ドバイワールドカップ特集

 

これが世界だ!立ちはだかるライバルたち

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果たしてラモンティは姿を現すか。(2007年香港C photo by Kazuhiro Kuramoto)

ドバイDF

気になるラモンティの動向、回避なら日本勢の勝機拡大

芝中距離における日本馬の実力は今や世界レベル。柔道日本一が即、世界一への切符となるように、日本の中距離戦線でトップに立った馬は、どこに出しても勝ち負けを期待できる。昨年の優勝馬(アドマイヤムーン)を輩出している事実もあり、ドバイDFは、日本馬が受けて立つ側と言っていいかもしれない。

最大のライバルになると見られていたのは、ゴドルフィン軍団のラモンティ(Ramonti/牡6)だが、後肢に負った感染症の回復が思わしくなく、出走に踏み切るか微妙な状況となっている。昨年のラモンティはロイヤル・アスコット開催のクイーン・アンS、サセックスSを連勝。続くムーラン・ド・ロンシャン賞こそダルジナ(Darjina/牝4)の2着に敗れたものの、クイーン・エリザベス2世Sで巻き返し、マイルGIを3勝の素晴らしい成績でヨーロッパのシーズンを終える。そしてさらに、香港へ飛んで香港C(2000m)も快勝。日本のシャドウゲイトには4馬身の差をつけた。まともなら怖い相手だが、やはり中間の一頓挫は痛い。万全でなければ、日本馬の敵にはならないか。

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当地7戦4勝でコース実績なら負けないリンガリ。(2007年ドバイDF photo by Kazuhiro Kuramoto)

実はこのラモンティ、他に出走を予定している馬と直接対決した機会が多く、能力比較をするうえで丁度良い物差しになる。

その中でも、日本馬が最も警戒すべきはダルジナだろう。ムーラン・ド・ロンシャン賞でラモンティを下したのは先述の通りだが、集ったメンバーのGIタイトルは延べ11を数え、昨年のヨーロッパ・マイル戦線でも最高のレースと評価された。そんなレースを2馬身差で勝ったのだから、能力は推して知るべし。次戦のクイーン・エリザベス2世Sは重馬場の影響もあって最下位に敗れ、ラモンティに雪辱されたが、暮れの香港マイルで3着と立て直した。この時、2006年の安田記念でダイワメジャーをクビ差抑えて3着になったこともあるジョイフルウィナー(Joyful Winner)には、4馬身余り先着している。軽い馬場向きという特性は日本馬に似ており、ヨーロッパほど重くないドバイの芝は合いそう。「近年最高の3歳牝馬」と称されたフランス1000ギニー馬と、同じ年に生まれ、64年ぶりに牝馬で日本ダービーを制したウオッカのガチンコ勝負は見ものだ。

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ブリッシュラックには日本勢にない経験という武器がある。(2006年安田記念 photo by Kazuhiro Kuramoto)

昨年のドバイDFでアドマイヤムーンの半馬身差2着に迫ったリンガリ(Linngari/牡6)もスタンバイ。アドマイヤムーンには1頭になると気を抜く癖があるため、内容的には着差以上の完敗だったが、その一方で、ダイワメジャーには4馬身1/4差も先着したように、実力は侮れない。このリンガリもムーラン・ド・ロンシャン賞に出走し、ラモンティから2馬身、ダルジナからは4馬身差の4着だった。ラモンティとはダンスインザムードが出走した2006年の香港マイルでも直接対決しており、当時も1馬身以内とはいえ負けている。2度の直接対決でともに敗れており、実力的には1枚落ちる感じだ。ちなみに、何かと日本と縁があるようで、同年の夏には武豊騎手を背にモーリス・ド・ゲスト賞(芝1300m)にも出走。6着に終わっている。

日本との縁といえば、2006年の安田記念を制した香港のブリッシュラック(Bullish Luck/せん9)も出走の意思がある模様。昨年はドバイWCに挑戦して3着。ヴァーミリアンには5馬身余り先着した。あながち畑違いとも思えない健闘だったが、さすがに相手が強いと見たか、今年は得意の芝中距離に戻って2度目のドバイDF挑戦を選択したようだ。前回の2006年は勝ち馬から7馬身近く離された5着だったが、安田記念では前年の4着からステップアップしたように、経験が糧になるタイプ。3度目のドバイ遠征となる今回、さらに上となると勝ち負けしかない。はや9歳だが、なかなか意気軒昂なところを見せており、2走前の地元戦では馬群を一気に突き破って安田記念以来の勝ち星をマーク。前走は昨年の香港Cでラモンティと激闘を演じたヴィヴァパタカ(Viva Pataca)から2馬身3/4差の3着に食い下がっている。老兵と言えど侮れない。

この他では、3月1日にオーストラリアで行われたアジア・マイル・チャレンジ第1戦のフューチュリティSを制したニコネロ(Niconero/せん6)。第2戦のドバイDFを勝てば、レース賞金の他に100万ドルのボーナスも獲得できる。1レース勝つだけで、都合400万ドルを手にできるのだからモチベーションは高い。近年は日本の競走馬とレベルが開き加減だったオセアニア地域だが、2006年のスプリンターズSを圧勝したテイクオーバーターゲットの例もあり油断は禁物。