歴代優勝馬


【96年エリシオ】

●飛躍への契機

 凱旋門賞では、時に、競走馬ではなくジョッキーが主役となることがある。

 いまや日本の競馬に、いや世界中のビッグレースに欠くことのできない存在となったフランスのオリビエ・ペリエ騎手が、印象的な騎乗で初めて凱旋門賞を制した際のパートナーが、後に日本で種牡馬生活を送ることになるエリシオである。
 3歳3月のデビューから5月のリュパン賞(G1)まで3連勝を飾り、いわば「遅れてきた大物」として1番人気で仏ダービー(G1)に臨んだエリシオ。だが鞍上ブフ騎手との折り合いを欠き、ダービーでは5着に敗れてしまう。次戦のサンクルー大賞(G1)からペリエ騎手にバトンタッチすることになるのだが、ここからエリシオとペリエの快進撃は始まった。

 初のコンビ結成となったサンクルー大賞でコロネーションC(G1)勝ち馬スウェインを破ったエリシオ&ペリエは、続くニエル賞(G2)も快勝。通算6戦5勝の成績を引っ提げて、1番人気で凱旋門賞へと挑んだ。
 何頭かがスタートで後手を踏み、逃げると目されていた馬も控えたため、ハナに立つことになったエリシオ。が、ペリエはそのまま手綱を締めることなく、スウェイン、英ダービー馬シャーミット、愛ダービー馬ザグレブなどを引き連れて、最後の直線でも逃げに逃げる。最後は2着ピルサドスキーを5馬身も突き放しての圧勝。ペリエ騎手がゴールよりも遥か手前で早くも立ち上がり、左手を突き上げるほどの完璧な勝利を収めたのである。

 

 エリシオとペリエ騎手はこのレースの後、ジャパンC(G1)にも参戦してシングスピールの3着に敗れるのだが、エリシオはこの年の全欧年度代表馬に選ばれ、ペリエ騎手は初のフランス・リーディングジョッキーに輝くことになる。
 さらにエリシオは、翌1997年、ガネー賞(G1)とサンクルー大賞を連勝。またペリエ騎手はパントレセレブルに乗って凱旋門賞連覇を成し遂げると、次の1998年にはサガミックスで3連覇を達成してしまう。

 1つの出会いが競走馬と騎手の運命を大きく変えた、1996年。この年は、エリシオとペリエ騎手の両者にとって忘れえぬ飛躍の年となったのである。またエリシオは種牡馬として日本へ、ペリエ騎手も実質日本を主戦場とし、両者ともわが国で活躍していることも、あるいは運命なのかも知れない。

 
凱旋門賞の過去
凱旋門賞の現在

歴代優勝馬

86年ダンシングブレーヴ
88年トニービン
95年ラムタラ
96年エリシオ
05年ハリケーンラン

 

■1996年凱旋門賞
着順 馬名 性齢 タイム(着差) 騎手 斤量 厩舎 前走成績
1 エリシオ 牡3 2.29.9 O.ペリエ 56 仏・ルルーシュ ニエル賞1着
2 ピルサドスキー 牡4 5馬身 W.スウィンバーン 59.5 英・スタウト バーデン大賞1着
3 オスカーシンドラー 牡4 短首 C.アスムッセン 59.5

英・ブレンダーガストス

愛セントレジャー 1着

 

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