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第101回 新設重賞・阪神Cを分析する

2006/12/14(木)

今週は阪神競馬場で古馬短距離G2・阪神Cが行われる。G1級の好メンバーが集まり注目されるが、今年新設されたばかりでデータ分析は難しい。しかし、この時期にはこれまでCBC賞やスプリンターズSという短距離重賞が行われており、これらのレースは参考にできるはずだ。他の要素も踏まえ、データから分析してみよう。

GⅠの連続開催も今週はひと息。中山では2歳牝馬のフェアリーS、中京では古牝馬の愛知杯、そして阪神では新設・阪神Cと、バリエーションに富んだ重賞が行われる。中でも注目を集めるのは阪神C。今年新設されたばかりだが、G1級とも言える好メンバーが揃った一戦だ。今週はこのレースをデータから分析してみよう。データ分析には、JRA-VAN Data Lab.Target frontier JVを利用した。

今回は3歳馬も上位人気が予想されるが、この時期の3歳馬が果たしてどの程度通用するか、というのは気になるところ。そこでまずは、年齢別の成績を調べてみた。先述した通り阪神Cは新設重賞だが、昨年までこの時期にはCBC賞やスプリンターズSという短距離重賞(芝1200m)が行われており、こちらのデータを参考にしてみたい(JRA-VAN Data Lab.にデータのある86年以降)。

 

■表1 12月古馬短距離重賞の年齢別成績
年齢
出走
1着
2着
3着
着外
勝率
連対率
単回収
3歳
101
9
3
5
84
8.9%
11.9%
102%
4歳
83
4
9
5
65
4.8%
15.7%
15%
5歳
73
5
4
7
57
6.8%
12.3%
26%
6歳
36
1
4
2
29
2.8%
13.9%
11%
7歳以上
14
1
1
0
12
7.1%
14.3%
610%
※86〜89、00〜05年のCBC賞と、90〜99年のスプリンターズSを集計

注目の3歳馬は、勝率8.9%、連対率11.9%。連対率こそ低めだが、勝率はトップとなっている。3歳12月までに賞金を加算してオープンまで出世したような馬なら、通用する余地も十分にあり、上位争いに絡めるほどの実力なら「1着」までモノにすることも多い、という結果だ。それ以外では4歳馬の連対率が高い。なお、近年のCBC賞については表4で分析する。

 

■表2 12月古馬短距離重賞の人気別成績
人気
12月古馬短距離重賞
 
00〜05年CBC賞
出走
1着
2着
3着
勝率
連対率
出走
1着
2着
3着
勝率
連対率
1
20
9
4
1
45.0%
65.0%
6
2
1
0
33.3%
50.0%
2〜3
40
6
5
4
15.0%
27.5%
12
2
1
1
16.7%
25.0%
4〜6
60
1
5
7
1.7%
10.0%
18
1
0
1
5.6%
5.6%
7〜9
60
2
4
3
3.3%
10.0%
18
1
3
2
5.6%
22.2%
10〜
127
2
3
4
1.6%
3.9%
39
0
2
1
0.0%
5.1%

続いて、同じ条件での人気別成績を見てみよう。こちらは1番人気馬が勝率45.0%、連対率65.0%と水準以上の好成績。スプリンターズSが秋に移動し、ここからマイルCS→CBC賞というステップを無理なく踏めるようになった00年以降のCBC賞を見ても、この傾向は同様だ。ただ、こちらは7〜9番人気馬も6年で4連対、3着2回と多くの穴馬券を演出している。以前のスプリンターズSや、スプリンターズS創設前のCBC賞では3着以内に3度しか入っていなかったのだから、近年の7〜9番人気の健闘には注目すべきだろう。

同じく人気に関して気になる点としては、阪神Cが「定量」で行われることも挙げられる。斤量が実績に左右されないなら人気馬が優勢になるのではないか、と考えられるためだ。G1以外の古馬重賞は賞金や重賞勝ち鞍で斤量が決定される別定戦が多いが、このレースは過去の実績に関係なく「3歳56、4歳以上57キロ、牝馬2キロ減」。斤量面では事実上「G1扱い」のレースになる。

 

■表3 定量、または馬齢重量の古馬G2、G3戦人気別成績
人気
古馬G2、G3(定量または馬齢、86年〜)
平地古馬G2、G3(01年〜、参考)
出走
1着
2着
3着
勝率
連対率
出走
1着
2着
3着
勝率
連対率
1
11
4
1
2
36.4%
45.5%
385
111
58
44
28.8%
43.9%
2〜3
22
2
1
2
9.1%
13.6%
770
110
120
99
14.3%
29.9%
4〜6
33
4
0
5
12.1%
12.1%
1155
94
104
108
8.1%
17.1%
7〜9
32
0
7
1
0.0%
21.9%
1149
44
65
73
3.8%
9.5%
10〜
52
1
2
1
1.9%
5.8%
1956
26
40
61
1.3%
3.4%
※古馬G2、G3は86〜94年オールカマー、94年平安S、06年札幌記念

そこで、過去に行われた定量、または馬齢の古馬G2、G3戦についてデータを調べてみた。参考になるのは馬齢戦だった時代のオールカマーや、94年の平安S、そして今年の札幌記念(3歳54、4歳以上57キロ、牝馬2キロ減)だ。サンプルが少ないのであくまで参考程度だが、やはり1番人気は水準以上の結果(表右の一般的な重賞との比較)。その一方で、予想とは違い7〜9番人気が7連対で連対率21.9%をマークしているのも目立つ。同様に、実績に関係なく斤量が決まるG1レースでも穴馬券は多々出現していることからも、定量戦だからといって必ずしも上位人気馬ばかりが強いわけではない、と考えれば良いだろう。

続いて、近年のCBC賞の上位馬について見てみたい。先にも触れた通り、00年以降のCBC賞は秋前半のスプリンターズSから、スワンSやマイルCSを経ても余裕を持って参戦できるローテーションで行われていた。レース名や競馬場、距離こそ変わったものの、レースの位置づけとしては今年の阪神Cも大きな変わりはない。

 

■表4 CBC賞の3着以内馬
馬名
性齢
人気
前走
主な実績
レース
1着馬
00
トロットスター 牡4
1
オーロC
1
1
オーロC・1着
01
リキアイタイカン 牡3
7
マイルCS
17
15
アーリントンC・3着
02
サニングデール 牡3
1
秋風S
3
2
函館SS・1着
03
シーイズトウショウ 牝3
3
アンドロメダS
4
2
桜花賞・2着
04
プレシャスカフェ 牡5
4
札幌日刊
2
1
札幌日刊・1着
05
シンボリグラン 牡3
3
オーロC
2
1
オーロC・1着
2着馬
00
ブラックホーク 牡6
2
マイルCS
2
8
スプリンターズS・1着
01
ジョンカラノテガミ 牡6
1
福島民友C
2
5
バーデンC・1着
02
カフェボストニアン 牡3
9
NHKマイルC
7
7
クロッカスS・1着
テンシノキセキ 牝4
7
アンドロメダS
1
2
フェアリーS・1着
03
カフェボストニアン 牡4
9
高松宮記念
8
14
クロッカスS・1着
04
ゴールデンロドリゴ 牡7
13
アンドロメダS
10
8
札幌日刊・1着
05
カネツテンビー 牝6
12
福島民友C
5
14
札幌日刊・5着
3着馬
00
ユーワファルコン 牡3
4
福島民友C
1
2
中スポ賞・1着
01
テイエムサンデー 牡5
8
アンドロメダS
11
2
アンドロメダS・2着
03
ゴールデンロドリゴ 牡6
11
高松宮記念
11
5
札幌日刊・1着
04
リミットレスビッド 牡5
9
アンドロメダS
2
1
アンドロメダS・1着
05
シーイズトウショウ 牝5
2
アンドロメダS
4
9
CBC賞・1着
※中スポ賞:中日スポーツ賞4歳S、札幌日刊:札幌日刊スポーツ賞、バーデンC:バーデンバーデンC

まず目につくのは、3歳馬の強さ。表1でも悪くない成績だったが、特に近年のCBC賞では勝ち馬6頭中4頭が3歳馬だ。「馬券に絡めば1着」という傾向はより強く出ており、3歳馬を買うなら馬単や3連単の1着候補として検討したい。逆に、表1では高連対率だった4歳馬は、こちらのデータではさほど目立っていない。
前走成績では、G1どころかオープンで大敗を喫していた馬まで巻き返しが見られる。ただ、連対馬13頭中10頭(02年は2着同着)は「G1出走かオープン連対」を果たしており、信頼性が高いのはこのタイプだ。これを満たせなかった3頭は、オープンで連対を外していたこと、そして6歳以上だった点で共通する。実績のある高齢馬は前走の着順に関わらす要注意だ。また、前走は芝の短距離戦ばかりで、条件が変わった今回も芝のマイル以下からのステップ重視でいいだろう。
なお、過去の実績はオープン勝ちかG1連対のあった馬が3着以内の18頭中15頭。ただ、今年出走が予想される馬はほとんどがオープンや重賞で実績を重ねていた馬で、こちらのデータは参考にしづらい。

今度は視点を変え、阪神芝1400m戦の傾向をいくつか見てみたい。この開催から芝外回りコースが新設された阪神コースだが、1400m戦が行われる芝内回りは従来のコースから大きな変更はなく、過去のデータをそのまま利用しても問題ないと思われる。

 

■表5 阪神芝1400mの脚質成績(01年〜、1000万以上)
 
阪神芝1400m
京1400外(参考)
出走 1着 2着 3着 勝率 連対率 勝率 連対率
逃げ
64
11
5
5
17.2%
25.0%
13.7%
21.9%
先行
236
24
29
22
10.2%
22.5%
9.5%
19.8%
中団
326
20
22
31
6.1%
12.9%
6.8%
14.0%
後方
259
7
7
6
2.7%
5.4%
3.2%
6.7%
マクリ
5
2
1
0
40.0%
60.0%
0.0%
0.0%
※Target frontier JVの脚質表示による

まずは脚質別の成績から。参考として京都芝外1400mのデータも掲載しているので、こちらと比較してみたい。阪神芝1400mは京都より直線が短い一方、ゴール前に坂がある。この条件での比較では、直線の短さの方が結果に繋がっているようで、京都芝外1400mより逃げ・先行馬が有利という集計結果だ。

 

■表6 阪神芝1400mの騎手成績(01年〜、1000万以上)
  騎乗 1着 2着 3着 着外 勝率 連対率
武豊
42
11
5
7
19
26.2%
38.1%
福永祐一
41
6
4
5
26
14.6%
24.4%
藤田伸二
26
4
4
2
16
15.4%
30.8%
安藤勝己
32
4
1
4
23
12.5%
15.6%
佐藤哲三
28
3
2
1
22
10.7%
17.9%
四位洋文
28
2
4
1
21
7.1%
21.4%
池添謙一
38
2
4
1
31
5.3%
15.8%
幸英明
41
2
2
4
33
4.9%
9.8%
武幸四郎
27
2
1
3
21
7.4%
11.1%
飯田祐史
16
2
1
1
12
12.5%
18.8%

次に騎手成績。こちらは勝ち鞍上位10人を取り上げたが、やはりトップは武豊騎手。今年の通算連対率は約38%で、このコース(38.1%)の信頼性が特に高いわけではないが「普段通りの信頼性」と考えて良いだろう。これは3位の藤田騎手も同様だ。また、2位の福永騎手は、今年の通算連対率約19%に対し、この条件・期間では24.4%と大きく上回っている。逆に、4位の安藤勝己騎手は今年の約32%を大きく下回っており、この条件は苦手な可能性がある。


■表7 阪神芝1400mの馬番成績(01年〜、1000万以上)
  出走 1着 2着 3着 着外 勝率 連対率
1
64
3
3
5
53
4.7%
9.4%
2
64
8
3
3
50
12.5%
17.2%
3
64
3
3
8
50
4.7%
9.4%
4
64
4
5
4
51
6.3%
14.1%
5
63
3
6
6
48
4.8%
14.3%
6
64
5
8
2
49
7.8%
20.3%
7
64
7
1
3
53
10.9%
12.5%
8
62
7
5
6
44
11.3%
19.4%
9
61
4
10
5
42
6.6%
23.0%
10
57
5
3
7
42
8.8%
14.0%
11
52
6
6
3
37
11.5%
23.1%
12
52
3
4
5
40
5.8%
13.5%
13
48
0
2
2
44
0.0%
4.2%
14
45
1
1
2
41
2.2%
4.4%
15
32
4
3
2
23
12.5%
21.9%
16
21
1
0
1
19
4.8%
4.8%
17
7
0
0
0
7
0.0%
0.0%
18
6
0
1
0
5
0.0%
16.7%

最後に、馬番別の成績も調べてみた。内から外まであちこちに高勝率、高連対率の馬番が見られるが、全体的な傾向として6〜11番枠あたりの中枠が好成績になっている。コース改修後の今開催3レースでは10→2→6、10→7→1、7→9→8と、やはりこのあたりが好成績だ。

 

【結論】

12月になれば3歳馬も十分通用するのが短距離重賞。近年のCBC賞の傾向を参考にすると、馬券圏内に絡めば1着まで突き抜ける可能性が高い。人気では1番人気のほか、7〜9番人気の台頭に要注意。阪神芝1400mでは、逃げ、先行馬の成績が良く、馬番別では6〜11番枠あたりに好成績が目立つ。

さて、今年の阪神Cだが、本稿執筆時点では出走馬や枠順、騎乗者は未定で、現時点で調べられるデータから少し探ってみたい。まず、年齢からは3歳馬。マイルCS5着のキンシャサノキセキはどうやら回避(または除外)の模様だが、それでもステキシンスケクン、フサイチリシャール、マイネルスケルツィなどが出走予定で、脚質面からも注目できる存在だ。

人気面ではまず1番人気が注目も、今回は少々人気が読みづらい。こちらもマイネルスケルツィになる可能性があるほか、古馬で可能性があるのはプリサイスマシーン、オレハマッテルゼ、シンボリグランあたりだろうか。プリサイスマシーン、オレハマッテルゼは先行脚質、シンボリグランは表1で好連対率の4歳馬で、どれが1番人気に推されても有力候補になる。穴では7〜9番人気。こちらは1番人気以上に読みづらいが、オープン勝ちの実績さえあれば通用するので、特に馬単の2着や3連単の2〜3着候補には是非とも1〜2頭は加えておきたい。

 

2006/04/08中山11R ニュージーランドトロフィー(G2)1着1番 マイネルスケルツィ
2006/04/08 中山11R
ニュージーランドトロフィー(G2)
1着 1番 マイネルスケルツィ

ライタープロフィール

浅田知広(あさだ ともひろ)

1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。

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