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第98回 ジャパンCは人気2頭で鉄板か!?

2006/11/23(木)

三冠馬・ディープインパクトと、そのディープインパクトを昨年の有馬記念で下したハーツクライの再戦が注目される今週のジャパンC。日本馬では2頭の実績が抜けているが、今回はともに遠征帰りという不安材料も抱えている。果たして2頭で堅いのか、外国馬や伏兵の台頭があるのか、データから分析してみよう。

今週はジャパンC。今年は外国馬が2頭と例年より分析がしやすい反面、人気の中心となりそうなディープインパクト、ハーツクライの2頭が揃って海外遠征帰りというのは気になるところだ。そんなジャパンCを、JRA-VAN Data Lab.Target frontier JVを利用して分析してみよう。なお、外国馬のデータはJRA-VAN Data Lab.に収録されていないものもあるため、一部は他の資料も参考に利用している。

 

■表1 2006年海外遠征馬の帰国初戦
年月日
海外出走レース
帰国初戦
2006.7.2
アメリカンオークス アサヒライジング
2着
秋華賞
2着
2006.7.1
キャッシュコールマイル ダンスインザムード
2着
毎日王冠
2着
2006.5.14
シンガポール国際C コスモバルク
1着
宝塚記念
8着
2006.3.25
ドバイWC カネヒキリ
4着
帝王賞
2着
  スターキングマン
7着
マーキュリーC
5着
ドバイデューティフリー アサクサデンエン
15着
安田記念
2着
  ハットトリック
12着
安田記念
13着
ドバイゴールデンシャヒーン アグネスジェダイ
6着
栗東S
12着
UAEダービー ガブリン
7着
フリーウェイS
7着
2006.3.18
ジェイコスプリント ゼンノゴウシュウ
9着
500万下
2着

まずは問題のディープインパクトとハーツクライについて。そもそも「遠征帰り」は不利なのか、今年の海外遠征馬について、帰国初戦の結果を調べたのが表1だ。好走した馬もいれば凡走馬もあり、さしたる共通点は見当たらないが、少なくとも「消し」ではないことはわかる。また、この集計期間内にこそ「1着」はないものの、過去にはタイキシャトル(98年マイルCS)やアドマイヤドン(04年帝王賞)が帰国初戦のG1で優勝したほか、近い例では昨年末に香港ヴァーズに遠征(2着)したシックスセンスが京都記念G2を制している。ディープインパクトとハーツクライについても、「遠征帰りだから」という理由だけで減点する必要はない、と言えるだろう。

 

■表2 ジャパンC3着以内の日本馬(過去10年)
前走天皇賞(秋)
馬名
ジャパンC
天皇賞・秋
主なGI実績
人気
着順
人気
着順
97 エアグルーヴ
2
2
2
1
天皇賞(秋)、オークス
バブルガムフェロー
1
3
1
2
天皇賞(秋)、朝日杯3歳S
99 スペシャルウィーク
2
1
4
1
天皇賞(春・秋)、ダービー
00 テイエムオペラオー
1
1
1
1
天皇賞(春・秋)、宝塚記念
メイショウドトウ
5
2
2
2
天皇賞(秋)2着、宝塚記念2着
01 テイエムオペラオー
1
2
1
2
ジャパンC、天皇賞(春・秋)
02 シンボリクリスエス
1
3
3
1
天皇賞(秋)、ダービー2着
03 シンボリクリスエス
1
3
1
1
天皇賞(秋)、有馬記念
04 ゼンノロブロイ
1
1
1
1
天皇賞(秋)、ダービー2着
05 ハーツクライ
2
2
2
6
宝塚記念2着、ダービー2着
ゼンノロブロイ
1
3
1
2
ジャパンC、天皇賞(秋)
前走菊花賞
馬名
ジャパンC
菊花賞
主なGI実績
人気
着順
人気
着順
98 スペシャルウィーク
1
3
1
2
ダービー、菊花賞2着
01 ジャングルポケット
2
1
1
4
ダービー
03 ザッツザプレンティ
5
2
5
1
菊花賞
04 コスモバルク
2
2
2
4
皐月賞2着
デルタブルース
7
3
8
1
菊花賞
前走その他
馬名
ジャパンC
前走
主なGI実績
人気
着順
人気
着順
96 ファビラスラフイン
7
2
5
1
秋華賞 ※前走秋華賞
98 エルコンドルパサー
3
1
3
2
NHKマイルC ※前走毎日王冠
エアグルーヴ
2
2
1
3
天皇賞(秋)、オークス ※前走女王杯
01 ナリタトップロード
5
3
2
菊花賞、ダービー2着 ※前走京都大賞典
03 タップダンスシチー
4
1
1
1
有馬記念2着 ※前走京都大賞典
※馬名背景黄色は3歳馬

続いて日本馬全体について、3着以内に好走した馬をみてみよう。昨年の第46回、小田原氏の分析でも触れられていた通り、日本馬は主に天皇賞(秋)と菊花賞出走馬が中心となり、天皇賞組なら連対(例外は昨年のハーツクライ1頭)、菊花賞組なら5着以内が求められる。別路線では芝1800m以上のG1またはG2で3着以内が条件で、例外のナリタトップロードも落馬がなければ3着以内は確実な態勢だった。また、天皇賞組についてもう少し細かくみると「天皇賞連対」「天皇賞2番人気以内」「ジャパンC2番人気以内」の3条件のうち最低2つは満たしていることがわかる。さらに、どのローテーションでも共通して古馬ならG1で2連対以上(例外のタップダンスシチーも宝塚記念3着)、3歳馬ならG1連対が必要で、優勝実績があればより信頼性は高くなる。
これを今年のメンバーに適用すると、天皇賞組のコスモバルクとスウィフトカレントは割引が必要。菊花賞組ではトーセンシャナオー、別路線ではユキノサンロイヤルの前走着順が減点対象だ。よって、残るのはメイショウサムソン、フサイチパンドラ、ハーツクライで、前走をナリタトップロード同様に「3着相当」とみればディープインパクトも問題ない。G1勝ちのないドリームパスポートはこれらに一歩譲る。

さて、このデータでは残ったハーツクライだが、気になるのは4カ月ぶりになること。過去10年のジャパンC3着以内馬はすべて、最長でも10月上旬に行われた京都大賞典や凱旋門賞などからのステップだった。しかし、そもそも休養明けの馬は少なく、過去10年の日本馬では02年5着のジャングルポケット(春の天皇賞5着以来)のみ。これでは参考にはならない。

 

■表3 芝2000m以上古馬G1、レース間隔13週以上の連対馬(過去10年)
レース
馬名
人気
着順
間隔
前走
97 天皇賞(春) サクラローレル
1
2
18週
有馬記念1着
97 有馬記念 マーベラスサンデー
1
2
24週
宝塚記念1着
01 エリザベス女王杯 トゥザヴィクトリー
4
1
28週
ドバイWC2着
03 天皇賞(秋) シンボリクリスエス
1
1
18週
宝塚記念5着
ツルマルボーイ
5
2
18週
宝塚記念2着

そこで、過去10年の古馬中〜長距離G1を休養明けで連対した馬をピックアップしたのが表3で、10年でわずか4頭しかいない、という厳しい結果だ(Target上の表記で「間隔」が13週以上の馬、一般的には「中12週」にあたる)。ただ、この面々に「ハーツクライ」という名前が加わっても実績で見劣りしないのも事実。同じ海外遠征帰りのトゥザヴィクトリーによるエリザベス女王杯制覇もあり、休養明けが苦しいのは確かだが、過去のジャパンCで休養明けの馬が好走していないという理由だけで、ハーツクライを消してしまうのは危険だ。なお、逆に間隔の詰まった例は98年にエアグルーヴがエリザベス女王杯から中1週で2着に好走しており、同じステップのフサイチパンドラに問題はない。

今度は外国馬2頭についてみてみよう。昨年の第46回も参考にすると、欧州馬なら12ハロン(2400m)路線の頂点である“キングジョージ”や凱旋門賞、そしてブリーダーズCターフで連対があるか、自国のG1を速い時計で制した実績がある馬、というのがひとつのポイントだった。この条件や、過去10年の外国馬の好走は牡・セン馬に限られていることから、今年の牝馬2頭は厳しい。ただ、昨年はひとつめの条件を覆してアルカセットが優勝したほか、ウィジャボードは2000m路線とはいえ相当な実績を重ねており、データのもうひと押しが欲しいところだ。

 

■表4 ジャパンCに2度以上出走した外国馬(86年以降、3着以内経験馬のみ)
馬名
初出走年
1度目
2度目
3度目
人気
着順
人気
着順
人気
着順
ペイザバトラー
88
9
1
6
3
-
-
ナチュラリズム
92
2
2
5
9
-
-
エルナンド
94
4
4
7
3
-
-
インディジェナス
99
12
2
13
7
16
6
サラファン
02
11
2
13
17
-
-

昨年5着のウィジャボードについては表4を見ていただきたい。これは、ジャパンCに2度以上出走し、かつ馬券圏内に絡んだ馬の一覧である。前年よりも着順を上げ、2度目以降の出走で3着以内になったのはエルナンド1頭しかおらず、2年連続の連対馬も皆無。日本馬ではスペシャルウィークの3→1着、ハーツクライの10→2着などがあるのだから、ジャパンC自体は「巻き返し」が不可能なレースではない。外国馬にとって、日本の馬場経験が有利には働かないというデータだ。またウィジャボードは、「ターフ」も含めた数多いブリーダーズC出走組の連対が、96年のシングスピール以来途絶えているのも減点材料になる。エルナンドの4→3着を尊重すれば、3連複や3連単なら可能性あり、というところまでだろう。

 

■表5 6番人気以下の好走馬(過去10年)
馬名
性齢
人気
着順
主なGI実績
96
ファビラスラフイン 牝3
7
2
秋華賞
ストラテジックチョイス 牡5
10
3
愛セントレジャー、ミラノ大賞
99
インディジェナス セ6
12
2
香港国際ヴァーズ(香港G1、国際G2)
ハイライズ 牡4
7
3
英ダービー、キングジョージ2着
02
ファルブラヴ 牡4
9
1
ミラノ大賞、共和国大統領賞
サラファン セ5
11
2
エディリードH、アーリントンミリオン2着
04
デルタブルース 牡3
7
3
菊花賞

もう1頭のフリードニアは、G1優勝実績がないのが減点だ。表5は6番人気以下の連対馬をピックアップしたもの。国際G1勝ちがなかったのは99年2着のインディジェナスのみだが、当時G2だった香港国際ヴァーズでジャパンC出走馬をまとめて破るなど、G1級に近い実績は持っていた。表にはない上位人気の好走馬もG1タイトルを持っており、フリードニアは実績不足。先に挙げた速い時計での勝ち鞍がない点、牝馬である点も併せ、ここでは苦しい。
この表でもうひとつ注目したいのは、日本馬なら3歳馬が穴になっていることで、今年の3歳馬では菊花賞組に加え、フサイチパンドラにも可能性がある。

 

【結論】

日本馬なら既にG1で実績を残し、前走が天皇賞なら連対、菊花賞なら5着以内、その他のレースなら1800m以上のG1またはG2で3着以内が条件。海外遠征帰りを不安視する必要はないが、休養明けは減点になる可能性がある。また、今年の外国馬は過去の傾向から厳しく、ウィジャボードは3着候補の一角までとみたい。

ここまでのデータをまとめると、メイショウサムソン、ディープインパクト、フサイチパンドラの3頭が上位で、続いてGI未勝利がやや割引のドリームパスポート。ハーツクライは休養明けをどう考えるかに左右される。ただ、これでは人気馬からウィジャボードを消したに過ぎないので、もう少し絞りたい。

 

■表6 日本馬が1、2番人気を占めた年の結果(86年以降)
馬名
人気
着順
89 ホーリックス
9
1
オグリキャップ
2
2
スーパークリーク
1
4
95 ランド
6
1
ヒシアマゾン
2
2
ナリタブライアン
1
6
97 ピルサドスキー
3
1
エアグルーヴ
2
2
バブルガムフェロー
1
3
98 エルコンドルパサー
3
1
エアグルーヴ
2
2
スペシャルウィーク
1
3
01 ジャングルポケット
2
1
テイエムオペラオー
1
2
02 ファルブラヴ
9
1
サラファン
11
2
シンボリクリスエス
1
3
ナリタトップロード
2
10
03 タップダンスシチー
4
1
ザッツザプレンティ
5
2
シンボリクリスエス
1
3
ネオユニヴァース
2
4
04 ゼンノロブロイ
1
1
コスモバルク
2
2
05 アルカセット
3
1
ハーツクライ
2
2
ゼンノロブロイ
1
3

JRA-VAN Data Lab.でデータの提供されている86年以降のジャパンCで、日本馬が1、2番人気を占めた年を調べたのが表6だ。これをまとめると以下の通りになる。

1、2番人気馬が1、2着(9回中2回)→本命党向け
 (1番人気→2番人気、2番人気→1番人気が各1回)
1着は3番人気以下、2着は2番人気(同5回)→中穴狙い
1、2番人気共倒れ(同2回)→穴党向け

人気に関するデータを分析すると「アタマ(あるいは軸)が堅ければヒモも堅い」という結果が多く見られ、この例も1番人気が来ればセットで2番人気も来る、1番人気が連から消えると2番人気の1着もない、という結果。よって、カギになるのは2番人気。今年は恐らくディープインパクト1番人気、ハーツクライの2番人気と予想されるので、ハーツクライの取捨がポイントだ。
ハーツクライは昨年、天皇賞6着から連対という、いわば「データ破り」をやってのけた馬。今年「休養明けで連対」というデータ破りがあっても不思議はない。この馬を買うなら上記の1、2番目のパターンで、ディープインパクトとの馬連か、ハーツクライ2着軸でディープインパクト以外が1着の馬単や3連単。逆に休養明けのハーツクライは危険とみれば3番目のパターンで、3番人気以下の馬を1、2着にした大穴狙いになる

いずれにしても、今年は海外遠征帰り2頭が上位人気を占めるという希な一戦だけに、データ予想に王道は存在しない。これまで挙げたデータに囚われず、たとえば98年マイルCS、タイキシャトル(1番人気1着)とシーキングザパール(2番人気8着)の「遠征帰り対決」の先例にならい、ディープインパクト1着で2着はハーツクライ以外、という予想も当然「アリ」。データ分析が難しいからこそ、人それぞれ多様な予想が楽しめる一戦とも言えるので、皆さんもレースまでじっくりと悩み、予想を楽しんでいただきたい。

 

2005/12/25 中山9R 有馬記念(G1) 2006/5/28 東京10R 東京優駿(G1)
2005/12/25 中山9R
有馬記念(G1)
2006/5/28 東京10R
東京優駿(G1)

ライタープロフィール

浅田知広(あさだ ともひろ)

1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。

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