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第89回 今年のオールカマーで新潟記念組は信頼できるの?

2006/9/21(木)

今週は、秋の天皇賞を目指す馬も出走するオールカマー。このレースは前走新潟記念出走馬の連対が多いことが特徴だが、今年も過去の傾向通り新潟記念組のヴィータローザやスウィフトカレント重視でいいのだろうか。データから分析してみよう。

今週は、秋のG1戦線を睨むオールカマーと神戸新聞杯が行われる。神戸新聞杯は阪神コース改修の影響で、今年は中京開催。例年の傾向がそのまま当てはまるとは限らないため、ここではオールカマーを分析したい。データの分析には、 JRA-VAN Data Lab.Target frontier JVを利用した。

オールカマーは昨年の第37回「前走レースからオールカマーを分析」で触れられているので参考にしていただきたいが、その第37回では特に新潟記念との関係について分析がなされている。昨年の結果も踏まえると、新潟記念組は過去10年で7連対、ここ5年では6連対と、最重要ステップなのは間違いない。

 

■表1 前走レース別成績(過去10年、出走2頭以上)
レース 出走 1着 2着 勝率 連対率
新潟記念 25 3 4 12.0% 28.0%
札幌記念 11 2 1 18.2% 27.3%
宝塚記念 7 1 1 14.3% 28.6%
天皇賞・春 2 1 1 50.0% 100.0%
関屋記念 2 1 1 50.0% 100.0%
BSNオープン 2 0 1 0.0% 50.0%
朝日CC 5 0 0 0.0% 0.0%
クイーンS 2 0 0 0.0% 0.0%
目黒記念 6 0 0 0.0% 0.0%
ダービー 2 0 0 0.0% 0.0%

では、とにかく新潟記念組を重視すればいいのかというと、実はそうでもない、というのが表1のデータである。オールカマーは新潟記念組の出走数自体が非常に多いため、結果として連対馬も増えているのだ。好走馬の多い過去5年だけをみても【2・4・1・11】で勝率11.1%、連対率33.3%止まり。01年のように出走7頭中5頭が新潟記念組で5着までを独占、といった形で新潟記念組同士のつぶし合いもあるので、多少は上方修正して考えるべきだが、それでも札幌記念組や宝塚記念組を圧倒しているとまでは言い難い

 

■表2 前走新潟記念出走馬の着順別成績(過去10年)
新潟記念 出走 1着 2着 勝率 連対率
1着 1 0 1 0.0% 100.0%
2着 4 2 2 50.0% 100.0%
3着 3 1 0 33.3% 33.3%
4着 1 0 0 0.0% 0.0%
5着 1 0 0 0.0% 0.0%
6着以下 15 0 1 0.0% 6.7%

表2は、第37回でも掲載されていた新潟記念の着順による成績を、今年からみた過去10年分に作り替えたものである。昨年も触れられていた通り、新潟記念連対馬の信頼性は抜群だ。ただ、今年登録しているヴィータローザ、スウィフトカレントは新潟記念3、4着馬。連対馬と同様に信頼するのは危険である

 

■表3 前走ハンデ戦出走馬の斤量増減別成績(過去10年)
前走比斤量 出走 1着 2着 勝率 連対率
前走比増 28 3 5 10.7% 28.6%
増減なし 3 0 0 0.0% 0.0%
前走比減 5 1 0 20.0% 20.0%

そしてもうひとつ、今年の新潟記念組にとって微妙なのが、前走ハンデ戦からの斤量増減別の成績である。ハンデ戦から別定戦のステップでは、既に実績を残している前走57キロ以上の馬は据え置きか減量、実績のない57キロ未満の馬は増量になることが多く、本来なら実績馬有利になりそうな印象がある。しかし、このオールカマーでハンデ戦からのステップを踏んだ馬は、増量になった馬の方が好成績なのだ。今年のメンバーで前走がハンデ戦の馬では、前述の2頭のほか函館記念組のエアシェイディあたりも上位人気が見込まれるが、ヴィータローザは1キロ減、スウィフトカレントとエアシェイディは据え置きと、データ上は有利とは言い難い。
なお、ハンデ戦から減量で優勝したのはヴィータローザの全兄・ロサードで、G3・3勝に加え、別定G2の毎日王冠2着と十分な実績を持っていた。3頭の中でもっとも実績のあるヴィータローザは重賞3勝で、G2でも同世代同士のセントライト記念を勝ち、古馬別定戦の金鯱賞2着。兄ロサードと互角の実績を持っているのだから問題ないと考える手もある。ただ、そのロサードが勝った02年は新潟での代替開催。通常通り中山開催の今年は例外にならないという考え方もでき、これに表1〜2のデータも併せると、今年のオールカマーは新潟記念組が必ずしも優位とは言えないのは確かだ。

斤量のデータが出たところで、今度は別定・G2の斤量別成績も見てみよう。斤量というとどうしてもハンデ戦でばかり注目してしまいがち。そのハンデ戦では、重ハンデ馬が有利な傾向にあることは何度となく触れてきた。ハンデ戦ですら重い斤量を背負った馬が有利なのだから、別定のG2ともなればより実績馬が有利なのではないか、と想像される。

 

■表4 古馬G2、芝1800メートル以上の斤量別成績(96年以降、牡セン馬)
斤量 別定戦 ハンデ戦
出走 1着 2着 勝率 連対率 出走 1着 2着 勝率 連対率
〜49 0 0 0 - - 6 0 0 0.0% 0.0%
49.5〜51 0 0 0 - - 40 0 3 0.0% 7.5%
51.5〜53 6 2 0 33.3% 33.3% 111 5 6 4.5% 9.9%
53.5〜55 36 4 1 11.1% 13.9% 138 11 11 8.0% 15.9%
55.5〜57 1009 68 79 6.7% 14.6% 101 9 7 8.9% 15.8%
57.5〜59 301 46 38 15.3% 27.9% 41 6 5 14.6% 26.8%
59.5〜 4 1 0 25.0% 25.0% 1 1 0 100.0% 100.0%
57 781 55 59 7.0% 14.6% 45 2 3 4.4% 11.1%
58 240 28 28 11.7% 23.3% 15 2 2 13.3% 26.7%
59 61 18 10 29.5% 45.9% 3 0 0 0.0% 0.0%

表4は、古馬G2・芝1800m以上のレースについて斤量別成績を調べたものである。右にハンデ戦の成績も掲載したが、こちらはこの条件で区切るとややサンプル不足のため、参考程度にみていただきたい。左の別定戦の欄を見ると、予想通り57キロを超える斤量帯が好成績になる。下部に57〜59キロについて個別のデータを記したが、やはり57キロより58キロ、58キロより59キロと、重ければ重いほど、つまり実績馬ほど好成績を残している。
もっとも一括りにG2の別定戦といっても、G3ででも賞金を積み重ねれば58キロ以上になるレースもあれば、G2勝ちやG1連対がないと増量されないレースもある。オールカマーは後者で、今年58キロ以上を背負うのは3走前に国際G1を制したコスモバルクと、同じく3走前にG2中山記念を制しているバランスオブゲーム。G3以下のレースで賞金を加算しての58、59キロではないので、より信頼性が高いと考えるのが妥当だ。

 

【結論】

オールカマーは新潟記念組の好走が目立つが、勝率や連対率を見ると他の路線を圧倒しているとまでは言い難い。特に今年は新潟記念連対馬が不在で、新潟記念組ばかりに注目してしまうのは危険。G1、G2実績のあるコスモバルクやバランスオブゲームには、新潟記念組と同等以上の評価が必要だ。

 

2004年ラジオ日本賞セントライト記念(G2) 優勝馬コスモバルク
2006年中山記念(G2) 優勝馬バランスオブゲーム

 

さて、最後に過去のオールカマーの傾向をざっとさらってみよう。まず、前走が5着以内だった馬が連対馬20頭中15頭。残る5頭はこのレース5番人気以内で共通しており、前走着順が悪く、今回も人気がないような馬の一発は期待薄である。また、近年は休養明けの好走が少なく、過去5年では3着までみても最長で宝塚記念以来となっている。
この2つのデータで今年の登録馬をピックアップすると、ヴィータローザ、エアシェイディ、コスモバルク、スウィフトカレント、バランスオブゲームの5頭。人気次第ではトウカイカムカムも圏内になるが、重賞連対実績がない点でデータ上は減点が必要で、上記5頭には及ばないと見るのが妥当だ。

さてこの5頭だが、実は表1〜4で解説してきた「前走新潟記念(またはハンデ戦)」か、「今回58キロ以上」にピタリと合致する。これを踏まえると、ハンデ戦組の中ではヴィータローザが一歩リード、これをさらに上回るのが59、58キロのコスモバルクやバランスオブゲームとなる。

ただ、58キロ以上の2頭にも不安材料がないわけではない。まずコスモバルクは前走がオープン特別というのが減点材料で、過去10年の連対馬ではファッションショーが1500万条件をステップに2着になったのみ(99年2着のダイワオーシュウはBSNオープン除外で、出走は有馬記念以来)。もっとも、コスモバルクの場合は実績不足でのオープン出走ではなく、天皇賞・秋の出走権を得る2着以内を目指し万全の態勢を整えるためのオープン出走だったため、過去の例と単純には比較できない面はある。
もう1頭のバランスオブゲームは、7歳という年齢がネック。過去10年では10頭が出走してホッカイルソーが優勝したのみである。ただ、そもそも上位人気になったのがホッカイルソーと05年6着のコイントス(ともに3番人気)の2頭と少ないことも影響しているだろう。

以上から、58キロ以上のコスモバルクとバランスオブゲームが一応は中心となるが、この2頭が文句ナシに信頼できるというまでには至らない。かといって、他にデータ的な決め手を持った馬も不在という混戦模様なのが今年のオールカマーである。そこで、ヴィータローザまで含めた3頭のうち2頭が絡む3連複や、さらにもう1頭を加えた馬連のボックスなど、あまりきっちりと軸を決めない形で買い目は組み立てたい。人気も割れ加減になりそうなので、少しくらい手を広げても「当たってマイナス」という事態にはならないはずだ。

ライタープロフィール

浅田知広(あさだ ともひろ)

1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。

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