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第94回 前年好走馬の取捨がカギ? 天皇賞・秋を分析する

2006/10/26(木)

今週は秋の天皇賞。ディープインパクトこそ回避予定だが、3歳馬から大ベテランまで多彩なメンバーが揃った。そんな有力馬を見渡すと昨年のこのレース上位馬も多いが、昨年以上の成績を期待できるのだろうか。データから分析してみよう。

今週は、ジャパンカップから有馬記念へと続く、秋の古馬「王道」路線の第一弾・天皇賞秋が行われる。登録のあった凱旋門賞帰りのディープインパクトこそ回避が濃厚だが、それでも3歳の若駒から歴戦のベテランまで、多彩なメンバーの揃った面白い一戦となった。有力馬を見渡すと目につくのは、2年以上連続でこのレースに出走してきた馬たち。同コース、同距離なのだから、単純に考えれば「既に好走実績があるなら今年も有力」「これまで結果が出ていなければ今年も厳しい」と思えるが、果たしてその通りなのだろうか。 データから分析してみたい。データの分析には、JRA-VAN Data Lab.Target frontier JVを利用した。

 

■表1 05年天皇賞・秋出走馬と、その他の主な有力馬
馬名
05天皇賞・秋
過去1年のその他の実績
人気
着順
アサクサデンエン
9
4
安田記念・2着
アドマイヤムーン
-
札幌記念・1着
コスモバルク
-
インターナショナルC・1着
スイープトウショウ
4
5
エリザベス女王杯・1着
ダイワメジャー
-
毎日王冠・1着
ダンスインザムード
13
3
ヴィクトリアM・1着
ハットトリック
11
7
香港マイル・1着
バランスオブゲーム
16
11
オールカマー・1着

表1は、今年の主な有力馬をピックアップしたものだ。昨年の上位2頭、ヘヴンリーロマンスとゼンノロブロイこそ引退したとはいえ、僅差で3〜5着だったダンスインザムード、アサクサデンエン、スイープトウショウが今年も出走。ほかに、昨年の天皇賞後にGI馬となったハットトリック、そして前哨戦のオールカマーを制したバランスオブゲームと、2年以上連続の出走馬は5頭を数える。特に3〜5着馬は上位人気が予想されるだけに、彼らの取捨が馬券のカギを握っていると言ってもいいだろう。

 

■表2 天皇賞2年連続出走馬の成績(98年以降、02年の中山開催関係を除く)
馬名
人気
着順
翌年成績
その間の主な実績
人気
着順
98 ステイゴールド
4
2
12
2
有馬記念・3着
サイレントハンター
8
4
14
10
大阪杯・1着
メジロブライト
2
5
3
11
有馬記念・2着
99 ステイゴールド
12
2
4
7
目黒記念・1着
ダイワテキサス
10
9
7
9
中山記念・1着
メイショウオウドウ
6
14
9
10
大阪杯・1着
ユーセイトップラン
17
15
13
6
ダイヤモンドS・1着
サクラナミキオー
15
17
11
12
オールカマー・2着
00 テイエムオペラオー
1
1
1
2
ジャパンC・1着
メイショウドトウ
2
2
2
3
宝塚記念・1着
ステイゴールド
4
7
3
7
ドバイシーマC・1着
ロサード
8
8
6
9
小倉記念・1着
ダイワテキサス
7
9
11
5
有馬記念・3着
メイショウオウドウ
9
10
9
6
安田記念・3着
03 ツルマルボーイ
5
2
3
4
安田記念・1着
トーセンダンディ
16
12
15
8
オールカマー・1着
ローエングリン
2
13
6
5
香港マイル・3着
04 ゼンノロブロイ
1
1
1
2
ジャパンC・1着
ダンスインザムード
13
2
13
3
マイルCS・2着
アドマイヤグルーヴ
9
3
17
17
エリザベス女王杯・1着
バランスオブゲーム
8
9
16
11
中山記念・1着
テレグノシス
2
11
7
14
マイルCS・3着
リンカーン
4
12
3
15
京都大賞典・1着

そこで、表2を見てほしい。これは、最近の天皇賞・秋について2年連続で出走した馬の成績を調べたものだ。ご存じの通り、02年は東京コース改修の影響で中山開催だったため、01→02年と02→03年を除いた過去5回分を掲載している。2年連続で馬券圏内に絡んだ馬は98〜99年のステイゴールド、00〜01年のテイエムオペラオーとメイショウドトウ、そして04〜昨年のゼンノロブロイ、ダンスインザムードの5頭である。5年で5頭なのだから、一見すると「上々」とも思える数字だ。

ただ、ここで注目したいのは、1年目と2年目の着順である。2年連続で馬券に絡んだ馬は、2→2着のステイゴールドを除いてすべて、前年より着順を下げているのだ。そしてもうひとつ、前年に4着以下だった馬は2年目に馬券圏内に入ったことがないのも見逃せない。同様のデータは同じ東京コースの安田記念(第73回)でも調べたことがあるのだが、このレースでは前年に敗れた馬でも巻き返しがみられていたのとは対照的だ。前年の上位馬が抜けたからといって、4着以下だった各馬が「繰り上がり」で馬券の対象になると考えるのは早計である。

以前のレースとの関係という意味では、宝塚記念と関連が強いのもこのレースの特徴である。これについては昨年、第42回で小田原氏が詳しく分析しているので、そちらをご覧頂きたい。結論だけを引用すれば「同年の宝塚記念で5着以内に入った馬のうち必ず1頭は、天皇賞(秋)で3着以内に好走している」となる。

 

■表3 京都で宝塚記念が行われた年の天皇賞・秋
馬名
宝塚記念
天皇賞・秋
人気
着順
人気
着順
91 メジロライアン
2
1
-
メジロマックイーン
1
2
1
1降18
タイイーグル
8
3
-
ホワイトストーン
3
4
2
7
オースミシャダイ
5
5
-
95 ダンツシアトル
2
1
-
タイキブリザード
5
2
-
エアダブリン
6
3
-
トーヨーリファール
17
4
16
4
アイルトンシンボリ
12
5
9
3
06 ディープインパクト
1
1
回避予定
ナリタセンチュリー
10
2
登録なし
バランスオブゲーム
9
3
出走予定
ダイワメジャー
4
4
出走予定
カンパニー
6
5
出走予定
※宝塚記念5着以内馬を抽出

ここで気になるのは、今年の宝塚記念が阪神コースの改修により京都競馬場で行われたこと。JRA-VAN Data Lab.にデータのある期間を調べると、過去には同じく阪神コース改修の91年、そして阪神・淡路大震災のあった95年に宝塚記念が京都で行われている(表3)。91年は宝塚記念で2着だったメジロマックイーンが大楽勝も、スタート直後の斜行により降着。95年は宝塚記念5着のアイルトンシンボリがこのレースで3着に好走している。メジロマックイーンの降着をどう見るか微妙だが、宝塚記念が京都だった年も「同年の宝塚記念5着以内に入った馬のうち必ず1頭は3位以内に入線」は果たしている

最後に、このレースの傾向をざっとみてみよう。3着以内馬の前走着順を見ると、前走も重賞で3着以内だった馬が30頭中19頭にのぼる。馬券の対象を絞るには有用なデータだが、例外が11頭もいるとこれらの馬だけに絞ってしまうのは危険ではある。そこで、前走4着以下から巻き返した馬をピックアップしてみた。

 

■表4 前走4着以下から天皇賞・秋で馬券圏内に巻き返した馬(過去10年)
馬名
天皇賞・秋
前走
主な実績
人気
着順
レース
人気
着順
96 マヤノトップガン
4
2
オールカマー
1
4
宝塚記念・1着
97 ジェニュイン
3
3
毎日王冠
3
5
皐月賞・1着
98 ステイゴールド
4
2
京都大賞典
2
4
宝塚記念・2着
99 スペシャルウィーク
4
1
京都大賞典
1
7
天皇賞・春・1着
ステイゴールド
12
2
京都大賞典
7
6
天皇賞・秋・2着
02 サンライズペガサス
4
3
毎日王冠
1
4
大阪杯・1着
03 シンボリクリスエス
1
1
宝塚記念
1
5
天皇賞・秋・1着
テンザンセイザ
10
3
毎日王冠
8
5
京都新聞杯・1着
04 ダンスインザムード
13
2
秋華賞
1
4
桜花賞・1着
アドマイヤグルーヴ
9
3
京都大賞典
2
4
エリザベス女王杯・1着
05 ダンスインザムード
13
3
府中牝馬S
2
8
桜花賞・1着

表を見てわかるのは、すべてGI級の馬ばかりであるということ。3着馬にはGI実績のなかったサンライズペガサスやテンザンセイザも含まれるが、前走4着以下から2着以内に巻き返した馬はすべてGI連対馬で、しかも(表には記していないが)2度以上GIで連対している馬ばかりである。相当な実績がなければ、前哨戦馬券圏外からこのレースで上位に食い込むのは不可能だ。

 

【結論】

前年の好走馬が必ずしも信頼できるとは言い難く、しかも前年4着以下だった馬の巻き返しもないのが秋の天皇賞。また、前走4着以下だった馬もよほどの実績がない限り連対は不可能だ。宝塚記念好走馬が毎年1頭は好走しており、宝塚記念が京都コースだった今年も注目は必要である。

では、今年の登録馬をデータから斬ってみよう。表4の項で記した通り、前走3着以内、またはGIで2連対以上というのが連対の絶対条件で、付け加えれば過去1年に重賞勝ちかGI連対があることもポイントとして挙げられる。
今年は、前走が重賞で3着以内だった馬はアドマイヤムーン、コスモバルク、スイープトウショウ、ダイワメジャー、ダンスインザムード、トリリオンカット、バランスオブゲーム、ファストタテヤマ、ローエングリン。GI実績でアサクサデンエンとハットトリックとなる。このうち、過去1年に重賞勝ちやGI連対がないファストタテヤマとローエングリンは苦しいとみていいだろう。

ここから絞るデータとして使いたいのが、表3の宝塚記念のデータ。今年はカンパニーが前走5着でデータに引っかかるため、対象はダイワメジャーとバランスオブゲームとなる。ただ、バランスオブゲームは表1の「前年に馬券圏外だった馬の巻き返しはない」というデータから有力視はできないため、今年の宝塚記念組ではダイワメジャーが一歩リードだ。少々気になるのは、一昨年のこのレースで大敗を喫していること。過去にはナリタトップロードが前々年4着以下から2着に巻き返した例もあるが、これは東京→中山替わりで参考外。そもそも1年間隔を置いての出走という例が非常に少ないため、データからは分析しづらいところではあるが、前年4着以下が減点で前々年4着以下は問題ない、と考えるのもやや無理がある。もっとも、2年もあれば馬も変わってくる上、この馬自身、苦手だった東京コースを前走で克服。前年4着以下の馬ほどの減点は必要ないとみて、「絶対視まではできないが最有力候補の1頭」という評価でいいだろう。

その他の馬では、やはり表1のデータから前年4着以下のアサクサデンエン、スイープトウショウ、ハットトリックは減点で、昨年3着のダンスインザムードもデータ通りなら今年も3着まで。また、過去10年の連対馬20頭中18頭がGI連対経験馬というデータから、アドマイヤムーン、トリリオンカットも少々割引が必要になる。よって、もう1頭の有力候補はコスモバルクだ。前述のダイワメジャーも含めた2頭のうち1頭、または2頭を軸とし、他の減点の少ない馬への流し馬券がデータからのお薦めである。

 

2006/10/8(日)東京11R 毎日王冠(G2) 1着16番 ダイワメジャー 2006/9/24(日)中山11R産経賞オールカマー(G2) 2着 4番 コスモバルク
2006/10/8(日)東京11R
毎日王冠(G2)
1着16番 ダイワメジャー(写真右)
2006/9/24(日)中山11R
産経賞オールカマー(G2)
2着 4番 コスモバルク (写真左)

ライタープロフィール

浅田知広(あさだ ともひろ)

1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。

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