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第58回 フェブラリーSの人気馬をデータで斬る!

2006/2/16(木)

今週のフェブラリーSは1番人気馬が4連勝中。過去5年の3着以内馬15頭のうち13頭までが5番人気以内と、比較的平穏に収まることが多いレースだ。では、今年のメンバーではどの人気馬が信頼でき、どの馬が危険なのか。データから分析してみたい。

GⅠ昇格直後は6番人気馬が2連勝を収めたフェブラリーS。特に2年目の98年は6→8→10番人気の順で馬連万馬券となったが、近年は一転して人気馬優位の傾向が強くなってきた。1番人気馬は02年以降4連勝中、ここ5年の3着以内馬15頭中13頭が5番人気以内と平穏な傾向だ。昨秋以降は波乱ばかりのGⅠ戦線だが、今回のフェブラリーSは果たして過去の傾向通りに堅く収まるのか、人気馬を中心に分析したい。なお、データの調査はJRA-VAN Data Lab.Target frontier JVを利用した。

今回の出走メンバーを見渡して気になるのは、人気馬の多くを4歳馬が占めていることだ。第52回の「ダート戦は古豪有利か?」で解説した通り、4歳馬が古馬相手にダート重賞を制することはさほど多くなく、各馬の信頼性に疑問符をつけたくなる。そこでまず、フェブラリーSの年齢別成績を調べてみた(GⅠに昇格した97年以降)。

 

■表1 フェブラリーSの年齢別成績
出走
1着
2着
3着
勝率
連対率
複勝率
4歳
37
3
6
1
8.1%
24.3%
27.0%
5歳
33
5
1
3
15.2%
18.2%
27.3%
6歳
42
1
1
3
2.4%
4.8%
11.9%
7歳以上
31
0
1
2
0.0%
3.2%
9.7%

すると、なんと4歳馬は連対率でトップ、複勝率も5歳馬と互角という好成績。勝率こそ高くはないが、それでも6歳や7歳以上を大きく上回っており、このレースに限っては4歳馬不利とはとても言い難い。ここで第52回の分析を振り返ると、ダート重賞の4歳馬は「既に重賞実績があるか、勢いのある馬でなければ勝利を手にできない」としている。逆に言えば、重賞実績や勢いがあれば通用するということ。ダート無敗で平安Sを制したタガノゲルニカはまさにこのパターンだ。また、GⅠともなれば4歳といえども出走馬の多くは重賞実績を重ねてきた馬ばかり。ダート重賞全体に比べ、GⅠのフェブラリーSで4歳馬の成績が良いのも納得できる。
5歳馬はダート重賞全体の成績と同様に文句のない成績。厳しいのは6歳と7歳以上。ダート重賞全体ではさほど悪い成績ではなく、特に6歳馬は勝率で4歳馬を上回っていた。しかしこのレースに限ると4歳馬には遠く及ばず、3着ならともかく連対までは期待しづらい。

 

■表2 フェブラリーSで好走した4歳馬
馬名
着順
前走
G1実績
主な重賞勝ち
重賞5着以内
97年
シンコウウインディ
1
1
(ダービーGP3着)
平安S1着
4回
ストーンステッパー
2
1
ガーネットS1着
2回
バトルライン
3
1
(ユニコーンS1位降着)
(1回+1降着)
98年
メイショウモトナリ
2
4
ダービーGP4着
SDD1着
4回
00年
ゴールドティアラ
2
3
秋華賞16着
シリウスS1着
6回
02年
トーシンブリザード
2
3
JDD1着
3回
03年
ゴールドアリュール
1
1
JDD1着
5回
04年
サイレントディール
2
7
ダービー4着
武蔵野S1着
4回
05年
メイショウボーラー
1
1
朝日杯FS2着
根岸S1着
10回
シーキングザダイヤ
2
2
川崎記念2着
兵庫ゴールドT1着
5回
※JDD=ジャパンダートダービー、SDD=スーパーダートダービー

つぎに、このレースで好走した4歳馬について見てみよう。デビューから1年少々で古馬相手のGⅠに駒を進めるほどの馬となれば、重賞実績があるのは当然のこと。これに加え、重賞で好走を重ねていること、GⅠで上位入線の実績があること、そして前走3着以内、といったあたりが多くの馬に共通している(芝も含む)。今年のメンバーでは、既にジャパンCダートで古馬を打ち負かしているカネヒキリは問題なし。ヴァーミリアンはGⅠ実績、タガノゲルニカは重賞経験の少なさ、サンライズバッカスは前走4着が少々気になる。ただ、これらは絶対条件とまでは言えないことや、ヴァーミリアンとタガノゲルニカはダートで底を見せていない点、そしてサンライズバッカスの前走は不利があったことを考えると消すまでには至らず、他のデータも併せて考慮したい。

4歳と同様に有力な5歳馬はどうだろうか。登録しているのはアジュディミツオー、シーキングザダイヤ、タイキエニグマ、メイショウボーラーの4頭。距離短縮が2頭、距離延長が2頭とはっきりわかれるので、ここでは距離に注目してみた。

 

■表3 東京ダート1600m、前走距離別成績(オープン・重賞、91年以降)
出走
1着
2着
3着
勝率
連対率
複勝率
1200m
87
3
4
4
3.4%
8.0%
12.6%
1400m
255
17
13
17
6.7%
11.8%
18.4%
1600m
139
5
11
11
3.6%
11.5%
19.4%
1800m
187
14
17
13
7.5%
16.6%
23.5%
2000m
77
10
4
4
13.0%
18.2%
23.4%
距離延長
348
20
17
22
5.7%
10.6%
17.0%
同距離
139
5
11
11
3.6%
11.5%
19.4%
距離短縮
418
39
36
31
9.3%
17.9%
25.4%

表3は、91年以降に行われた東京ダート1600mのオープン(重賞含む)競走について、前走の距離別に成績をまとめたもの。一見してわかる通り、距離短縮馬が圧倒的な好成績だ。芝の安田記念でもそうだが、1600m戦は短距離馬と中距離馬の激突が多々見られる条件。特に東京ダートの場合、1600mの上は2100mとなるため中距離馬の参戦が多く見られるが、中距離からの参戦組が有利と考えられる。このデータからは、5歳勢ではアジュディミツオー、シーキングザダイヤが上位だ。
とはいえ、距離延長馬がまったく来ないわけではない。今年の主な距離延長馬では、メイショウボーラーが昨年の覇者、タイキエニグマは1800mで3勝、そして4歳馬だがサンライズバッカスには同条件の武蔵野S完勝といった実績があり、表2同様に他のデータも考慮すべきだ。

 

■表4 フェブラリーS3着以内馬の距離経験、連対実績
馬名
着順
最短
最長
経験
連対
経験
連対
97年 シンコウウインディ
1
1200
1200
2200
2200
ストーンステッパー
2
1000
1000
1700
1600
バトルライン
3
1000
1000
1800
1800
98年 グルメフロンティア
1
1400
1600
2100
2100
メイショウモトナリ
2
1000
1000
2000
2000
シャドウクリーク
3
1000
1000
1700
1600
99年 メイセイオペラ
1
1000
1000
2500
2500
エムアイブラン
2
1400
1400
3000
2300
タイキシャーロック
3
1600
1600
2300
2100
00年 ウイングアロー
1
1200
1400
2400
2400
ゴールドティアラ
2
1000
1000
2000
1800
ファストフレンド
3
1600
1600
2100
2100
01年 ノボトゥルー
1
1200
1200
2100
1700
ウイングアロー
2
1200
1400
2400
2400
トゥザヴィクトリー
3
1400
1600
2400
2400
02年 アグネスデジタル
1
1200
1200
2000
2000
トーシンブリザード
2
1000
1000
2000
2000
ノボトゥルー
3
1200
1200
2100
1700
04年 アドマイヤドン
1
1400
1400
3000
2100
サイレントディール
2
1600
1600
2400
1800
スターリングローズ
3
1190
1200
2400
2000
05年 メイショウボーラー
1
1000
1000
2000
2000
シーキングザダイヤ
2
1400
1400
2100
2100
ヒシアトラス
3
1400
1700
2300
1800

距離についてもうひとつ、過去のフェブラリーS3着以内馬について距離経験と連対実績を調べてみた(中山1800mの03年は除く、芝含む)。全24頭中22頭に共通するのは、1700m以上での連対実績があったこと。また、21頭までが2000m以上を経験していた。近年では、昨年優勝のメイショウボーラー、そして一昨年3着のスターリングローズあたりは短距離での印象が強いが、メイショウボーラーは弥生賞2着、スターリングローズも条件時代はダート1800mや芝2000mで好走しており、中距離実績や経験は必須と考えたい。人気どころではブルーコンコルドがマイルどころか1400mまでしか連対実績がなく、大きな割引が必要だ。
また、今年のメンバーでは最短距離経験、実績もチェックポイントとして挙げられる。表にある通り、24頭すべてに1600m以下の経験があり、昨年3着のヒシアトラスを除く23頭には1600m以下での連対実績があった。現在の中央競馬(ダート)では、1600m以下はコーナーが2つ、1700m以上はコーナー4つという大きな違いがある。中距離実績だけではなく、テンから飛ばして息の入りづらい競馬にも対応する力が必要で、1700m以上しか経験のないヴァーミリアンやタガノゲルニカは、ペースの違いに戸惑って力を出し切れない可能性もある。この2頭は表2からも少々減点が必要で、もし馬券対象として考慮するとしても相手候補の一角までにとどめたい。

 

【結論】

フェブラリーSの注目は4、5歳馬。中でも、中距離とマイル以下の双方に実績のある馬が狙いとなる。

これを条件に今年のメンバーをピックアップしていくと、残るのはアジュディミツオー、カネヒキリ、サンライズバッカス、シーキングザダイヤ、タイキエニグマ、メイショウボーラーの6頭になる。これに加えて、連対の絶対条件として「東京ダートの経験があれば連対していること」「重賞勝ちかGⅠ連対があること」というデータが挙げられ、アジュディミツオーとタイキエニグマが引っかかる。さらに、過去9回の3着以内馬27頭中21頭は前走3着以内というデータと、表3から距離延長が減点材料となるサンライズバッカス、メイショウボーラーも中心視はしづらい。よって、連軸として期待できそうなのはカネヒキリとシーキングザダイヤの2頭、昨年のジャパンCダート1、2着馬だ。

 

■表5 ジャパンCダート連対馬の翌年のフェブラリーS成績
馬名 JCD フェブラリーS その間の出走レース
00年 ウイングアロー
1
2
サンフォードシチー
2
4
根岸S2着
01年 ウイングアロー
2
9
東京大賞典10着
02年 イーグルカフェ
1
3
有馬記念14着
リージェントブラフ
2
9
東京大賞典3着、川崎記念2着
03年 アドマイヤドン
2
1
04年 タイムパラドックス
1
4
東京大賞典4着、川崎記念1着
アドマイヤドン
2
5
有馬記念7着

 

ジャパンカップダート 1着:カネヒキリ 2着:シーキングザダイヤジャパンカップダート 1着:カネヒキリ 2着:シーキングザダイヤ

この2頭では、表1の勝率から5歳馬のシーキングザダイヤの方が上位とも考えられる。ただ、前年のジャパンCダート連対馬の成績を調べると、表5にある通り直行馬2頭が連対を果たしているのに対し、間にレースを挟んだ馬は好走止まり。また、カネヒキリが「しっかり勝つ」タイプなのに対し、シーキングザダイヤはGⅠ2着続きという馬の個性も併せて考えると、カネヒキリを上位と見るのが妥当だろう。2頭に続くのは、減点材料の少ないアジュディミツオーとタイキエニグマだ。
なお、第54回で解説した通り、多頭数では1、2番人気馬の成績が下がる傾向にあるが、このレースの1番人気4連勝はいずれも多頭数でのものなので不安はない。ただ2番人気に関しては、上位人気優勢の傾向が続く中にあって、ここ4年連対がない点が気にかかる。そこで、相手には2番人気馬よりも3〜5番人気あたりを重視する、という作戦も考えられそうだ。

ライタープロフィール

浅田知広(あさだ ともひろ)

1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。

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