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第36回 ローズSを脚質で斬る!

2005/9/15(木)

今週は阪神競馬場でローズS(G2)が行なわれる。先週、同コース同距離で行われた朝日CCは、ライバルよりわずかに早く抜け出したワンモアチャッターが後続の追撃を抑えて優勝。今週のローズSも、レース展開や各馬の脚質が結果を大きく左右しそうだ。

先週は、日曜の中山がメインレース近くになって豪雨に見舞われたが、それでも京成杯AHの勝ちタイムは1分33秒3とまずまず。終始良馬場で行われた阪神の朝日CCは1分59秒台で決着しており、今週も引き続き良好な馬場状態でスピード競馬を楽しめそうだ。
スピード競馬というとまず頭に浮かぶのは、いわゆる「行った行った」。スピードに任せて先手を取った馬がそのまま押し切り、2着にも先行馬が粘る前残りの競馬である。果たして今週のローズSもそんな競馬になるのか、まずは阪神芝2000mの脚質別成績から見てみよう。

データは、表1は00年以降の3(4)歳以上500万クラス以上の全レース、表2と表3についてはローズSが阪神芝2000mで行われるようになった96年以降の9回を参考にした。また、調査はJRA-VAN Data Lab.Target frontier JVを利用している。

 

■表1 芝2000mにおける脚質別連対率
(2000年〜2005年9月11日 ※3(4)歳以上500万クラス以上)
東京
中山
京都
阪神
ローカル
(除新潟)
逃げ
26.0%
25.6%
27.1%
26.7%
24.1%
先行
21.5%
25.2%
22.0%
27.8%
27.0%
中団
14.7%
11.2%
16.3%
12.5%
11.3%
後方
6.5%
7.3%
4.3%
5.0%
2.4%
マクリ
20.0%
50.0%
40.0%
20.8%
44.1%
逃げ+先行
22.4%
25.3%
23.2%
27.5%
26.3%

表1は、中央4場(東京、中山、京都、阪神)の芝2000mにおける00年以降の脚質別連対率を集計したものである。逃げ馬に関しては4場とも連対率は26%前後と、さほど大きな差異は見られない。違いが現れるのは先行馬の成績で、阪神が連対率27.8%を記録しているのに対し、直線の長い東京は21.5%、内回りで行われる京都も22.0%と、阪神を大きく下回っている。意外なのは直線に急坂のある中山で、阪神と大差のない25.2%。ただ中山は、逃げ馬の成績が阪神より少々悪いため、逃げ、先行馬のトータルでは阪神には及ばない。まとめると、中央4場の芝2000mでは、阪神が逃げ、先行馬に最も有利なコースということになる。
この阪神の数字をローカルと比較してみよう。直線の長い新潟を除いた5場(札幌、函館、福島、中京、小倉)の芝2000mにおける逃げ、先行馬合計の連対率は26.3%。一方、阪神は27.5%である。もちろん、ローカルは開催が進むとラチ沿いの馬場が荒れて「外差し」の競馬になりやすいことを差し引いて考える必要があるが、単純な数字の比較では阪神芝2000mは平坦・小回りのローカルを上回るほど逃げ、先行馬有利と言えるのだ。

 

■表2 ローズSにおける脚質別成績(96年以降)
1着
2着
3着
着外
勝率
連対率
逃げ
1
1
1
6
11.1%
22.2%
先行
5
6
3
24
13.2%
28.9%
中団
1
1
4
29
2.9%
5.7%
後方
2
1
1
23
7.4%
11.1%
マクリ
0
0
0
1
0.0%
0.0%
逃げ+先行
6
7
4
30
12.8%
27.7%

では、今週行われるローズSではどうだろうか。表2は、ローズSが阪神芝2000mで行われるようになった96年以降の脚質別成績を調べたものだ。一見してわかる通り、先行馬が勝率、連対率、連対数など各項目で他の脚質を圧倒している。これを表1の阪神の数字と比べると、先行馬の連対率はほぼ同じ。逃げ馬は多少下回っているが、表2はサンプル数が少なめなため、誤差の範囲内と考えても良いだろう。過去9年の集計では、逃げ、先行馬優勢という基本的な傾向に違いはない。

 

■表3 ローズSのペースと連対馬の脚質(98年のみ稍重)
 
ペース
脚質
前半3F-5F
後半5F-3F
1着
2着
96年
37.8-62.3
60.3-36.3
97年
37.3-62.7
58.9-35.3
98年
37.9-63.4
61.0-36.5
99年
36.9-60.9
59.9-35.9
00年
35.9-60.6
59.7-35.9
01年
36.7-61.9
60.0-34.8
02年
36.4-60.8
59.3-35.2
03年
36.4-61.0
60.5-36.2
04年
35.6-58.9
60.1-36.1

ローズSの結果をさらに詳しく分析してみたい。各年の前後半のペースと連対馬の脚質を調べたのが表3で、前後半の1000mのタイムを比較し、差が1秒を超えた年については速い方をオレンジ、遅い方を水色で表示した。
まず目につくのは、水色が「前半」に偏っていることだ。前半1000mの通過が60秒を切ったのは、メイショウオスカルが逃げて縦長の展開になった昨年だけ。上がり3ハロンは36秒1かかり、後方待機のレクレドールが直線一気の差し切り勝ちを収めたことは記憶に新しい。
それでは、例年のローズSはどうだろうか。一般的に、前半のペースが遅ければ上がりが速くなり、逃げ、先行馬が残りやすくなるものだが、必ずしもそうとは言えないのがこのローズS。たとえば、前半のペースが遅かった96〜98年と、01、02年を見ると、96〜98年は前へ行った馬同士の決着だったのに対し、01年はローズバド、02年はサクラヴィクトリアという差し馬が2着に食い込んでいる。前後半の差が1秒以下だった99、00、03年も、先行馬同士の決着あり、差し馬が食い込むこともあり、という結果だ。
以上のことから、ペースだけでは脚質による有利、不利を判断できないことがわかる。そこで「ペース」という視点を捨て、単に連対馬の脚質だけに注目すると、はっきりとした傾向が浮かび上がる。99年以前はすべて逃げ、先行馬同士の決着だったのに対し、00年以降は毎年、逃げ・先行馬と差し馬・追い込み馬の組み合わせで決着していることだ。
なぜ00年から傾向が一変したのだろうか。実はこの00年から秋華賞が一週繰り上がったのに伴い、トライアルのローズSも3週目から2週目の施行へ変更されたのだ。レースが一週繰り上がるということは、より良好な馬場状態で行われることとほぼ同意で、「馬場が良ければ前残り」という発想になりがちなもの。しかし、ローズSはこの発想とは逆の結果で、阪神芝2000mの「逃げ、先行馬有利」というデータは通用しなくなった。
この00年以降を細かく見ると、前後半の差が1秒以内か前半の方が速かった00年、03年、04年は差し・追い込み馬が勝ち、2着は逃げ・先行馬。それ以外の年は先行馬が勝ち、差し・追い込み馬が2着になっている。前後半の差「1秒」のラインが、脚質による勝負の分かれ目だ。

 

【結論】

阪神芝2000mは、基本的には前へ行った馬が有利なコース。しかしローズSに限ると、施行時期が変更された00年以降は差し馬や追い込み馬の活躍も目立ってきた。馬連派なら「逃げ・先行馬−差し・追い込み馬」の組み合わせに絞った馬券が狙い。馬単や3連単派なら、前後半の差が1秒以下かハイペースと読めば差し・追い込み馬の1着固定、1秒差を超えるスローなら逃げ・先行馬の1着固定がオススメだ。
今年のメンバーを見渡すと、確固たる逃げ馬不在。恐らくスローペースになるものと予想され、逃げ・先行馬を1着、差し・追い込み馬を2着にした馬単や3連単で勝負できそうだ。ただ、マイル以下の距離を使ってきた馬もいる上、人気も偏りそうなだけに、人気馬の位置取りひとつで流れが大きく変わる可能性もある。展開の読みに自信がなければ、馬連の「逃げ・先行−差し追い込み」の組み合わせで安全策をとるのも悪くない。

ライタープロフィール

浅田知広(あさだ ともひろ)

1970年12月、埼玉県生まれ。立命館大学文学部中退後、夕刊紙レース部のアルバイト、競馬データベース会社を経て、現在はフリー。パソコンが広く普及する以前から、パソコン通信でデータ手入力方式の競馬予想ソフトを公開するなど、競馬のみならずPCやネットワークにも精通。その知識を活かし、Webや雑誌で競馬ライターとして活躍するかたわら、ネットワークの専門誌にも連載を持つ。

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