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第61回 重賞で牡馬と戦った経験を活かす

2006/3/8(水)

今週は中山競馬場で中山牝馬Sが行われる。文字通り牝馬限定の重賞で、おまけに難解なハンデ戦。攻略の突破口はどこにあるのだろうか? 過去10年の結果を元に、同レースの傾向を探っていきたい。

中山牝馬Sは過去10年、若干の日程変更があった以外条件は同じ。今年も中山芝1800mのハンデ戦で行われるが、今年から新設された牝馬限定のG1・ヴィクトリアマイルも睨んだ注目の一戦になりそうだ。
基本的にハンデ戦は、実績的に格下の馬でも軽ハンデ馬を利して好走できるという特徴がある。しかし、今回の中山牝馬Sに関しては、一般的なハンデ戦の特徴はあまりあてはまらない。確かに軽ハンデの馬の好走例はあるのだが、OPクラスの経験・格の方が重要な傾向にある。例えば、過去10年で準OPクラスを勝ち上がったばかりで好走したのは、昨年3着のチアフルスマイル1頭のみ。残りの好走馬はすべて、前走重賞あるいはOP特別を使っていた馬たちだった。
そこで今回は過去10年の中山牝馬Sの好走馬の近走成績をチェック。使ってきたレースから傾向を調べてみたい。調査はJRA-VAN Data Lab.Target frontier JVを利用した。

 

■表1 過去10年の中山牝馬Sの好走馬一覧
着順 馬名 人気 前走 前々走
05年 1 ウイングレット 1 京都牝馬S2着 ターコイズS1着
2 メイショウオスカル 9 京都牝馬S4着 京都金杯5着
3 チアフルスマイル 10 山城S1着 ユートピアS6着
04年 1 オースミコスモ 9 小倉大賞典2着 京都牝馬S9着
2 ハッピーパス 6 中山記念8着 京都牝馬S3着
3 フラワーチャンプ 10 白富士S7着 中日新聞杯11着
03年 1 レディパステル 3 エリザベス女王杯3着 府中牝馬S3着
2 テンエイウイング 14 ダイヤモンドS13着 グッドラックH1着
3 ショコット 4 京都牝馬S9着 初富士S4着
02年 1 ダイヤモンドビコー 1 京都牝馬S2着 阪神牝馬S6着
2 ティコティコタック 3 AJC杯8着 中日新聞杯4着
3 レディパステル 2 エリザベス女王杯4着 秋華賞3着
01年 1 エイシンルーデンス 4 すばるS3着 京都牝馬S13着
2 グリーンプラネット 8 京都牝馬S8着 京都金杯4着
3 ラティール 3 阪急杯13着 愛知杯3着
00年 1 レッドチリペッパー 5 フェブラリーS14着 銀嶺S3着
2 エイダイクイン 4 京都牝馬S7着 阪神牝馬S5着
3 サクラアカツキ 3 ターコイズS1着 ユートピアS1着
99年 1 ナリタルナパーク 9 京都牝馬S5着 阪神牝馬S5着
2 メジロドーベル 1 有馬記念9着 エリザベス女王杯1着
3 ホッコービューティ 10 京都牝馬S7着 洛陽S3着
98年 1 メジロランバダ 3 TCK女王盃3着 京都金杯8着
2 ランフォザドリーム 2 京都牝馬S2着 寿S2着
3 クロカミ 1 東京新聞杯3着 阪神牝馬S5着
97年 1 ショウリノメガミ 4 京都牝馬S5着 阪神牝馬S3着
2 スプリングバーベナ 6 AJC杯5着 中山金杯5着
3 クロカミ 1 ニューイヤーS3着 ターコイズS1着
96年 1 プレーリークイーン 11 日経新春杯10着 六甲S1着
2 ショウリノメガミ 2 京都牝馬S1着 札幌記念9着
3 スプリングバーベナ 3 中山金杯4着 ターコイズS1着

上の表1は過去10年の中山牝馬Sの好走馬の一覧。上位入線3頭の前走と前々走成績を加えて記載したものだ。主要のステップレースは1月末に組まれている京都牝馬S。毎年、同レースの出走馬が非常に多く、再戦というムードがあるのは間違いない。しかし、京都牝馬S組の取捨は一筋縄ではいかない。同レースで連対していればベストだが、負けている馬でも巻き返しは十分可能なのだ。また、年末の阪神牝馬Sについても同様。今回も同じ牝馬限定の重賞ではあるが、京都牝馬Sや阪神牝馬Sの結果にこだわることはない。少し視点をずらして、各馬の近走成績を眺めることも必要だ。
そこで注目したいのは、牝馬限定の重賞ではなく、牡馬混合の重賞を使っていた馬たちだ。表中の成績の背景が青(橙は京都牝馬Sの連対馬)になっているのが、牡馬混合の重賞。過去10年、実に多くの好走馬が、近2走で牡馬混合の重賞を使っていることがわかる。過去10年で3着以内に好走した30頭のうち16頭が、この手のタイプの馬。毎年必ず1頭は、2着以内好走しており、連軸馬を探す場合には適している。

牡馬混合の重賞に出走していたことが大事で、そこでの着順はあまり関係ない。2ケタ着順に惨敗していた馬でも平気で巻き返している。04年に好走した3頭はすべて6番人気以下。03年に2着に突っ込んだテンエイウイングは14番人気、01年2着のグリーンプラネットは8番人気、96年の勝ち馬プレーリークイーンは11番人気。着順が悪いせいか人気になりにくい傾向にあり、配当的にも美味しいのだ。牡馬混合の重賞の方がレベルが高いのが普通であり、レベルが下がった牝馬限定戦で巻き返すというのは、自然な理屈と言えるだろう。
さらに付け加えるならば、プレーリークイーンのように前々走で勝利を収めていればベスト。同年3着のスプリングバーベナも同じケース。テンエイウイングも同じ。もしくは、04年のオースミコスモのように牡馬混合重賞そのもので好走している場合でもいい。
それ以外では、G1好走実績馬。昨年の勝ち馬ウイングレットは前年の秋華賞3着馬、03年1着、02年3着のレディパステルは前年のエリザベス女王杯の好走馬、99年の勝ち馬ナリタルナパークは前年の秋華賞2着馬。97年の勝ち馬ショウリノメガミは、前年のマイルCS2着馬だ。年明け初戦で好走できるのもこのタイプの馬で、G1馬の底力は侮れない。

同コースで行われるOP特別のターコイズSの勝ち馬も無視できない。ただし、どちらかと言えば3着が多いのが特徴。

 

中山雌馬ステークス:オースミコスモ
中山牝馬ステークス:プレーリークイーン

【結論】

ハンデ戦だが単純な格下馬の一発は、なかなか出ない。前走重賞やOP特別を使っている馬が圧倒的に強いレースだ。格・経験が重要視されるレースで、感覚としては別定重賞に近い。各馬のハンデ差は無視できないが、近走の臨戦過程の方が重要となる。過去10年の中山牝馬Sの好走馬から以下のような傾向が指摘できる。

(1)近2走以内に牡馬混合の重賞を使っている馬が強い。毎年必ず1頭は2着以内に好走している。負けていてもOKで、牡馬混合重賞での着順はあまり関係ない。また、近2走以内にクラス・条件を問わず別のレースで1勝、もしくは別の重賞で5着以内に入っていればベスト。
(2)京都牝馬S組は連対しているのがベストだが、こちらも負けていても巻き返せる。
(3)年明け初戦で好走できるのはG1実績馬だけ。特に前年秋のG1で3着以内に入った馬は注意。
(4)前年のターコイズSの勝ち馬は3着までが多い。

 

■表2 今年の中山牝馬Sの出走登録馬
馬名 前走 前々走
アンブロワーズ すばるS15着 京都牝馬S10着
ウイングレット ターコイズS3着 エリザベス女王杯10着
オルレアン 北山S6着 阿蘇S10着
オーゴンサンデー 京都牝馬S14着 ニューイヤーS2着
カネトシディザイア 斑鳩S1着 山城S13着
コスモマーベラス TCK女王盃10着 ディセンバーS2着
ジェダイト エンプレス杯11着 ターコイズS9着
スターリーヘヴン TCK女王盃9着 ガーネットS15着
スルーレート 初富士S8着 クイーン賞3着
チアフルスマイル 京都牝馬S2着 京都金杯7着
ディアデラノビア 京都牝馬S5着 京都金杯6着
トーセンハピネス 京都牝馬S9着 花見小路特別1着
ニシノナースコール 秋華賞3着 五頭連峰特別1着
プリモスター 木更津特別7着 1000万2着
プリンセスグレース 北野特別1着 富里特別1着
マイネソーサリス 小倉大賞典6着 京都金杯14着
ミヤビキララ アメジストS15着 香取特別1着
メイショウオスカル 京都牝馬S2着 京都金杯11着
メジロトンキニーズ ダイヤモンドS2着 迎春S3着
ヤマニンアラバスタ ターコイズS13着 エリザベス女王杯8着
ヤマニンシュクル 京都牝馬S4着 鳴尾記念7着
ライラプス エンプレス杯12着 阪神牝馬S8着
レクレドール 京都牝馬S6着 阪神牝馬S3着

これらを踏まえて今年のレースを占ってみよう。上の表2は今年の中山牝馬Sの出走予定馬だ。各馬のハンデについては割愛させていただき、前走、前々走の成績のみを記載している。表1と同じように牡馬混合重賞の成績については青、京都牝馬S連対馬については、橙で色をつけている。
今年は近2走、牝馬限定重賞しか使っていない馬や条件クラスからの登録馬が割と多い印象。牡馬混合重賞を使っていた馬は、スターリーヘヴン、チアフルスマイル、ディアデラノビア、マイネソーサリス、メイショウオスカル、メジロトンキニーズ、ヤマニンシュクルの7頭。過去の傾向から、とりあえずこの7頭がすべて4着以下になるということは考えにくい。毎年必ず1頭は2着以内に好走しているので、連軸馬ならばここから探したい。
この7頭からさらに絞りたいところだが、上の(1)で示したような近2走で1着を取った馬はいない。次に別の重賞で5着以内ということになると、前走京都牝馬Sで2着(同着)のチアフルスマイルとメイショウオスカル、4着のヤマニンシュクル、5着のディアデラノビアが該当する。
しかし、その他の馬も侮れない。例えば、近走ダートばかり使われているスターリーヘヴンにしても昨年の福島牝馬Sの2着馬で、芝の重賞実績がある。マイネソーサリスは、前年のターコイズSの勝ち馬でもあり、好走条件は揃っている。
昨秋以降のG1で3着以内に入った実績を持つのはニシノナースコール。ただし、今回は秋華賞以来の競馬。過去に休み明けで好走したレディパステル、メジロドーベルよりも休養期間が長い。この点がどうかだ。

ライタープロフィール

小田原智大(おだわら ともひろ)

1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。
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