歴代優勝馬


【95年ラムタラ】

●奇跡の馬

 神の子と呼ばれた馬がいる。誰にも成し得なかった偉業を達成した奇跡の馬。「見えぬほど速い」という名前を授けられた馬。
 それがラムタラである。
 父は2000ギニー、ダービー、セントレジャーの英三冠制覇を無敗のまま達成したニジンスキー。母は英オークス馬スノーブライド、その父はフランスで5つのG1を制したブラッシンググルーム。ピカピカの血を受け継いで、母と同じく大馬主シェイク・モハメドの持ち馬として走ることとなったラムタラ。その生涯は苦難と栄光に彩られる。

 デビュー戦は英ニューベリーのワシントンシンガーS。ここを快勝で通過するものの、直後に調教師が射殺され、急遽サイード・ビン・スルール調教師のもとへ移籍。
 さらに3歳になってからは肺の病に冒され、なんとか英ダービー(G1)には間に合ったもののデビュー戦以来10か月ぶりのぶっつけで挑むことになる。
 もちろん評価は低かったが、英2000ギニー(G1)勝ち馬ペニカンプ、愛2000ギニー(G1)のスペクトラムらを破り、エプソムにおけるダービーレコードを59年ぶりに、しかも1秒以上も更新する2分32秒31のタイムで優勝してしまうのだ。
 続くキングジョージ(G1)では、ペンタイアとぶつかり合うほどの死闘を制して3連勝を達成。いよいよ世界最強の座を賭けて凱旋門賞へと乗り込む。ここでは初めて経験するSOFT(不良)の馬場が待っていた。

 

 ひとことでいえば、強かった。2番手追走から馬なりのままで先頭に立つと、いったんは交わされたかに見えたフリーダムクライを差し返しての優勝。もっとも権威のある英ダービー、キングジョージ、凱旋門賞の欧州三冠を、ミルリーフ以来24年ぶりに、しかも無敗のまま、たった4戦のキャリアで成し遂げてしまったのである。

 この一戦を最後に引退したラムタラは、翌年には日本の競馬史上最高額となる3000万ドルでわが国に輸入されることになる。が、種牡馬成績はふるわず、富士S(G3)を勝ったメイショウラムセスや阪神ジャンプS(JG3)のミレニアムスズカを除いては、さしたる活躍馬を出せず、英国に買い戻されることになった。
 苦難を乗り越えて必ず栄光へとたどり着く奇跡の馬だから、種牡馬としても復活してくれることを期待したいものである。

 
・凱旋門賞の過去
凱旋門賞の現在

歴代優勝馬

86年ダンシングブレーヴ
88年トニービン
95年ラムタラ
96年エリシオ
05年ハリケーンラン

 

■1995年凱旋門賞
着順 馬名 性齢 タイム(着差) 騎手 斤量 厩舎 前走成績
1 ラムタラ 牡3 2.31.8 L.デットーリ 56 UAE・スルール キングジョージVI
 &QEDS1着
2 フリーダムクライ 牡4 3/4馬身 O.ペリエ 59.5 仏・ファーブル チャンピオンS2着
3 スウェイン 牡3 2馬身 M.キネーン 56 仏・ファーブル ドーヴィル大賞1着

 

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