今年の凱旋門賞勢力図

 

●日仏の最強古馬3頭による頂上決戦

 手応えが悪く、馬群に沈んだと思わせたところから強烈な伸び脚──。今年のキングジョージ6世&クイーンエリザベスダイヤモンドS(以下、キングジョージ)で見せたハリケーンラン(牡4・仏)のパフォーマンスは、日本のファンにも強烈なインパクトを与えた。キングジョージとのダブル制覇、そして連覇を狙う同馬は、当然ながら最有力馬と目されている。しかし、大本命馬ではなくあくまでも本命馬の1頭。実力的には疑う余地がない素晴らしい馬だが、凱旋門賞を勝つことがどれほど大変か。ハリケーランにとって過酷な挑戦であることは、過去の歴史が教えてくれる。

 同じ年にキングジョージと凱旋門賞を勝つことは非常に困難で、95年のラムタラ以降達成されていない。そして、凱旋門賞の連覇のシーンはそれ以上に久しい。77年、78年に連覇したアレッジド以来、約30年の月日が過ぎている。そして、現実的なところに目を向けると、ハリケーンランは前走フォア賞で2着に敗退。あくまでも本番前の叩き台ではあるが、決して楽観できるような状況ではない。

 そのフォア賞でハリケーランを破ったのがシロッコ(牡5・仏)。4歳時にドイツから移籍し、現在はハリケーンランと同じA・ファーブル厩舎に所属している。昨年の凱旋門賞で4着に敗れた時点では、ハリケーンランと肩を並べられる存在ではなかったが、次走で大きな転機。ベルモントパーク競馬場で行われたブリーダーズカップターフを制し、一躍トップホースの仲間入りを果たしたのだ。今年に入ってからは、5月のジョッキークラブSで復帰初戦を飾ると、次走コロネーションCを制して4つめのG1タイトルを獲得。そして、秋初戦のフォア賞で好スタート切り、現在4連勝中と非常に勢いがある。上半期のキングジョージをあえて回避し、凱旋門賞へ向けて余力あるローテーションを組んでいることも不気味。前評判も高く、ハリケーンランを負かしての優勝を飾っても何ら不思議はない。

 そして、忘れてならないのは本番と密接に繋がるニエル賞の好走馬。今年はレイルリンク(牡3・仏)が勝利。同馬もA・ファーブル厩舎所属だ。例年であれば同レースの勝ち馬は、上位争い必至と予想されるが、今年は少し様相が違う。レイルリンクはクラシックに不出走だったこともあり、本当に強い相手とまだ手合わせしていない。連勝中で底を見せていないとも言えるが、今回は一気の相手強化となるだけに伏兵評価というのが現状だ。元々、今年の欧州のクラシック戦線(3歳世代)はレベルが疑問視されており、古馬優勢というのが大方の予想になっている。

 その他で注目されているのは、プライド(牝6・仏)。キャリア豊富な6歳牝馬で、前走のフォア賞では3着に敗れたが、シロッコとはわずか半馬身差。今年のサンクルー大賞ではハリケーンランを負かしており、一発の怖さがある。そして、今年のヴェルメイユ賞を2分29秒2の好時計で勝ったマンデシャ(牝3・仏)。勝つのは厳しいだろうが、瞬発力を活かせる展開になれば上位食い込みもありうる。

 前走愛チャンピオンSを制した今年の愛ダービー馬ディラントーマス(牡3・愛)は出走回避の見込み。今年のキングジョージで2着に好走したエレクトロキューショニスト(牡5・UAE)は、先日心臓発作で残念ながら死亡した。よって、今年の凱旋門賞の勢力図は、地元フランスのA・ファーブル厩舎の古馬2頭ハリケーンランとシロッコが双璧で、そこにディープインパクトが挑むという形。日仏の最強古馬3頭による頂上決戦が実現する。

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