歴代優勝馬


【86年ダンシングブレーヴ】

●その末脚は伝説となった

   なぜ凱旋門賞馬だけに“世界最強”の称号は与えられるのか? なぜなら凱旋門賞が、強い馬が強いライバルたちを強い走りで打ち負かす、そんなレースであるからだ。
 その証(あかし)ともいえる存在がダンシングブレーヴである。
 ジャックルマロワ賞などを制した名マイラー・リファールの子として生まれたダンシングブレーヴは、自身もまたデビュー戦から英2000ギニー(G1)まで8ハロン戦ばかりを走り、4連勝を飾って英ダービー(G1)へと乗り込むことになった。
 距離不安から敗戦を予言する声もあり、また実際に2着に敗れたのだが、ダンシングブレーヴの強さだけが際立つダービーだった。
 後方待機・直線勝負に賭けたダンシングブレーヴは、エプソム競馬場名物の最後の上り坂を一気に駆け上がっていく。粘るシャーラスタニを、およそ届きそうもない位置から半馬身差まで追い詰めたところがゴール。勝ったシャーラスタニよりも、ダンシングブレーヴの驚異的な追い込みが語り継がれるレースとなったのである。

 

 この一戦で距離不安を拭い去ったダンシングブレーヴは、以後、中長距離路線を歩み、エクリプスS(G1)、キングジョージ(G1)、セレクトS(G3)と連勝。そして迎えたのが1986年の凱旋門賞だ。
 集ったのは、仏ダービー馬ベーリング、G1 2勝の「鉄の女」トリプティク、シャーラスタニ、独ダービー馬アカテナンゴ、日本ダービー馬シリウスシンボリ……。史上最強ともいわれるこのメンバーを、ダンシングブレーヴはまさに“強い走り”で一蹴してみせる。
 ゴールまで200m。各馬が横に広がって追い比べを繰り広げる中、ダンシングブレーヴはまだ後方。しかし残り100m、伝家の宝刀が遂に抜かれる。大外から瞬く間に先行馬たちを交わし去ると、2分27秒7のレコードタイムで勝利を手にするダンシングブレーヴ。ゴールの瞬間に伝説が生まれた、それほどまでに鮮やかな追い込みだった。

 この後、米BCターフ(G1)4着を最後に10戦8勝の成績で引退したダンシングブレーヴは、マリー病という奇病と戦いながらも、欧州では英愛のダービーを制したコマンダーインチーフや伊ダービー馬ホワイトマズルを、日本でもキングヘイローやキョウエイマーチらを輩出し、種牡馬としても一流であることを示したのである。

 
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86年ダンシングブレーヴ
88年トニービン
95年ラムタラ
96年エリシオ
05年ハリケーンラン

 

■1986年凱旋門賞

着順 馬名 性齢 タイム(着差) 騎手 斤量 厩舎 前走成績
1 ダンシングブレーヴ 牡3 2.27.7 P.エデリー 56 英・ハーウッド セレクトS1着
2 ベーリング 牡3 1馬身1/2 G.ムーア 56 仏・ヘッド ニエル賞1着
3 トリプティク 牝4 1/2 A.コルデロJr 57.5 仏・
  ビアンコーヌ
チャンピオンS
  3着

 

 

 

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