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第76回 京都替わりで恩恵を受ける馬は?

2006/6/21(水)

今週は上半期を締めくくるグランプリ・宝塚記念が行われる。今年は阪神競馬場が改装工事のため、11年ぶりに京都競馬場で施行。したがって、過去のデータが通用するかは微妙なところだ。今回は京都芝2200mのデータに基づき、同レースを占っていきたい。

いよいよJRAの上半期のG1戦線も今週末の宝塚記念を残すのみとなった。例年は阪神芝2200mの舞台で行われるレースだが、今年は阪神競馬場が改装工事のため京都芝2200mで行われることになっている。京都芝2200mでの宝塚記念は、ダンツシアトルが勝った95年以来11年ぶり。当時のデータを引っ張り出すことは可能だが、1年だけのデータに加え、ひと昔前のこと。だからと言って、例年の阪神芝2200mでの宝塚記念のデータで語るのも忍びない。それぐらい阪神芝2200mと京都芝2200mは別モノのコースと考えた方がいい。

そこで、今回は少し視点を変え、阪神芝2200mと京都芝2200mの違いに注目。今年の京都替わりで恩恵を受けそうな馬を探してみたい。データの分析には、JRA-VAN Data Lab.Target frontier JVを利用した。

 

■表1 京都芝2200mの脚質別成績(過去10年)
脚質
着別度数
勝率
連対率
複勝率
単回収率
複回収率
逃げ 7-9-16-65/97
7.2%
16.5%
33.0%
39%
128%
先行 35-31-30/247/343
10.2%
19.2%
28.0%
77%
99%
中団 33-35-32-281/381
8.7%
17.8%
26.2%
85%
76%
後方 12-15-12-298/335
3.6%
8.1%
11.6%
34%
45%
マクリ 5-2-2-5/14
35.7%
50.0%
64.3%
117%
114%

 

■表2 阪神芝2200mの脚質別成績(過去10年)
脚質
着別度数
勝率
連対率
複勝率
単回収率
複回収率
逃げ 19-16-10-116/161
11.8%
21.7%
28.0%
116%
80%
先行 83-78-70-343/574
14.5%
28.0%
40.2%
116%
110%
中団 39-44-56-542/681
5.7%
12.2%
20.4%
77%
79%
後方 8-14-17-495/534
1.5%
4.1%
7.3%
12%
20%
マクリ 7-5-4-16/32
21.9%
37.5%
50.0%
235%
148%

同じ芝2200mでも競馬場が変わればそれぞれ特徴が異なる。京都芝2200mと阪神芝2200mの違いを示すデータとしてわかりやすいのは、表1と表2。脚質別成績だ。表1は京都芝2200m、表2は阪神芝2200mのデータ。クラスを問わず、過去10年の全レースの成績を示した。

まず、京都芝2200mは逃げ馬にとって厳しい条件。勝率、連対率、複勝率は他の脚質と大きな開きはないが、阪神芝2200mの逃げ馬と比べると明らかに不利だ。そして単勝回収率が39%しかないところが、大きな問題。通常、逃げ馬の単勝回収率いうのは、どのコースにかかわらず比較的高い数字が出るもの。それが39%しかないということは、人気薄の逃げ馬の一発が見込みづらく、展開の紛れが少ないことを意味している。京都芝コースは最後の直線は平坦コースだが、芝2200mは外回りコースを使用するため、末脚がしっかりした差し馬が届きやすい。

逆に(旧)阪神芝2200mは、逃げ・先行馬が有利なコースだった。もう使えなくなってしまうデータだが、今年はこれまでの宝塚記念とは別の展開が繰り広げられる可能性が高い。

 

■表3 宝塚記念に騎乗予定騎手の京都・阪神芝2200mの成績(過去10年)
馬名
騎手
場所
着別度数
勝率
連対率
複勝率
単回収率
複回収率
アイポッパー 藤田伸二 京都 7-3-6-30/46
15.2%
21.7%
34.8%
89%
106%
阪神 7-5-3-47/62
11.3%
19.4%
24.2%
60%
65%
カンパニー 福永祐一 京都 3-4-5-23/35
8.6%
20.0%
34.3%
20%
132%
阪神 3-8-4-57/72
4.2%
15.3%
20.8%
17%
37%
コスモバルク 五十嵐冬樹 京都 騎乗経験なし
阪神 0-0-1-0/1
0.0%
0.0%
100.0%
0%
1650%
シルクフェイマス 柴田善臣 京都 0-0-0-1/1
0.0%
0.0%
0.0%
0%
0%
阪神 0-0-1-11/12
0.0%
0.0%
8.3%
0%
34%
ダイワメジャー 四位洋文 京都 7-4-2-39/52
13.5%
21.2%
25.0%
65%
82%
阪神 12-6-7-37/62
19.4%
29.0%
40.3%
110%
74%
チャクラ 小林徹弥 京都 1-2-0-15/18
5.6%
16.7%
16.7%
435%
108%
阪神 0-1-1-17/19
0.0%
5.3%
10.5%
0%
81%
ディープインパクト 武豊 京都 13-11-4-24/52
25.0%
46.2%
53.8%
70%
76%
阪神 26-13-10-38/87
29.9%
44.8%
56.3%
94%
82%
トウカイカムカム 池添謙一 京都 3-1-7-30/41
7.3%
9.8%
26.8%
85%
103%
阪神 6-2-1-37-46
13.0%
17.4%
19.6%
305%
71%
ナリタセンチュリー 田島裕和 京都 1-0-0-2/3
33.3%
33.3%
33.3%
190%
70%
阪神 1-0-0-10/11
9.1%
9.1%
9.1%
40%
14%
ハットトリック 岩田康誠 京都 1-1-2-13/17
5.9%
11.8%
23.5%
18%
48%
阪神 2-2-2-13/19
10.5%
21.1%
31.6%
55%
65%
バランスオブゲーム 田中勝春 京都 0-0-0-3/3
0.0%
0.0%
0.0%
0%
0%
阪神 0-0-0-2/2
0.0%
0.0%
0.0%
0%
0%
ファストタテヤマ 武幸四郎 京都 0-0-3-28/31
0.0%
0.0%
9.7%
0%
28%
阪神 1-2-2-30/35
2.9%
8.6%
14.3%
11%
62%
リンカーン 横山典弘 京都 0-3-1-4/8
0.0%
37.5%
50.0%
0%
81%
阪神 1-3-3-9/16
6.3%
25.0%
43.8%
16%
129%
※出走予定馬・騎手は、6月21日午前中時点のもの。以下、同様。

次はジョッキーにスポットライトを当ててみたい。表3は今年の宝塚記念に騎乗予定の騎手の京都芝2200mと阪神芝2200mの成績。こちらもクラスを問わず過去10年の成績を集計した。まず注目したいのがアイポッパーに騎乗予定の藤田伸二騎手。阪神芝2200mに比べて、京都芝2200mの成績の方が明らかにいい。カンパニーに騎乗予定の福永祐一騎手も京都芝2200mの方が成績はいい。逆にダイワメジャーに騎乗予定の四位洋文騎手は、複勝回収率を除いて阪神芝2200mの方が成績はいい。ディープインパクトに騎乗予定の武豊騎手は、阪神芝2200mの方が若干数字は高いが、京都芝2200mの方も数字は高く、全騎手の中で一番の成績を残している。

関東の騎手は全体的に騎乗機会数が極端に少ない柴田善臣騎手に至っては、近10年で京都芝2200mの騎乗機会が1度しかない。毎年関東リーディングでトップクラスの成績を残す騎手にしては、ある意味異常な数字と言えるのではないだろうか。田中勝春騎手も同様。関東の騎手の中では、横山典弘騎手だけが勝負になる気配。京都芝2200mの勝ち星はないが、連対率は37.5%あり、複勝率は50%ある。今回のコース替わりも問題なく対処できそうだ。

 

■表4 宝塚記念に出走予定種牡馬(父)の京都・阪神芝2200mの成績(過去10年)
馬名
場所
着別度数
勝率
連対率
複勝率
単回収率
複回収率
アイポッパー サッカーボーイ 京都 4-3-3-13/23
17.4%
30.4%
43.5%
137%
99%
阪神 3-2-9-20/34
8.8%
14.7%
41.2%
82%
158%
カンパニー ミラクルアドマイヤ 京都 出走経験なし
阪神 出走経験なし
コスモバルク ザグレブ 京都 0-0-0-4/4
0.0%
0.0%
0.0%
0%
0%
阪神 0-1-1-4/6
0.0%
16.7%
33.3%
0%
113%
シルクフェイマス マーベラスサンデー 京都 1-0-2-4/7
14.3%
14.3%
42.9%
24%
75%
阪神 0-1-1-6/8
0.0%
12.5%
25.0%
0%
56%
ダイワメジャー サンデーサイレンス 京都 15-21-17-96/149
10.1%
24.2%
35.6%
29%
86%
阪神 22-23-20-132/197
11.2%
22.8%
33.3%
58%
79%
チャクラ マヤノトップガン 京都 1-1-0-5/7
14.3%
28.6%
28.6%
1120%
242%
阪神 0-1-1-11/13
0.0%
7.7%
15.4%
0%
77%
ディープインパクト サンデーサイレンス 京都 15-21-17-96/149
10.1%
24.2%
35.6%
29%
86%
阪神 22-23-20-132/197
11.2%
22.8%
33.3%
58%
79%
トウカイカムカム トウカイテイオー 京都 1-1-1-6/9
11.1%
22.2%
33.3%
54%
217%
阪神 2-0-1-10/13
15.4%
15.4%
23.1%
186%
50%
ナリタセンチュリー トニービン 京都 8-3-6/45/62
12.9%
17.7%
27.4%
146%
63%
阪神 14-7-7-64-92
15.2%
22.8%
30.4%
77%
82%
ハットトリック サンデーサイレンス 京都 15-21-17-96/149
10.1%
24.2%
35.6%
29%
86%
阪神 22-23-20-132/197
11.2%
22.8%
33.3%
58%
79%
バランスオブゲーム フサイチコンコルド 京都 0-3-0-4/7
0.0%
42.9%
42.9%
0%
208%
阪神 1-0-0-8/9
11.1%
11.1%
11.1%
21%
13%
ファストタテヤマ ダンスインザダーク 京都 6-2-2-37/47
12.8%
17.0%
21.3%
189%
68%
阪神 2-8-4-55/69
2.9%
14.5%
20.3%
227%
97%
リンカーン サンデーサイレンス 京都 15-21-17-96/149
10.1%
24.2%
35.6%
29%
86%
阪神 22-23-20-132/197
11.2%
22.8%
33.3%
58%
79%

次は種牡馬について。表4は今年の宝塚記念に出走予定の種牡馬(父)の京都芝2200mと阪神芝2200mの成績。種牡馬にもコース適性、距離適性が存在し、ある程度の期間集計を取ると何らかの傾向は出てくる。今回のコース替わりが歓迎と思えるのが、父サッカーボーイを持つアイポッパー。複勝回収率は100%を切ったが、その他の数字はすべて京都芝2200mの方が高い。アイポッパー自身が、過去4勝を挙げている京都の方が得意であることは通算成績から明白だが、京都芝2200mの出走経験は1度しかない。したがって、サッカーボーイ産駒全体で数値を押し上げていると言える。マーベラスサンデー、マヤノトップガンも京都芝2200mの方が成績はいいが、これはチャクラ、シルクフェイマス自身のみの好走なので注意が必要。逆にフサイチコンコルドの場合は、バランスオブゲームが京都芝2200mは未経験。他の産駒での成績なので、バランスオブゲームにとっては好材料ではないだろうか。

ディープインパクトをはじめとするサンデーサイレンス産駒は、連対率、複勝率、複勝回収率において京都芝2200mが上回っている。したがって、今回のコース替わりは特に問題ないはずだ。ただし、単勝回収率は29%とかなり低いのが気になるところ。穴馬の勝利は少なく、人気サイドの馬しか勝たないようだ

 

■表5 宝塚記念に出走予定種牡馬(母父)の京都芝2200mの成績(過去10年)
馬名
母父
場所
着別度数
勝率
連対率
複勝率
単回収率
複回収率
アイポッパー サンデーサイレンス 京都 3-5-1-11/20
15.0%
40.0%
45.0%
175%
106%
阪神 3-2-2-18/25
12.0%
20.0%
28.0%
53%
54%
カンパニー ノーザンテースト 京都 9-3-11-47/70
12.9%
17.1%
32.9%
55%
85%
阪神 11-7-8-94/120
9.2%
15.0%
21.7%
62%
61%
コスモバルク トウショウボーイ 京都 2-3-4-16/25
8.0%
20.0%
36.0%
26%
119%
阪神 3-3-5-28-39
7.7%
15.4%
28.2%
85%
83%
シルクフェイマス Caerlon 京都 2-3-1-8/14
14.3%
35.7%
42.9%
572%
176%
阪神 1-2-0-24/27
3.7%
11.1%
11.1%
68%
38%
ダイワメジャー ノーザンテースト 京都 9-3-11-47/70
12.9%
17.1%
32.9%
55%
85%
阪神 11-7-8-94/120
9.2%
15.0%
21.7%
62%
61%
チャクラ Caerleon 京都 2-3-1-8/14
14.3%
35.7%
42.9%
572%
176%
阪神 1-2-0-24/27
3.7%
11.1%
11.1%
68%
38%
ディープインパクト Alzao 京都 0-0-0-1/1
0.0%
0.0%
0.0%
0%
0%
阪神 0-0-0-1/1
0.0%
0.0%
0.0%
0%
0%
トウカイカムカム サンデーサイレンス 京都 3-5-1-11/20
15.0%
40.0%
45.0%
175%
106%
阪神 3-2-2-18/25
12.0%
20.0%
28.0%
53%
54%
ナリタセンチュリー ノーザンテースト 京都 9-3-11-47/70
12.9%
17.1%
32.9%
55%
85%
阪神 11-7-8-94/120
9.2%
15.0%
21.7%
62%
61%
ハットトリック Lost Code 京都 出走経験なし
阪神 出走経験なし
バランスオブゲーム アレミロード 京都 0-0-0-2/2
0.0%
0.0%
0.0%
0%
0%
阪神 0-2-0-4/6
0.0%
33.3%
33.3%
0%
81%
ファストタテヤマ ターゴワイス 京都 1-0-0-7/8
12.5%
12.5%
12.5%
213%
57%
阪神 0-0-0-10/10
0.0%
0.0%
0.0%
0%
0%
リンカーン トニービン 京都 7-0-1-18/26
26.9%
26.9%
30.8%
92%
53%
阪神 2-3-4-22/31
6.5%
16.1%
29.0%
28%
71%

表5は表4と同じように母父についても調べてみた。こちらはかなりの数の血統が、阪神芝2200mよりも京都芝2200mを得意にしていることがわかった。中でも際立つ成績なのが、母父トニービンを持つリンカーン。阪神芝2200mは2勝に対して、京都芝2200mは7勝。阪神芝2200mの方がレース数はかなり多いのにもかかわらず、これだけ違いが出た。その他の数字も複勝回収率以外は、京都芝2200mが圧倒している。

また、母父サンデーサイレンスも京都替わりはプラス材料。単・複回収率で大幅に数字を上げるなど、全部門の成績が阪神芝2200mを上回った。

 

【結論】

今年の宝塚記念は京都芝2200mで行われる。ディープインパクトの存在が大きすぎて、11年ぶりのコース替わりがあまり話題になっていないような雰囲気もあるが、決して無視できないファクターだ。コース替わりで得をする馬もいれば、損をする馬もいるだろう。

コース替わりで最も恩恵を受けそうなのはアイポッパー。騎乗予定の藤田伸二騎手、父サッカーボーイ、母父サンデーサイレンスともに阪神芝2200mより京都芝2200mの方が、力を発揮できる舞台。今回の運を味方に、同馬を推奨してみたい。

 

2004/11/21京都10R 古都ステークス 1着1番 アイポッパー 2005/10/9京都11R 京都大賞典(G2) 1着6番 リンカーン
2004/11/21京都10R
古都ステークス
1着1番 アイポッパー
2005/10/9京都11R
京都大賞典(G2)
1着6番 リンカーン

 

京都芝2200mにおける母父トニービンの抜群相性からリンカーンも注目したい1頭。リンカーンはこれまで宝塚記念に2度挑戦し、3着、4着と惜しい成績が続いているが、京都コース替わりでこれまで以上の成績が望めるかもしれない。

ディープインパクトは別格の存在。騎手・血統面からは、大きなプラス材料は見込めなかったが、能力がズバ抜けていることは明白だ。脚質的なことを考えると、京都芝2200mになったことで中団以降からの差しが決まりやすい(表1参照)ので、レースはしやすいはずだ。

ライタープロフィール

小田原智大(おだわら ともひろ)

1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。
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