | 3-0-1-1 | 60.0% | |
| 03 | ハッピーパス | 5 | 2 | 2-2-0-1 | 80.0% | 0-0-1-0 | 0.0% | |
| 04 | チアズメッセージ | 4 | 8 | 3-0-1-3 | 42.9% | 2-2-0-2 | 66.7% | |
| 05 | アズマサンダース | 4 | 4 | 0-2-1-2 | 40.0% | 0-0-1-1 | 0.0% | |
| 06 | マイネサマンサ | 6 | 4 | 0-3-0-2 | 60.0% | 1-1-0-2 | 50.0% | |
| 2着馬 | 97 | ヤマニンパラダイス | 5 | 2 | 3-0-0-2 | 60.0% | 0-0-0-1 | 0.0% |
| 98 | ランフォザドリーム | 4 | 2 | 2-0-0-0 | 100.0% | 1-1-0-1 | 66.7% | |
| 99 | ナギサ | 6 | 9 | 0-0-0-2 | 0.0% | 0-0-0-1 | 0.0% | |
| 00 | エイシンルーデンス | 4 | 6 | 1-1-0-2 | 50.0% | 2-0-0-1 | 66.7% | |
| 01 | タイキダイヤ | 5 | 2 | 0-1-0-0 | 100.0% | 0-0-2-0 | 0.0% | |
| 02 | ダイヤモンドビコー | 4 | 2 | 2-0-0-2 | 50.0% | - | - | |
| 03 | マイネアイル | 5 | 10 | 0-0-0-1 | 0.0% | 1-2-2-2 | 42.9% | |
| 04 | マイネアイル | 6 | 5 | 1-3-0-3 | 57.1% | 1-3-2-3 | 44.4% | |
| 05 | ウイングレット | 4 | 3 | 0-1-0-0 | 100.0% | 0-0-1-0 | 0.0% | |
| 06 | チアフルスマイル | 6 | 5 | 0-0-0-3 | 0.0% | 1-0-2-3 | 16.7% | |
| 06 | メイショウオスカル | 5 | 9 | 0-1-0-5 | 16.7% | 0-1-0-4 | 20.0% | |
そこで、このレースの過去10年の連対馬について、芝1600m成績と、京都芝成績について調べたのが表3である。まず1着馬については、ビハインドザマスク以外は芝1600mで連対率40%以上を挙げていた。たとえ出走数が少なくとも、馬単や3連単のアタマで狙うなら芝1600mの連対率40%以上という条件はクリアしたい。それ以外なら、ビハインドザマスクのように京都芝で勝率50%以上あたりが条件になりそうだが、今年は該当馬不在だ。
一方、2着馬に関してはマイル連対率40%未満の馬も4頭が絡んでいる。この各馬は特に京都芝成績が良いわけでもなく、また03年のマイネアイルのように重賞初出走というケースもある。共通するのは5、6歳馬で5番人気以下だったこと。これで「このタイプの人気薄は2着候補として有力」とまで言ってしまうと乱暴だが、少なくともマイル連対率40%を切る人気馬を積極的に買う理由はない。
4歳馬については1着、2着を含め芝1600mで勝利があり、なおかつ2連対以上だった馬が8頭中6頭で、残る2頭はマイル戦での重賞連対実績の持ち主。キャリアが浅いと実績不足にも目をつむれる、と考えがちだが、このレースは逆に、ある程度の実績がなければ歴戦の古馬相手に通用しない、というデータが出ている。なお、京都芝成績については1着馬、2着馬ともさしたる傾向は見られない。
続いて、連対各馬の前走成績を見てみよう。先述の通り、昨年から阪神牝馬Sが春に移動し、牡馬混合の阪神Cを創設。さらに、牝馬限定の愛知杯(中京芝2000m)が12月に行われるようになっており、個々のレースについて細かく見るよりは、大雑把な傾向を掴む形で利用したい。
■表4 京都牝馬S連対馬の前走
年 |
馬名 |
年齢 |
人気 |
前走 |
||||
レース |
人 |
着 |
||||||
| 1着馬 | 97 | エイシンバーリン | 5 | 5 | 阪神牝馬 | 芝16 | 3 | 7 |
| 98 | ビワハイジ | 5 | 3 | 阪神牝馬 | 芝16 | 4 | 7 | |
| 99 | マルカコマチ | 4 | 4 | 900万下 | 芝14 | 1 | 1 | |
| 00 | スティンガー | 4 | 1 | ジャパンC | 芝24 | 10 | 14 | |
| 01 | グレイスナムラ | 5 | 5 | 1600万特 | 芝16 | 1 | 1 | |
| 02 | ビハインドザマスク | 6 | 4 | 阪神牝馬 | 芝16 | 1 | 5 | |
| 03 | ハッピーパス | 5 | 2 | 1600万特 | 芝16 | 1 | 1 | |
| 04 | チアズメッセージ | 4 | 8 | 1600万特 | 芝16 | 3 | 1 | |
| 05 | アズマサンダース | 4 | 4 | 京都金杯 | 芝16 | 6 | 3 | |
| 06 | マイネサマンサ | 6 | 4 | 阪神牝馬 | 芝16 | 4 | 2 | |
| 2着馬 | 97 | ヤマニンパラダイス | 5 | 2 | Pアイランド | 芝16 | 5 | 1 |
| 98 | ランフォザドリーム | 4 | 2 | 1600万特 | 芝20 | 2 | 2 | |
| 99 | ナギサ | 6 | 9 | 中山金杯 | 芝20 | 7 | 4 | |
| 00 | エイシンルーデンス | 4 | 6 | 阪神牝馬 | 芝16 | 7 | 2 | |
| 01 | タイキダイヤ | 5 | 2 | 阪神牝馬 | 芝16 | 12 | 2 | |
| 02 | ダイヤモンドビコー | 4 | 2 | 阪神牝馬 | 芝16 | 2 | 6 | |
| 03 | マイネアイル | 5 | 10 | 1600万特 | 芝14 | 4 | 3 | |
| 04 | マイネアイル | 6 | 5 | ニューイヤー | 芝16 | 4 | 1 | |
| 05 | ウイングレット | 4 | 3 | ターコイズ | 芝18 | 1 | 1 | |
| 06 | チアフルスマイル | 6 | 5 | 京都金杯 | 芝16 | 11 | 7 | |
| 06 | メイショウオスカル | 5 | 9 | 京都金杯 | 芝16 | 15 | 11 | |
まず目につくのは、このレースと同じ芝1600m戦からの連対馬が極めて多いことだ。阪神牝馬Sの移動で今年は微妙になるが、今回の条件と大きく外れるレースをステップにしている馬は評価を下げるべきだろう。
着順に関しては、6着以下から巻き返した馬こそ多いものの、2桁着順だった馬は2頭のみ。うち1頭はG1・ジャパンCで、よほどの例外を除けば前走ひと桁着順は最低限必要だ。また、1着馬については、重賞以外からのステップなら前走1着は必須。2着馬まで含めても、前走が重賞以外なら3着以内を条件としたい。なお、前走が10月以前だった馬、そして7歳以上馬の連対はない。
【結論】
京都牝馬Sは、荒れがちな古牝馬重賞ということを考慮しても波乱の多いレース。芝1600mで連対率40%以上が優勝の条件となる。また、前走は重賞でひと桁着順か、条件戦なら最低でも3着以内が必要だ。
■表5 芝1600m連対率40%以上の登録馬馬名 |
芝1600m成績、連対率 |
出走決定順 |
備考 |
|
| アクロスザヘイブン | 1-0-0-0 | 100.0% | 17 | 前走1000万、4歳で実績不足 |
| ウイングレット | 0-3-0-0 | 100.0% | 12 | 前走OP2着 |
| ジョリーダンス | 2-3-0-1 | 83.3% | 24 | 前走1600万2着 |
| タイキマドレーヌ | 1-2-1-0 | 75.0% | 28 | 前走1000万9着 |
| ピサノグラフ | 3-3-1-1 | 75.0% | 24 | 前走1600万4着 |
| マドモアゼルドパリ | 2-0-0-1 | 66.7% | 21 | 前走1000万、休養明け |
| キープクワイエット | 2-1-0-3 | 50.0% | 20 | 前走2桁着順 |
| コイウタ | 2-0-1-1 | 50.0% | 3 | 前走ダート、2桁着順 |
| ビーナスライン | 0-1-0-1 | 50.0% | 7 | |
| マイネサマンサ | 1-3-0-4 | 50.0% | 5 | 7歳 |
| ショウナンパントル | 2-1-0-4 | 42.9% | 15 | 前走2桁着順、休養明け |
冒頭で主な登録馬についてはピックアップしたが、ここで改めて芝1600m戦の成績を見てみたい。現時点では出走馬が確定していないため、登録全馬について芝1600mの連対率40%以上の馬をまとめてみた。
特に減点がないのはビーナスライン1頭のみでこれが有力だが、このレースを回避してシルクロードSに向かうとの情報もある。他で減点材料が少ないのは、一昨年の2着馬ウイングレットだ。前走オープン2着からの優勝がないのは少々気になるが、阪神牝馬Sの移動やターコイズSの距離短縮(1800→1600)を鑑みれば、今後は主要なステップになりそうな雰囲気もあり、ここは最有力候補と考えたい。人気面でも、好成績を残す4〜5番人気あたりに収まりそうなのも好材料だ。
他では、ジョリーダンスが出走できれば2着候補としては面白い存在だが、現時点では除外対象。出走可能な中では、前走ダートで2桁着順をまったくの参考外とすればコイウタ。そしてマイルでは実績不足(4歳)も、2000mとはいえ重賞好走実績のある(フローラS3着)アクロスザヘイブンあたり。ただ、いずれにしても決め手に欠くのは否めない。
■表6 京都芝1600m(外)の騎手成績、連対率順
騎手 |
1着 |
2着 |
3着 |
着外 |
勝率 |
連対率 |
| 武豊 | 19 | 11 | 5 | 37 | 26.4% | 41.7% |
| 安藤勝己 | 11 | 6 | 8 | 19 | 25.0% | 38.6% |
| 岩田康誠 | 6 | 2 | 4 | 24 | 16.7% | 22.2% |
| 藤田伸二 | 1 | 10 | 2 | 39 | 1.9% | 21.2% |
| 本田優 | 3 | 5 | 3 | 27 | 7.9% | 21.1% |
| 柴原央明 | 2 | 3 | 0 | 22 | 7.4% | 18.5% |
| 福永祐一 | 8 | 6 | 10 | 57 | 9.9% | 17.3% |
| 上村洋行 | 2 | 3 | 0 | 24 | 6.9% | 17.2% |
| 川島信二 | 0 | 3 | 1 | 18 | 0.0% | 13.6% |
| 渡辺薫彦 | 0 | 5 | 3 | 30 | 0.0% | 13.2% |
そこでデータをもうひとつ。京都芝1600m(外)の騎手成績を調べてみた(連対率順)。トップの武豊騎手は東京で騎乗予定、藤田伸二騎手は騎乗停止中で、安藤勝己騎手(想定騎乗馬:マイネサマンサ)、岩田康誠騎手(ディアデラノビア)、本田優騎手(アグネスラズベリ)あたりが注目騎手になる。ディアデラノビアは人気馬の不振、アグネスラズベリは前走がオープン1200mで6着、そしてマイネサマンサは年齢がネックになるが、1頭挙げれば、3頭で唯一マイル連対率40%を超えるマイネサマンサだろうか。安藤勝己騎手が連対率で3位以下を大きく離しているほか、この馬自身昨年の覇者で京都芝1600mは【1・1・0・0】と好相性である。
以上をまとめると、ウイングレット、コイウタ、アクロスザヘイブン、マイネサマンサあたりが中心で、出走できれば(あるいはすれば)ビーナスライン、ジョリーダンス。これに他のマイル戦高連対率馬やアグネスラズベリ、ディアデラノビアあたりが続く形となる。いずれにしても、荒れるレースらしく、データから文句ナシにオススメできる馬は不在。上記有力馬の中から、馬単なら1着候補を複数にしたながし馬券、馬連ならボックスで手広く好配当を狙ってみたいレースだ。
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2005/1/30京都11R 京都牝馬ステークス(G3) 2着 8番 ウイングレット |
2006/1/29京都11R 京都牝馬ステークス(G3) 1着 12番 マイネサマンサ |
ライタープロフィール

浅田知広(あさだ ともひろ)
1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。


