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第19回 同一厩舎が同じレースに競走馬を多頭出しした場合を考察する。

2005/5/14(土)

よく同じ厩舎の競走馬が同じレースに2頭以上出走するケースを見かける。単に偶然かもしれないが、何か調教師の作戦じみた思惑を感じないこともない。そこで今回は過去のデータを元に、同一厩舎多頭出しについて考察してみたいと思う。

よく同じ厩舎の競走馬が同じレースに2頭以上出走するケースを見かける。今週のレース(5月14日・15日)で見てみても土曜に7レース、日曜に18レース同一厩舎の多頭出しがある。今週のメインレースの一つ京王杯スプリングカップGⅡにも藤沢調教師の管理馬が2頭出走する。単に偶然かもしれないが、何か調教師の作戦じみた思惑を感じないこともない。というのも、最近私はPSP(プレイステーションポータブル)のダービータイムという馬主ゲームをやっているのだが、どうしてもほしいタイトルや賞金は多頭数出走させてでもいただくという作戦を立てたりしている(片方が大きく逃げてハイペースを作り出し、本命の差し馬で仕留めるとかとか)。全てとは言わないがこれに似た思惑もあるのではないか?

そこで今回は過去のデータを元に、同一厩舎多頭出しについて考察してみたいと思う。
なお、集計にはJRA-VAN DataLab.TARGET frontier JVを利用する。

まず、現在(2005年5月13日)から2000年までさかのぼってこの期間にあったレースは全部で18,522レース、このうち同一厩舎多頭出しがあったレースは5,288レースあった。
実に3割弱のレースが同一厩舎多頭出しなのだということがわかった。正直レースの多さに驚いた。普段出馬表を見ているときはそれほど意識していなかったので、こんなに頻繁にあることだとは思っていなかった。
確かに一部のレースでは仮定した思惑もあるかもしれないが、これほどの量の同一厩舎多頭出しレースがあっては、思惑のあるケースも埋もれてしまいデータには現れない可能性もある。しかしやって見なければわからない。分析を進めてみよう。

この期間(2005年5月13日〜2000年1月5日)の調教師の勝率・連対率・複勝率と、同一厩舎多頭出しがあった5,288レースでの勝率・連対率・複勝率、更には多頭だしした競走馬のうち人気が有る方の競走馬が本命と仮定してそのレースで人気が上位だった方の競走馬での勝率・連対率・複勝率を集計し比較してみる。

■表1:調教師の勝率表
上段:2005年5月13日〜2000年1月5日での成績
中段:2005年5月13日〜2000年1月5日における多頭出ししたレースでの成績(2頭出していればどちらか片方が1着となっても勝率は50%となり2頭とも連対すれば連対率100%となる。)
下段:2005年5月13日〜2000年1月5日における多頭出ししたレースでの人気上位馬での成績(2頭出していても、そのうち上位人気の方の競走馬が1着となれば勝率は100%)

順位
調教師名
勝率
連対率
複勝率
平均着順
平均人気
1
藤沢和雄 20.9 35.7 44.7 5.2 3.3
13.9 23.6 31.3 6.6 5.3
27.9 40.7 47.7 4.8 2.2
2
森秀行  12.8 24.5 32.9 6.3 5.2
5.2 15.1 25.6 6.9 6.6
9.7 23.6 37.5 5.3 3.7
3
山内研二 12.8 23.0 31.2 6.5 5.6
11.3 21.0 26.6 6.7 6.8
17.0 34.0 43.4 5.7 4.0
4
伊藤雄二 18.5 30.0 40.9 5.5 3.7
23.5 35.3 35.3 5.6 4.6
53.3 66.7 66.7 3.1 1.9
5
池江泰郎 14.3 24.9 34.9 6.0 4.9
7.7 14.4 28.8 7.3 6.6
16.7 21.4 33.3 5.9 3.7
6
瀬戸口勉 10.9 18.5 27.4 7.0 6.3
8.8 15.1 22.0 8.2 7.5
15.5 26.8 35.2 6.3 4.4
7
大久保洋 11.0 20.0 29.4 6.8 6.6
9.5 20.3 23.0 7.4 7.6
20.0 40.0 43.3 5.1 3.6
8
橋口弘次 12.4 25.7 35.7 6.2 5.3
7.9 17.8 26.3 6.8 6.7
15.1 30.2 47.2 4.9 2.9
9
松山康久 12.8 22.6 32.5 6.5 4.8
13.2 23.7 32.9 6.9 5.6
25.7 42.9 57.1 4.6 3.0
10
萩原清  13.0 24.0 31.5 6.5 6.0
9.3 24.0 32.0 7.0 7.0
18.8 43.8 56.3 4.3 3.7
11
河野通文 13.3 24.0 33.0 6.6 5.5
8.1 17.6 24.3 7.6 6.8
16.1 29.0 38.7 6.2 3.3
12
小島太  10.0 19.2 27.9 6.9 5.6
2.6 7.7 23.1 7.9 6.4
5.6 5.6 27.8 5.9 4.1
13
二ノ宮敬 11.7 23.1 32.9 6.4 5.3
9.2 18.5 23.1 7.6 7.4
20.8 41.7 50.0 5.0 4.0
14
音無秀孝 12.9 22.8 31.9 6.3 6.2
6.8 15.9 20.5 7.9 7.8
5.3 21.1 26.3 7.3 4.6
15
松田国英 15.4 25.7 35.9 6.2 5.0
12.8 20.5 25.6 7.8 7.2
35.7 50.0 57.1 4.6 2.8
16
国枝栄  11.7 22.4 31.0 6.6 6.0
11.1 19.0 22.2 8.0 6.3
13.8 24.1 27.6 7.3 3.2
17
石坂正  12.9 22.8 31.5 6.4 5.7
8.0 18.7 26.7 7.7 7.0
18.8 37.5 46.9 4.9 3.8
18
北橋修二 10.5 20.5 30.1 6.5 6.1
8.8 16.3 25.0 7.0 7.3
18.8 31.3 40.6 5.2 3.8
19
坂口正則 9.9 20.3 28.3 6.9 6.1
5.2 11.9 22.4 7.5 7.4
12.1 22.4 37.9 6.0 4.4
20
坂口正大 11.0 21.0 31.4 6.4 5.7
9.8 17.6 19.6 7.3 7.5
20.0 30.0 35.0 5.0 3.5
※ 順位は集計期間における1着回数の多い順となっている。
※ 下段の上位人気馬の集計について、同じレースに多頭出ししている調教師が2人以上あった場合は、それぞれの上位人気馬なのではなく、そのレースの中で上位人気馬を持っている調教師でのみ集計している。(TARGETの絞り込みの仕様上)

この表をどう解釈するかはむずかしく悩むところである。そもそも中段の多頭出しでの勝率が下がっているのは、1レースに複数競走馬を出していて、そのうち良くても1着となれるのは1頭のみで必ず片方は1着にはなれない。ゆえに集計すると結果は悪くなってしまい中段の結果は余り参考にはならない。注目したいのは下段の結果だ。
下段の結果は多頭出しの場合でも、そのなかの上位人気馬1頭に絞って勝率を出したものであるため、前途のような致命的な集計上の不利はない。上手くすれば上段の結果との比較ができそうだ。そこで単純に上段と下段の結果を比較すると、勝率・連対率もと格段に下段の結果は上昇している。しかし下段の結果は上位人気馬に絞ってしまったことで、平均人気も上昇しており、やはりそのまま勝率や連対率といった数値を比較することはできない。
そこで、この下段の勝率・連対率の上昇が平均人気の上昇に見合うものなのか、そうでないのか、または平均人気の上昇以上のものなのかが判定できれは、多頭出しが有利か否かを比べることができるのではないか。

・・・・・とここまで考察してみたのだが、このことを解決するいい方法がこの原稿の入稿までには思いつかなかった。(申し訳ない。)

例えば、藤沢調教師を見てみると上段は平均3.3番人気で勝率が20.9%、連対率が35.7%
下段は平均2.2番人気で勝率が27.9%、連対率が40.7%ということがわかる。
感覚的には多頭出しの場合の上位人気馬は若干高成績に見えるが、どうしたものか。
この続きは皆さんにも考えていただき、お知恵を拝借願いたい。何かいい検証方法があればご意見くださると助かります。次回以降のデータde出〜たで検証してみたいと思います。

まだまだこの多頭出しについても重賞レースだけに絞ればどうか?とか、関西馬が関東のレースに多頭出しの場合はどうか?等、分析してみると面白いかもしれません。
こういったデータ分析は面白いなぁと思っていただければ幸いです。

担当:藤倉祐樹

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