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第62回 今年も波乱か!? スプリングSを分析する

2006/3/16(木)

昨年は3連単45万馬券、一昨年も3連複4万馬券と、波乱が続いているスプリングS。今年は朝日杯FSの覇者・フサイチリシャールが人気を集めそうだが、果たしてまたも大波乱が起きるのか、それとも一転して平穏に収まるのか。データから分析してみよう。

今週の「競馬」としての注目はなんといっても阪神大賞典、ディープインパクトの復帰戦だが、「馬券」としては微妙なところ。過去10年で1番人気は【7300】、武豊騎手も【4101】とほぼパーフェクト。2番人気も【2503】の好成績で、なんと連対馬20頭中17頭までを1、2番人気が占めている。これでは、本命サイドで大きく勝負をかける人以外は、細々とデータを分析してもそれ相応の配当を得られるとは言い難い。そこで今回は、ここ2年が波乱の決着となっているスプリングSを分析してみたい。データの調査はJRA-VAN Data Lab.Target frontier JVを利用した。

スプリングSの印象としてまず挙げられるのは、「なにが来るかわからない」「荒れるレース」という点だ。冒頭で触れたここ2年のほかにも、97〜99年には8、7、11番人気の人気薄が3連勝。同じ中山で行われる皐月賞の前哨戦・弥生賞に比べ、穴っぽい雰囲気の強い一戦である。そこで、まずは弥生賞と馬連の平均配当を比較してみた。

 

■表1 スプリングSと弥生賞の比較
スプリングS
弥生賞
頭数
馬連
頭数
馬連
96年
13
780
13
1090
97年
13
840
14
910
98年
15
55220
13
750
99年
16
6420
15
290
00年
16
1970
16
1420
01年
16
1270
8
200
02年
16
2000
11
2490
03年
16
250
11
3100
04年
16
4060
10
1090
05年
16
12170
10
350
06年
-
-
10
3620
平均
15.3
8498
11.9
1392
※弥生賞の01年は枠連

「荒れる」という印象の通り、スプリングSの馬連平均配当は8498円と、弥生賞の1392円とは大きな差がついている。ただ、この平均配当は98年の5万馬券が大きく影響しているのも確か。過去10年のうち6回までは2000円以下となっており、こちらの視点からは印象ほどは荒れていない、とも言える。少なくとも、「とにかく高配当狙い」というスタンスでは「空振り」も多くなりそうだ。

 

■表2 スプリングS、弥生賞1〜3着馬の人気
スプリングS
弥生賞
1着
2着
3着
1着
2着
3着
96年
1
4
6
2
3
1
97年
8
1
5
3
4
5
98年
7
11
1
2
3
1
99年
11
3
5
2
1
4
00年
1
7
6
1
4
2
01年
1
5
3
1
2
4
02年
1
8
4
4
2
7
03年
2
1
5
2
4
7
04年
2
6
11
2
3
6
05年
5
8
7
1
3
2
06年
-
-
-
1
6
5

では、いったいどうして「荒れる」印象が強いのか。今度は上位馬の人気別成績を調べてみた。弥生賞は先日の当コーナーでも触れられていた通り、上位人気同士の決着が多いレース。今年こそ2着に6番人気のグロリアスウィークが入ったが、例年は4番人気までの馬連ボックスを買っておけば、回収率はともかく配当だけは手にできるレースである。一方、スプリングSは1、2着が4番人気までで決着したのは10年で2回だけ。6番人気以下が8連対と、人気薄の好走がかなり目立つ。表では1、2番人気を黄色、6番人気以下を水色で表示したが、スプリングSの方が明らかに「青っぽい」ことがわかるだろう。
ただ、ここで注意したいのは、人気薄ばかりでなく人気馬、特に1番人気も多く連対している点である。1番人気の連対数では、スプリングSは10年で6連対、弥生賞は11年で5連対と、スプリングSの方が多いほど。人気馬は人気馬でも、2〜3番人気あたりの不振が「荒れる」という印象を形作っているのである。98年や99年、そして昨年のような人気薄同士の決着もあるとはいえ、端から1番人気馬を嫌ってしまうのは危険。1番人気馬が消えて大波乱になるのか、それとも人気−人気薄のヒモ荒れまでに収まるのか、見極めが重要だ

 

■表3 スプリングSの1番人気馬成績
馬名
着順
1800m
前走
単勝
経験
OP勝
人気
着順
96年
バブルガムフェロー
1
1
1
150
97年
メジロブライト
2
1
1
(140)
98年
タヤスアゲイン
3
×
×
3
3
(230)
99年
モンテカルロ
4
×
1
1
(330)
00年
ダイタクリーヴァ
1
1
1
180
01年
アグネスゴールド
1
1
1
140
02年
タニノギムレット
1
×
×
1
1
130
03年
サクラプレジデント
2
1
2
(170)
04年
コスモサンビーム
5
×
×
4
1
(300)
05年
ペールギュント
6
×
1
1
(280)
06年
(フサイチリシャール?)
-
1
2
-

そこで、特に1番人気馬に絞って注目できるデータを挙げてみた。表からもわかる通り、「1800mのオープン(重賞含む)で優勝経験あり」「前走1番人気で連対」「単勝オッズ1倍台」のうち、2つ以上を満たす1番人気馬は【4200】で連対率100%。実績の裏付けがある人気馬は信頼できるというデータである。一方、それ以外の4頭はいずれも3着以下に敗れており、1番人気馬の取捨はこのデータから決めて良さそうだ。
今年1番人気が予想されるのはフサイチリシャール。単勝オッズは直前までわからないが、前評判からするとほぼ1倍台で間違いないところ。仮に2倍台でも、1800mで東京スポーツ杯優勝、そして前走1番人気2着と2項目を満たしており、信用に値する1番人気馬と考えていいだろう。問題は3連単の1着か2着か。フサイチリシャールと同じく前走で2着だったサクラプレジデントの2着敗退が気になるが、この馬は朝日杯2着以来の休養明け、しかも相手は後の二冠馬・ネオユニヴァースだった。一方、今年のフサイチリシャールは朝日杯の覇者。休養明けではない点でもサクラプレジデントより有利で、ネオユニヴァースを超えるほどの馬がいない限りは心配ないだろう。

 

■表4 スプリングS2〜3番人気で4着以下に敗れた馬
馬名
キャリア
勝利数
休養明け
距離経験
96年
メイショウジェニエ
ダンディコマンド
×
97年
ショウナンナンバー
メイショウデンゲキ
98年
エアジハード
×
×
コンキスタクラウン
99年
オースミブライト
00年
カーネギーダイアン
エリモブライアン
×
01年
フジノテンビー
×
02年
ローエングリン
ボールドブライアン
×
×
03年
カフェベネチアン
×
04年
ミスティックエイジ
×
05年
ヴァーミリアン
×
パリブレスト
×
×
※休養明けの△は休養明け2戦目

1番人気必至のフサイチリシャールが有力となれば、相手は過去の傾向から2〜3番人気ではなく、人気薄になる可能性が高い。ただ、それだけで他の上位人気馬を消すのは少々心許なく、もうひとつデータを調べてみた。2、3番人気馬のうち、4着以下に敗れた馬の一覧である(表4)。チェックポイントは、キャリア(3戦以上)、勝利数(2勝以上)、休養明けまたは2戦目、そして距離経験の4つ。99年以前はすべて満たしながら着外に敗れた馬もいるが、近年はこのいずれかに減点材料を抱えていた馬ばかりだった。
今年2、3番人気に推されそうなのはトーホウアランとドリームパスポート。このうち、トーホウアランはキャリア2戦。このタイプは人気を問わず過去10年で1度も3着以内に来たことがなく、割引が必要だ。もう1頭のドリームパスポートは休養明け2戦目。こちらは2、3番人気に限らなければ好走実績があり、他のデータからも特に減点材料は見当たらないため、上位争いに食い込む可能性も残されている。ただ、表2のデータも併せて考えると積極的に狙っていくのは疑問で、押さえの評価までに留めたい。
なお、2、3番人気に限らず1勝馬は不振で、過去10年で馬券圏内に絡んだのはビッグサンデー(1着)と、ダイワメジャー(3着)のみ。表にあるエリモブライアンや、一昨年4番人気のアポインテッドデイなど、重賞2着で賞金を加算していた馬でも例外ではない。今年の登録馬では、ダイアモンドヘッドやトウショウシロッコがこれに該当する。

 

【結論】

スプリングSは、「ヒモ荒れ」か「大波乱」かの見極めが重要な一戦。今年は人気のフサイチリシャールが信頼できそうで、この馬を軸とした「ヒモ荒れ」を中心に馬券作戦を組み立てたい。

2005/11/19 東京11R 東京スポーツ杯2歳S(G3) 1着2番フサイチリシャール(牡2) 2着6番メイショウサムソン(牡2)

もっとも、出走頭数が多いだけに、単に「ヒモ荒れ」というだけでは相手が絞れない。そこでいくつかデータを探ると、先のキャリア(3戦以上)、勝利数(2勝以上)に加え、芝で1勝以上(3着以内30頭中28頭)、年明けに出走(同26頭)、前走5着以内(同25頭)、芝1800m以上経験(同22頭)といったあたりが考えられる。

 

■表5 スプリングSの前走別成績
レース
出走
1着
2着
3着
勝率
連対率
複勝率
新馬、未勝利
6
0
0
0
0.0%
0.0%
0.0%
500万下
53
2
3
7
3.8%
9.4%
22.6%
オープン特別
29
1
1
0
3.4%
6.9%
6.9%
重賞
57
7
6
3
12.3%
22.8%
28.1%
きさらぎ賞
12
3
0
1
25.0%
25.0%
33.3%
アーリントンC
13
2
2
1
15.4%
30.8%
38.5%

さらに、表5の前走別成績から、2着は重賞出走馬が中心で、3着なら500万を勝ち上がってきた馬でも対象になりやすいことがわかる。重賞の中では特に、きさらぎ賞とアーリントンCが好成績だ。これらのデータを総合すると、フサイチリシャールの相手候補として有力なのはメイショウサムソンとアマノトレンディー。また、先に触れた通りドリームパスポートも消すまでには至らない。
ここでもう一度表2を見ると、1番人気優勝時の2着は4、7、5、8番人気で、3着までみてもすべて8番人気以内と、同じ「ヒモ荒れ」でも馬連や馬単なら小波乱まで。高配当狙いなら、2、3着をともに4〜8番人気とした3連単(当時は未発売だが)という傾向にある。よって、上記3頭の中では4〜5番人気が予想されるメイショウサムソンが最有力。過去に好成績を残している3勝以上馬という点も心強い。もちろん、アマノトレンディーがひと桁人気に推されるようなら、この馬にも注目が必要である。また、穴党ならもう少しヒネって、重賞組から前走着順のみが減点となるニシノアンサーやナイトレセプション、そして500万組から上記条件をクリアする馬を相手にした3連単を買ってみるのも面白そうだ。

ライタープロフィール

浅田知広(あさだ ともひろ)

1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。

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