歴代優勝馬


【88年トニービン】

●苦闘の果てに頂点へ

 苦闘を経て、やがて頂点へ。そんな生涯をおくるのも凱旋門賞馬の1つのスタイル。日本でもなじみの深いトニービンが、そうしたタイプの馬だった。

 アイルランドで生まれ、1985年の2歳時にイタリアでデビューしたトニービンは、伊グランクリテリウム3着、伊ダービー4着、イタリア大賞3着、ジョッキークラブ大賞2着など、3歳まではG1で勝ち切れない脇役にすぎなかった。が、4歳になって飛躍を果たし、共和国大統領賞(G1)とミラノ大賞典(G1)を含む4連勝を成し遂げるまでになる。
 本格化を果たしたかに思えたトニービンだったが、次に待っていたのは世界を相手にした苦闘だ。果敢に仏英のビッグレースに挑んだものの、フランスのサンクルー大賞(G1)ではムーンマッドネスの2着、イギリスではキングジョージ(G1)でレファレンスポイントの5着、凱旋門賞はトランポリノの2着。5歳時のキングジョージもムトトの3着に敗れている。またも“勝ち切れない”生活へと逆戻り、である。
 この間、地元イタリアでは共和国大統領賞とミラノ大賞典の連覇などを果たしているのだから、決して弱いわけではなかった。ただ相手が強かったのだ。

 

 意を決し、2度目の凱旋門賞挑戦となった1988年はイタリアG3からの連闘で臨んだトニービン。これが功を奏したのか、ようやく欧州の頂点へとたどり着くことになる。
 最後の直線、後方から差し脚を伸ばして一気に先頭に立つと、1番人気ムトトの追撃をクビ差封じて1着ゴール。英愛ダービーを制したカヤージ、英愛オークス馬ディミヌエンドらも封じ込める、立派な勝利だった。
 この年、トニービンはジャパンC(G1)にも出走、ペイザバトラー、タマモクロス、オグリキャップによる激闘の5着となり、現役を引退、日本で種牡馬入りすることになる。

 その後の種牡馬としての活躍は枚挙にいとまがない。ウイニングチケットとジャングルポケットという2頭の日本ダービー馬、桜花賞とオークスの二冠を制したベガ、オークスと天皇賞(秋)を勝った最強牝馬エアグルーヴ、マイルの女傑ノースフライトなど数多くのステークスウィナーを輩出し、1993年にはリーディングサイヤーに輝く。種牡馬としては苦闘を経験せず、その資質を余すところなく発揮したのである。

 

 
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05年ハリケーンラン
■1988年凱旋門賞
着順 馬名 性齢 タイム(着差) 騎手 斤量 厩舎 前走成績
1 トニービン 牡5 2.37.3 J.リード 59 伊・カミーチ フェデリコ・
  テシオ賞1着
2 ムトト 牡5 クビ M.ロバーツ 59 英・スチュワート セレクトS1着
3 ボヤティノ 牡4 1馬身 M.フィリペロン 59 仏・レスボルデ バーデン大賞3着

 

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