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第40回 一騎打ちムードのレースを分析する

2005/10/13(木)

今週は京都競馬場で牝馬三冠の最終戦、秋華賞(G1)が行われる。前評判はローズSの1、2着馬、エアメサイアとラインクラフトの一騎打ちだが、こういった2強ムードのレースではいったいどんな馬券作戦が有効なのだろうか?

2強の一騎打ちというと、勝者を決する「競馬」としては非常に面白いが、馬券に関しては少々やっかいである。2強で決まるなら3連単の相手はかなり絞る必要があり、一角が崩れるにしても2強以外は横一線で相手探しが難しい。ましてや2強共倒れと予想した際には、いったいほかにどの馬が有力なのか見当もつかないことも多いものだ。

そこで今回は、2強ムードのレースを3つのパターンに分けて馬券作戦を考えてみたい。

 

2005年ローズステークス 優勝:エアメサイア 2着:ラインクラフト
※上記写真の向かって右側がエアメサイア、左側がラインクラフト

データの調査はJRA-VAN Data Lab.Target frontier JVを利用した。また、データ集計の都合上、1着が2頭同着だった02年の京成杯は集計から除外している。なお本稿では、「2強」をデータ的に「1、2番人気がともに単勝3倍以下」と規定した。この場合、3番人気が単勝5倍を切るレースは少なく、「2強」のサンプルとして適当だと考えられる。

1)2強で決着する場合

 

■表1  1〜2番人気が1〜2着を占めたレースにおける人気別3着率(02年以降平地重賞)
1、2番人気馬のオッズ不問
1、2番人気とも単勝3倍以下
 
3着
着外
3着率
3着
着外
3着率
3番人気
12
41
22.6%
3番人気
4
11
26.7%
4番人気
7
46
13.2%
4番人気
4
11
26.7%
5番人気
8
45
15.1%
5番人気
5
10
33.3%
6番人気
2
51
3.8%
6番人気
0
15
0.0%
7番人気
5
48
9.4%
7番人気
1
14
6.7%
8番人気
5
48
9.4%
8番人気
0
15
0.0%
9番人気
4
47
7.8%
9番人気
0
13
0.0%
10番人気
6
40
13.0%
10番人気
0
9
0.0%
11番人気以下
5
230
2.1%
11番人気以下
1
36
2.7%

表1は、単勝1、2番人気馬が1、2着を占めた02年以降の平地重賞に関して、人気別に集計したものだ。表は、左が特に単勝オッズを指定しなかった場合。右は1、2番人気とも単勝3倍以下、つまり2強ムードのレースの場合である。人気2頭がすでに1、2着を占めているため、注目点は3連単の3着になる。
表の左右を比較してはっきりわかるのが、2強ムードのレースで3着に来るのは、ほとんど5番人気以内の馬だということだ。人気馬の単勝オッズを指定しなかった場合は7番人気以下でも10%前後の3着率をマークしているのに対し、2強決着では人気薄の出番はほとんどない。
上位2頭が人気だと、どうしても「3着に人気薄が突っ込んで3連単高配当を…」という発想になりがちだが、これはハズレ馬券への直行便。2強決着のレースで3連単を買えるのは、1、2→1、2→3〜5番人気のフォーメーション計6点になる。上位人気同士とはいえ、3番人気以下の人気が割れ加減なら6点で十分な回収が期待できるはずだ。

2)2強がともに3着以下に敗れる場合

 

■表2  1〜2番人気馬がともに単勝3倍以下、3着以下の人気別成績(96年以降平地重賞)
 
1着
2着
3着
着外
勝率
連対率
複勝率
1番人気
0
0
6
11
0.0%
0.0%
35.3%
2番人気
0
0
6
11
0.0%
0.0%
35.3%
3番人気
0
6
1
10
0.0%
35.3%
41.2%
4番人気
8
2
0
7
47.1%
58.8%
58.8%
5番人気
5
1
0
11
29.4%
35.3%
35.3%
6番人気
2
4
1
10
11.8%
35.3%
41.2%
7番人気
0
0
1
16
0.0%
0.0%
5.9%
8番人気以下
2
4
2
105
1.8%
5.3%
7.1%

ひとつ目の例とは逆に、2強がともに3着以下に敗れたケースではどうだろうか(表2)。2強がいずれも連対を外すパターンはさすがにサンプルが少なく、先の表1とは違い、こちらは96年以降の平地重賞を対象に集計した。この表で注意したいのは、1、2番人気馬が連対を外すことが前提のため、1、2番人気については複勝率=3着率、3番人気以下はそのまま複勝率=3着内率と分けて考えることだ。
まず1、2番人気についてだが、人気馬が連を外すとなると、なんらかの原因でまったく力を出せず馬券圏内のどこにも来ない、というケースを考えたくなるが、データ的にはともに複勝率35.3%と悪くない。連から外れるまではいいとしても、大穴狙いで2強がどこにも来ないと決めつけ、3連単の3着からも消してしまうのは禁物だ。

もうひとつの注目は、3番人気が1勝もしていない点である。2強が消えるのだから、勝利に最も近いのは本来3番人気馬のはず。しかし実際、3番人気は2着以下ばかりで、4、5番人気が高勝率を残している。続く6番人気まではぎりぎりアタマの可能性があり、7番人気以下は期待薄である。

なお、2着や3着でも、このパターンでは6番人気と7番人気の間に大きな隔たりがある。よって、馬券の対象にできるのは6番人気まで。2強がともに3着以下に敗れるレースの3連単は、4、5→3〜6→1〜6番人気のフォーメーション計24点がオススメだ。ただ、2強が1、2着から消えるということは、相当な高配当が期待できるはず。1着に6番人気も加えた36点でも文句ナシの高回収率になるので、懐具合に応じて決めるといいだろう。オッズによっては、1着に3番人気を加えた48点まで考えたい。同じ理由で、4、5番人気の3着数が0だからといってフォーメーションの3着から削る必要性は薄い。

3)2強の一角が崩れる場合

 

■表3 1、2番人気がともに単勝3倍以下で、どちらか一方が連対した場合の人気別成績(02年以降平地重賞)
 
1着
2着
3着
着外
勝率
2着率
3着率
1番人気
9
3
7
8
33.3%
11.1%
25.9%
2番人気
10
5
6
6
37.0%
18.5%
22.2%
3番人気
2
6
6
13
7.4%
22.2%
22.2%
4番人気
3
3
2
19
11.1%
11.1%
7.4%
5番人気
2
7
1
17
7.4%
25.9%
3.7%
6番人気
1
3
2
21
3.7%
11.1%
7.4%

7番人気

0
0
1
26
0.0%
0.0%
3.7%
8番人気以下
0
0
2
138
0.0%
0.0%
1.4%

つぎに、2強のうち1頭が連対を確保し、もう1頭は連対を外す場合を見てみよう(表3)。この表の注意点は、「1、2番人気の一方は連対する」条件のデータなので、2番人気以上と3番人気以下の数字を比較できないことだ。単純に数字の高低を比較できるのは、1、2番人気同士や、3番人気以下同士になる。

このパターンで目につくのは、1、2番人気は勝率が2着率を上回っているのに対し、3番人気以下は2着率の方が高いか同等なこと。これはこの条件に限らず、どんな条件でデータを集計してもほぼ似たような結果で、人気馬は馬券圏内に絡めば1着の可能性が高く、人気薄になるに従って2着や3着の確率が増える傾向にある。ただ、今回の条件で2着が期待できるのは6番人気までだ。まとめると、「連対した人気馬は勝つ確率が高い」「3番人気以下の連対は2着が多い」となる。
3着については、1、2番人気馬は「どちらか一方が連対」の場合の3着なので、連対できなかった方が3着になる確率となる。これは、ふたつめのパターンの1、2番人気と同様で、連を外してもしぶとく3着に食い込む可能性は十分にある。一方3番人気以下では、3番人気と4番人気以下の3着率に大きな差がついているので、狙いは3番人気に絞ってもよさそうだ。
以上から、2強の一角が3着以下に敗れる場合の3連単は、1、2→3〜6→1〜3番人気のフォーメーション計14点が狙いとなる。1、2番人気がアタマとはいえ、2着が3〜6番人気なら14点買っても十分にお釣りがくるだろう。

 

【結論】

2強ムードのレースでは、2強が人気通りに走るのか、それとも一角が崩れるのか、はたまた共倒れになるのかで3連単のフォーメーションの組み方が大きく変わることがわかった。2強の信頼度を精細に分析した上で、馬券作戦に役立てたい。
と、これで終わっては読者の皆さんに怒られそうなので、最後に表4を掲載しておこう。これまで敢えて触れてこなかった、「本当に2強で決まるのか?」というデータだ。

 

■表4 1、2番人気がともに単勝3倍以下だったレースの人気2頭の結果(02年以降平地重賞)
 
1、2着独占
一方が連対
共倒れ
1人気1着
2人気1着
1人気連対
2人気連対
7
8
12
15
7
占有率
14.3%
16.3%
24.5%
30.6%
14.3%

2強ムードのレースで圧倒的に多いのは「一方が連対」、つまり本稿3つめのパターンである。このパターンで表4や表2を見ると、わずかに2番人気の方が好成績だが、強調できるほどの差はない。そこで、どちらか一方を1着に固定するのではなく、先に挙げた通り2頭を1着にした3連単が妥当。強弱をつけるなら、多少2番人気1着を多めに、という程度でいいだろう。

ただ、これがそのまま今回のエアメサイア、ラインクラフトに当てはまるとは断言できない。表4にもある通り、2強が1、2着を独占する確率は合わせて30%以上。共倒れの可能性も15%近くある。大穴党なら、この共倒れの15%という数字は魅力十分。本命党でも、10回に3回程度当たるなら、パターン1のデータを利用すればプラス収支に持ち込める。ここでは一応「パターン3」を推奨しておくが、皆さんそれぞれの馬券スタイルに合わせて表1〜3を活用して欲しい。

ライタープロフィール

浅田知広(あさだ ともひろ)

1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。

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