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第85回 サマー2000シリーズ最終戦 新潟記念を分析する

2006/8/24(木)

今週はサマー2000シリーズの最終戦、新潟記念。ポイント1位のエリモハリアーは回避が予想されるが、4位のスウィフトカレント、8位のヴィータローザ、14位のサンレイジャスパーが出走予定。データからタイトルの行方を占ってみよう。

今週は新潟でサマー2000シリーズの最終戦・新潟記念、そして札幌ではサマースプリントシリーズ第4戦のキーンランドCが行われる。このうち、キーンランドCは新設重賞のためデータから分析するのは少々厄介。よって、今回は新潟記念の方を分析してみたい。データの分析には、JRA-VAN Data Lab.Target frontier JVを利用した。また、各データは新潟コース改修後の01年以降を集計対象としている。

この新潟記念に限らず、新潟の外回り芝コースは全般的に時計や上がりの速いことが特徴だ。上がりに関しては直線がほぼ平坦なことや、上がり3ハロンにコーナーがないためどこを通っても距離損をしないこと、そしてコーナーリングでスピードを落とす必要がないことが要因だろう。全体の時計の速さも、これらに加えコーナーが2つしかないことあたりがその理由として挙げられる。他場では、新潟に次いで直線の長い東京、そして3コーナーからの下り坂を利用できる京都が多少は似た傾向にあるが、新潟芝外回りはなんといっても直線659m。同じものとして考えるのはかなり無理がある。そこでまず、新潟芝2000mの上がりと時計についてデータを調べてみた。

 

■表1 新潟記念3着以内馬の過去最高上がり3ハロンタイム
馬名 過去最高上がり3F
新潟 全競馬場
01 サンプレイス 1 未経験 小倉芝18 33.7 4/13頭
エアスマップ 2 未経験 東京芝14 34.0 6/13頭
ミヤギロドリゴ 3 芝18 33.5 3/13頭
02 トーワトレジャー 1 未経験 京都芝20 33.4 2/15頭
アグネススペシャル 2 芝16 33.7 5/15頭
ダービーレグノ 3 未経験 京都芝16 34.0 7/15頭
03(重) ダービーレグノ 1 芝20 34.0 京都芝18 33.7 7/17頭
カンファーベスト 2 芝18 34.1 12/17頭
キングフィデリア 3 芝20 35.0 京都芝20 34.4 15/17頭
04 スーパージーン 1 芝20 34.1 京都芝18 34.1 12/13頭
レニングラード 2 芝22 33.9 11/13頭
トーセンダンディ 3 芝18 33.3 2/13頭
05 ヤマニンアラバスタ 1 芝22 34.3 東京芝24 33.8 6/12頭
グラスボンバー 2 芝16 34.3 東京芝16 34.0 10/12頭
ヴィータローザ 3 未経験 中京芝20 33.6 3/12頭

表1は、コース改修後の新潟記念3着以内馬について、過去の上がり3ハロン最速タイム(以下、3ハロン持ち時計)を調べたものである。表の右、全場の最速タイムの隣にある「4/13頭」といった表記は、その年の新潟記念に13頭出走したうち、3ハロン持ち時計順位では4位だったことを示している。
15頭中12頭までに共通しているのが、競馬場を問わず上がり34秒0以下の脚を使ったことがあること。34秒を切る脚ともなると時には「驚異的」と表現されるほどで、これは「使える」データのように思えてくる。ところが、最近の競馬は新潟に限らず上がりの速い競馬がかなり増えており、今年の登録メンバーでこれをクリアできないのはタガノマイバッハとナイキゲルマンしかいないのだ。順位の欄を見ても、特に出走メンバー中で上位だった馬が好走しているわけでもなく、上がり3ハロン持ち時計は新潟記念の成績には関係ない、というデータである。


■表2 新潟記念3着以内馬の芝2000m最高タイム
馬名 芝2000m最高タイム
新潟
01 サンプレイス 1 未経験 阪神 1.59.2 5/13頭
エアスマップ 2 未経験 中山 1.59.7 7/13頭
ミヤギロドリゴ 3 未経験 札幌 2.00.6 11/13頭
02 トーワトレジャー 1 未経験 京都 2.00.1 11/15頭
アグネススペシャル 2 未経験 東京 2.00.8 12/15頭
ダービーレグノ 3 未経験 阪神 2.00.0 10/15頭
03(重) ダービーレグノ 1 1.58.3 4/11頭 4/17頭
カンファーベスト 2 未経験 中山 2.00.2 11/17頭
キングフィデリア 3 1.58.8 6/11頭 6/17頭
04 スーパージーン 1 2.00.6 6/6頭 12/13頭
レニングラード 2 未経験 阪神 1.59.9 9/13頭
トーセンダンディ 3 未経験 東京 1.59.2 8/13頭
05 ヤマニンアラバスタ 1 未経験 京都 1.59.3 7/11頭
グラスボンバー 2 未経験 福島 2.00.6 10/11頭
ヴィータローザ 3 未経験 中京 1.59.3 8/11頭

続いて、今度は新潟記念好走馬の芝2000m持ち時計について見てみたい。新潟記念はスローペースの昨年こそ2分を僅かに上回ったが、それ以前の4回は1分57〜58秒台の高速決着だった。競馬新聞各紙には距離ごとの持ち時計はほぼ確実に掲載されていることからも、こういったレースでは持ち時計を気にする人も多いに違いない。
ところが、こちらもデータは意外な結果を示し、15頭中13頭までは1分59秒以上の持ち時計しかなかったのだ。持ち時計順位で見ても、かえって下位の馬の方が多く好走しているほど。もちろん「持ち時計は遅い方がいい」などと考えるのは危険だが、少なくとも各馬の芝2000m持ち時計は新潟記念ではまったく参考にならない

このように、以上2つのデータは新潟記念の有力馬ピックアップには「使えそうで実は使えない」という結果になってしまった。これではなんの役にも立たないではないか、と怒られてしまいそうだが、持ち時計や上がりの脚は競馬新聞や各種の競馬ソフトを利用していると気になってくるデータなのは確か。こういった分析にムダな時間を消費しないで済む、ということでご勘弁願いたい。

さて、ここで少々視点を変え、今度はハンデについて見てみたい。以前から何度も触れているように、ハンデ戦では基本的に重ハンデ馬が高勝率、高連対率になる傾向にある。ところがこの新潟記念は、重ハンデ馬が不振なのだ。

 

■表3 新潟芝2000mハンデ戦の斤量別成績(01年以降、牡・セン馬)
  全レース 重賞 新潟記念
勝率 連対率 勝率 連対率 勝率 連対率
〜49 0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0%
49.5〜51 0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0%
51.5〜53 0.0% 1.8% 0.0% 0.0% 0.0% 0.0%
53.5〜55 7.4% 17.2% 7.4% 16.7% 4.3% 21.7%
55.5〜57 13.8% 23.8% 8.1% 16.2% 12.5% 18.8%
57.5〜59 16.7% 27.8% 8.3% 16.7% 0.0% 0.0%
59.5〜 - - - - - -

この傾向が新潟芝2000mのコース形態に起因するものなのか、それとも新潟記念固有のものなのかを調べたのが表3である。これを見ると、全レースでは過去に調べたデータ通り、重ハンデ馬ほど成績が良くなる傾向にある。一方、重賞=新潟大賞典と新潟記念では53.5キロから59キロまでにほぼ差がなくなり、新潟記念限定では53.5〜55キロの連対率が最も高くなっている。また、57.5キロ以上の連対はナシ。この表はTarget frontier JV の集計に沿って57キロと57.5キロの間で区切っているが、実は57キロの連対も皆無なのだ。
昨年1番人気8着のダイワレイダース(57キロ)や、01年2番人気4着のダイワテキサス(59キロ)など、重ハンデ馬に人気馬がいなかったわけではない。また、後に掲載する表4にもある通り、人気馬や実績馬が不振というわけでもない。理由は定かではないが、新潟記念に限っては重ハンデ馬有利というデータを頭から消し去って検討したい
なお、牝馬は2キロ減分の影響を考慮して表から除外したが、新潟記念には6頭が出走してトーワトレジャー(51キロ)とヤマニンアラバスタ(52キロ)が優勝を果たしている。

 

■表4 新潟記念の1〜3着馬(過去5年)
馬名 斤量 人気 着順 前走
レース 人気 着順
01 サンプレイス 56 1 1 7月29日 1600万特別 1 1
02 トーワトレジャー 51 2 1 7月21日 函館記念 8 3
03 ダービーレグノ 55 3 1 7月20日 北九州記念 5 2
04 スーパージーン 56 3 1 7月18日 北九州記念 7 10
05 ヤマニンアラバスタ 52 3 1 7月24日 1000万特別 1 1
01 エアスマップ 56 3 2 7月22日 函館記念 1 15
02 アグネススペシャル 54 1 2 7月28日 関屋記念 4 6
03 カンファーベスト 55 7 2 4月27日 カブトヤマ記念 1 5
04 レニングラード 55 1 2 3月21日 1000万特別 1 1
05 グラスボンバー 55 5 2 7月10日 七夕賞 3 3
01 ミヤギロドリゴ 53 10 3 7月29日 OP特別 8 4
02 ダービーレグノ 54 9 3 7月28日 1600万特別 3 5
03 キングフィデリア 56 8 3 5月31日 金鯱賞 5 12
04 トーセンダンディ 55 6 3 8月1日 関屋記念 7 4
05 ヴィータローザ 57.5 4 3 7月17日 北九州記念 2 5

最後に、上位馬の人気や前走を洗っておこう。まず人気では、特に1着馬に関しては上位人気が優勢で、4番人気以下の優勝は過去5年で1度もない。逆に3着については6番人気以下の人気薄が5頭中4頭を占めており、3連単なら上位人気→人気または人気薄→人気薄、という組み合わせが主軸となる。
前走は、重賞5着以内か条件戦1着が9頭を占める。残る6頭(背景水色)のうち1、2着の3頭はこのレースで3番人気以内に推されていたことが共通点。この条件から外れる馬は3連単の3着候補までだ。
なお表にはないが、前走が重賞以外だった5頭は、それ以前に重賞3着以内の実績があったことで共通している。夏場のハンデ戦というと格下の馬でも勢いで突破できる印象があるが、このレースの場合は実績も評価のポイントになる。

 

小倉記念 優勝:スウィフトカレント
マーメイドステークス 2着:サンレイジャスパー

 

【結論】

新潟芝外回りは時計や上がりが速くなりがちだが、過去の持ち時計や上がり最速タイムは新潟記念の結果にはまったく繋がらない。また、多くのハンデ戦で見られる重ハンデ馬優位の傾向も、このレースには当てはまらないので注意が必要だ。1着馬については上位人気が優勢で、前走は重賞5着以内か条件勝ちが望ましい。

では、今年の連対候補をまず前走からチェックしたい。前走で重賞5着以内、または条件戦1着に該当する馬は、ヴィータローザ、エイシンニーザン、エリモハリアー(回避予定)、オースミグラスワン、サンレイジャスパー、スウィフトカレント、トップガンジョー、ニシノナースコール、ヤマニンメルベイユ。これに、3番人気以内という条件つきでヤマニンアラバスタも圏内になる。
ここから、前走が条件戦かつ重賞3着以内の実績がないエイシンニーザンとヤマニンメルベイユは割引が必要。この2頭は、中1〜2週というステップはここ5年好走例がない点でも減点になる。また、オースミグラスワンとトップガンジョーは、レース間隔が開いた馬は2着まで(表4より)というデータに加え、オースミグラスワンは夏場の好走どころか出走経験すらないこと、トップガンジョーは芝2000mでの優勝または重賞好走歴がないことが過去の傾向からマイナス材料だ。

以上から、より有力な候補として残るのはヴィータローザ(58キロ)、サンレイジャスパー(51キロ)、スウィフトカレント(57キロ)、そして前走が条件勝ちでも秋華賞3着のあるニシノナースコール(52キロ)、さらに人気次第でヤマニンアラバスタ(55キロ)。サマー2000シリーズ優勝の可能性がある3頭はすべて含まれている。ただ、ヴィータローザとスウィフトカレントは57キロ以上の不振が気に掛かり、その一方でスウィフトカレント以外は3番人気以内に収まるか微妙。各馬一応の条件はクリアしながらも、1着候補としての強い決め手に欠ける印象だ。
もっとも、今回はコース改修後の5年を対象としているため、通常の過去10年の分析より条件を多少緩く考えてもいいだろう。そこで、ハンデによる取捨の線の引きどころを56キロ以下ではなく57キロ以下とすればスウィフトカレント。牝馬2頭の優勝が51、52キロだったことを重視すれば、4番人気以下でもサンレイジャスパーとニシノナースコール。58キロを背負うヴィータローザ、関屋記念から中2週が減点のヤマニンアラバスタはこれら3頭の次位でどうだろうか。
なお、サマー2000シリーズ制覇にはヴィータローザとサンレイジャスパーは1着が絶対条件。スウィフトカレントはライバル2頭が2着以下だった場合は4着でも優勝が可能だ。

ライタープロフィール

浅田知広(あさだ ともひろ)

1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。

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