凱旋門賞の現在

 

●前走ニエル賞の3歳馬が圧倒

  欧州の中長距離路線の総決算と位置づけられる凱旋門賞は、ヨーロッパのみらならず世界中のホースマンが憧れる究極の舞台。7月にイギリスのアスコット競馬場で行われるキングジョージ6世&クイーンエリザベスSと並び、クラシックディスタンスの世界最強馬が集結する。しかしながら、凱旋門賞の総賞金自体は決して高くない。世界最高の賞金がかかっているのは、UAE(アラブ首長国連邦)のドバイワールドカップであり、凱旋門賞は日本のジャパンカップよりもはるかに下回る。それでも遠く離れた日本からも参戦が止まないのは、お金ではかえられない名誉・知名度があるからだ。リスクを冒してまでチャレンジしようという意欲を掻き立てられる魅惑のレースなのである。

  芝2400mで行われる凱旋門賞は、一応中長距離路線にカテゴリーされるが、実際にはクラシックディスタンスを最も得意とする馬の参戦が多く、そして強い。ステップレースとして位置付けられるレースも芝2400mが主流となっている。特に凱旋門賞と全く同じロンシャンの芝2400mで行われるフォワ賞(G2)、ニエル賞(G2)、ヴェルメイユ賞(G1)が最重要ステップレース。この3つのレースはそれぞれ出走馬の条件が異なり、フォワ賞は4歳以上の古馬、ニエル賞は3歳の牡馬、ヴェルメイユ賞は3歳以上の牝馬が主に使う。その他では、同じフランスのドーヴィル大賞典(G2・芝2500m)、ドイツのバーデン大賞(G1・芝2400m)を経ての参戦もある。別のカテゴリーで有力なのは、3000m超の長距離路線よりも中距離路線。芝2000mを中心とする欧州の中距離路線は、競走馬の層が厚く、レースレベルも大変に高い。アイルランドのレパーズタウン競馬場で行われる愛チャンピオンS(G1・10ハロン)からの参戦馬も侮れない。

 

 もちろん、他のヨーロッパや北米、アジアからの参戦もあるが、好ステップと言えるのが先に述べたロンシャンの芝2400mで行われるレース。中でも近年はニエル賞が断トツの好相性。過去10年、同年のニエル賞の連対馬(主に優勝馬だが)が7勝と圧倒的な強さを誇っている。直前に全く同じコースのレースを経験できるというだけで大きなアドバンテージだが、この要因は負担斤量によるところが大きい。凱旋門賞の負担斤量は3歳牡馬が56キロ、3歳牝馬が54.5キロ、4歳以上の牡馬は59.5キロ、4歳以上の牝馬は58キロ。3歳馬と古馬の斤量差が実に3.5キロあるのだ。レースの施行時期がまだ10月の頭とはいえ、この差はいかにも大きい。10月末に行われる日本の天皇賞(秋)での3歳馬と古馬の斤量差は2キロだ。

  古馬の中でも4歳馬は、この頃充実期を迎えるのが一般的だが、3歳馬も成長著しい時期。古馬との経験という意味では、上半期のキングジョージ6世&クイーンエリザベスSで、3歳馬がすでに古馬のトップクラスと戦う習慣があることも大きいと言えるのではないだろうか。

■過去10年の凱旋門賞好走馬の前走成績
着順 馬名 前走成績
96年 1 エリシオ ニエル賞1着
2 ピルサドスキー バーデン大賞1着
3 オスカーシンドラー 愛セントレジャー1着
97年 1 パントレセレブル ニエル賞2着
2 ピルサドスキー 愛チャンピオンS1着
3 ボルジア バーデン大賞1着
98年 1 サガミックス ニエル賞1着
2 レッジェラ ヴェルメイユ賞1着
3 タイガーヒル バーデン大賞1着
99年 1 モンジュー ニエル賞1着
2 エルコンドルパサー フォア賞1着
3 クロコルージュ ニエル賞2着
00年 1 シンダー ニエル賞1着
2 エジプトバンド ヴェルメイユ賞3着
3 ヴォルヴォレッタ ヴェルメイユ賞1着
01年 1 サキー 英インターナショナルS1着
2 アクアレリスト ヴェルメイユ賞1着
3 サガシティ プランスドランジェ賞2着
02年 1 マリエンバード バーデン大賞1着
2 スラマニ ニエル賞1着
3 ハイシャパラル 愛ダービー1着
03年 1 ダラカニ ニエル賞1着
2 ムブタカー コーラルセプテンバーS1着
3 ハイシャパラル 愛チャンピオンS1着
04年 1 バゴ ニエル賞3着
2 チェリーミックス ドーヴィル大賞
3 ウィジャボード 愛オークス1着
05年 1 ハリケーンラン ニエル賞1着
2 ウェスターナー バーデン大賞3着
3 バゴ キングジョージ・&QEDS3着

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歴代優勝馬

86年ダンシングブレーヴ
88年トニービン
95年ラムタラ
96年エリシオ
05年ハリケーンラン

 

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