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第39回 仮柵位置で読む東京芝1800mの特徴

2005/10/6(木)

今週は東京競馬場で毎日王冠(G2)が行なわれる。同レースが行なわれる東京芝1800mは、比較的クセのないコースだが、仮柵位置によって特徴が出てくる。A〜Dの4つのコースごとによって枠順の優劣が異なるのだ。

今週から秋の東京・京都開催が開幕。東京競馬場では日曜日のメインレースに毎日王冠(G2)が組まれている。広い東京コースは全般的に、各馬の力が発揮しやすいクセの無いコース形態であるのが特徴。同レースが行なわれる東京芝1800mは、2コーナー奥の緩いカーブからのスタートだが、芝2000mほど極端な特徴ではない。したがって、一般的には、枠順の有利・不利はあまり叫ばれない。しかし、実際に本当なのだろうか? 同じ東京芝1800mでも仮柵(移動柵)の位置によって傾向が異なり、面白いことがわかるのだ。データは、東京競馬場が新装オープンした03年以降の全レースを対象。調査については、JRA-VAN Data Lab.Target frontier JVを利用した。

 

■表1 東京芝1800mの枠順別成績(03年以降)
 
1着
2着
3着
着外
合計
勝率
連対率
複勝率
単回収率
複回収率
1枠
12
9
16
132
169
7.1%
12.4%
21.9%
50%
71%
2枠
12
16
10
146
184
6.5%
15.2%
20.7%
42%
67%
3枠
17
16
13
144
190
8.9%
17.4%
24.2%
85%
66%
4枠
17
11
11
162
201
8.5%
13.9%
19.4%
44%
59%
5枠
13
18
20
154
205
6.3%
15.1%
24.9%
180%
104%
6枠
21
13
22
166
222
9.5%
15.3%
25.2%
121%
76%
7枠
18
24
18
198
258
7.0%
16.3%
23.3%
53%
82%
8枠
14
17
14
211
266
5.3%
11.7%
16.9%
84%
58%

表1は東京競馬場が新装オープンした03年以降の東京芝1800mの全レースを対象に枠順別成績を集計したものである。5枠の単勝・複勝回収率がともに100%を超えているものの、全般的にはあまり大きな特徴は見られない。連対率はすべての枠が10%以上で、最高でも3枠の17.4%。コース形態からイメージされるように、全般的には東京芝1800mは枠順の有利・不利はあまりないように見える。
しかし、ここで結論づけてしまうのはまだ早い。同じ東京芝1800mでも仮柵設置によるコースごとでは、大きな特徴があるのだ。

 

■表2 東京芝1800m・Aコースの枠順別成績(03年以降)
 
1着
2着
3着
着外
合計
勝率
連対率
複勝率
単回収率
複回収率
1枠
4
4
6
78
92
4.3%
8.7%
15.2%
36%
65%
2枠
4
5
6
83
98
4.1%
9.2%
15.3%
15%
72%
3枠
9
10
5
77
101
8.9%
18.8%
23.8%
60%
52%
4枠
10
3
8
84
105
9.5%
12.4%
20.0%
44%
70%
5枠
8
12
10
79
109
7.3%
18.3%
27.5%
73%
82%
6枠
12
5
15
87
119
10.1%
14.3%
26.9%
126%
88%
7枠
12
16
10
107
145
8.3%
19.3%
26.2%
65%
109%
8枠
7
11
6
124
148
4.7%
12.2%
16.2%
34%
39%

東京競馬場に限らずJRAの芝のレースでは、芝を保護するために仮柵を設置、移動させてレースが行なわれている。コース改修後の現在の東京競馬場の芝コースでは、Aコース・Bコース・Cコース・Dコースと4種類のコース設定でレースが行なわれている。念のために説明しておくと、内ラチがメインスタンドより最も奥にあるのがAコースで、これが競馬場の仕様をそのまま使った通常のコース設定。直線の幅員は最も広い。そして、Bコース→Cコース→Dコースの順に、仮柵がよりスタンド寄りに設置され、直線の幅員は徐々に狭くなっていく。
仮柵設置によるコースの特徴をもう一つ示しておくと、4コーナーから直線に入る時のカーブは、Aコースが最もきつくなり、Dコースが最も緩やかになる。実際にイメージしていただくとわかるはずだ。

2003安田記念 2004天皇賞秋
※上記写真は、仮柵の位置により内側の芝が使用されなくなることがわかりやすく示したもの
Aコースは2003安田記念、Bコースは2004天皇賞秋の写真を使用。

そこで、表2にご注目いただきたい。これは東京芝1800mのAコースの枠順別成績を集計したものだ。表1との違いは一目瞭然。今度は特徴がハッキリでている。内の1枠、2枠の成績が悪く、連対率は10%を切っている。2枠と3枠の連対率では倍以上の差がある。回収率では6枠の単勝、7枠の複勝が好成績。全般的に見ると、大外の8枠も少し弱いか。とにかく、Aコースでは1枠、2枠が不利であるように見える。

 

■表3 東京芝1800m・Bコースの枠順別成績(03年以降)
 
1着
2着
3着
着外
合計
勝率
連対率
複勝率
単回収率
複回収率
1枠
1
1
3
14
19
5.3%
10.5%
26.3%
43%
60%
2枠
1
3
2
14
20
5.0%
20.0%
30.0%
12%
69%
3枠
1
3
1
16
21
4.8%
19.0%
23.8%
123%
68%
4枠
3
1
0
20
24
12.5%
16.7%
16.7%
45%
30%
5枠
1
2
1
21
25
4.0%
12.0%
16.0%
428%
60%
6枠
5
4
2
15
26
19.2%
34.6%
42.3%
130%
115%
7枠
1
1
3
28
33
3.0%
6.1%
15.2%
46%
32%
8枠
3
1
4
27
35
8.6%
11.4%
22.9%
137%
84%

続いてBコース。表3は東京芝1800mのBコースの枠順別成績だ。Bコースは施行レース数が最も少ないのでまだ断定はできないが、Aコース同様に内枠は歓迎できない。連対率ベースではそれほど大きな不利は感じないが、回収率ベースでは不満な数字。穴馬の台頭は少なく、力のある馬(人気馬)しか来れない気配がある。また、6枠の成績が非常に良いのも特徴。

 

■表4 東京芝1800m・Cコースの枠順別成績(03年以降)
 
1着
2着
3着
着外
合計
勝率
連対率
複勝率
単回収率
複回収率
1枠
5
1
3
22
31
16.1%
19.4%
29.0%
131%
85%
2枠
5
5
2
27
39
12.8%
25.6%
30.8%
135%
79%
3枠
3
3
5
27
38
7.9%
15.8%
28.9%
141%
122%
4枠
2
4
2
34
42
4.8%
14.3%
19.0%
53%
60%
5枠
4
1
6
32
43
9.3%
11.6%
25.6%
424%
173%
6枠
3
2
3
38
46
6.5%
10.9%
17.4%
168%
46%
7枠
2
6
2
37
47
4.3%
17.0%
21.3%
21%
50%
8枠
1
3
2
43
49
2.0%
8.2%
12.2%
235%
93%

表4は東京芝1800mのCコースの枠順別成績。Cコースは内ラチ(Aコース)から9mの位置に仮柵が置かれるのだが、これまた特徴的なコース。Aコースとは一転し、今度は内枠の成績が良くなる。2枠の連対率はトップの25.6%、2位は1枠の19.4%。単勝回収率も良くなるのだ。対する大外の8枠は連対率が10%を切ってくる。
そして、もう一つ特筆すべきなのが回収率。どの枠も軒並み回収率が高い。CコースもBコース同様に、それほど施行レース数は多くないのだが、他のコースと比べると明らかに平均値が高いのがおわかりいただけるだろう。Cコースは、人気薄の馬が激走・好走しやすいようだ。

 

■表5 東京芝1800m・Dコースの枠順別成績(03年以降)
 
1着
2着
3着
着外
合計
勝率
連対率
複勝率
単回収率
複回収率
1枠
2
3
4
18
27
7.4%
18.5%
33.3%
12%
82%
2枠
2
3
0
22
27
7.4%
18.5%
18.5%
25%
30%
3枠
4
0
2
24
30
13.3%
13.3%
20.0%
69%
37%
4枠
2
3
1
24
30
6.7%
16.7%
20.0%
32%
37%
5枠
0
3
3
22
28
0.0%
10.7%
21.4%
0%
126%
6枠
1
2
2
26
31
3.2%
9.7%
16.1%
24%
43%
7枠
3
1
3
26
33
9.1%
12.1%
21.2%
56%
55%
8枠
3
2
2
27
34
8.8%
14.7%
20.6%
29%
62%

最後にDコースについて。表5は東京芝1800mのDコースの枠順別成績を集計したもの。連対率は、一応1枠と2枠が上位。Cコースの特徴をある程度引き継いでいると言っていいだろう。ただし、8枠をはじめとする外目の枠の成績はそれほど悪くない。むしろ真ん中の枠が、やや不振。Bコースとは対象的に6枠の成績が良くない。

 

【結論】

東京芝1800mはクセのないコース形態だが、仮柵の位置によって特徴は大きく変わる。まずは、仮柵ではない内ラチいっぱいを使ってレースが行なわれるAコースは、1枠、2枠の成績が悪い。Aコースは基準となるコース設定で、幅員も広く、あまり枠順の有利・不利を感じなさそうだが、不思議と内枠が不利となっている。BコースもAコース同様の傾向で、内枠は歓迎できない。
ところが、Cコースになると傾向が一変する。Cコースは1枠、2枠が好成績。内枠が良くなり、大外の8枠が不利だ。また、Cコースは全般的にどの枠も回収率が高め。波乱含みのレースが続いている。DコースはCコースと同様の傾向。若干ではあるが、内枠が強い。
さて、そこで今週末の毎日王冠ではどう考えるべきか。今年も例年同様にAコースで行なわれることになっている。東京競馬場新装後、過去2年の枠順結果を見てみると、03年が枠連6-8、04年が枠連4-8で決着している。
仮柵の移動が及ぼすレースへの影響はいろんなパターンがあって、例えばBコース→Aコースというコース移動が行なわれた場合、Bコース時に保護されていた内側の芝3mが絶好となる。したがって、枠順の有利・不利は、仮柵設置によるコース形態の差だけが要因とは言えない面もあるのだが、少なくとも開幕週の馬場はフラットな状態。そこで、2年連続外目の枠が来ているのは、偶然とは言えないのではないだろうか。今年もAコースの特徴を踏まえながら予想を組み立ててみたい。

ライタープロフィール

小田原智大(おだわら ともひろ)

1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。
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