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第32回 新潟芝1000mの定説を探る

2005/8/17(水)

JRAで唯一、一直線のコースでレースが行なわれるのが新潟芝1000m。2001年夏に新潟競馬場が新装オープンされて以来、「新潟芝1000mは外枠有利」というのが定説となっているが、果たして本当にそうなのだろうか?

新潟の名物レースといえば芝1000m。直線のみの激しい叩き合いは、他にはない光景。今週末は、同コースで重賞のアイビスサマーダッシュが行なわれる。同コースの予想をする上で、大きな鍵を握るのが枠順。スタート直後から大半の馬が外ラチ沿いに殺到するシーンが多いことからも、「新潟芝1000mは外枠有利」という認識が競馬界の常識になっている。そこで、過去のデータを基に、その点を検証していきたい。

データは、2001年以降の3歳以上500万クラス以上の全レースを参考。調査については、JRA-VAN Data Lab.Target frontier JVを利用した。

 

■表1 新潟芝1000mの枠順別成績(2001年〜2005年8月7日 ※3歳以上500万クラス以上)
 
1着
2着
3着
着外
合計
勝率
連対率
複勝率
単回収率
複回収率
1枠
1
4
3
101
109
0.9%
4.6%
7.3%
1%
20%
2枠
1
7
6
101
115
0.9%
7.0%
12.2%
3%
76%
3枠
3
10
10
92
115
2.6%
11.3%
20.0%
10%
62%
4枠
8
5
7
100
120
6.7%
10.8%
16.7%
76%
69%
5枠
10
12
6
97
125
8.0%
17.6%
22.4%
35%
83%
6枠
8
11
5
104
128
6.3%
14.8%
18.8%
33%
48%
7枠
15
11
11
112
149
10.1%
17.4%
24.8%
211%
114%
8枠
20
7
18
107
152
13.2%
17.8%
29.6%
125%
149%

表1は2001年以降の新潟芝1000mの枠順別の成績(3歳以上500万クラス以上)を集計したものである。確かに一般的に言われているように大外の8枠の成績が最も良く、勝率・連対率・複勝率すべてにおいてトップの数字をマークしている。しかし、連対率で見ると、2位の5枠との差はわずか0.2%。7枠の成績もいいが、外目の枠の成績だけが突出していいというわけではない。むしろ、1枠と2枠だけがガクンと成績が落ちているのが目立つ。よって、勝率・連対率・複勝率ベースで見た場合は、新潟芝1000mは外枠が有利と言うよりも「内枠が不利」と言った方がいいかもしれない。

しかしながら、「外枠有利」という格言も決して間違っているとは言えない。それは表1の回収率ベースの成績を見ればわかる。7枠と8枠の単・複の回収率はともに100%オーバーと、他の枠に比べ群を抜いた数字。単純に外目の枠を引いた全馬の単勝・複勝を買い続けていれば儲かるという意味だ。それは極端な話で実際の馬券作戦としては成り立ちにくいが、それだけ7枠と8枠の穴馬が激走しやすいということ。新潟芝1000mの特徴を良く表わしているデータである。

 

■表2 新潟芝1000mの脚質別成績(2001年〜2005年8月7日 ※3歳以上500万クラス以上)
1着
2着
3着
着外
合計
勝率
連対率
複勝率
逃げ
21
19
14
74
128
16.4%
31.3%
42.2%
先行
18
24
11
133
186
9.7%
22.6%
28.5%
中団
17
20
28
339
404
4.2%
9.2%
16.1%
後方
10
4
13
266
293
3.4%
4.8%
9.2%

 

■表3 新潟芝1000mの枠順別脚質連対率
(2001年〜2005年8月7日 ※3歳以上500万クラス以上)
1枠
2枠
3枠
4枠
5枠
6枠
7枠
8枠
逃げ
11.8%
18.2%
36.4%
35.7%
29.4%
45.0%
43.8%
27.3%
先行
5.3%
15.4%
17.4%
25.0%
43.5%
22.2%
30.0%
19.4%
中団
5.3%
4.4%
10.0%
4.5%
6.1%
8.5%
10.2%
17.9%
後方
6.5%
0.0%
0.0%
4.3%
11.4%
3.2%
9.3%
9.4%

次にもう一つ、新潟芝1000mの本質を探るデータをご紹介しよう。表2は新潟芝1000mの脚質別成績を集計したもの。そして、表3は同コースの枠順別脚質連対率を集計したものだ。

基本的に短距離戦は、新潟芝1000mに限らず前で競馬ができる馬の方が有利。逃げ・先行馬が良績を収めているのが普通だ。新潟芝1000mは先手必勝で、勝率・連対率・複勝率ともに逃げ馬の成績が一番いい。ただし、この数字自体は特筆すべきものではない。逃げ馬の成績が抜群にいいわけではなく、他場のスプリント戦(1000〜1200m)にはもっと特徴的な(逃げ馬有利)のコースがある。

そこで、注目したいのは表3のデータ。枠順別の脚質連対率を見ると面白いことがわかる。表1で成績が良かった8枠は、逃げ馬の連対率はそれほど高くない。一方で、中団からの差し馬の連対率が優秀で、表2の中団(の連対率)9.2%に比べて大きく上回っている。7枠、6枠は全体の平均にならった傾向。逃げ・先行馬が圧倒的に強い。そして、特徴的なのが5枠の成績。先行馬の連対率がトップで43.5%をマークしている。

これはあくまでも推測だが、5枠がこのような結果になる理由は、なんとなくわかる。同コースのレースの特徴として、スタート直後から外ラチめがけてダッシュを利かせる馬が多いが、5枠あたりは枠順的にテンに行きやすい外目の枠の馬を制して強引にハナを切るよりも、外の逃げ馬を見ながら好位に位置し、ジワジワ内ラチ沿いにコース取りをした方が競馬はしやすいのではないだろうか。右隣の6、7枠は逃げ馬の連対率が高いので、自然とそのような形になる可能性が高そうだ。4枠、3枠は逃げ馬の連対率は平均以上。テンが速い馬ならば、それほど大きな枠順の不利は受けないようだ。2枠、1枠も逃げられないと厳しいが、そもそも全般的に成績が悪い。過去のアイビスサマーダッシュでは2回(01年1着メジロダーリング、03年3着トーセンオリオン)2枠の馬が馬券圏内に入っているが、内枠(特に多頭数)は不利であることは否めない。

 

【結論】

「外枠が有利」と定説化されている新潟芝1000mだが、勝率・連対率・複勝率ベースで見ると、そうとも言えない。外枠だけが突出していい成績を収めているわけではないからだ。むしろ、「内枠(1枠、2枠)が不利」と言った方がいいだろう。ただし、回収率ベースで見た場合は、外枠(7枠、8枠)が抜群の成績を残している。人気薄の馬の激走は外枠の馬であることが多い。そういう意味では、新潟芝1000mはやはり外枠が狙い目のコースと言える。

特に8枠は中団からの差し・追い込み馬も健闘。逃げ・先行馬だけでなく、幅広い脚質の馬に好走の可能性を探る必要がある。6、7枠は逃げ馬の連対率が高く、5枠は逃げ馬よりも先行馬の方が連対率が高い。5枠は表1での成績もマズマズで注意が必要。真ん中目の枠からジワっと先行できる馬の好走をイメージできるようにしたい。4枠、3枠は先行力がある強い馬ならば、それほど割引は必要なさそう。2枠、1枠はハッキリ不利と言える。

ライタープロフィール

小田原智大(おだわら ともひろ)

1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。
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