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第73回 安田記念の前年実績はアテになるの?

2006/6/1(木)

今週は春の古馬マイル王決定戦、安田記念。登録馬には昨年もこの安田記念に出走していた馬が多く見られ、なんと日本馬20頭中11頭がこれに該当する。同コース、同距離だけに前年の結果は大いに参考になりそうに思えるが、果たしてデータからも信頼できると言えるのだろうか。

3週前のNHKマイルC、2週前のヴィクトリアマイルに続く、春の東京マイルG1の第3弾・安田記念。残念ながらNHKマイル組の顔は見られないが、ヴィクトリアマイルからは勝ち馬のダンスインザムードが参戦。京王杯組や海外転戦組、そして外国馬も交え、多彩な顔ぶれとなった。

 

■表1 安田記念登録馬の主な対戦成績
 
05安田記念
天皇賞(秋)
マイルCS
馬名
人気
着順
人気
着順
人気
着順
アサクサデンエン 7 1 9 4
-
ブリッシュラック 6 4
-
-
カンパニー 11 5
-
-
テレグノシス 1 6 7 14 8 12
バランスオブゲーム 12 7 16 11 13 5
ダイワメジャー 2 8
-
4 2
オレハマッテルゼ 13 11
-
-
ハットトリック 8 15 11 7 3 1
フジサイレンス 18 16
-
-
ローエングリン 9 17
-
9 17
ダンスインザムード 3 18 13 3 5 4

今年のメンバーで特徴的なのは、昨年の本レース出走馬が多く見られること。日本馬に限れば過半数の11頭にものぼり、半年前のマイルCSが6頭、天皇賞(秋)が5頭なのに比べると非常に多い。同じ時期に行われた同コース、同距離、しかもG1という頂点の一戦だけに、今年のレース検討の参考になりそうに思えるが、過去の安田記念では2年連続出走馬の成績はどうだったのだろうか。他のG1レースなども含めて分析してみよう。データの分析には、JRA-VAN Data Lab.Target frontier JVを利用した。

 

■表2 安田記念2年連続出走馬の成績
馬名
人気
着順
翌年成績
その間の主な実績
人気
着順
00 フェアリーキングプローン
10
1
1
9
(外国馬)
  スティンガー
1
4
2
15
京王杯SC・1着
  トロットスター
18
5
4
14
高松宮記念・1着
  ブラックホーク
2
9
9
1
高松宮記念・2着
  ダイワカーリアン
14
17
18
8
札幌記念・1着
01 アメリカンボス
12
6
16
13
有馬記念・2着
  エイシンプレストン
10
10
1
5
香港マイル・1着
  トロットスター
4
14
6
14
スプリンターズS・1着
02 ダンツフレーム
2
2
3
5
宝塚記念・1着
  ミレニアムバイオ
4
3
5
11
 
  イーグルカフェ
14
6
10
4
JCダート・1着
03 ローエングリン
1
3
1
5
ムーランドロンシャン賞・2着
  イーグルカフェ
10
4
13
6
 
  テレグノシス
2
7
4
2
スプリングS・2着
  ダンツジャッジ
15
14
8
アメリカJCC・1着
04 テレグノシス
4
2
1
6
毎日王冠・1着
  バランスオブゲーム
5
3
12
7
中山記念・1着
  ユートピア
10
4
14
14
南部杯・1着
  ローエングリン
1
5
9
17
マイラーズC・1着

表2は、00〜01年以降に、安田記念に2年連続して出走した馬の一覧である。この表からわかる通り、このタイプで2年目に連対を果たしたのはブラックホークとテレグノシスの2頭のみ。しかも、どちらも前年の最先着馬ではなかった。あえて言えば、前年が上位人気だったことで共通しているが、他の前年上位人気馬が好成績を残しているわけでもない。
G1昇格後の安田記念の歴史を振り返ると、92〜93年にヤマニンゼファーが連覇。ほかにニッポーテイオーやタイキブリザードが2年連続連対を果たしているとはいえ、近年は前年の順位がまったく参考にならなくなっている。マイルCS(デュランダル、エイシンプレストンなど)、高松宮記念(サニングデール)、スプリンターズS(デュランダル、アグネスワールドなど)といった他の短距離〜マイルG1では2年連続の好走が当たり前のように見られるのとは対照的である。もちろん、前年の好走馬を「消し」とは言えないが、少なくとも前年の結果にこだわる必要はない。

 

■表3 安田記念連対馬の主なG1レースと京王杯SC成績
馬名
人気
着順
安田
宝塚
SP
天・秋
マイル
高松宮
京王
00 フェアリーキングプローン 10 1
-
-
-
-
-
-
-
  ディクタット 6 2
-
-
-
-
-
-
6
01 ブラックホーク 9 1
9
-
3
-
8
2
3
  ブレイクタイム 15 2
-
-
-
-
-
-
-
02 アドマイヤコジーン 7 1
-
-
-
-
-
2
-
  ダンツフレーム 2 2
-
2
-
-
5
-
4
03 アグネスデジタル 4 1
-
-
-
-
-
-
-
  アドマイヤマックス 6 2
-
-
-
-
-
-
-
04 ツルマルボーイ 6 1
-
2
-
2
-
-
-
  テレグノシス 4 2
7
-
-
-
14
-
2
05 アサクサデンエン 7 1
-
-
-
-
-
-
1
  スイープトウショウ 10 2
-
-
-
-
-
-
-
※「安田」は前年の安田記念、「SP」はスプリンターズS

では、前年の安田記念よりも結果が直結しやすいレースはあるのだろうか。高松宮記念が今の時期に行われるようになった00年以降の安田記念出走馬について、主なG1と最重要ステップレースである京王杯SCでの着順をまとめてみた(表3)。各馬が出走していないレースの背景を灰色にしてみると、表全体がかなり灰色っぽくなってしまった。「主なG1」のつもりでピックアップしたのだが、この結果を見ると安田記念好走へ向けては「主なG1」など存在しない、と言えそうだ。
そんな中で注意したい点がひとつ。外国馬のディクタット以外は、これらのレースに1度でも出走していれば最低1度は連対を果たしていること。未挑戦ならまだしも、壁に跳ね返されたまま終わっている馬が、安田記念で突然好走することはなかった。ただ、マイルCSは同距離でも求められる適性が異なるためなのか、当時の着順はまったくといっていいほど影響がない。
なお、京王杯SCと安田記念の関係については第23回、昨年の安田記念で分析がなされており、そちらも参考にしたい。昨年の結果も踏まえた上で簡単にまとめると、「京王杯SCで単勝4倍未満、2番人気以内、かつ3着以内だった馬は好走確率高し」となり、今年は該当馬なし。決して「消し」ではないが、「信頼性の高い軸馬」と呼べるほどの馬はいない、と考えたい。

 

■表4 安田記念連対馬のG1実績と東京芝重賞実績
馬名
人気
着順
GI実績
東京芝重賞実績
前々走
前走
00 フェアリーキングプローン 10 1 外国馬 外国馬 2 2
  ディクタット 6 2 外国馬 外国馬 5 6
01 ブラックホーク 9 1 スプリンターズS・1着 京王杯SC・2着 2 3
  ブレイクタイム 15 2 富士S・5着
2
02 アドマイヤコジーン 7 1 朝日杯3歳S・1着 東京新聞杯・1着 1 2
  ダンツフレーム 2 2 ダービー・2着
5 4
03 アグネスデジタル 4 1 天皇賞(秋)・1着
2 4
  アドマイヤマックス 6 2 菊花賞・11着 東京スポーツ杯・1着 11 3
04 ツルマルボーイ 6 1 天皇賞(秋)・2着
4 6
  テレグノシス 4 2 NHKマイルC・1着
7 2
05 アサクサデンエン 7 1 京王杯SC・1着 3 1
  スイープトウショウ 10 2 秋華賞・1着 オークス・2着 5 5

表4は、連対馬について過去1年の主なG1や京王杯SCにこだわらず、キャリアすべてのG1や、東京芝コースでの重賞成績、そして過去2走の着順を調べたものだ。日本馬10頭を見ると、そのうち7頭には2000m以下のG1連対実績があった。G1実績がない3頭のうち、2頭はG1未経験。1頭は距離がまったく異なる3000mの菊花賞着外である。2000m以下のG1に出走経験があれば連対実績は必須で、連対がない馬よりは、まだ未経験馬の方が可能性を残している。何度も挑戦を重ねたにも関わらず、結果を残せていないような馬は苦戦必至だ。また、10頭中9頭には東京の芝重賞で連対実績があり、同じく9頭は前走、前々走ともひと桁着順だった。ただ、2走続けて連対していた日本馬はアドマイヤコジーンのみ。近走が好調で人気を集める馬よりも、そこそこの着順にまとめて穴人気から人気薄程度の馬の方が多く好走している。

 

【結論】

安田記念では、前年の安田記念の成績が参考にならないばかりではなく、過去1年のG1を見ても、特に重要と言えるレースは存在しない。また、今年の京王杯SC組には「確固たる軸馬」として強く推せる馬は存在せず、あらゆる路線の馬にチャンスがある。直接対決の結果や主要なG1での成績、そして今回の人気などにこだわらず、各馬のキャリアすべてのG1実績やコース実績を踏まえた上で検討を加えたい。

今年の出走馬(日本馬)を表4のデータをもとにピックアップすると、まず2000m以下のG1連対実績馬としてアサクサデンエン、オレハマッテルゼ、ダイワメジャー、ダンスインザムード、テレグノシス、ハットトリック、メイショウボーラーが挙げられる。また、2000m以下のG1未経験馬ではインセンティブガイとエイシンドーバー。このうち、東京芝の重賞連対実績がないのはエイシンドーバー、ダイワメジャー、メイショウボーラー。また、ハットトリックはここ2走とも2桁着順、メイショウボーラーとインセンティブガイは前々走2桁着順が減点となる。アサクサデンエンの前走2桁着順は、海外での結果だけに参考にすべきかどうかは微妙だ。
以上から、注目馬はオレハマッテルゼ、ダンスインザムード、テレグノシスの3頭で、これに続くのがアサクサデンエン、そして他の名前を挙げた馬の順となる。3頭の中では、表3のデータ(過去1年の主なG1+京王杯SCに出走していれば連対していること)からオレハマッテルゼが筆頭格。ダンスインザムードも今後はヴィクトリアマイルが「主なG1」に入る可能性があり、ほぼ同列と考えたい。ただ、00年以降は1番人気連対なし、ここ3年の連対馬はすべて4番人気以下というデータを重視すれば、特に穴党なら細かな減点は気にせずに人気薄から入ってみても面白い。
ちなみに、オレハマッテルゼ、ダンスインザムード、テレグノシス、アサクサデンエンの4頭はすべて、冒頭の表1に戻ると前年の安田記念出走馬で、当時は順に11、18、6、1着。表2のブラックホークやテレグノシスのように、前年着外からの巻き返しは可能で、当時の着順が逆転する可能性も十分。前年の出走馬同士の決着は近年見られないが、今年は出走数そのものが例年の倍〜3倍となるだけに、このデータは気にしなくても良さそうだ。
なお、外国馬は98年にオリエンタルエクスプレスが2着、00年にフェアリーキングプローンが優勝、そして昨年はサイレントウィットネスが3着。いずれも近走は連続連対を続けていた馬で、この例からすれば今年の3頭は苦戦が予想される。可能性があるとすれば、3頭の中で唯一前走連対を果たしているブリッシュラックだろうか。

 

京王杯SC 一着:オレハマッテルゼ
ヴィクトリアマイル 一着:ダンスインザムード

 

ライタープロフィール

浅田知広(あさだ ともひろ)

1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。

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