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第34回 先行力が必要なのは?【ダート1700m編】

2005/9/2(金)

今週は札幌競馬場でエルムステークス(G3)が行なわれるが、このレースも含め、ダート1700mはローカルだけで番組が組まれている特殊な距離。中距離戦とはいえ、小回りのダート戦なので好走するためには先行力が非常に重要。果たしてどの競馬場のダート1700mが最も先行力が必要なのか?

夏のローカル競馬もいよいよ大詰め。ローカルならではの番組はいくつかあるが、その中の一つがダート1700mという競走。今週は札幌競馬場でエルムステークス(G3)がこの距離で開催されるが、中央開催では組まれていない距離だ。小回りの競馬場特有の出入りの激しいレースとなりやすいが、ダート競馬は全般的に逃げ・先行馬が有利。好走するためには、前に行ける先行力が必要だ。だが、同じ距離のレースでも競馬場が変われば傾向も微妙に違ってくる。ダート1700mが組まれている競馬場は、札幌、函館、福島、中京、小倉の5競馬場。果たしてどの競馬場のダート1700mが、最も先行力が必要とされるのか? その点を検証していきたい。

データは、2000年以降の3歳以上500万クラス以上の全レースを参考。調査については、JRA-VAN Data Lab.Target frontier JVを利用した。

 

■表1 ダ1700mが行なわれる5競馬場の脚質別連対率
(2000年〜2005年8月29日 ※3歳以上500万クラス以上)
 
札幌
函館
福島
中京
小倉
逃げ
30.5%
28.4%
33.6%
21.9%
38.3%
先行
39.0%
38.0%
30.8%
31.7%
34.1%
中団
6.8%
6.7%
9.9%
8.3%
6.4%
後方
0.9%
1.5%
1.0%
1.3%
0.7%
マクリ
33.3%
37.1%
34.8%
51.1%
38.3%
逃げ+先行
69.5%
66.4%
64.4%
53.6%
72.4%

表1は2000年以降のダート1700mが行なわれる5競馬場の脚質別連対率(3歳以上500万クラス以上)を集計したものである。予想通りどの競馬場も逃げ・先行馬の連対率がかなり高い。中団・後方からの馬は苦戦を強いられ、4コーナーで先行集団から離されていては絶望的。差し・追い込み馬は、マクリが決まるかどうかが勝負の分かれ目だ。ダートは短距離戦でなくとも前の方につけられる先行力が必要となってくる。しかし、逃げと先行の連対率の差は、各競馬場によって違いがあるのがわかる。
例えば、札幌と函館は、逃げよりも先行の連対率の方が10%近く上回っている。中京も同様の傾向だが、こちらは逃げ・先行の連対率自体が、他場に比べ低め。その分、マクリが51.1%という高い数字が出ている。一方、先行よりも逃げの連対率が高いのが福島と小倉。わずかの差だが、逃げ馬が有利な競馬場と言えそうだ。逃げ馬の連対率だけで見れば、小倉>福島>札幌>函館>中京の順で前に行く馬が有利と言える。
しかし、前に行く馬として先行脚質の馬も加えて考えた場合は、少し順番が変わってくる。逃げ+先行の連対率で見ると、トップは72.4%の小倉で、以下、札幌>函館>福島>中京と続く。

 

■表2 ダ1700mが行なわれる5競馬場の1角及び4角1番手の馬の連対率と各競馬場の直線距離
(2000年〜2005年8月29日 ※3歳以上500万クラス以上)
 
札幌
函館
福島
中京
小倉
1角1番手
27.0%
24.9%
31.3%
17.3%
36.2%
4角1番手
59.8%
56.3%
50.4%
43.6%
55.2%
直線距離
264m
260m
295.7m
312m
291m

今度は少し違う角度から各競馬場を分析していこう。表2は5競馬場で1コーナー及び4コーナーを1番手で通過した馬の連対率を集計し、そして各競馬場の最後の直線距離を示したものだ。ローカルの競馬場は最後の直線距離が短く、4コーナーを通過する前に各馬が仕掛けるため、逃げ馬と最終コーナーを先頭で通過する馬が一致しないことは稀にある。表2によると、4コーナーを1番手で通過した馬の連対率が最もいいコースは59.8%を示した札幌ダ1700m。続くのは函館ダ1700m。表1によると両コースとも逃げ馬の連対率が高い競馬場ではないのだが、最後の直線では最も前にいなければいけない競馬場であることが言える。その理由の一つは単純に競馬場の構造の問題。札幌と函館は、ローカルの中でも特に最後の直線が短いので、どうしても「早め先頭→そのまま押し切り」という競馬スタイルが確立されやすい。
その意味では最後の直線距離が312mと5競馬場の中で一番長い中京は、逃げ馬にとって厳しいのは当然。4コーナー1番手の連対率も唯一、50%を切っている。直線距離は小倉と約20mしか違わないのだが、連対率は11.6%も差がある。
表1で逃げの連対率の方が高かった福島と小倉は、最後の直線の長さがほぼ同じ。よって、同じような傾向になるのも納得である。

 

【結論】

逃げの連対率はトップ、そして札幌を抑えて逃げ+先行の連対率でもトップの数字をマークした小倉は、5競馬場の中で最も先行力が問われるコースの一つだろう。ただし、最後の直線距離が要因で4コーナー1番手の馬の連対率は札幌、函館に次いで3位。トップの札幌との差は4.6%と、逃げ+先行の連対率よりも差が大きい。よって、先行力の必要性としては、小倉と札幌は甲乙つけ難い。
5競馬場で最もダートの直線距離が短い函館は、集計した数字を総合的に判断して3位。福島は逃げの連対率は2位だが、4コーナー1番手の馬の連対率が、直線距離が近い小倉と比べて劣るので4位。残るは5位の中京。数字的にも他場とかなり差があり、ローカルの中では異色の特徴を持つ競馬場。道中ジックリ構えてマクル競馬ができ、差し脚も十分活かせるコースだ。
前目で勝負、つまり先行力がより必要なのは、札幌=小倉>函館>福島>中京の順番と考えてみたい。

ライタープロフィール

小田原智大(おだわら ともひろ)

1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。
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